テレビの電源が消えると同時に外の雨音が聞こえてきた。  
 ここ数日雨が続いている。  
 昌宏はしとしとと降る雨を意識しながら、大学に入学してこの部屋に住む様になってから、これだけの長雨は初めてだなと思った。  
 ピンポーン。  
 そろそろ寝るかと伸びをしながら首を軽く回していると、玄関のチャイムが鳴った。  
 宅急便か何かと思いつつ、今が午後十時過ぎという、そういったモノが来るには遅い時間である事に気が付く。  
 一体誰だろうと思いながら昌宏はドアを開けた。  
「あ……るりかじゃないか。どうしたんだ?」  
 そこいたのは実家にいるはずの妹だった。  
 しかも驚いたことに全身ずぶ濡れであり、何か遭ったと思わせる暗い表情を浮かべている。  
「兄貴……私……」  
「と、とにかく入れよ、な?……そのままじゃ風邪引くぞ……」  
「うん……」  
 元気なく頷く妹を部屋に入れながら、慌ててバスタオルを取りに走る。  
「っと、そうだ、とにかくシャワー浴びろ。体冷えちゃってるだろ?」  
 バスタオルを渡そうかと思いつつ、それよりも体を温めるのが大事だと思った昌宏は、妹をバスルームへ連れて行った。  
「ほら、お湯出るから……入れよ、な?……あと着替えだけど……えっと……取り合えずこれ着ろ……」  
 近くにあった洗濯物を妹に渡す。  
「ありがと……」  
 暗い表情のまま妹はバスルームのドアを閉めた。  
 少しするとお湯の流れる音が聞こえ出し、それと共に昌宏は深い息を吐き出した。  
(るりかのやつ……一体どうしちゃったんだろ……?)  
 いつもうんざりするくらい明るい妹が、まるで別人の様に暗くなっている。  
 ズブ濡れという事は、雨が降っている中ずっと傘を差さずにいたのだろう。  
 しかも手には傘を持っていたのだから、それで差さないという事は、精神的にどこかおかしくなっているとしか思えなかった。  
(どうしよ……どうすればいいかな……?)  
 そんな状態の妹を相手にした事がない昌宏はどうしたものかと悩んだ。  
(う〜〜ん……)  
 だがしばらく考えてみても思いつかない。  
 恐らく何か辛い事があったに違いないのだが、それを慰めるなど自分には無理だった。  
(駄目だっ……分からないよ……)  
 諦めるのと同時にお湯の流れる音が止まった。  
(あっ……出てきちゃう……わぁ、どうしよ……)  
 動揺しているうちにバスルームのドアが開き妹が出てきた。  
(って……何て格好だ……)  
 そのあまりの姿に慌てて視線をそらす。  
 バスタオルで頭を拭いている妹は、先ほど渡したワイシャツを着ているのだが、下には何も身に付けていないのである。  
 大きく開いた胸元と真っ白な太ももが眩しく目に映り、その微妙にいやらしさを感じさせる格好に、昌宏は思わず唾を飲み込んでしまった。  
 妹は何も言わず、頭を拭きながら近づいて来ると隣に座った。  
 しばらく二人とも黙ってしまい、部屋には妹が体を動かすたびに擦れる服の音だけが響いた。  
「……」  
「……」  
「……あ〜〜、何か食べるか?」  
 無言の状態に耐え切れず尋ねる。  
「ううん……いい……」  
「そうか……」  
 食事の用意でもすれば気がまぎれると思ったのだが、断られてはできなくなってしまう。  
「ね、兄貴……」  
「ん? 何だ?」  
「聞かないの? 何があったか……」  
「う……聞きたいけど、聞いても何も言えない様な気がするから聞かない……」  
「そっか……」  
 そう呟くと妹は黙り、昌宏は深い息を吐き出して頭をかいた。  
「で、どうするんだこれから……?」  
「できれば泊めて欲しいかなって……」  
「そうか……別にいいけど……」  
「ありがと……」  
 暗く礼を言う妹を不安げに見つめる。  
「はぁ……何か……疲れちゃったなぁ……」  
 妹は溜め息を付きながら肩を落とした。  
 
「じゃあ、もう寝るか? 布団は一つしかないけど、俺は別にいらないからさ」  
「え? そんなの悪いよ。一緒に寝よ」  
「だけどさ……」  
「私たちは兄妹なんだし、気にしない気にしない」  
 妹が明るく笑う。  
 それはいつもの口調ではあったが、顔に浮かんでいる笑顔は無理をして作っているのが丸分かりだった。  
「じゃあそうするか。久々に兄妹で仲良く寝るとしよう」  
「うん……」  
