「今夜ひと晩は、私たち二人の奴隷よ。いいわね、純くん」  
 ひと晩あけて、あけみとひろみ姉妹のマンション。純が部屋に入るなりすぐ、女体にぴっちりとフィットしたニットのワンピースを脱ぎながら、あけみが微笑んで言った。  
「はい」  
 あの晩に見た二人の肢体を眩しげに思い出しながら、純は期待に満ちみちた顔でうなずく。  
 それにしても、揃いも揃って、なんと見事なプロポーションだろう。  
 部屋にいるのだから素足だというのに、まるでハイヒールを履いているのかと見まがうほどに長くすらっと伸びた脚。小気味いいまでにアップして、丸く突きだした小振りのヒップ。華奢なまでに細くくびれたウエスト。釣鐘形のバスト。  
 まさにスーパーモデルにも決してひけをとらないスタイルだった。  
「じゃあ、ベッドルームに行きましょうか」  
 肩を寄せ合い、さも楽しそうに笑いながら歩く二人の後ろについて、スパッツからくっきり輪郭を露わにしたヒップの弾みに目を奪われたまま、純は女二人のベッドルームに入っていく。  
「どう? 素敵でしょ。私たちのベッドルーム」  
「ええ」  
 まるでホテルのような広い部屋の真んなかに、大きく豪華なダブルベッドが置かれ、窓と反対側の壁は、一面鏡張りになっていて、ピンク色に統一された部屋が倍の広さにひろがって見える。  
「そこにお座りなさい」  
 うながされてベッドの端に腰をおろす。柔らかすぎるほどのクッションに、純の腰が深く沈みこむ。  
「私たち、どっちがどっちだか、わかる?」  
 純の前に並んで立って、二人は顔を見合わせながら言う。  
「はい。茶髪ヘアがあけみさんで、黒いヘアがひろみさん、ですよね」  
「そうよ。ふふっ、じゃあ、見せてあげるね」  
 意味ありげに笑うと、あけみは純のそばに歩み寄り、両手でスパッツの前をぐっと引っ張り伸ばして、ほんの少し押しさげた。  
「さあ、覗いてごらんなさい」  
 思わず生唾をゴクリと飲みこんで、純は引っ張り伸ばされたスパッツのなかを覗きこむ。なかからムッと牝の匂いが漂ってくる。  
 
「!…………」  
「わかった? ふふふ、こっちのヘアは金髪にしてるの」  
「それに、私は……」  
 同じように前を引っ張り開けたひろみのスパッツのなかを覗きこめば、  
「私はこっちも、真っ黒」  
 金髪の陰毛に、漆黒の陰毛。淫らな期待に、純の胸はもう息苦しいほどに高鳴りはじめた。  
「だけど、違いは色だけだった?……純くん、わからなかった?」  
「えっ!?」  
「匂いも違ったはずよ。香水が違うの」  
 ひろみが言う。  
「ねえ、目をつぶって、匂いだけで当ててみて」  
 あけみが言う。  
「は、はい」  
 アソコの匂いを嗅げるのだ……。  
 純は胸をときめかせて、目をつぶる。  
「さあ……」  
 二人は交互にスパッツを開いて、純の鼻先に、丸一日ぴっちりと包みこまれてこもり蒸れた匂いを嗅ぎ取らせる。香水の甘く濃い香りに、熟成された女だけの湿った匂いが混じった、ねっとりとまとわりついてくるような芳香。  
 どちらもうっとりするほど淫靡で煽情的に匂いたっているとはいえ、確かにかすかな違いがあった。  
「最初があけみさんで、後のが、ひろみさん?」  
「当たりよ。よくわかったじゃない」  
 あけみのほうが、どちらかといえば挑発的なほど濃厚で酸味が強く、それに較べてひろみは甘さも少し控えめな感じがした。匂いも性格を表わすのだろうか。  
「それよりさ、あけみ、まだ言わなくていいの?」  
 ひろみが声を潜めた。  
「まだまだ。ふふふっ」  
 あけみが含み笑いする。  
「純くん、裸になりなさい」  
 
