妙子の誕生日は、純が補導されてから三日後の日曜日だった。
妙子の家(だからもちろん純の家でもあるが)で開かれたパーティーには、なかよし保育園の保母仲間が集まった。
男抜きの女だけのパーティーで、純はもっぱら食事の支度と給仕の役に徹した。それだけでも、五人の女性と身近に接することができるのだから、これ以上の幸せはなかった。
五つのナイス・バディーを間近に見ながら、純は浮かれ気分で料理し、給仕する。
ほとんど乳首までのぞけてしまいそうなほど胸の開いたシャツから、乳房の谷間を露わにした美咲。
ぴっちりしたジーンズを股間に食いこませて、ヒップをありありと見せつける千里。
一人は金色に、一人は真っ黒な、長い髪をなびかせ、ボディコンシャスな深いスリットの入ったドレスから長い脚をチラつかせる、あけみとひろみの双子姉妹。
そして対抗意識なのか、誰よりも短いミニスカートから惜しげもなく太腿を露わにした姉の妙子。それぞれの女たちの光景と、女たちが発散する匂いに、純は目も鼻も休まる暇がなかった。
女体の一部を垣間見、女体の匂いを盗み嗅ぎしているだけで、もうジーンズのなかでペニスは気張りっぱなしになっていた。
いかにもムチムチした美咲の乳房。どこまでも白くなめらかな乳肉。あんなオッパイに顔を挟みつけられ、窒息してみたい。どんなに甘い匂いがして、どんなにムチムチした感触がするのだろうか。
いかにもムチムチッと突きだした千里のお尻。まるでゴムボールのように丸く弾むような弾力に満ちみちた尻肉。あのお尻の下敷きにされて、顔を踏みつけられたら、どんなにいいだろう。
あんな美人のお尻は、きっとすべすべでムチムチで、そしてムッとするほどいい匂いに違いない。
あけみとひろみの金色と漆黒の長い髪、スリムな身体、長い脚。あんな二人の髪に顔を埋め、匂いを思いきり嗅げたら、あの長い脚で体中を挟みつけられたら、どんなに幸せだろう。
二つのスリムな女体に両側から抱きしめられ、四本の長い脚を全身に絡みつかされたら、いつ死んだっていい。
それに、姉、妙子の太腿とパンティのなか……。
純の妄想はとどまることがなかった。覗き見、盗み嗅ぎしては妄想し、妄想しては勃起させ、一人で顔を赤らめる。まるで一人で五つの女体を堪能しているような、まさに夢見心地だった。
「ねえ、純くんっていうんだっけ、妙子の弟、悪くないじゃない」
「可愛いわよ」
アルコールが入ってくるにしたがって、女の子たちの口も軽くなっていく。
「さっきからさ、美咲のオッパイ、チラッチラッと覗いて顔赤くしてんのよ。ふふふ、可愛いジャン」
「うっそォ……それよりさ、千里が立つたびに、千里のお尻、目で追ってるわよ」
「あけみ、脚なんか組んでパンチラさせて、彼の気を引こうとしてるでしょ」
純はそんな会話を小耳に挟むたびに、いよいよ顔を赤らめずにはいられない。
「ねえ、あの子、まだ童貞よ。女の裸なんて見たことないんじゃない」
「みんなでいっせいに、オッパイとオマンコなんか見せちゃったら、気絶しちゃうんじゃないかしら、ふふふ」
千里がそんな過激なことを言えば、
「そんなの可哀相よ。私がやさしく手ほどきしてあげたいな……」
美咲がかばって母性愛をひけらかせ、
「駄目よ。私たち二人でたっぷり可愛がってあげるのよ。ねえ、お姉さん」
あけみとひろみが目を潤ませて、顔を見合わせる。
「なに言ってるの、あんたたち。あんなの、ただのスケベよ」
妙子がたまりかねて言う。
「あら、スケベでいいじゃない」
「そうよ。男の子はスケベなほうがいいの」
「ねえ、妙子。独り占めしてないで、私たちにも貸してよ」
四人の女の子たちが口を揃えて言う。
「純くん、こっちにいらっしゃいよ。お姉さんたちと一緒にお話ししましょ」