 昌宏も無理をして明るく言うと、立ち上がって押入れから布団を取り出し敷き始めた。  
 楽しい雰囲気にすれば妹が少しは元気になるかと思ったのだ。  
「っと、これでよし……それじゃ俺着替えるからな、見るなよぉ……」  
 布団を敷き終えた後、わざとふざけた感じで妹に言う。  
「ふふ……どうしようかなぁ……」  
 心配をかけまいと明るいフリをしようとしているのか、妹もそれに乗ってきた。  
「エッチなやつめっ」  
「ふふふ……」  
「あははは……」  
 兄妹は可笑しそうに笑い合った。  
 だがその笑いには虚しい雰囲気があり、どちらも無理をしているのがあからさまだった。  
 パジャマに着替えて布団に体を入れると、妹も横になって体を近づけてくる。  
(あ……)  
 白い太ももが目に映り、そのいやらしさに昌宏はゴクリと唾を飲み込んでしまった。  
 妹の様子が心配なのは確かなのだが、そうは言っても健康な男子である事に違いない。  
 妹とはいえ露出の多い異性とここまで接近すれば、その肉体に興奮してしまうのは仕方がないだろう。  
 その事を意識してしまうと心臓が激しく鼓動した。  
「兄貴……どうしたの……?」  
 ジッとしたまま動かない兄を不審に思ったのだろう、妹が声をかけてくる。  
「いや、何でもない……」  
 昌宏は慌てて横になると妹の方を見ないようにした。  
「変な兄貴……」  
 妹も寝転び、ゆっくりと呼吸しているのが聞こえてくる。  
「じゃ、電気消すぞ……」  
「うん……」  
 電灯の紐を引くと部屋が暗くなった。  
 全ては消さなかったため、ボンヤリとした明かりに部屋が包まれている。  
「ふふ……何か懐かしいね……」  
「え? 何がだ?」  
 妹が心配をかけまいと、一生懸命楽しげに聞こえる口調にしている事が分かったため、昌宏もできるだけ明るい感じにしながら問いかけた。  
「昔はさ、こうして兄貴と同じ部屋で一緒に寝てたじゃない」  
「そういやそうだな……」  
 まだ幼い頃、妹と同じ部屋で寝起きしていた時は、確かにこうして同じ時間に寝ていた。  
 布団もすぐ横に敷いて、何かあるたびにふざけ合ったものだ。  
「あの頃は仲良かったよね……」  
「今だってそうだろ?」  
「まあ……ね……でも昔ほどじゃないよ……最近あんまり話さないじゃない……」  
「そりゃそうだ……離れて暮らしてるもんな……」  
「それだけじゃなくてさ……やっぱり昔みたいに何でも一緒にしてないからだと思うんだ……」  
「そりゃな、大人になれば色々あるし……あ……」  
 今まさに妹は、その色々遭ったらしい状況なのである。  
 昌宏はマズイ事を言ってしまったと思い押し黙った。  
 妹もそれを意識したのか喋るのを止め、ジッとしている。  
「……」  
「……」  
「……ぅ……ぅ……」  
 しばらくすると小さな声が聞こえ、どうやらそれは泣き声の様だった。  
 妹は泣いているらしい。  
 
「大丈夫か……?」  
「うん……ぅ……ゴメンね、変なとこ見せちゃって……」  
「気にするな……俺はお前の兄貴だからな……変なところなら沢山見てきてる……」  
「そっか……ふふ……そうだよね……私、兄貴に変なとこ見せて大きくなったんだもんね……」  
「そうだぞ……だから遠慮するな……泣きたいなら思いっきり泣け……兄ちゃんは気にしないから……」  
「あ、ありがと……うぅ……兄貴、ありがとぉ……」  
 妹は突然上半身を乗せる形で抱きついてくると、大声を上げて泣き始めた。  
 泣き方は昔と変わらない、引きつる様なしゃくり上げをしている。  
 昌宏はそれを見つめながら妹の頭を優しく撫でた。  
 背中にも手を回し、ゆっくりとリズムを取る様に軽く叩く。  
 昔から大泣きした妹を慰める時にはこうしたものだ。  
 昌宏はそうして妹が泣き止むのを待った。  
「兄貴っ……兄貴ぃっ……」  
 妹はギュッと抱きつき、顔を擦り付ける様にしてくる。  
 腹の辺りに昔はなかった柔らかな肉の感触が感じられ、昌宏は焦ってしまった。  
(るりかのやつ……ずいぶん胸がデカクなってたんだな……ってヤベっ……)  
 意識すると一気に股間の一物がそそり立ち、早く何とかしろと言わんばかりにビクンビクンと震え出した。  
 妹に対して欲情している己の体に苦笑しながら、それを何とかしようと意識を逸らそうとするが、初めて感じる柔らかい感触は容赦なく襲い掛かってくる。  