「えっ」  
 唐突なあけみの言葉に、純は戸惑う。美咲一人のときとは違って、女二人を前にして、自分一人が先に裸になり、欲情して膨らみきった勃起を晒すのは、なんとなく恥ずかしく感じられるのだ。  
「奴隷っていうのはね、ご主人様の命令にはすぐ従うものよ」  
「わ、わかりました」  
 純はベッドに座ったまま、トレーナーを頭から抜き取り、腰を浮かせてジーンズとトランクスを脱いでいく。早くもカチンカチンになった勃起が、隠そうとしても女たちに晒されてしまう。  
「わあ、もうこんなに大きくしちゃってる!」  
「だって、純くんはパンティにこもった匂いに弱いんですものね」  
 そんなふうにかしましく冷やかされるのが一番恥ずかしいのだ。純は二人の前で真っ赤になって身を縮める。  
「ほらほら、早くベッドにあがって。ここに背中をもたせかけて……」  
 あけみに指示されるがままに、ベッドの頭のボードにもたれ、脚を伸ばして座りこむ。見事なまでの勃起が、股間から女たちを睥睨するように立ちあがって揺れている。  
「じゃあ、私たちも脱ぎましょうか」  
 二人は目配せしながらスパッツをさげていく。ブラジャーとペアになった、あけみは黒、ひろみは赤いレースのパンティが露わになっていく。  
 純は目を凝らして見つめる。スパッツの下はTバックに決まっている。後ろは細い紐一本。まん丸く盛りあがった小振りのお尻の肉の間に挟まりこんでいる。  
 予想していたとおりとはいえ、間近で見れば、どうしようもなく生唾が溢れてくる。  
「いい? じっとしてなさいよ」  
 ブラジャーとTバックパンティだけになった二人は、脱いだばかりのスパッツを手に持ってベッドにあがり、純の左右に分かれた。  
「!?…………」  
 なにをされるのかわからぬままに、肌を惜しげもなく露わにした艶めかしい女体の動きに見とれているうち、純は腕をひろげる形で両手首をベッドの左右の柱にスパッツで結びつけられてしまっていた。  
「ふふふ、あとはこれを……」  
 あけみは、ブラジャーのなかに忍ばせてあったハンカチを取りだして、純の口にさるぐつわを噛ませる。  
 
「アグッ、アグッ……」  
 焦って首を振ってもがけば、黒いパンティと赤いパンティが間近に迫ってくる。  
「私たち、こうやって男を縛っていじめるのが趣味なの……ていうのは嘘」  
 二人は純を見おろし、顔を見合わせて笑う。  
「あら、大変! オチンチンがぐったりしてきちゃったわ」  
 純の下腹部を見たひろみが、素っ頓狂な声をあげた。  
「あら、本当だ。しようがないわね。元気づけてあげなくっちゃ」  
 そう言ってあけみがブラジャーをはずしはじめれば、ひろみもそれにならう。  
 美咲ほどの大きさはなかったものの、空気がパンパンに張ったボールのような乳房が四つ、二人の胸の上に弾みだし、赤と黒のレースブラジャーが純の下腹に舞い落ちてくる。  
「どう、私たちのオッパイ? 綺麗かしら?」  
 二人は身体を前に屈めて、純の顔の両側で胸を揺すってみせる。  
「ウグッ、ウグッ」  
 これからなにがはじまるのかわからない不安のなか、純は与えられた質問に首を縦に振って答える。  
 揺すっても美咲ほどの迫力はないけれど、頬にぶつかれば痛みを覚えるほど肉のつまった乳房は、見るからに美しく、手でギュッと掴み、口に頬張り、その弾むような肉感を確かめ、味わってみたいという欲情をそそのかさずにはおかない。  
 そしてまた、口の呼吸を封じられた純の鼻に殺到する香水の混じった女の体臭も、なおのこと刺激的に艶めかしく感じられてならなかった。  
「でも、オッパイだけじゃ、あまり効き目がないみたいね」  
 ひろみが残念そうに言う。  
 純は、ちょっとでも触れてもらえればすぐに硬くなる、と言いかえしてやりたかった。  
「そうみたいね。じゃあ……」  
 純を正視したままパンティをおろしはじめる二人。色白の女体に左右を挟まれ、純の目はとても休まってなどいられない。黒いパンティの下から金髪のヘアがあふれ、赤いパンティの下から真っ黒なヘアがこぼれだす。  
「ふふっ、ほら、純くん、私たちも素っ裸になっちゃった。二色のヘアヌードよ」  
 二人は、さもおかしそうに純の両脇で女体を揺する。スプリングのきいたベッドの上で、純の腰も一緒に跳ねてしまう。  
 