「そうよそうよ」
そう言って、キッチンに引っこんで聞き耳を立てていた純を、あけみが強引に引っ張りだしてくる。
「純くん、あんたのこと、スケベだなんて言うのよ。悪いお姉さんね」
「…………」
純は耳まで真っ赤にして、立ちつくすしかなかった。
「もういい加減にしてよ! あなたたち……」
妙子が割って入る。
「どうして? 見れば見るほど可愛いじゃない」
「じゃあ、言っちゃうけどね。こいつ、本当に変態で気持ち悪いやつなんだから」
純は、姉の言葉に不吉な胸騒ぎを感じずにはいられなかった。
「ぼ、ぼく、ちょっと……」
その場から逃れようとすれば、千里とあけみが両腕を取って離さない。
「妙子、焼き餅やいてるんじゃない。それってどういうことよ」
険悪な雰囲気になってきた。
「じゃあ、教えてあげるわよ。こいつったらね……」
なぜ、それほどムキになっていたのか自分でもわからないままに、妙子は純の悪事を暴こうとしていた。
「お姉さん……」
純が哀願するような目を向ける。
「いまさらなによ。本当のことでしょう。おまえが悪いんだからね」
「なによ。早く言いなさいよ」
「こいつったらね、私のパンティ、はいたやつよ、洗濯する前のパンティくすねてね、クンクン匂い嗅いで……毎日、オナニーばっかりしてるんだから」
声も出せずに顔をうつ向ける純に、妙子はそんな残酷な言葉を浴びせかけた。
「それって……」
両腕を掴んでいたあけみと千里は、一瞬ひるんだように身体を離し、両側から純の顔を覗きこむ。
「きみって……」
純は二人の腕を振り払って逃げようとした。
「駄目!」
千里が両腕でギュッと純の片腕を掴んで離さない。あけみも、あらためて純の腕を両腕に抱える。
「ふふっ、オナニーするくらい、男の子なら当たり前じゃないの」
千里が言う。
「そうよ。健康な証拠よ」
ひろみが合いの手を入れる。
「でも……」
あけみが腕を抱えこんだまま、純の顔をやさしく覗きこむ。
「でもさ、妙子も悪いんじゃない。純くんの目に触れるようなところに、下着を脱いでおくなんて……」
美咲が顔を赤らめて言った。
「そんな……」
妙子はムッとして言いかえす。
「とにかく、きみって、結構悪いやつなんだ」
千里も顔を覗きこみ、ニヤッと笑って息を吹きかける。
「そうよ。だからもう、こんな男のことはほっておいて……ねえ、ほら、飲み直しましょうよ。私の誕生日パーティーなんだから」
「あら、そうはいかないわ」
千里が意味ありげな笑みを浮かべる。
「悪い子には、お仕置きをしなくっちゃ……ねえ」
「…………」
千里の言葉に、全員が戸惑ったように顔を見合わせた。
「……ご、ごめんなさい。もうしませんから……もうずっと、そんなことしてないんだ。ずっと前のことなんだから……」
両側からがっちりと腕を掴まれたまま、純はうなだれて言う。
「罪を認めるわけね。じゃあ、いよいよお仕置きしなくっちゃね」
「そ、そんな……」
腕に押しつけられてくる女体の感触、間近に漂ってくる千里とあけみの甘い牝香を堪能する余裕もなく、純はうろたえる。
「いいのよ、心配しなくって。お姉さんたちのお仕置きって、それはそれは素敵なんだから……ね」
千里が片手で純の体をさすりあげ、挑発的な笑みを浮かべる。
「…………」
千里の考えをうかがうように、全員の目が千里に集まる。
「純くん、きみの悪さの元を、見せてもらえるかしら?」
「えっ?」
「は・だ・か・になるのよ」
きっぱりとした命令調の声に、全員が呆っ気に取られてしまった。
「千里、なに言ってるの!」
妙子が焦って言う。
「悪い弟を、懲らしめてやるのよ。妙子は黙ってなさい」
「面白そう!」
あけみとひろみが、すぐに乗ってきた。