「あのねっ……私っ、私っ……振られちゃったのぉっ……」  
 妹は泣き叫び、まるで擦り付ける様に乳房を押し付けてくる。  
 服越しとはいえ、初めて感じる胸の感触に昌宏は頭がボンヤリとしてきた。  
「もういいってっ……お前には飽きたってっ……言われちゃったのぉっ……」  
 妹の告白に耳を傾けようとするのだが、脚を絡めて体全体で抱きついて来るため意識がそれてしまう。  
 股間に肉の重みが感じられ、まるで肉棒に刺激を与えるかの様にグリグリと擦りつけてくる。  
(う……気持ち、いい……)  
 今自分が妹とはいえ、女の肉体と密着しているという事実に激しい肉欲が湧き起こってきた。  
(ば、馬鹿っ……相手は妹だぞっ……そういう相手じゃないんだっ……落ち着け俺っ……)  
 だが抑えられない性的な高揚が昌宏の理性の壁にヒビを入れていく。  
 肉棒が強く押され、体中に快感が広がった事がトドメとなった。  
「るりかっ!」  
 昌宏は妹をギュッと抱き締めると、自ら肉棒を擦り付ける様に腰を動かした。  
「兄貴っ!」  
 妹もギュッと抱きつき、体中を擦り付けてくる。  
 兄妹はそうしてお互いの存在を確かめ合う様に抱き締め合った。  
(ああ……気持ちいい……るりか……るりかって……女なんだな……)  
 数年ぶりに抱き締める妹の体は、柔らかく温かで、昌宏の中にある雄を刺激するのに十分な魅力に溢れていた。  
 元々妹として可愛いと思っていた相手である。  
 そうして抱いていると心地良い思いが心に広がり、愛おしさが込み上げてきた。  
「兄貴っ……わたしっ……わたしぃっ……」  
 突然唇が塞がれたかと思うと、柔らかなモノが口の中にニュルリと入り込んできた。  
(!……)  
 目の前に迫る妹の顔に驚きながら、口内に広がる快感に体が震え出す。  
(るりかっ……)  
 昌宏は自らも舌を動かし、そのまま顔を左右に入れ替えながら激しいキスを繰り返していった。  
「んっ……んんっ……んふぅっ……んっ……んんっ……」  
 妹の舌がチロチロと蠢き、唇を、舌を刺激してくる。  
 そのたまらない快感に昌宏は夢中になって妹の唇を貪っていった。  
「んんっ……んっ、んっ……んふぁっ……はぁ……あぁ……」  
 しばらくそうしてキスをした後ゆっくりと唇を離し、頬を上気させながら荒い呼吸をしている妹を見つめる。  
「兄貴……わたし……忘れたい……忘れさせて……お願い……」  
「るりか……」  
 妹が何を言っているのか分かったが、昌宏はもはや止まらなかった。  
 それが許されざる行為だと理解していても、今感じている興奮を止める事などできなかったのである。  
 体を入れ替えて上になると、妹の姿を眺める。  
 そこには昔から知っている可愛らしい顔があった。  
 幼い頃から一緒に遊んだり喧嘩したりした顔だ。  
 自分にとって大切な妹の顔……。  
 それを泣き顔にしたヤツがいる。  
 許せなかった。  
 そして悲しむ妹を何とかしてやりたかった。  
 
(そうだ……忘れさせてやるんだ……俺が……兄貴の俺が……るりかのために……)  
 昌宏の頭には妹に対する愛おしさが溢れていた。  
 己の行為で妹の悲しみがまぎれるのなら、禁断の行為をする事に躊躇はなかった。  
 無論高まった肉欲が後押しをした事も大きいだろう。  
「るりか……」  
「兄貴……」  
 もう一度唇を重ねると舌を激しく吸い合う。  
「んんっ……んっ……んんっ……」  
 そのままワイシャツの上から豊かな胸の膨らみを掴んだ。  
「んんっ!」  
 妹がビクンと体を震わせた事に一瞬驚きつつも、そのまま力を入れて揉んでいく。  
(柔らかい……)  
 初めて触れた乳房の気持ちのいい感触に鼻息を荒くしつつ、何度も揉みしだく。  
 指が食い込みつつも、すぐに強く押し返してくるのがたまらない。  
 昌宏は妹の唇を強く吸いながら、何度も乳房を揉みしだいていった。  
「んっ、んんっ……んはぁっ……あっ……兄貴、ああっ……」  
「るりか……可愛いぞ……」  
 うっとりとした表情を浮かべながらこちらを見上げる妹を愛おしく感じながら、ワイシャツのボタンを一つ一つ外していき、ゆっくりと妹の乳房をあらわにしていく。  
(綺麗だ……)  
 薄明かりの中でも肌の白さが感じられ、程良い大きさと美しい形をした膨らみに感嘆の思いを持つ。  
「やんっ……」  