「ほーら、純くんの大好きなパンティよ」  
 二人は手につまんだパンティを、交互に純の顔前でチラつかせる。純の目は否応なく振り子のように動き、鼻の穴もヒクついてしまう。  
「ふふっ、ほーら、じかに嗅がせてあげる」  
 あけみが両手で純の頭を横に向かせて、鼻先に股間を近づけ、金色に輝く茂みを擦りつけていく。  
 両手を縛られ、さるぐつわを噛まされた哀れな姿のままに、それでも純は意地汚く、押しつけられてくる金色の繊毛に、鼻を鳴らして、股ぐらにこもった匂いを嗅ぎまわす。  
「ウウウーン、私も……」  
 ひろみも負けじと反対側から迫る。強引に頭をねじ曲げられて、今度は漆黒の茂みの攻撃だ。やはり純は意地汚く嗅ぎまわる。  
 金色の陰毛と真っ黒な陰毛。匂いも微妙に違った二つの女陰。目の前で艶めかしく交錯する二つの女体に、純はうっとりと翻弄され、淫らな悦びの期待に体が熱い反応を見せはじめる。  
「やっぱり、純くんにはこれが一番効くみたい」  
「本当だァ」  
 純の下腹で、ムクッムクッとひとつ目の勃起が硬さを甦らせて、まるで二つの女陰をあおぎ見るかのようにそそり立ってきた。  
「駄目よ、下から覗いたりしたら」  
 あけみが手に持っていた黒いパンティを勃起の上に落とす。  
「じゃあ、私は……」  
 ひろみは赤いレースのパンティを純の頭にかぶせて、股ぐり部分が鼻の頭にくるようにして、足を通す部分から目を出させる。  
「おかしい!」  
 赤いパンティの覆面に、勃起の先端に黒いパンティをのせた、なんとも無様な純を見おろして、二人は笑い転げる。  
 それでも、淫らな期待に純はじっと耐え忍ぶ。  
「純くん、本当のこと教えてあげるね」  
 あけみが、ひろみをチラッと見ながら言う。  
「純くんには悪いけど、私たち、本当はね、男になんか興味ないの。つまり、私たちはレズなの。双子の姉妹だけど、そういう関係でもあるってわけ」  
 純は茫然として、パンティの穴からのぞいた目を大きく開いて二人を見あげた。  
 
「二人でしているところ、男の子に見られたら、どんな感じかなって……男の子に見られながらレズったら、もっと感じちゃうんじゃないかな、なんて思って、それで純くんを借りることにしたわけ」  
「純くんだって、私たちのアレ見たら、興奮するんじゃない? だって、男の子ってレズシーンが見たいっていうじゃない」  
 ひろみも口を挟む。  
「とにかく、よーく見ててね、純くん……私、もう……」  
 そう言うなりあけみは、ひろみに抱きついて押し倒すと、全裸の女体を擦り合わせるようにしながら唇を重ね合わせていく。形のいい乳房同士が押しつぶし合って形を歪め、長い四本の脚が絡まり、口が激しく吸い合いはじめる。  
 見たこともないほど激しく熱烈な接吻だった。音を立てて唾液を啜り、舌を絡ませ、糸を引く唾液を見せつける。初めて見る女同士の淫戯に、純は否応なく魅入られてしまう。  
 見られていると思えば淫戯になおのこと熱がこもり、なおさら淫らがましく演技してしまうのだろう。二つの全裸女体が純の目の前で絡み合い、四つの目がチラッチラッと、純に、勃起に、粘りつくような視線を送っては、またも淫らがましく口を啜り合うのだ。  
 勃起は、そんな視線を感じるだけで、熱く硬くみなぎりを増して、かぶせられた黒いパンティを持ちあげ揺らす。  
 あけみが四つん這いになって裸身を浮かせる。そのまま、たわわに実ったボールのような乳房をあお向けになったひろみの胸の上で、お椀を伏せたような形に丸く盛りあがった乳房に押しつけていく。  
「フンッ……」  
 乳房の頂きで身を大きくしてツーンと尖りだした乳首と乳首が触れ合い、擦れ合うたびに、ひろみの唇から、甘ったるい嗚咽がもれる。  
 乳房の肉が震えるように揺れ、四つの乳首が突つき合うように触れる、女同士ならではの乳房の競演に、純の口に生唾が溢れ、さるぐつわを噛まされた口の端から涎れとなって流れ落ちる。  
 あけみが身体をずりさげていくと、今度はひろみの乳首に舌を絡ませていく。  
「はあンッ」  
 片手で片方の乳首をこねるように揉みながら、長く突きだして尖らせた舌先を丸くまわして乳暈をねっとりと舐めあげ、そして突つくように乳首で踊らせる。  
「あンッ」  
 下になったひろみの白い背がしなる。  
 