「わかったわ。勝手にしなさい。あなたたちの好きにしてよ!」
妙子は諦めたように言うと、遠くに置かれたソファに、全員に背を向けるようにして座った。しかし、無視しようと心には決めたものの、異様な胸騒ぎに胸が高鳴り、耳は純たちのほうにそばだてていた。
「さあ、お脱ぎなさい。お姉さんもオーケイしてくれたんだから」
「そ、そんなこと……ぼ、ぼく……」
純はそれこそ全身を真っ赤にして、千里とあけみの間でもがきはじめた。
「恥ずかしいの? 純くん。大丈夫よ。お姉さんたちはね、きみがどんなに素敵な体しているのか、ちょっと見てみたいだけなんだから。ね、見せて。お願ーい」
立ちあがったひろみが、純に身体をすり寄せるようにして言った。
「…………」
もう姉に助けを求めることもできない。女四人を相手に暴れまわるのも、あまりに無様すぎる。純は進退きわまって、二人の女に腕を掴まれたまま、うなだれるしかなかった。
「しようがないわね。じゃあ、ひろみ、あなたが脱がせてやりなさい」
千里が命令する。
「ふふっ、そうね。私が脱がせてあげる」
純の顔に顔を寄せて、唇が触れんばかりにしてうなずくと、ひろみはそのまま純の前に片膝をついて、両手をベルトにかけていった。
「あっ、やめてください! お願いです!」
ベルトがはずされ、ジーンズのファスナーをおろされ、純は焦り狂う。足で蹴りを入れられないことはなかった。しかし、ひろみのような美しく艶めかしい女を、どうして足蹴になどできよう。
ためらい、うろたえている間に、ジーンズの前は開かれ、赤い縞の派手なトランクスが露わにされてしまっていた。
「ふふっ、あら? どこにいっちゃったの?」
さっきまでは痛いほどに気張りきっていたペニスは、いまはすっかり怯えてしまったかのように縮んで、トランクスの奥のほうで身を潜めていた。
「お願いです。よしてください!」
泣きベソをかかんばかりに純は哀願する。
「駄目よ。お仕置きですものね」
ひろみがそう言って千里の顔を見あげれば、千里も口もとに笑みを浮かべながら、大きくうなずいてみせる。
「じゃあね……」
ひろみが両手をトランクスにかけて、一気に引きずりおろす。
「あっ」
「…………」
四人の女の子たちの八つの目が、いっせいにその一点に注がれる。
「…………」
純は手で隠そうともがくが、二人にがっちり抱えこまれた両腕はびくともしない。脚をもじつかせても、ポロッとこぼれだしたものは隠れはしない。全身が真っ赤に染まりあがって、もう生きた心地もしなかった。
「妙子、どこへ行くの!」
そのとき、ソファから立ちあがってドアに向かって歩きだした妙子の姿を、千里が見とがめた。
「あなたたち、勝手にしてて。私はちょっと……」
「駄目よ! 妙子のためのお仕置きなんだからね。復讐でしょ。妙子が思いっきりいたぶってやりなさいよ」
「私には関係ないわ」
妙子は吐き捨てるように言って、なおもドアに向かう。
「美咲!」
千里に言われて美咲は、咄嗟にドアの前に駆け寄り、妙子の行く手を封じる。
「なによ、あなたたち!……いいわよ。わかったわよ!」
妙子はふてくされ、クルリと踵をかえしてソファへ戻っていく。通りすがりに、なぜかチラッと純のほうを盗み見ずにはいられなかった。縮こまった哀れなペニスが目に入れば、心臓が早鐘をつき、胸がつまった。
「じゃあ、お姉さんたちが全部、脱がしてあげましょうね。純くんのオールヌードをたっぷり拝ませてちょうだい」
千里の言葉を合図に、ひろみがトランクスとジーンズを足から抜き取り、千里とあけみがTシャツを首から抜き取っていく。
「あ……」
たちまち純は真っ裸に剥き取られてしまっていた。千里とあけみの腕から解放されたとはいえ、ドアの前には、美咲が立ちふさがっている。真っ裸で逃げまわるなど、あまりに惨めすぎる。