 生の乳房をギュッと握り締めると、妹が少し顎を上げて甘い声を漏らした。  
「るりかぁ……」  
 そのまま両手で強く掴み、回す様にして何度も揉みしだいていく。  
「あっ、ああっ……あんっ……やっ……やぁっ……兄貴、はぅっ……ああんっ……」  
 面白い様に形を変える乳房は、昌宏にとって新しいおもちゃだった。  
 何度揉んでも飽きる事のないその膨らみは、体の奥底からワクワクする様な興奮を呼び起こし、揉むことを止められない。  
「ああっ、あっ……やぅっ、やっ、兄っ、ああっ……兄貴ぃっ……あんっ、あっ……はふぅっ……」  
 妹が頭を左右に振り、いやらしい表情を浮かべて悶えている。  
 そのたまらない様子に我慢できなくなった昌宏は、乳房をギュウッと握り締めると、親指と人差し指の輪から出ている乳首にむしゃぶりついていった。  
「ああんっ……やっ、やぁっ……」  
 唇にコリコリとした感触が感じられ、それをチュパっと吸い上げると甘い味わいが口内に広がった。  
(美味い……るりかのオッパイ……美味いよ……)  
 左右の乳首を交互に舐めながら、舌先で弾きつつチュパチュパと吸っていく。  
 すると淡いピンク色をした乳首がプクッと盛り上がり、まさに今自分は女の乳首を吸っているのだと興奮が高まっていった。  
「あんっ、あっ……やっ、やんっ……あっ……兄、ああっ……いいっ、あんっ……オッパイぃっ……やぁんっ……」  
 千切れんばかりに乳首を吸い上げて離すと、ポヨヨンと乳房が揺れて興奮を誘った。  
 同じ様に左右の乳房を交互に吸いながら、形を滅茶苦茶に歪めるほど力を込めて揉んでいく。  
「あはぁっ……あっ、やんっ……いいよぉっ……やっ、兄、あふぅっ……あっ、あっ、ああんっ……」  
 可愛らしい声を上げて悶えるその様は、昌宏の中の雄を激しく刺激し、妹というより女として認識させた。  
(こんな可愛い……いい女が……俺の妹……)  
 震えるほどに愛おしくてたまらない感情が込み上げてくる。  
(るりかっ……るりかぁっ……るりか可愛いぞぉっ……)  
 このまま食べてしまいたいと思わせる欲求が押し寄せ、昌宏は妹の首筋に舌を這わすと吸い付き、可愛らしい耳を甘く噛んでいった。  
 耳の穴にも舌を差し込み、レロレロと蠢かす。  
「あっ……ああっ……やっ、兄貴、あっ……くすぐった、やぁんっ……」  
 まるで幼い少女の様な声を上げて悶える妹の姿は最高だった。  
 続けて白い顔の中でそこだけ薄い桜色をした唇に吸い付き、舌を絡ませて口内を貪っていく。  
「んっ……んんっ……んふぅっ……あっ……兄貴ぃっ……」  
 妹の甘えてくる声を聞きながら、昌宏は体を下半身に移動させて両脚をグイと開くと、すでに丸出し状態になっている股間に顔を近づけた。  
(これが……女……)  
 初めて見るそこは、まるで貝の様な外観をしていてテラテラと光を放っていた。  
(感じてるんだ……)  
 女は感じると濡れる。  
 妹が自分の愛撫で快感を得ているのだと思うと誇らしさが込み上げ、昌宏はそこを思いっきり舐め上げた。  
「ああんっ! あっ、あはぁっ……」  
 途端、妹が体を仰け反らせて激しく頭を左右に振った。  
 その反応に驚きつつ、それだけ感じさせている事に興奮してさらに舌で強く舐めていく。  
 
「あっ、ああっ……やっ……はぅっ……やぁんっ……」  
 握り締めた手を口に当て、頭をブンブンっと左右に振っては止め、すぐにまた振るのが可愛らしい。  
「兄、あっ……兄貴っ、やぁっ……わたし、はぅっ……わたしぃっ……」  
 頭に手が置かれて股間にグイグイ押し付けられる。  
 妹の脚がガクガク震え、時折跳ね上がる様に動くのが面白い。  
(凄い……凄いぞ……)  
 たまらなかった。  
 最高だった。  
 初めて女の乳房を揉みしだき、秘所を舐め、こうして喘がせ悶えさせていると、自分が何か凄い存在になったかの様な錯覚が起こってくる。  
 しかもこれはまだ大した事ではないのだ。  
 今股間で猛っている肉棒を押し込めば、もっと妹は反応するはずなのである。  
 その事を想像すると強烈な興奮が湧き起こり、早く入れたいという激しい欲求が押し寄せてきた。  
 この痛いほどに勃起している肉棒を、目の前にある穴に押し込み思いっきり動かすのだ。  
 それは信じられないほどの気持ち良さを与えてくれるに違いない。  
(でも……いいのか……?)  