 あけみは時折り純のほうをチラッと見ては、ひろみの乳首を執拗に責めつづける。舌のねぶりの間に歯で挟みこみ、噛み取らんとするかのように引っ張りあげて頭を揺すれば、ひろみの乳首は乳房ごと引っ張りあげられて、さも痛そうに揺すられる。  
「ウウーンッ……」  
 これほど丹念で執拗な乳首ねぶりは、女ならではのものだろう。男なら、とりわけ純のような若い男なら、欲情に駆られるがまま、がむしゃらに乳房にかじりついているだけに違いない。  
 乳首ねぶりだけで、ひろみの目はすっかり潤み、全裸の肌は火照り、赤みを帯びはじめていた。そんなひろみの裸身の上で、あけみは身体を回転させて逆向きに、四つん這いになる。シックスナインの体勢だ。  
 女同士が、オマンコを舐め合うんだ!……  
 純の興奮はいやがうえにも盛りあがり、目が血走る。  
「ふふっ、これをしだすと私たち、きりがないの」  
 長い茶髪を片手で掻きあげて、あけみもまた欲望を露わにした目で純を見つめながら言った。  
「だって、あけみのオマンコ、すっごくおいしいんだもん」  
 下からひろみが追従して言い、四つん這いで顔前に逆さで割り開かれたあけみの股間に、頭をもたげてむしゃぶりついていった。  
「あンンンッ、ひろみったらァ……」  
 股間をひろみに預けたまま、両膝を折り曲げて催促がましくくねらせるあけみ。その一方で、大きく開かれたひろみの股間を愛おしそうに撫でまわし、あけみは純にもったいぶって言う。  
「よーく見てなさいね。きみにも、きっと参考になるわよ。オマンコは、どういうふうに舐めれば女が一番悦ぶか」  
 あけみは、下になったひろみの両膝を持ち、股間が純の正面にくるように調整した。  
「ほら、ひろみのオマンコ、綺麗でしょう……ウーンッ、ちょっとまだよ。待ちなさいよ、ひろみったらァ……」  
 股間に吸いついて、チュウチュウと音を立てて舐め啜るひろみを、あけみは腰を振って制する。  
「ほらね、これが小陰唇で、これがクリトリス……」  
 あけみの長い指がひろみの濡れた股間を撫であげつつ、黒い陰毛の間からぷっくりと膨らみだした赤みを帯びた女陰を開帳していく。  
 純の目はその一点に釘づけだ。勃起にかぶさった黒いパンティが揺れる。  
 
「このなかがね、ほら……もうヌルヌルでしょ」  
 ねっとりと濡れ光った赤い秘肉が剥きだされる。  
「ウウーンッ、いやァーンッ」  
 ひろみが腰を揺すって抗議する。  
「駄目、じっとしてなきゃ。おとなしくしないと、ひろみのオマンコ舐めてあげないよ」  
「フーンッ、意地悪ゥ」  
 ひろみは仕方なく、ひろげた股ぐらをあけみの手と純の視線に委ねたまま、自分はあけみの腰にすがりついて、性器に鼻を擦りつけていく。  
「ほらほら、またこんなに……どんどんオツユが溢れてきちゃうでしょ」  
 片手の指で剥き身にした秘肉を、もう片方の手指で小さく撫でこねれば、肉唇はヒクッヒクッと身を震わせ、膣のほうから透明な粘液が滲みでてくる。  
「ねえ、おいしそうでしょ、ひろみのオツユ」  
 言われなくても、純は口の端からとめどなく涎れを垂らしてしまっていた。  
「ウンッ、あけみだってオツユでヌルヌルよ……ああン、おいしいっ」  
 性器を純に晒しているひろみは、駆られるようにあけみの性器を舐め啜る。  
「フーンッ、もう、しようのないひろみなんだからァ……」  
 股間からこみあげる快感に腰をよじらせながら、あけみはもう一度、長い茶髪を掻きあげて、腰を浮かせて口淫を待ち焦がれたひろみの股間に頭を差し入れていく。  
「はじめはね、まわりに溢れたオツユをね、そっと舐め取ってあげるのよ」  
 尖りだしたあけみの舌が、女陰の肉縁を静かにゆっくりと舐めまわしはじめる。  
「はあっ、あああン……」  
 あけみの股間に顔を埋めたひろみは、かすれた嗚咽をもらして背中をのけ反らせ、裸身をもじつかせる。  
「そうしたらね、今度は奥に溜まったオツユを、舌を入れて啜ってあげるの」  
 指先で剥き身にした膣のなかに舌を挿しこんでいく。  
「あっ、ンンンンン……」  
 ひろみの内腿がひきつり、筋が震える。  
「啜って、一度引き抜いてまわりを舐める。それからまた入れて、啜って舐める。この繰りかえしよ」  
 あけみの舌は、器用に丹念に、小さな肉壷のなかを往復する。  
 