純は自由になった両手で、下腹部を必死にかばうしかなかった。
「純くん、駄目よ。そんなふうに隠したりしたら、よけいにいやらしいわよ。あるのが当たり前なんだから、恥ずかしがらずに、私たちにお見せなさい」
千里が笑みを作って、やさしく諭すように言う。
「…………」
「純!」
冷酷無慈悲な千里の命令に、純の心臓は凍てついた。
「……は、はいっ」
両手を下腹部から離して、純は気をつけの姿勢を取る。
「そう。それでいいわ……みんな、よーく見て。可愛いじゃない、純くんのオールヘアヌード!」
若い女の子が四人、全裸で立ちつくす純の前に集まり、しげしげと見つめる。
「…………」
純はもう声も出ない。自分一人が素っ裸にされ、女の子たちは服を着たまま、いやらしい目つきで全身を眺めまわしている。哀れに縮こまって垂れさがったペニスを、さも蔑むような目で見つめている。まるで集団レイプだ。
それでも純は羞恥に震えたまま、哀れな全裸を晒して立ちつくすしかなかった。
「このちっちゃい可愛らしいものが、悪さをそそのかすのね」
「嘘みたい」
「駄目! まだ触っちゃ駄目よ!」
思わず手を伸ばしそうになったあけみを、千里が押しとどめる。
「ねえ、ゲームしよう。一人が三回ずつしごいて、大きく硬くした人が勝ちっていうのはどう?」
「わあ、面白そう!」
「やるやる!」
あけみとひろみは、すぐに乗ってくる。
「いいわ。私もする」
三人に見つめられた美咲も、純を申しわけなさそうにチラッと見て、しぶしぶ応じる。
「妙子は?」
あけみが声をかける。
「ほっときなさい。私たちだけで楽しもうよ」
千里の言葉に、妙子はほっと胸を撫でおろしていた。弟のペニスを手で触るなど、考えるだけでもおぞましい。無理強いされたらどうしようという思いに、胸がつぶれそうで、息がつまっていたのだった。
純にとっても、それはかすかな救いだった。姉にまでペニスをしごかれたら、もうどうしようもなくなってしまう。
「誰から?」
「ジャンケンで決めようよ」
この美しく残酷な女の子たちの手に触られ、しごかれるのだ……。
ジャンケンする四人の女の子たちを盗み見ながら、純は自らの哀れを噛みしめる。縮こまったペニスの先が熱く疼く。
あけみ、美咲、ひろみ、千里の順に決まった。
「じゃあ、私からね。早く大きくしてね」
あけみは、さも色っぽい表情を浮かべて、チュッと軽く口づけの真似をしながら、片手で縮こまったペニスの先をつまむ。
「あっ……」
女の手に触れられる生まれて初めての感触に、羞恥と緊張に、純は身震いする。
あけみ、美咲、ひろみ、千里、それぞれに思い入れたっぷりにペニスをつまんで、しごきたてて一巡し、二巡する。
くすぐったいような甘美な感覚に、尿道は熱く疼きはじめているのに、一秒でも早く大きく硬くして、この羞恥責めから逃れたいと念じているのに、少し大きくなりはじめたとはいえ、硬さがみなぎる気配はなく、だらしなく股間に垂れさがったままだった。
羞恥と緊張に、女たちの手のしごきを堪能する余裕などないのだ。
「そうね、手だけじゃなく、それぞれ工夫してやってもいいことにしよう」
千里がそう提案する。
「でも、口を使っちゃ駄目よ。それぞれの一番セクシーだと思ってるところ使って、三回だけ擦ってあげるの」
本来なら、そんな言葉を聞いただけで即座に勃起してしまうはずなのに……。
純は深呼吸して、心を落ち着けて淫ら気分に浸ろうとした。この場から早く逃れたい一心だったのに、いつの間にか純は、女たちにペニスを弄ばれることに、限りない羞恥に、心ときめくものを感じはじめていた。
「じゃあ、私は……」
