「だ…ダメぇ……こんな所じゃ……あ…っ」
妙子が僕の手を掴むが、殆ど力はこもらない。僕のその手は妙子の柔らかい胸の弾力を楽しんでいる。
「……だって…しばらく逢えなかったから……もっと妙子に触っていたいんだ」
後ろから妙子を抱き抱えながら、耳たぶを甘噛みつつそっと囁く。妙子に掴まれていない左手はその大事な部分に伸ばし、触れるか触れないかの距離で擦る。
ここは海から少し離れた更衣室の裏。辺りには人の気配は無く、遠くに遊ぶ海水浴客の声が聞こえる。
上京時には結局風呂場でしか着なかった黄色いセパレートの水着に身を包んだ妙子を、僕はこの手で慰めていた。
夏休みも残り少なくなった頃、僕は青森に来た。そしてあいにくの曇り空の昼下がりに海水浴場に二人でやって来たのだ。
「……ホントはちょっと恥ずかしいけど…」とこの水着を着た妙子の姿に先日の情事を思い出し、こうして欲情してしまったのだ。
「妙子……」
水着越しでも、妙子の乳首が硬くなっているのがわかった。おそらく、妙子も自分のお尻に当たっている僕のモノが勃起しているのに気付いている筈だ。
「……私だって………」
僕に向き直った妙子の頬は薄紅色に染まっていた。
「……淋しかったよ…」
そのまま唇を重ねて来た。
「……ここ…こんなになってる…」
妙子が僕のトランクス型の水着の膨らんだ部分を優しく撫でながら囁いた。
「…………口でなら…いいよ…」
僕にはその気遣いが嬉しかった。そのまま僕はその言葉に甘える事にした。
「……んっ…んん……ぅん…っ……んんっ…」
妙子が僕を咥えた頭を前後に動かしてくちゅくちゅ、と水っぽい音を奏でる。口の中で亀頭をちろちろと刺激したり吸い付けたりと、この夏で格段に上達した舌技は僕を快感の波に乗せてゆく。
その右手は僕の肉棒に添えられ、残る左手はいつの間にか水着の中に入れられ、自らの陰唇をまさぐっていた。
「…妙子…自分でいじってるの……?」
「……ふぁっ……ダメ……言わないで………恥ずかしい………」
妙子は恥じらいの言葉を洩らすが、その指を止める様子はない。妙子も僕に欲情してる――。それがやけにくすぐったい様な気分にさせる。
「いいよ…ッ……もっと左手を動かしても……」
僕の言葉に応え、妙子は自らを慰める指遣いを更に激しくさせた。感じているのか、ゆっくりと腰を動かしている。一段と水音が激しさを増し、妙子の頬は興奮からか赤みを増してゆく。
妙子の淫らな姿に、僕は一気に射精感を昂ぶらせる。
「で……出る…ッ…」
僕は妙子の口の中で、一気に溜まった精液を解き放った。
「――んっ!?……んンッ……んくっ…ん……んっんん…ッ……!」
妙子は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに再び瞼を伏せて次々と発射する僕の精液を飲み干してくれた。喉仏の動きがやけに艶めかしく感じる。
あれだけ射精したにも関わらず、僕の下半身は全く萎える事はなかった。それどころか妙子が僕の精液を飲み干す姿に一段と気持ちは昂ぶっていた。
「…妙子……もう我慢出来ない……入れるよ…」
「……えっ…」
「妙子のここ……こんなに濡らして、欲しがってるんでしょ……?」
僕は自らを慰めていた妙子の手をそっと払い除け、弄んでいた蕾を水着越しに触る。くちゅ…といやらしい音が鳴る。
「…僕も、妙子の中に入れたい…」
「…違う…っ……私は…」
妙子は体をくねらせて何かを堪える素振りをする。
「いやあ……外でなん…て…ダメだよ…ぉ……あっ……見られ…ちゃう……よっ………!」
妙子の制止を振り切り、水着をずらして秘唇を露にさせた。そしてそこにそそり立つ自分のモノを当てていく。
「…入れるよ……っ…」
ずぶぅ………!