「ウーンッ、あンッ……」  
 ひろみの腰が上下に何度ももじつく。  
「あけみの、意地悪っ」  
 ひろみが苦しそうな声をあげ、またもがむしゃらに、あけみの股間にむしゃぶりついていった。口いっぱいに女陰を頬張って、音を立ててしゃぶる。  
「あっ、フンンン……しようのないひろみ」  
 あけみも負けじと、ひろみの女陰にかじりついていく。  
「ああーっ……」  
 二つの全裸女体が重なり合って、互いの股間に頭をこじ入れ、互いの女陰を貪り合う。後はもう欲情のおもむくがままにかぶりつき、舐め、啜り、噛みつき、嗚咽をもらして快感の波に呑みこまれていくだけだった。  
 女肌はますます赤みを帯びて、ねっとりと汗が浮いてきた。女体が放つ匂いもきつくなってきたようだ。  
 さるぐつわの端から涎れを垂らし、かぶせられた黒いパンティを前触れの液で濡らしながら、純は瞬きもできずに二人のレズ行為を見つめる。  
 そんな純に応えて、さらに挑発しようとするかのように、淫らがましい女色に耽る二つの裸体は、ベッドの上で徐々に回転して、ひろみの口淫に秘肉を蕩けさせたあけみの逆さ女陰を純の視線に晒していく。  
 純の目がさらに血走り、見開かれる。  
 長い黒髪を乱し、金色の秘毛をたくわえた女陰に下から貪りつくひろみ。まるで外国のポルノビデオに見た光景そのものだった。  
 丸々とした形のいいヒップが二つにぱっくりと割れて、お尻の穴までのぞいている。  
 その茶髪に縁取られた女陰は、ひろみの唾液と自分が吐きだした愛液でしとどに濡れ、水気をたっぷりと吸いこんだ海綿のようにぷっくり膨れあがり、性器全体が痛々しいほどに赤くなっている。  
 そんな見るも淫らなあけみの女陰に、ひろみは長い黒髪を振り乱して、飽くことなく容赦のない口淫を仕掛けているのだ。  
 
「あああンッ……あけみのオマンコ、おいしいわ」  
「ひろみのもよ。いつもよりこってりして……純くんに見られて、興奮してるんだ……あああ、いやらしいひろみ!」  
「あけみだって、いやらしい……いつもより、脚開いて……そんなに純くんに、見せつけたいんだ……そ、それに、いつもよりすごいわ。しゃぶり方が、すっごくいやらしい」  
 二人は純の前で淫らを競い合うように、女色の行為に耽溺する。  
「ひろみ、もうイキたいんでしょ」  
 二つの裸身がもう半回転して元の位置に、ひろみの股間とあけみの頭が純のほうに向いたときだった。頭をあげたあけみが、乱れた茶髪を掻きあげて首を曲げ、お尻の間に組み敷いたひろみを見ながら言った。  
「フンッ……」  
 ひろみも、あけみの股間から口を離して鼻を鳴らす。  
「ひろみったら、もう我慢できなくなっちゃったんだって」  
 あけみが身体を起こして、純にニンマリと笑いかける。  
「ほら、見てごらん、ひろみのオマンコ……」  
 ひろみの裸身に寄り添うようにして半身になると、あけみは、ぐっしょりと濡れて肉土手に張りついた黒い陰毛を掻き分けて、まるでふやけたように真っ赤に腫張した肉唇を見せつけ、なかを開いていく。  
「ほら、ネトネトでしょ。オツユが白く濁ってきてるでしょ」  
 あけみの指で口を開けられてしまった膣に、白い粘液が糸を引いているのが見える。  
「フーンッ、あけみィ……早くゥ……」  
 ひろみが腰をよじってせがむ。  
「はしたないんだからァ、ひろみは……」  
 あけみは、せがむひろみの顔を愛おしげに見おろし、右手の人差し指と中指をまっすぐに伸ばして、ヌヌッとばかりに、蕩けきった女陰に押しこんでいった。  
「あっ、はあああン!」  
 ひろみの髪が振り乱され、背中が弓反り、両脚がピーンッとひきつる。  
 