あけみがスリットの入ったドレスをさらに割り開いて長い脚を露わにすると、内腿の間にペニスを挟みつける。そのまま純の体に抱きついて唇を押しつけながら、腰を揺すってスマタしごきをはじめる。
「あーっ……」
内腿の熱くむっちりとした肉に挟まれる感触。唇が触れる心地よい感触。たまらなく甘い女の匂い。一時に押し寄せる艶めかしさに、ペニスがムクッと反応する。
「はい、もう三回よ」
あけみのスマタは無情に引き離されていく。
「私は……」
美咲は純の前に片膝をついて、ペニスを乳房の谷間に挟みこんでいく。
「オーッ!」
ムチッとした柔らかな乳房に挟まれ、尿道からなにかがもれそうな感じがして、純はあわてて腰を引きかけた。しかし、乳肉にギュッと挟みつけられたペニスは、伸びはしても抜きだせない。そんなペニスに乳肉のしごきが加えられる。
「はああっ」
いい気持ちだった。
「次は私よ」
美咲を引き離したひろみが、あけみと色違いの同じドレスの前を開き、黒いレースのパンティに包まれた下腹部をペニスに擦りつけていく。
あけみと同じように抱きつくと、長い舌を出して純の唇を舐めまわしながら、腰をクイックイッと揺すりたてて、パンティ越しに恥丘でペニスを刺激しようというのだ。
「もうちょっとね」
徐々に大きさを増し、身をもたげはじめたペニスを見て、ニンマリと笑いながら、千里はジーンズをおろしてヒップを剥きだしにする。
「!…………」
黒いTバックパンティを谷間に深々と食いこませて、すっかり剥き身になったムチムチのお尻。見るだけで純の口に生唾が溢れ、ペニスがピクンッと跳ねる。
「はい、ほーら……」
千里は純にヒップを突きだし、両手で谷間を割り開いて、半固まりのペニスを挟みつける。
「あああっ」
得も言われぬ淫ら感に、純の全身がゾクゾクッ、ゾクゾクゾクッと震える。
「ふふっ、きみも悪い子ね」
自分からペニスを擦りつけてくる純を冷やかしながら、千里はヒップをくねらせ、尻肉しごきを加えていく。
「あーっ……」
たまらなかった。お尻の肉の間に挟みつけられたまま、しごきつづけられて、最後までいってしまいたかった。純は両手で千里のお尻を掴んで、なおも強く擦りつける。
「ああーっ」
猥褻な行為に耽る連中に背中を向け、目をつぶって知らぬ振りを決めこもうとしても、純の嗚咽が聞こえるたびに、全身の血が騒ぎだして、妙子は思わず振りかえってしまいそうになる。
「もうおしまいよ」
あけみが、あわてて純と千里を引き離す。勃起まで、もうひと息だった。
三巡目に入った。そしてふたたび、あけみの番。
あけみの腿ずりもたまらなかった。しかし、最後の勝利をおさめたのは、乳首までもろだしにした美咲の、熱烈なパイずりだった。固まりかけた砲身をギュッと挟みつけられたうえに、玉袋にまで乳肉を擦りつけられてはたまらない。
「ウウウウッ!」
純のものは一気に気張りきり、乳房の谷間から跳ねだした。そのままパチンッと下腹を打ち、臍に向かって弓形に反りかえった。
「ワーオッ!」
誰が見てもまぎれもなく、怒張しきった、若々しく雄々しい勃起だった。
「…………」
四人の女の賞賛の眼差しを浴びれば、恥ずかしくとも、晴れがましい気分になってしまう純。
「ねえ、妙子、見なさいよ! すごい。すごいわよ。純くんの勃起!」
千里が歓声をあげる。
「いやよ! そんなもの、見たくない!」
妙子は両手で顔を覆って頭を振る。見ずとも、妙子の脳裏にはもう、純の勃起がめくるめいてしまっていた。
「いやっ、いやよ、絶対……」
「わかった。わかったわよ」
あっさり引きさがった千里が、妙子にも、そして純にも、なぜか恨めしく感じられてしまっていた。
弟の勃起がどんなものか、この目で見てみたい!……