「…うぁ…っ…あああン!」
妙子の陰唇は驚く程に抵抗なく僕を受け入れる。
「妙子の中…凄く熱いよ…」
「…やっ……ダメだったらぁ……あっ…あん……」
そう言いながらも、妙子は腰を浮かせて僕の肉棒を咥えて離さない。その動きに、僕は心まで溶かされてしまいそうだ。
「でも……ホントは妙子も気持ちいいんでしょ…?」
僕は妙子の心を揺さ振るべく言葉で責め始めた。
「…妙子の……キュウキュウ締め付けて…すぐにでもイッちゃいそうだ……」
「……そ…んな…あんっ……言わないで…よぉ……」妙子は泣きだしそうな目で僕を見据える。
僕はがむしゃらに妙子の膣を貪り続ける。妙子の太腿を愛液が流れていく。
「……あンッ………んっ……いいの…ッ…気持ちいいのぉ…!」
妙子は遂にその快感を口にしてくれた。
「もっ…と…ぉっ……もっと…奥まで……突いて…っ………」
妙子は自らの感情を吐露した事で更に昂ぶったのか、両襞の締め付けがきつくなってゆく。喘ぐ妙子の両腕が僕に絡まる。
立ったままの姿勢で壁を背にした妙子を貫く僕は、更に奥に侵入すべく妙子の両脚を持ち上げた。丁度抱っこするみたいな形になり、そのまま肉棒で妙子を突き上げる。
「…やぁっ……こんなカッコ……恥ずかしいよぉ」
「……妙子…可愛いよ…」
その言葉を遮って唇を重ねて、舌を入れて口内を責める。妙子もそれを受け入れて自分の舌を絡み付かせてゆく。
「…んっ……んん……あ……はぁん…」
離れた口元を一筋の唾が糸を引く。それを見つめる妙子の瞳はねだる様に濡れていた。
「妙子……前と後ろ、どっちの方が気持ち良い…?」
先程までと姿勢を変え、壁に手を付いた妙子をバックで責めながら僕は少し意地悪な質問を浴びせた。
「…あっ……そんな…の……わかんな…んっ……あぁん…っ……わかんないよぉ……あん…っ…」
妙子は少し困った様な素振りを浮かべる。
「……僕は、妙子の後ろから入れるの……気持ち良くて、好きなんだ………」
「…そ………なの…?」
途絶え途絶えの声を上げながら、妙子が振り返って僕の方を見る。……僕は、この仕草も好きなのだ。
「…………し……も……」
「…え…何…?」
「……私も…っ…後ろから…が……いい………あなたに……好きにされるのが……あんっ……好きな…のぉ…っ……はぁん…っ…!」
喘ぎながら懸命に答える、その姿が堪らなく可愛い。
「じゃあ…もっと色々、してあげる……」
僕は右手を伸ばし、水着を捲り上げて右の乳房を露にさせた。そしてそのまま掌で揉み始める。
「やぁっ……胸…そんなに揉まない…で………気持ち良すぎてっ……はぁん…変になっちゃ…う……」
妙子の尖った乳首をコリコリと指で刺激しながら、僕はわざと意地悪に言う。
「……本当は…こうやってされるの、気持ちいいんでしょ?」
「…あん…あっ……ああんっ……あ……い…いいの……きもちい…いよぉ…っ」
妙子の本音が零れる。
「ああっ……こんなぁ…後ろからいっぱい……突かれて……すご……感じて……るぅ…はんっ…はぁぁん………ぅん……んんっ…」
妙子は僕をもっと奥まで誘うかの様に、お尻を突き出していやらしく動かす。それに合わせて、僕は妙子を責め続ける。ぱんっ、ぱんっ…と腰を打ち付ける音が届く。
「…あ……いい…っ…もっ…と……めちゃくちゃにして…っ……いっぱい……犯して…っ……あっ……あっあっあっあっ…はぁぁん…っ」
普段は真面目で口うるさい妙子が、こんないやらしい台詞で悶えている。その事実が更に性欲を駆り立て、僕は妙子の奥に欲望の塊を打ち突ける。妙子はそれを腰を淫らに動かして受け入れる。
「……も……ダメ………イッ……ちゃう………イク……イクっ……イクッ…イクッ……イ…クぅ……」
妙子はうわ言の様に繰り返す。その切なげな声を聞きながら、僕は限界が近いのを感じていた。
「……妙子……中に…出しても、いい…?」
「……ぅ……はぁ……ん……うん…っ……ん…」
妙子の言葉は、僕には肯定の意に感じられた。
「…うぁッ……出る…ッ…出る……ッ…!」
僕はそのまま妙子に熱くたぎる想いを吐き出した。
「……ふぁッ……ああぁぁぁぁぁんッ…!」
それと殆ど同時に妙子も果てた。ぎゅうッ、精液を搾りだすかの様にと締め付けてくる感覚に僕は暫らく酔いしれた。
「………もうっ……中でなんてするから……立てないじゃない……」
妙子はその場に座り込んでずれた水着を整えた。海に入った訳でもないのに、全身が汗ばんでうっすらと濡れている。
「……ゴメン……だって、久しぶりに会えたから…我慢出来なくて」
「……まだ泳いでもいないのに、もうヘトヘトだよ……」
妙子は僕を上目遣いで見つめてくる。
「…………どこかで、休憩したい…な……」
「…えっ……それって…」
「……………うん」
妙子は小さく頷く。
「………いっぱい…しよ?」
僕に擦り寄ってくる妙子の表情は、何かを期待する様な微妙な色を帯びていた。
終わり。