「聞こえる? 純くん」  
 あけみは、押しこんだ指を乱暴なほどに抜き差しし、ひねりを加えて掻きまわす。そのたびに、ヌチャッヌチャッと濡れ蕩けた肉が卑猥な音を立てるのだ。  
 静まりかえった部屋のなかで、ひろみの乱れた荒い息、艶めいた嗚咽、そして濡れ肉の音が反響し合って、淫らがましい音楽を奏でている。  
「あーっ、はああーンッ……」  
 指の抽送に合わせて、ひろみは腰を浮かせてくねり踊らせる。  
「アレが欲しい?」  
「フンンンン……」  
「欲しいのね。だったら、なにが欲しいのか、ちゃんと言いなさい」  
「意地悪ゥ……」  
「だって、言わないと純くんにわからないでしょ」  
 あけみは意地悪く、指を抜きだそうとする。  
「いやン!」  
 ひろみが咄嗟にあけみの手首を押さえた。  
「い、言うわ。言うからやめないで……あああ、欲しいのォ……あけみのオチンチン」  
「ですってよ、純くん。あきれたひろみでしょう」  
 首を傾げて純を淫靡な目で見つめたあけみは、やがて、ひろみの手を振りほどいて起きあがった。サイドテーブルの引き出しから、革のベルトのついた、なにやら黒い物体を取りだした。  
「純くん、これがなんだか、わかる?」  
 言いながらあけみは、それを自分の腰に装着していく。  
「ほーら、これが私のオチンチン。どう? すごいでしょ」  
 純は驚いて目を見張らせるしかなかった。あけみの下腹から、真っ黒な巨大なペニスがそそり立っているのだ。太さも長さも、純の勃起のゆうに二倍はある。  
「大きいでしょう。それにいくらやっても、小さくも柔らかくもならないのよ。それだけじゃないんだから。ほら、ここに……」  
 あけみは、巨大なペニスの付け根についた小さな突起を指さして言う。  
「もうひとつ、ここに小さなオチンチンがついてるでしょ。これがたまんないほどいいのよ。これがね、ちょうどクリトリスに当たるようにできてるの」  
「あああン、あけみィ……入れてェ! 早くゥ」  
 あけみの言葉に、ひろみが身もじりしてせがんだ。  
 
「ふふふ、ひろみったら、本当にはしたないんだからァ」  
 膝を折り曲げ、両脚を大きく開いて挿入をせがむひろみの上に、艶然と微笑んだあけみが、おもむろに覆いかぶさっていく。  
「純くんがね、目をまん丸くして見てるわよ」  
 片手で巨大な勃起を掴んで、その先端を愛液が滴るひろみの女陰にあてがう。そのまま腰を沈め、下腹をグッと突きだしていく。  
「あっ! あああああっ……」  
 ひろみは頭をのけ反らせ、両手でシーツを掴む。  
「!!…………」  
 太くて長い物体が、小さな小さなひろみの股間の、膣のなかにめりこんでいく。  
 純は信じられない思いで、瞬きもできずに、その部分を凝視する。  
「あああンッ!」  
 本当にその巨大な一物は、小さな穴を押しひろげて、ひろみの体内に根元まで埋まりこんでしまっていた。  
「ひろみ、どう? 私のオチンチン、ひろみのオマンコのなかに全部入っちゃったのよ」  
 シーツを掴んで肩を震わせるひろみの両脇に手をついて上体を支え、悶える悩ましい顔を見おろして、あけみが言う。  
「はあああン……いやァァンッ」  
 ひろみは歯を食いしばり、ギュッと閉じ合わせた目尻から涙を溢れさせながら、激しく頭を振る。  
「ふふっ、もっともっと感じさせちゃうから」  
 腰に気張りを入れて、さらに巨大な勃起を突きこみながら、小さな円を描くように腰をまわして、小勃起でクリトリスをひねりつぶす。  
「ヒーンッ!」  
 ひろみの背中が弓形にしなり、両脚がピーンッと伸びきってひきつる。  
「純くん、よーく見てなさいね」  
 純を振りあおいで声をかけると、あけみはゆっくりと抽送しはじめる。  
 