雄々しく勃起したものをお姉さんに見てもらいたい!……
そんな許されぬ欲情の疼きに、妙子も純も狼狽する。
「もう、いいでしょう」
勃起してしまったものを隠すのもはばかりながら、純が気弱に解放を乞う。気張りきったペニスは、人目に晒されているだけでヒリヒリと感じられる。そうしているだけでも、いまにも白い精をほとばしらせてしまいそうに、きわどく疼くのだ。
「駄目よ。きみだって、本当は出しちゃいたいくせに……」
「ねえ、今度は射精させる競争しましょうよ」
ひろみがアイデアを出した。
「そうね。でも今度は、射精させちゃった人が負けっていうことにしよう。ほら、砂山の棒倒しみたいに」
千里が後を引き継ぐ。
「面白そう! でも、それって難しそう。いまみたいにしたら、みんな手加減して、インチキしちゃうんじゃない」
「そうね。今度は公平に、手だけの勝負にしましょうか」
こうしてルールは決まった。その間も、純は哀れに勃起を晒しつづけていた。まるで競売にかけられた女奴隷の境遇さながらに、純はただ射精させてくれる女手を待つしかないのだ。
しかし、恥ずかしく哀れではあれ、なぜかそんな境遇がゾクッとするほどうれしく感じられて仕方がないのも事実だ。
手淫競技は、ふたたびジャンケンが行なわれ、ひろみからと決まった。ぎりぎりのところまでしごきあげて、次にバトンタッチするのが競技の要領だ。
だから、まずはじめは、できるだけ刺激的に、思いをこめてきつくしごき、爆発寸前のところまでもっていく。それが最初の手淫者の作戦となるはずだ。
「純くんのオチンチン、素敵ィ……おいしそう……誰も見てなかったら、お口にぱっくり咥えて、食べちゃいたい……フゥーンッ……」
ひろみは純の前にひざまずくと、勃起を両手にやさしく包みこむようにして、剥きだした先端に、触れんばかりに朱唇を近づけ、息を吹きかけて、甘い言葉で挑発しながら、ゆっくりと撫であげるようにしごきだす。
「あう、あおううっ……」
尿道にジンジンと疼きが走る。
「ウンンン、おしゃぶりしたいっ」
本当に咥えてしまいそうになる寸前に、千里が二人を引き離した。
「駄目じゃない。今度は私の番よ」
千里は、ひろみとは反対に純の後ろにまわり、床にひざまずいた。そうして片手を前にまわして勃起を握りしめると、もう片方の手は、後ろから尻の谷間にもぐりこませていくではないか。
「ふふっ、これが私の得意技なの」
「あっ! ああああっ……」
千里の指先が尻の谷間を這い、尻の穴にこじ入ってくる。背筋にビリビリッと電気が流れるような衝撃に、純ははしたなく嗚咽し、身震いしてしまう。
「ねえ、感じるでしょ」
勃起をギュッと掴んで前後にしごきあげながら、尻の下に潜らせた手で、今度は玉袋を揉む。赤いマニキュアを塗った指が勃起に巻きつき、動きまわる卑猥さ。
「オオオウッ……」
こんなにいい気持ちなことがあるのだろうか。純は股間を前後から二つの手で翻弄されて、真っ裸の体を身も世もなく悶えさせる。
「やばそう……」
真っ赤になってギンギンに怒張し、折れんばかりに弓形に反りかえった一物に、あけみが前から恐るおそる手を伸ばしていく。
「駄目よ。まだ出したら駄目よ」
あけみが念じながら、なおもゆっくり手を動かす。
「ああああ……」
気持ちいい。気持ちよすぎる……。
純は女手の甘美な刺激に浸り、いまにも暴発しそうな危うい快感に溺れこむ。
「私の負けみたいね……」
やがてあけみが離れると、美咲が気弱に言いつつ近づいた。下から勃起を手のひらにくるみこむようにして持ち、静かに静かに撫でるようにしごく。
「あっ、ああっ、あああっ」
尿道がジーンッと熱くなって、チロッと滴がこぼれる。切羽つまったきわどすぎる快感。それがなんとも言えず幸せだった。