 頭の片隅で尋ねてくる声がする。  
 相手はただの女ではない。  
 血の繋がった妹だ。  
 これからも家族として付き合っていく相手なのだ。  
 そんな妹を、肉欲に押されるまま抱いてしまっていいのだろうか。  
 今ならまだ引き返せる。  
 肉棒さえ入れなければ無かった事にもできるだろう。  
 しかし入れてしまえば、体を繋げてしまえばもう引き返せない。  
 近親相姦の罪を背負って生きていく事になるのである。  
 自分にそれが耐えられるのか。  
 昌宏は悩んだ。  
「あ……兄貴……お願い……わたしを……」  
 妹の悩ましい声が聞こえ、潤んだ瞳でこちらを見つめているのと目が合った。  
(!……)  
 その表情は、昌宏の悩みを消し去るのに十分な色気と悲しみを持っており、なぜ妹とこういう状態になっているのかを思い出させてくれた。  
 自分が今こうしているのは、失恋したらしい妹に相手の男を忘れさせるためだった。  
 そのためにはその男よりも自分が激しく妹を貫き、快楽を与えなければいけない。  
 セックスをしなければならないのだ。  
「うおぉっ!」  
 その思いは雄としての激しい競争心、そして独占欲に火を点け、昌宏は叫び声を上げて起き上がるとパジャマを一気に脱ぎ、そのまま肉棒を妹の膣穴に押し込んでいった。  
「あぅんっ!」  
「うぁっ!」  
 二人の声が重なり、ついに兄妹の肉体は繋がった。  
(うぅ……凄い……うぉっ……凄いぃっ……)  
 初めて体験する膣の感触は凄まじいものがあった。  
 ズブリズブリと入り込んでいく肉棒は、温かくヌメヌメとした膣襞に包まれ、微妙な蠢きによって奥へ奥へと引き込まれていく。  
(うぅっ……気持ち……う……気持ち良すぎるぅ……)  
 肉棒から伝わる快感はジワリジワリと体中に広がっていき、その耐え難い快楽に体を震わせながら、昌宏は激しい勢いで腰を動かし始めた。  
「ああっ、あっ、ああんっ……はっ、あぅっ、ああっ……」  
 妹の可愛らしい声が聞こえ、それと共に摩擦によって発生した快感が肉棒に押し寄せてくる。  
「るりか、うっ……るりかぁっ……」  
 信じられない気持ちの良さに妹の名を叫びながら、昌宏はぎこちないながらも激しく腰を振っていった。  
「あっ、あっ、ああっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」  
 その動きに合わせて妹の体が荒々しくずれ、ワイシャツの間から見える豊かな胸の膨らみがプルンプルンと揺れた。  
「ああっ、あ、兄、やっ……兄貴、はぅっ……」  
 潤んだ瞳で妹が見上げ、しがみつく様にして抱きついてくる。  
 可愛らしい顔が近づき、唇に柔らかな感触があったと思うと、ニュルリと舌が入り込んできて昌宏のものと絡んだ。  
「んんっ……んっ……んふぅっ……」  
 腰を動かしつつ、舌を激しく吸い合う。  
 上下の口で交わりながら、兄妹はお互いの肉を貪った。  
「んぐっ……んっ……んふぅっ……兄貴……兄貴私を……私を抱き締めてっ……強くっ……強くしてっ……強く抱いてぇっ……」  
「るりかぁっ……」  
 涙を流しながら抱きついてくる妹を、言われた通り強く抱き締め、腰の動きを早めていく。  
「あんっ、ああんっ、やぁっ……そう、ああっ……そうだよ、あんっ……強くっ……もっと強くぅっ……もっと強くするのぉっ……」  
 頭を激しく振って悶える妹の姿に興奮を高めた昌宏は、潰してしまうのではないかと思えるほどに強く抱き締め、これでもかと腰の動きに力を入れていった。  
 
「やっ、やぁっ、やぁんっ……兄、ああっ……兄貴、はぅっ……兄貴ぃっ……」  
 ブルブルと体を震わせ、妹はギュッと抱きついてくる。  
 背中に爪が立てられるが、それ以上の強い快感が痛みを消し去った。  
「るりかぁっ……るりかぁっ……」  