「ひろみ、ほら、ほらァ!」  
 かけ声とともに、抽送が速さと激しさを増していく。女陰をうがった巨大勃起の激しいばかりのピストンに、  
「あン……はあン……ああああン……」  
 ひろみの女体がバネ仕掛けの人形のようにのた打ちまわり、真っ赤になった肌からねっとりとした汗が噴きだしてくる。  
「いやァ! あけみィ!」  
 あけみの首根っこにしがみつき、両脚をあけみの腰に巻きつけて、性器を勃起に擦りつけていくひろみ。  
「ふふっ、そんなに乱れちゃって……純くんが見ているのよ」  
 あけみも両腕をひろみの背中にまわして、乳房と乳房を重ね合わせるようにしてギュッと抱きしめながら、巨大勃起のピストンに勢いをつけていく。  
「ああっ、ああああっ……」  
 ほとんど泣き声のような嗚咽をもらし、ひろみは、あけみの腰に両脚で巻きついて浮いた腰を、勃起の抽送に合わせて前後に振りたてる。  
 卑猥を、淫らさをきわめた結合部分が、純がいるところから丸見えだった。  
 革のベルトを巻きつけて激しくリズミカルに上下するあけみのお尻。あけみの腰に巻きついて、あられもなくぱっくりと割り開かれた股間を見せるひろみ。宙に浮いて、あけみの腰の動きのままに揺さぶりつづけられる性器とお尻。  
 それらすべてが、真正面で、間近に迫って見えるのだ。  
 裂けんばかりにこじ開けられてしまった女陰に、巨大な物体が、ヌルヌルになって濡れ光った黒い一物が出入りする。出入りするたびに女陰から白い粘液が溢れだして、ひろみの会陰部を伝い流れ、お尻の穴まで濡らしていく。  
 すべての細部が、度を超した猥褻場面が、あまさず見えているのだ。  
 純の勃起は、いまにもはち切れんばかりに充血し、疼きおののく。黒いパンティをかぶらされたまま、見向きもしてもらえない勃起が哀れで痛々しい。  
「あンッ、あンッ……イクうっ……ああンッ、いいっ……あああああ!」  
 巨大勃起の猛攻を受けて、ひろみの女体はついに陥落する。ひしとあけみの身体にすがりつき、背中に爪を立て、両脚がピーンッと伸びきって宙を蹴り、筋という筋が痙攣し、足の裏が縮こまってひきつる。  
 やがて二つの女体は重なり合ったまま動かなくなった。  
 
「フーッ」  
 しばらくして、大きな吐息とともに、あけみがそっと勃起を抜きだした。  
「はああーン……」  
 ひろみの口から虫の息のような嗚咽がもれる。黒い陰毛は無残なまでに乱れて、ひろみの女陰は痛々しいまでに赤く腫れあがり、内腿一帯が濡れそぼっていた。  
「純くん、どうだった?」  
 身体を起こしたあけみが、純ににじり寄る。  
「あらあら、お口のまわり、涎れだらけ……」  
 からかいの笑みを浮かべて、あけみは純の体を眺めまわす。  
「あらっ……」  
 勃起にかぶさったパンティを手に取った。  
「いやだァ……私のパンティ、染みだらけじゃないのォ」  
 パンティを取られ、真っ赤に膨れあがった先端から前触れの液を垂らしつづける勃起が晒されれば、純の哀れはつのる。  
「ま、しようがないか。ひろみのあんなにいやらしい姿、見せつけられちゃったんですものね」  
 あけみが唐突に立ちあがった。下腹には、ひろみの淫ら汁でまだヌルヌルの一物をつけたままだ。  
「ひろみったら、一人だけいい気持ちになっちゃって、ずるいわよね」  
 頭にかぶせていた赤いレースパンティを剥ぎ取り、さるぐつわも口からはずしてやる。  
「フーッ……」  
 両手はベッドの柱に縛りつけられたまま、勃起は疼いたままであるとはいえ、なにはともあれ純は大きく吐息をついた。  
「ほら、純くん、フェラチオしなさい。私のオチンチン、舐めなさいよ」  
 卑猥なアイデアにほくそ笑みながら、あけみは純の顔前に、黒光りする勃起を突きつけた。  
「えっ? そ、そんな……」  
 フェラチオしてもらいたいのは自分のほうだった。  
 純は落胆した声とともに、あけみを見あげた。  
「言うとおりにしなさい。それに、ほら、ひろみのオマンコのオツユがたっぷりとついたオチンチンよ。純くんだって、まんざらじゃないはずよ」  
 勃起を純の鼻先に擦りつける。  
 
