日曜の夕方、といっても夏の4時だから普段ならまだ明るい。だが今日は少し前から夕立になって激しい雨となっている。空も暗い。  
「すごい雨ね。ちょっと早いけどもうお店閉めようか?」  
「そうだね、妙子」  
ここは青森、妙子の家だ。圭一は妙子の家に下宿している。高3で再会した2人は東京と青森の間で想いを育ててきた。圭一は国立大に  
合格し、妙子はその近くの女子大に合格した。はじめはアパートを借りるつもりだったが妙子の両親が半ば強引に圭一を安達家に下宿させた。  
妙子の弟の純が進学のため家を離れる寂しさがあったからかもしれない。2人が結ばれたのは純の引越で両親が留守にしていた夜だった。  
それ以来2人は愛を育んできたがなかなか2人きりになれないのが多少残念なことであった。ときどきホテルなども使ってきたが若い2人だ、  
もっと互いを欲するのは当然のことであった。  
両親は八戸の知り合いの婚礼で今日は泊まりだ。今日は久しぶりの2人きりの時間が持てる、そんな期待があった。だが少し時間が早い。  
「はい」  
店のシャッターを下ろしてきた圭一に妙子は麦茶を差し出した。  
「ありがとう。さっき、こどもが雨の中走っていったけど傘貸してあげれば良かったかな?」  
麦茶を飲みながら言う。  
「まあ、夏だから…。この雨じゃ、びしょ濡れよね。お風呂入ったほうがいいかな。あ、そういえば…」  
「どうしたの?妙子」  
 
「私たちも子供の頃…」  
圭一はしばらく記憶の糸をたどったがすぐに辿り着いた。  
「ああ、あれかあ!」  
圭一が転校する前の最後の夏休み、2人は学校で行われる水泳教室に通っていた。その日は今日と同じで  
激しい夕立になった。急に曇り空になり先生に教室の中止を告げられプールに入ることなく帰宅した途中、夕立にあい、  
びしょ濡れで家に帰ると妙子の母にそのまま風呂に直行するように命ぜられた。  
普段なら子供とはいえ男女が一緒に風呂に入ることは無い。だがその日は2人とも下に水着を着ていた。  
どちらかを先に入れて残ったのが風邪を引いても困るから、という理由もあったかもしれない。一緒に入ったが  
何も起こらなかった。当然である。事が起こったのは風呂から出た後だった。ちょうどそのときゲームを返しに来た  
同級生の恒三と出くわしたのだ。「おしゃべり恒三」といわれるやつだ。噂が広がるのは早かった。「安達夫婦」と呼ばれる事件の原因だった。  
 
「はは、あれにはまいったね」  
圭一は頭を掻いた。2人とも少し顔が赤い。  
「じゃあ、一緒にお風呂入る?」  
唐突に話題を変えたが、妙子は頬を染めながら頷いた。  
 
安達家の風呂は当時とは異なる。数年前にリフォームしたのである。変わらないのは家庭用としてはかなり広いことだった。脱衣所で  
妙子が服を脱ぐ音がする。  
「おまたせ…」  
妙子は水着を着ていた。それも学校の水着、スクール水着だ。  
「あのときのことを思い出して着てみたんだけど…。やっぱりヘンよね。脱いでくる」  
妙子は真っ赤だ。一旦脱衣所に出ようとする妙子の腕を圭一の手が掴んだ。  
 
「その水着、高校の?」  
「うん、さすがに小学生のはちょっとね…」  
圭一が足を広げた間に妙子が体操座りのようにちょこんと腰を落とす。  
「私ね、あの時すごくドキドキしてた。おかしいよね。プールと変わらないのに」  
「僕もさ。すごく恥ずかしくて、ちょっぴりうれしくて、なんていうか、照れくさかった」  
「そっかー、一緒だったのね」  
2人はしばらく当時のことを振り返った。  
 