「あっ……セーフね」
「お願い、もうちょっと我慢するのよ。男の子でしょ」
二巡目となったひろみは、いよいよ腫れ物に触るかのような、怯えるような手つきで勃起を掴む。
「ああ……あああああ……」
もう触れられるだけで全身に電撃が流れる。四人の麗しい女たちに見つめられながら射精する。こんな幸せがこの世にあるだろうか。純は哀れで惨めだった気分が嘘のように、至福の快感に酔いしれる。
前触れの透明な粘液が先端から溢れ、一滴、二滴と滴り落ちる。
「フーッ」
三度しごいて、ひろみが急いで手を離した。
「いいわ、私が最後の面倒をみてあげる。思いきり出しちゃいなさい」
千里は、見るからにはち切れんばかりにこわばりきり、真っ赤に熱血した勃起を、潤んだような目で見つめて言う。
「私の負けっていうことでいいわね。だから……」
前とは違い、千里は今度は純の前にひざまずいた。そして、いきなり片手で勃起を掴み、片手に玉袋を包みこむ。
「あああっ!……」
この感触が最高だった。最高にうれしかった。
「だから、最後は……私のお口でイカせてあげていいわね」
言うなり千里は、ねっとりした唾液をのせた舌を勃起の裏茎にあてがい、啜りあげるように舐めていく。
「オオーッ!」
腰がわななき、勃起が跳ねる。
「ずるい……」
あけみとひろみが顔を見合わせてそう言ったものの、誰も千里には逆らえない。
あけみもひろみも、そして美咲も、千里の口がまるで飢えた獣が餌を頬張るように、純の勃起をぱっくりと呑みこんでいく光景を、固唾を飲み、目を大きく開いて見守るしかなかった。
「あっ、あああああーっ!」
純の勃起が千里の口のなかに入っていく。背を向け、目をギュッと閉じ合わせていても、その光景は妙子の脳裏にまざまざと見えた。
駄目!……
「あうっ……おうううう」
両頬をぺっこりと窪ませて吸いたてながら、きつくすぼめた朱唇でしごきあげる千里。
ズーチュッ! チュルルルルルルル……。
先端をあらん限りの力で吸いあげたかと思うと、いきなり深々と、先端が喉につまってルージュを引いた朱唇が下腹にぶつかるまで、一気に呑みこんでいく。
「オオーッ!」
純は千里の両肩につかまり、震えおののく体を必死に支える。
「……すごいわね」
あけみとひろみと美咲の六つの目が、その一点に釘づけになる。
「あっ、駄目だ! ああああっ!」
三回の吸いあげが限界だった。三度目に深々と呑みこまれた瞬間、純の腰は折れ、わなわなと痙攣して、千里の口の奥深くで勃起は熱く脈打って、沸騰したドロドロの粘液を一気に噴きあげた。
ズズズズ……ジューッ……ジュルルルルルルル……。
千里の口は、ここぞとばかりに吸いたてる。
「オオオオーッ……」
脈打ち、噴きあげるのも間に合わぬかのように、粘液が吸いだされ、絞りだされていく。その過激なまでの快感に、純は千里の肩を掴んだ両手を力ませ、頭をのけ反らせて、はしたなく嗚咽する。
「あああ……」
間歇が終わり、すべてを放出し終わってもなお、吸引しつづける千里の口のなかで、純の勃起はさもうれしげに、ピクピクと震えつづける。
「ふふふっ……」
口のなかにいっぱいになった男の樹液をこぼさぬように、唇をキュッとすぼめて含みながら、勃起から口を離していく。
満面に艶めかしい笑みを浮かべた千里は、手の甲で唇を拭い、そして純の目を見あげながら、口に溜まった精液をゴクリと呑みくだす。
「…………」
うれしくて恥ずかしい、得も言われぬ気分のまま、純は小さくなりはじめたペニスを両手でそっとかばう。
こいつをしゃぶり、こいつがもらしたものを、本当に呑んでくれた……。
そう思えば感激もひとしおで、ペニスが愛おしく、そして千里がなおさら愛おしい。
