明日香がテレビの画面から僕に微笑む。
アイドルとしての地歩を占めつつある明日香が出した2枚目のイメージDVDだ。
事務所の戦略らしく、内容も初めのものと比べると少し過激になっている。
際どいポーズや狙ったアングル、男性の目を意識した仕草はそそるものがあった。
無意識に僕の手は股間へと伸び、硬度を増しつつある肉茎をしごき始めていた。
目は画面の明日香を追い、手は慣れた動きで上下する。
「あ、明日香……」
徐々に性感が高まっていき、もはや後戻りできないところまで来ているのを自覚する。
……放出しないことには収まりがつかない。
「はぁ、はぁ、明日香……」
僕はフィニッシュすることに決め、ハーフパンツを下着ごとひざまでずらした。
そしてティッシュを取ろうと手を伸ばしたところで背後に気配を感じた。
振り向く。
「あ、明日香っ!」
そこには僕を見つめる明日香の姿があった。
「あ、いや…その……えっと、違うんだ明日香。あのね……」
しどろもどろになりながら服を整える。
そうしながらも弁解の言葉を考えるけど、明日香を納得させられるような説明が思いつかない。
「なんでやめちゃうの?」
「うん、そうだよね。僕には明日香が……え? なんて言った? 怒ってないの?」
意外な答えが明日香から返ってきた。耳を疑い、聞き直す。
「会えないんだもん、仕方ないよ。それに明日香のビデオでしてくれるなら浮気じゃないじゃん」
明日香が芸能界にデビューしたすぐの頃は会う時間も簡単に取れた。
だけど少しずつ人気が出、仕事が増えると僕たちはあまり会うことができなくなった。
それでも明日香は時間を作って僕に会いに来てくれた。
僕が留守でも部屋に入れるよう、合い鍵も渡してある。
今日はそれで恥ずかしいシーンを目撃されてしまったというわけだ。
「ねぇねぇ、男の子ってどうやるの? 見せて見せて! これは要チェックだな」
無邪気な笑顔で明日香が僕の前に体育座りで腰を下ろす。本気で僕のオナニーを見る気らしい。
いくら相手が明日香でも、オナニーを見られるのは恥ずかしい。なんとか思いとどまらせる方法はないものか……。
「明日香、明日香は僕のオナニー見たいの?」
「うん!」
大きくうなずく。翻意する気はないようだ。
「明日香が見せてくれるなら、僕も見せてあげるよ」
そう言えばあきらめるだろう。そう考えた僕の言葉に案の定明日香が沈黙した。
点けたままの明日香のイメージDVDの音だけが部屋に流れる。
やっぱり明日香も人前でオナニーはできないはずだ。これで撤回するだろう。そう思った。
ところが
「私が見せたら、あなたも見せてくれるのね」
そう言うなり立ち上がると、スカートを脱ぎはじめた。シンプルなデザインの白いショーツがあらわになる。
明日香はそれも脱いでしまった。そうして再び座り込み、ひざを抱えるようにして僕を見た。
「するから…あなたも見せてね」
明日香の手が少しずつ両ひざを割っていく。
Mの字に開かれた明日香の足の間に目が釘付けになる。
何度も明日香を抱いた。そのたびに目にした場所のはずなのに、なぜだか妙に興奮する。
ごくん
大きくのどが鳴った。
「あ、あなたも……」
小さな声で明日香が僕を促す。
「う、うん……」
答えて僕も下を脱ぎ去り、勃起を握った。
それを見た明日香が股間の小さな突起の上で中指を器用に動かす。
「あふぅ……」
甘い吐息が明日香からこぼれた。今までベッドで聞いたどんな声よりも官能的だ。
ビクビクン!
勃起が大きく脈打った。
「あぁっ!」
膣に明日香の指が遠慮がちにもぐりこみ、中をかきまぜるようになまめかしく動く。
たちまち明日香の女性器はヌメヌメといやらしい光をたたえはじめた。
その粘液で明日香がより激しくクリトリスをこすりたてると、くちゅくちゅという湿った音が聞こえてくる。
「明日香ぁ……」
名前を呼び、視姦しながら剛直を強く握りしめる。そこから甘美な感覚が全身に広がる。
お互いの手の動きを凝視しながら、僕たちは自分が感じる場所を責めつづけた。
「んっ、はぁあ……声、出ちゃう……」
空いた手を唇に添え、明日香は声が洩れるのを防ごうとする。
「明日香のえっちな声、聞きたい……」
「だめぇ……んんっ!」
甘えるような声で明日香が抗う。だけど声を抑えきれていない。
「明日香…明日香っ!」
先端からあふれた先走りが茎を伝い、僕の手で濡れた音を立てる。
「あ、あなたも……濡れてる」
「明日香もすごく濡れてるよ……感じてるの?」
「……うん。イッちゃいそう」
切なそうに僕を見つめ、明日香がうなずく。先走りの液体にまみれた肉茎が限界を察し、悲鳴を上げる。
「僕もイキそうだよ」
「このまま、このまま終わるのはイヤ……」
潤んだ瞳で明日香がつぶやいた。
「明日香っ!」
明日香に飛びかかるようにして押し倒した。そうして闇雲に男性器を押し当てる。
気ばかりあせり、一つになれないもどかしさが僕の心に広がる。
「いじわるしないで……」
泣きそうな顔の明日香が僕を見上げた。そのとき、
ぐぐっ!
屹立が明日香の柔肉をこじ開けるようにもぐりこんだ。
「あぁぁん!」
大きく背中を反らせて明日香が嬌声を上げる。
「あぁぁ! んぁぁ!」
僕の肩にしがみついて明日香が鳴く。
「あ、明日香ぁっ!」
強弱をつけ、えぐるようにして明日香の中で前後させる。先端が一番奥を突くのが感じられる。
「あっあっあぁっ!」
そのたびに明日香は淫らな声を立てた。
「あっ! あぁぁん! だめっ! イッちゃう! イッちゃうぅぅ!」
切れ切れの息で明日香が訴える。僕も我慢ができなくなっていた。
「僕も、僕もイクよ!」
「あ、イク! イッちゃうの! あっ! あぁっっ!」
腰がビクンッと跳ねた直後、一瞬明日香の動きが止まり、膣壁が僕を搾りあげた。
「くっっ!」
びゅくっ! どくんっ! びゅっ!………
尿道が破裂しそうな勢いで精液がほとばしり、明日香の奥深くにまき散らされる。
ぎゅっと目をつぶった明日香が体を小刻みに痙攣させてそれを受け止める。
どくっ! びゅるっ! どぴゅっ!………
精がとめどなく射ち出され、明日香の膣を満たしていく。
会えなかった時間を埋めるように、僕は明日香の中で射精しつづけた……。
「中はマズかったかなぁ〜」
激情が去ると、僕に組み敷かれたまま明日香が沈んだ声でつぶやいた。
再生が終わったDVDのメニュー画面の明日香の笑顔とは対照的だった。
「危ない日?」
中に出したのは僕の責任だ。そう覚悟を決めて僕は聞いた。ところが、
「あなたの赤ちゃん産むのは全然構わないんだけど、せっかくテレビのレギュラー決まったのに産休だとその間は出られないじゃん」
屈託なく明日香が返した。そんな明日香が微笑ましく、いとおしく、僕は明日香を強く抱きしめると言った。
「結婚しよう。……いつか、明日香がそれを望んだときに。ね?」
目を丸くした明日香の表情が崩れる。そして返事の代わりに、明日香が僕を強く抱き返してきた。
おわり