 愛情を込めて呼びかけると、妹は潤んだ瞳を向けて肩を甘く噛んできた。  
「あっ、あっ、ああんっ……好き、やっ……好きなのぉ、ああっ……兄貴大好きぃっ……」  
 妹が叫ぶと同時に膣内がキュッと締まり、昌宏の耐久力を奪っていく。  
 ガッチリと肉棒が掴まれるのと同時に、ヌメヌメとした膣襞が絡み付き、いやらしい蠢きで吸い込んできた。  
「るりかっ、るりかっ、るりかぁっ!」  
 その強烈な信じられない気持ちの良さに、初心者の昌宏が耐えられるはずもなく、ラストスパートとばかりに腰が凄まじい早さで動いていった。  
「あんっ、あんっ、ああんっ……凄いっ、凄いの、ああっ……兄貴凄いぃっ……あっ、あっ、ああっ……わたし駄目、ひゃぅっ……わたし、ああっ……わたし駄目ぇっ……はぅっ、はっ、はひゃぁっ……あぅっ、あっ、あぁあああああああああっ!」  
「るりかぁっ!」  
 妹が絶頂を迎えた瞬間、膣内がキュウッと締まり、その刺激に耐え切れなくなった昌宏は一気に精を放った。  
 ドピュドピュドピュ……。  
 勢い良く吐き出された精液が妹の膣へと注がれていく。  
「くっ……う……るり……か……」  
 ガクガクと体を震わせながら、昌宏は何度も何度も射精を繰り返していった。  
 信じられないほどの快感を感じながら、しばらく精を放ち続けた後、ようやく射精を終えた昌宏は、ガックリと力を抜いて倒れ込んだ。  
 ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、受け止めてくれている妹の肉体を心地良く感じる。  
 しばらくそうしていると、己がとんでもない事をしてしまった事に気が付いた。  
(俺……何てことを……兄貴なのに……るりかとしちまった……)  
「るりかのため」などという言い訳を利用して、自らの欲求を発散させてしまったのだ。  
(俺は……最低の兄貴だ……)  
 罪悪感が強く心に痛く刺さり、昌宏は慌てて上半身を起こして妹から離れようとした。  
「兄貴ぃ……」  
 しかしそれに気づいた妹が、泣きそうな、それでいて色気のある表情を浮かべながら首を左右に振った。  
(う……)  
 それはまるで、見ただけで石にされてしまう伝説の怪物の様に昌宏の体を縛り、動けなくしてしまった。  
「……」  
 妹は何も言わず、ただ見つめてくる。  
(るりか……)  
 その瞳には、今の行為をもっとして欲しいという願いが込められていた。  
 口に出してはいないが理解できたのだ。  
 目は口ほどに物を言う。  
 そのせつなげな瞳は、十二分に妹の意思を昌宏に伝えてきたのである。  
(だけど……)  
 しかしもうする訳にはいかない。  
 すでに過ちを犯してしまったが、一度だけで済むのならその方がいいのだ。  
「るりか……俺は……」  
「兄貴……」  
 言いかけた言葉を遮る様に妹が再び呼びかけてくる。  
 妹は望んでいる。  
 もっと滅茶苦茶にして欲しいと。  
 別れた恋人を忘れさせるくらい激しく、思いっきり貫いて欲しいと。  
 快感を与えて欲しいと言っているのだ。  
(駄目だ……目を見ていると……)  
 妹のせつなげな表情は、理性を駆逐してしまいそうなほどに淫靡であったため、昌宏は慌てて視線を下に向けた。  
(ぐ……)  
 しかしそれは失敗だった。  
 目に映ったのは、乱れた服装の女体。  
 はだけたワイシャツから見える乳房が、先ほどまでの熱いまぐわいを思い出させる様に激しく上下している。  
 呼吸に合わせて乳房が浮き沈みする様は、抑えきれないほどに昌宏の欲情を高めてしまった。  
「兄貴ぃ……」  
 三度目の呼びかけをしつつ、コクリと頷く妹の姿に昌宏の理性は消え去った。  
「るりかぁっ!」  
 むしゃぶり付く様に乳房に吸い付き、激しく揉みながら体全体を舐め回していく。  