「興奮しちゃったァ……」
あけみもひろみも美咲も、思わず生唾を飲みこんで大きな溜め息をついている。
「ああ……フーッ」
部屋の隅で、妙子もまたこっそりと吐息する。
「はい、これでゲームはおしまい」
千里は立ちあがって、乱れた髪を片手で掻きあげる。
「ねえ、でも、このゲームって、なにが賭かってたの?」
あけみが言う。
「そうだ! ねえ、こうしない? 純くんを一日ずつ借りるの」
ひろみのアイデアだった。
「いい! いいじゃない!」
あけみが受ける。
「勝った者から順にね。だから、美咲が一番で、次に私たち。それから最後が、ズルした千里。それでいいわね」
「面白そうじゃない。いいわよ、私はそれで」
千里が乗れば、それで決まりだった。
「でも、私はいいわ」
美咲がためらう。
「なに言ってるの。さっき、私がやさしく手ほどきしてあげたい、なんて言ってたのは、どこの誰よ。いいから美咲が最初に手ほどきしてあげて」
あけみがからかって言う。
「そういうことに決まったから、いいわね、妙子。明日から一日ずつ、私たちで、純くん、借りるからね」
千里が念押しする。
「勝手にしてって言ったでしょ!」
妙子は苛立ったように大きな声で言いかえした。
「でも、ぼく……そんなこと……」
純が裸体をまたも赤くして口ごもる。
「きみには、とやかく言う資格はないの」
千里が純の顎を片手で掴んで言う。
「そうだわ。純くんも頑張ってくれたんだから、ご褒美あげない?」
「わかった。千里の言いたいこと、わかっちゃった」
あけみが顔をほころばせた。
「パンティでしょう」
「ピンポーンッ! 大正解! 純くんは、パンティ大好き変態人間だっていうから、みんな、パンティ脱いでプレゼントするのよ。そうしたら、妙子姉さんのなんか、盗んだりしないわよね」
「ぼ、ぼく、そんな……」
「いらないの? 欲しくないの? みんな興奮しちゃって、きっと濡らしちゃってるわよ。染みのついたホッカホッカのパンティよ、欲しくなーい?」
「い、いえ……」
はしたなくも、純はゴクリと喉を鳴らしてしまっていた。
あけみとひろみは、すぐにその場でドレスをまくってパンティをおろしていく。
例によって美咲はためらっていたものの、大勢に押し流されて、スカートの下からこそこそと脱いでいく。
千里は大胆にも純の前で黒いTバックパンティをおろして、ノーパンになった下半身にジーンズをじかにはいていった。
「はい、どうぞ。どんなふうに使ってもいいのよ」
色とりどりの、どれも信じられぬほど小さくセクシーなパンティを、顔の前にチラつかせられながら受け取れば、どうしようもなく顔はにやけて、小さくなったばかりのペニスがムクつきはじめてしまう。
「ぼ、ぼく、じゃあ、もういいですか」
もらった四枚のパンティを大切そうに両手に持って、純は急いで裸のまま居間を出ていく。
脱がされたジーンズも、Tシャツも忘れて。一刻でも一秒でも早く、自分の部屋にこもって、染みのついたホカホカのパンティに顔を埋め、濃艶でエロチックな四人の女のアソコの匂いを嗅ぎまわしたかった。
「なんだか、パンティがないとスースーしちゃって、感じてきちゃうな」
「純くん、いまごろ、あけみのパンティ鼻に押し当てて、勃起したオチンチン、しごいているかもよ」
「やだァ、そんなこと考えたら、よけい感じちゃうじゃない」
「いつまでも馬鹿言ってないで、私たちもそろそろ帰ろうよ」
千里が言う。
「妙子、いいわね。明日保育園に純くんを連れてくるのよ。明日から純くん、借りるんだからね」
「勝手にしてって何度も言ってるでしょ。ほっといてよ! もう早く帰って!」
妙子はほとんど半ベソで、クッションを四人の女たちに投げつける始末だった。
おしまい