「あっ、よしてくださいっ」  
 あまりの大きさに純は恐れをなしていた。そうではあれ、鼻先にヌルッとした感触がある。まぎれもない、ひろみの淫猥な匂いが漂ってくるではないか。その牝の匂いを嗅いでしまえば、もう鼻を鳴らさずにはいられない意地汚い純だった。  
「ほらね、いい匂いでしょう」  
 片手に掴んだ勃起を、あけみが純の唇に擦りつける。  
「さあ、お舐めなさい。これは命令よ」  
 恨めしげな目で立ちはだかるあけみを見、純は仕方なく口を大きく開いていく。  
「そう、もっと大きく開けて」  
 せいいっぱい開かれた純の口に、あけみは勃起をねじりこもうとした。  
「あうーっ」  
 ほんの数センチ、その一物の亀頭部分が入っただけで口が裂けそうになり、息がつまり、純は吐きそうになってむせかえり、目尻から涙を流してしまった。  
「あらあら、フェラチオするにはちょっと大きすぎるみたいね」  
 あけみはベルトをはずして下腹部から勃起を取ると、ベッドの上に投げ捨てた。  
 純の眼前には、まぎれもない女体に戻った全裸のあけみが立ち、金色の陰毛が鼻先に触れんばかりに迫っている。  
「それよりも……」  
 あけみは、両手で純の頭を挟みつけるようにして持つと、顔を上に向けさせて、新たなる命令をくだした。  
「鼻で私にご奉仕しなさい。いいわね」  
 純が返事するより前にあけみは、上向きになった鼻の頭に股間を押しつけ、腰を小刻みに蠢かせる。純の鼻の頭が金色の陰毛に没し、恥骨につぶされ、ヌルッと滑りこむように深い溝へはまりこんでいった。  
「あンッ」  
 甘美な感触に、あけみのお尻の肉がピクッと震える。  
「ウーンッ……」  
 熱く湿り気を帯びた女肉が鼻をふさぎ、鼻腔にこってりとした濃厚な匂いが殺到する。あけみの女陰に、膣肉のなかに埋まりこんでいるのだ。目を開ければ、眩しいばかりの繊毛が、瞼のなかにまで押し寄せてくる。  
 
「あああっ、いいわァ……」  
 あけみは、両手で掴んだ純の頭を小刻みに揺する。純の鼻が膣口をうがち、鼻の上にある骨がちょうどクリトリスに擦れるのだ。  
「フンンンン……こ、これって、いいっ! いいわァー」  
 純の頭を小刻みに揺さぶりながら、あけみは腰をクイックイッと上下に悩ましく振りはじめる。  
「ウンッ、ウンッ……」  
 口で息をしながら、ヌルヌルに蕩けた秘肉の匂いをいっぱいに嗅いで、鼻の穴をヒクつかせて呼吸するのは、純にとってもまんざらではなかった。  
「あンッ、あンッ……ああンッ……」  
 いよいよ興に乗って腰を弾ませるあけみに翻弄されながらも、純は女陰の感触と匂いを鼻いっぱいに堪能する。  
「これって、いいっ! あああ、感じる……いやらしいわァ……」  
 純の鼻を玩具のように扱いながら、あけみは、腰の動きをいよいよ卑猥に激しくしていく。  
 純も必死に鼻を啜らせる。女陰から溢れたあけみの肉汁が、伝い流れて口のなかに入ってくるのが感じられれば、純の興奮もいやがうえにも昂る。  
「ああンッ、あンッ……はあああン……」  
 純の頭を支点に腰を激しく振りたてて、あけみの女体は鼻淫の快感に昇りつめていく。  
「あっ」  
 そのときだった。勃起の先端にチクチクするような軽い刺激と風を感じて、純は思わず声をあげていた。  
「ふふふ、これだけでも感じるんだ」  
 いつの間にか、純の裸体に寄り添っていたひろみが、長い黒髪を勃起の上に垂らし、片手で髪の束を掴んで、毛先で亀頭をさすっていた。  
「オッ、オッ……」  
 充血しきった亀頭には、毛先が触れるだけでもヒリヒリと感じられ、鋭く疼いてしまう。  
「あああっ、イキそう……はああああン……」  
 
 ひろみの戯れに気づくゆとりもなく、あけみは自分一人の恍惚のなかに溺れている。  
「ふふふ、面白ーい……」  
 毛先を刷毛のように使って行き来させるたび、ピクッピクッと跳ねて、前触れの粘液を溢れもらす純の勃起を、ひろみは面白そうに見つめる。  
 口に咥えて吸いあげてやりたい。そんな衝動を覚えながらも、あけみの手前、ぐっと堪えて、ひろみは口腔から絞りだした唾液を、真っ赤な亀頭に滴らせる。  
「あっ!」  
 ポタッと熱い唾液が亀頭に落ち、肉茎に伝い流れる感触。もうそれだけで、充血し気張りきりすぎていた勃起は臨界点を突破し、勢いよく炸裂しはじめる。  
「ウォーッ!」  
「あっ、ヒーンッ!」  
 攻撃的に突きこまれた鼻に、あけみの快感も限界を超える。立ったままの女体がのけ反り、引き締まった尻肉が痙攣する。  
「い、いやだァ……純くん、射精しちゃったァ……」  
 純の勃起は、なんの介添えも受けぬままに、独りで噴きあげ、白い液体をまき散らす。  
「あけみ! ねえ、あけみ! 純くんがシーツを汚しちゃった!」  
 
おしまい  
 

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