「ああんっ……兄貴、やっ……あっ、ああっ……」  
 妹がクネクネと体を動かして悶える。  
 それがたまらない可愛らしさを感じさせ、昌宏はすでに硬く大きくなっていた肉棒を持つと、妹の膣の中へ再び押し込んでいった。  
 
「あぅんっ!」  
「うっ!」  
 二人の声が部屋に響く。  
 再び繋がった兄妹は、お互いを求める様にしっかりと抱き合うと腰を動かし出した。  
「うぅ……るりか……るりかぁ……るりかぁっ!」  
 ジワジワと肉棒に絡んでくる膣襞に呻きながら、妹の名を何度も呼ぶ。  
「兄貴っ……兄貴ぃっ……兄貴ぃっ!」  
 妹も同じ様に昌宏を呼び、兄妹はお互いを貪る様にして激しく肉体を絡ませた。  
「あんっ、あんっ、ああんっ……兄貴いい、はぅっ……兄貴いいよぉっ……あっ、ああっ、あやぁっ……」  
 妹が甘く叫び、肉棒が擦れる度にたまらない快感が体中に広がっていく。  
 温かでヌルヌルとした感触に加え、肉棒に絡みつく膣襞がピッタリと張り付き吸引してくるのが極上だった。  
(うぅっ……こんなっ……ぐっ……こんなの凄いよっ……)  
 二度目とはいえ、慣れることのない快楽は昌宏の理性を奪っていった。  
 相手は血の繋がった実の妹であり、今自分がしているのが近親相姦という許されない行為であると分かっていたが、これほどの気持ちの良さを止めることなどできる訳がなかった。  
 肉棒から伝わる快感、快楽に歪む可愛らしい顔、耳に響く甘い声。  
 それら全てがハーモニーとなり、昌宏の心と体を肉欲の獣にしていった。  
「兄、ああっ……兄貴、あぅっ……兄貴っ……」  
 甘える様にしがみついてくる妹の姿に、庇護欲と征服欲、そして独占欲を刺激され、男としての満足の極みに昌宏は達していた。  
 これほど自分を頼り、甘え、気持ち良さそうにしている存在は他にないだろう。  
 何しろ実の妹なのだ。  
 幼い頃から一緒に育ち、愛情を持って接してきた相手。  
 赤の他人の恋人では、ここまで愛おしくは思えないに違いない。  
 妹であるため、妹であるからこそ感じられる想いというものがあるのだ。  
「るりかっ……るりかぁっ……好きだっ……大好きだぁっ……」  
「私もっ……私も好きぃっ……兄貴大好きぃっ……」  
 思わず発した愛の言葉に妹も答えてくる。  
 その効果は絶大で、「好き」と言い、言われた瞬間、昌宏の中に妹が愛おしくてたまらない想いが溢れてきた。  
「うおぉっ……るりかっ……るりかぁっ……」  
 それまで以上に腰の動きを早め、そうする事で己の愛情を伝える事ができるかの様に肉棒を叩きつけていく。  
「ああっ、あっ、あやぁんっ……兄貴凄い、あぅっ……凄いの、ああっ……兄貴凄いよぉっ……はっ、はぅっ、はやぁっ……」  
 狂わんばかりに頭を振り、妹が激しく悶える。  
 体が前後に勢い良くズレ、豊かな乳房がブルンブルンと揺れまくる。  
 汗で額に張り付いた髪が色気をかもし出し、少し開いた唇からは赤い舌がチロチロと蠢いているのが見えた。  
「うぉっ……るりかっ……るりか可愛いっ……るりか可愛いぞぉっ……」  
 自分は妹を愛している。  
 死ぬほど愛している。  
 妹が好きで好きでたまらない。  
 そんな想いが押し寄せ、昌宏は妹のこと以外何も考えられなくなった。  
「ああっ、あっ、ああんっ……兄貴、はぅっ……兄貴、ああっ……兄貴ぃっ……やっ、やぁっ、やぁんっ……」  
 妹が背中に手を回し、腰に脚を絡めギュッと抱きついてくる。  
 すると膣内がキュッキュッと締まり、強烈な快感を伝えてきた。  
「ぐっ……るりか、うぅっ……俺駄目だっ……もうっ……うっ……」  
「いいよ、あっ……いいの、はぅっ……出して思いっきり、ああっ……るりかの中に、るりかの中に思いっきり、あんっ……兄貴の精液、やぁっ……兄貴の精液出してぇっ……」  
