「あ……」  
 さあこれから、という時に戸惑ったようなほのかの声がした。  
「どうしたの?」  
「……始まっちゃった」  
 
 せっかく東京から会いに来て、久し振りにホテルに入ったのはいいけれど生理とは……。  
 モヤモヤした気持ちは抜かないと収まりがつきそうにない。  
「ほのか、その…さ……口…でしてくれないかな?」  
 そんな僕の言葉にほのかが顔色を変えた。  
「絶対にイヤっ!」  
 ほのかと結ばれてからそろそろ半年。何度も体を重ねたけど、フェラチオだけはしてもらったことがない。  
 僕としてはクンニだってしてるんだし、口で奉仕してもらいたいんだけど……。  
 だけど、目に涙をためて嫌がるほのかに無理強いはできない。  
「じゃあさ、手で……イカせてくれる?」  
「しなくちゃいけない?」  
「ごめん、出したい」  
「……いいわ。でも、手だけで許してね」  
 
 ほのかのほっそりとした指が剛直に巻きついた。だけどそれだけ。握っただけでほのかは何もしない。  
「ほのか、動かして」  
「う、うん」  
 ぎこちない動きで手が前後する。ほとんど力が入っていないため、正直なところあまり気持ちがよくない。  
「もっと強く握って。こんな感じで」  
 そう言いながらほのかの手の上から勃起を握り、自分のペースで動かしだす。  
「……あ」  
 抵抗感をあらわにしたような表情が一瞬浮かんだ。だけどほのかは素直に僕に従っている。  
 困惑したようにほのかは僕と目を合わせない。そんな態度が僕の嗜虐心を煽った。  
 興奮する。徐々に射精感が高まっていく。息が荒くなり、鼓動も早くなる。  
 
「ほ、ほのかぁ……」  
「出る?」  
「うん、もうすぐイキそう……」  
「いいよ、出して……」  
 言葉とともにほのかの指が意思を持って動き始めた。僕の感じる部分を的確に攻め立ててくる。  
 指の腹が先端の割れ目をこすりたて、血管の浮き出た茎をしごきあげる。  
 カリのふくらみを輪にした指で回すように僕を追いつめていく……。  
 もういつ射精してもおかしくない。僕は両手を後ろについて快感に身をゆだね、その瞬間を迎えた。  
「ほの…か……イクっ!」  
 
びゅくっ!  
 しゃくりあげるように痙攣した亀頭から白濁が飛び出した。  
「きゃっ!」  
 小さく悲鳴を上げたほのかを見ながら、僕は続けて何度も精液をほとばしらせた。  
どぴゅっ! びゅっ! びゅるっ!………  
 ほのかの動きは止まらない。指がたちまち白く染まっていく。その刺激に反応してさらに精液が射ち出される。  
 目を見開いたほのかの顔を見ながら、僕は射精を続けた……。  
 
 たっぷりと精を吐き出して僕は大きく息をついた。  
「いっぱい出たね。気持ちよかった?」  
 頬を火照らせてほのかが聞く。  
「ありがとう、ほのか。すごくよかったよ」  
「ごめんね、中で出させてあげられなくて」  
「大丈夫。ほのかの手でイカせてもらったから」  
 笑いかける僕に、ほのかが真っ赤になりながら小さな声で言った。  
「あの、ね……今度は…口で……してあげるね」  
 
 

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