「あーあ、惜しいことをしたな。中学、いや、せめて高校からでも青森に来ていれば妙子ともっと早くつきあえたのに。くやしいなあ。」  
そっと妙子を抱き寄せる。  
「それは私もそうだけど…」  
「妙子のスクール水着、妙子の制服、妙子のブルマ-見たかったなあ」  
圭一の手が妙子の膨らみに触れる。  
「妙子のここが成長するところも見たかったなあ。」  
妙子の胸を揉み始める。妙子の息が少し荒くなる。  
「あぁ、いっときますけどまだ成長してるんですからね。ん…。それに高校は男子と女子は体育のときは顔を合わせることが無いんだから見られないわ…よ」  
実際妙子の胸はまだ成長過程にあった。身長はもう伸びないが体つきはまだ変化していた。再会したときと比べても、より女らしさが増しているのは圭一も感じていた。  
布地が薄いのだろうか、妙子の膨らみの先端がうっすらと水着越しに現れる。2人の息がさらに荒くなる。  
 
「それじゃあ、その成長ぶりを直接確認しますか」  
圭一の手が水着の中に入ってきた。  
「ああん、もう、圭一のスケベ」  
妙子の胸は柔らかいが張りがある。初めて心を重ねたときよりも大きくなっているのは確かだった。  
「うぅ、はぁん」  
妙子は圭一の愛撫に対しては口数が少なくなる。  
「うぅぅ…。あぁぁぁ…。気持ちいい」  
圭一の右手が太ももを撫でる。すべすべして気持ちがいい。そのうち右手は妙子の秘所をさぐりはじめた。  
妙子の秘所に触れる水着の布地はなんだか手触りが違う。もしかして濡れているのかもしれない。  
圭一の右手は水着の中に侵入する。左手は胸の膨らみをもてあそぶ。  
「ああぁ、少し休ませて…。ううぅん」  
圭一はその手を休めない。右手はクレバスを探り、突起に到達する。細かな振動を加える。圭一は首筋に何度もキスをする。  
「あぁぁ、ダメ、うぅぅん」  
妙子の体が小刻みに震える。どうやら軽く達してしまったようだ。圭一は愛撫を止め妙子を軽く抱きしめる。  
妙子は深い息をつきながら振り返り、キスをせがむ。スクール水着の肩紐がいつのまにか外れている。  
胸の谷間に圭一が顔を埋める。こんなときの圭一は弟の純より幼く思える。  
 
「私の胸、好き?」  
圭一は答えないが乳首に吸い付いてそれを表現する。再び2人の息は荒くなってきた。今度は大人の、濃厚なキスをする。  
手と手が絡むと同時に2人の舌もダンスを続ける。  
「ねえ、そろそろ…」  
妙子がせがむ。頷いた圭一は湯船のふちに手をつかせ、水着をずらした。  
「妙子!」  
はりつめた圭一が侵入してきた。これ以上無いくらい硬い。それに水着のせいでいつもと角度が違う。  
「あぁぁ、圭一、圭一」  
水着は肩紐が外れ腰の少し上のあたりで止まっている。横にずらしたせいで妙子のお尻は片方だけ露出している。  
水着の濃紺とのコントラストがとても艶かしい。圭一はリズミカルに妙子を求めた。直接触れる妙子の肌も水着越しで触れる  
さわり心地も格別なものがある。妙子が振り向いてキスをねだる。胸を揉みながら圭一がそれに答える。  
「妙子、妙子」  
「圭一、あぁぁ」  
2人とも限界が近い。鼓動を刻む圭一に湯船の反対側の鏡が見えた。  
「妙子!」  
圭一は妙子の太ももを抱えた。湯船のふちに腰掛けるような格好となった。妙子は太ももを抱えられちょうどMの字のように脚を開いている。  
妙子が鏡に映る自分を見つけるまでさして時間はかからなかった。たちまち顔を真っ赤に染めることになる。  
「いや、おろして」  
圭一には妙子の訴えは届かない。妙子は快感と恥ずかしさで混乱していた。無理もない。自分の性器が相手のを  
掴んで離さないのを見るのは初めてなのだ。その間も圭一は妙子を愛しつづけた。2人の快感はこれまでより遥か高くなっている。  
上下に揺すられながら妙子は絶頂に達しつつある。  
「ああぁ、もう、もうダメ」  
「妙子!」  
最後の瞬間だった。圭一が抱えあげすぐさま妙子は沈み込んだ。これ以上無いというくらいの深さで2人がつながった瞬間何かが弾けた。  
どれくらい圭一は妙子を抱きしめていたのだろう?圭一と妙子にはわからない。1つわかっているのは今この瞬間に  
自分より大切なものがあってそれがすぐ近くにいるということだった。  
END  
 
 

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