 限界が近いことを告げると、妹は自分の中に出せと、精液を注ぎ込めと言ってきた。  
 それは雄の本能が歓喜する言葉であり、その事が体に作用したのか腰の動きが自然と激しくなった。  
「出すっ、出すぞぉっ……俺っ、出すっ……お前の中にっ……思いっきりっ……思いっきり出すぅっ……」  
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいのぉっ……兄貴いいよぉっ……凄い、あっ……凄いぃ、やぁっ……凄いんだよぉっ……はっ、はぁっ、はぁんっ……やっ、やっ、やぁあああああああああんっ!」  
「るりかぁっ!」  
 二人の叫びが重なると同時に肉棒の栓が開き、勢い良く精液が放出された。  
 
 ドピュドピュドクドクドクドク……。  
 今や愛おしくて仕方のない妹の膣の中に、肉棒から噴射される白い液体が止め処も無く注がれていく。  
「くっ……がっ……」  
 射精するたびに押し寄せる快楽に、昌宏は何度も何度も頭を仰け反らせた。  
「兄……はぅ……兄貴……あ……やぁ……」  
 体内に入り込んでくる精液を感じているのか、妹がビクビクと体を震わせながら快楽の笑みを浮かべている。  
 そのいやらしい表情に心臓を激しく鼓動させながら、昌宏は次々に精を放っていった。  
「うぅ……う……ふぅ……」  
 しばらくして最後の射精を終えると、ゆっくり妹の体に倒れ込み、その柔らかな感触に心地良さを得る。  
(また……しちまった……)  
 肉欲が去ってしまうと、途端に罪悪感が押し寄せ、昌宏は己のした事に恐怖を感じた。  
 実の妹と交わり、快楽を得てしまったのだ。  
 しかも二度も。  
 これはどう考えても許される行為ではない。  
「兄貴……」  
(う……)  
 しかし妹がいやらしさの中に悲しみを含んだ表情を浮かべながら呼びかけてくると、ピクリと心と体が反応してしまう。  
 また抱けるのだと、妹のこの気持ちのいい肉体を貪れるのだと、歓喜に震えてしまうのだ。  
「るりか……俺は……」  
 僅かに残った理性が「もう止めろ」と必死に言ってくる。  
「兄貴……」  
 しかしそれも、妹のすがり付く様な泣きそうな顔を見た瞬間消え去った。  
 妹の表情が、兄を頼ってくるその表情が免罪符となってしまうのだ。  
 たとえ許されぬ行為であったとしても、その事で妹が救われるのなら兄としてするべきだ、いやしなければならない、といった使命感にすり替わってしまうのである。  
 無論それはただの言い訳、理性を騙すための方便でしかない。  
 だがすでに昌宏は妹の気持ちのいい肉体の虜となってしまっていた。  
 もう抱かずにはいられない。  
 妹の肉体を味あわずには我慢できないのだ。  
「るりか……」  
 その魅力的な体をギュッと抱き締めると、体の奥底からジワリジワリと肉欲が湧き起こり、肉棒を硬く大きくしていく。  
 覚えてしまった禁断の肉の味は、もはや忘れる事のできない淫靡な甘さを持っていた。  
「兄貴ぃ……」  
 可愛らしい妹の声に、昌宏の情欲は激しく燃え上がった。  
「るりかぁっ!」  
 再び肉棒を妹の膣に押し込み、獣の様に腰を動かし始める。  
「ああっ……兄貴、いいよぉっ……」  
 どこか暗い影を感じさせながらも、嬉しそうな表情を浮かべ、妹は兄の体を抱き締めた。  
 その暗さに気が付きつつ、今己がしている行為によってそれが無くなるのならと、昌宏は必死に腰を振っていった。  
「兄貴……大好きぃ……」  
 妹の腕と脚が絡みつき、二人の体は一つとなった。  
 兄妹はまるでそうする事が悲しみを消せるのだと言わんばかりにお互いの肉体を貪り合い、許されぬ交わりをいつまでも続けていくのだった。  
 
 
了  
 

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