「ん、くふ……ぅむ……」
女のくぐもった声が聞こえる部屋。
キングサイズのベッドの上に胡坐をかく頭のはげた中年の男の股座に端整な顔立ちの女が頭を埋めていた。
女の身体には身を隠す物は一切無く、陶磁器のように滑らかな素肌を下卑た男の視線に曝け出して、自慢の長い髪が広がる背中を丸めて正座をしている。
「ふ、ふぅ……あ、はぁ……ぁふ」
息継ぎのために時折男の股座から顔を上げて大きく息を吸い込む。
ずっとしていた行為のせいで体力が削られて疲労感と嘔吐感が女の顔に出ていた。
それでも行為は終わらない。
小さな口をいっぱいに広げ、槍と化したペニスを肉厚の唇で『あむ』と挟む。
口腔内に広がる生臭い男の匂いに眉をひそませ、頭を前後に動かす女の姿は一段と格別に見えて男は上機嫌で話しかける。
「いいぞ、晶くん……天才ヴァイオリニストにおしゃぶりの才能もあったとは知らなかったよ」
突き出た腹を揺らしながら中年男は口淫奉仕を続ける女の頭を撫でた。
女の名は遠藤晶と言う。
その晶が自分の親と同じくらいの歳の男と、こうした行為に及んだのには理由がある。
「ありがとう……ございます」
「なあに、私は思ったことを正直に口にしたまでだ。どうやら晶くんは男を悦ばせるコツを色々と知っているみたいだね」
質問に答える代わりに晶は醜悪な先端を向けている肉槍を口に含んだ。
こんな事を褒められて嬉しいとは思わない。
けれどそれに見合う代価が得られるからしているだけ。
恥ずかしげもなく男たちの前に真っ白な素肌を曝け出し、身体を使って何度か精を搾り出させればそれで終わり。
「おおぅ、そこはもっと丹念に舐ってくれ……そ、そう。そうだ、なかなか巧いじゃないか」
相手の要望に応えるのも早く終わらせるためだ。
晶は血管を浮き立たせて屹立する肉幹に唾液を滴らせてから舌を這わせ、裏筋を丁寧に舐め上げる。
特に尿道口は念入りに、花弁のように可憐な唇でキスをしてから淫らな水音を鳴らせて啜る。
中年男の言葉通り、晶は男を悦ばせるコツは色々と知っている。
例えばガチガチに硬くなった肉棹の下にぶら下がる皺がれた袋を優しく愛撫するのも。
「そ、そこまでしゃぶってくれるのか晶くん。むず痒くてたまらんぞ」
陰嚢の中にある睾丸を舌で転がすと肉棹がヒクンと大きく跳ねて快感の度合いが手に取るようにわかる。
息遣いも荒く、中年男の腰が浮ついている。
頭を押さえている手に力が入っているのも感じて終わりが近いのがわかった。
そして晶は淫蕩な貌を造り、同い年の女子なら恥ずかしくて口に出来ないような言葉を並べてみせる。
「はふ……せ、先せぇ、飲ませて……」
「ああ、勿論だとも。キミとすることを愉しみにしてずっと溜めていたんだ。全部飲んでおくれ」
「は、早……くふぅ。先せぇのミルク」
精飲するために口を近づけて、利き手で雄々しく反り上げる肉棹を上下に扱く。
少しばかり余った皮がえらに被さり、晶が塗りたくった唾液と男の先走りで白く泡立ってニチャニチャ立てる音が溜め込んだ精液の発射を促す。
「ふお、おおぅ!」
男は短く声を上げ、太った身体を何度も揺らして射精した。
何日も溜めていた精液は濃厚で、口で受け止め損なった分が練乳のような黄ばんだ色と粘度で晶の顔にびゅるびゅるとこびりつく。
刹那鼻孔いっぱいに入り込んでくる牡の臭いに晶は頭がくらくらしてのぼせそうになる。
「は……はぁ、気持ちよかったよ晶くん。君のような素敵な女性がフェラチオをしてくれるなんて、まるで夢でも見ているようだ」
夢見心地で男は射精の余韻に浸る。
その間も扱き続ける晶の手は止まらず、尿道に残った僅かな精液までも搾り出そうとする。
夢ではなく、これは紛れも無い現実だ。
握っている逸物の硬さも、汚されて上気した顔も、舌の上に並々と溜まった精液も嘘ではない。
「ん……んくっ、くふ」
どぷっとした牡液を嚥下するたびに喉が上下に動いて淫猥さが一層際立つ。
それを何度か繰り返して飲み下すと、胃に溜まった精液のせいで自分の息が生臭く感じた。
けど行為の代価に比べればこのくらい―――と自分に言い聞かせ、最後の後始末をするためにヒクつく先端に唇を持ってくる。
ちゅ、ちゅば……ぶぷっ
晶はわざと音を立てて残滓を啜り、唾液と精液でべたべたに汚れた逸物を吸飲する。
それは依然変わぬ硬度を保ち続けていて、留まるところを知らぬ男の性欲に晶の身体は心とは裏腹に昂ぶりを感じていた。
「んふぅ……んぶ、んゥンン……」
後始末の口淫奉仕がやけに熱心になり、口腔粘膜で感じ取れる硬さが頼もしく思えてくる。
天才ヴァイオリニストの面影はもはや見る影も無く、ただのコールガールとしか見えないほど気がつけば卑猥な顔に成り果てていた。
「ぁふ、んは…………ぁ、は」
口から離すとギチギチに漲った見事なまでの肉槍が姿を現し、濁った目がそれに釘付けになる。
ゆるんだ口はそのままで、精悍な姿を見て悦んだ顔を上げると男が下品な笑みを浮かべていた。
「どうやら晶くんは『これ』が気に入ったみたいだね」
蔑むような男の声に考えるよりも早くコクリと頷く。
普段なら嫌悪感しか抱かないはずが今だけは失禁しそうなほどの昂揚感に打ち震え、心よりも先に身体が欲しいと強く訴えている。
女であることを利用して男を篭絡させるつもりが、逆に自分の方が男に溺れているのに気づくのだった。
「せ、先せぇ……お願い、早……くぅ」
今度は晶が男の目の前で股を開き、だらしなく涎を垂れ流した花弁を指で広げる。
充血して大きくなった肉真珠がずきずきと疼き、男を受け入れるための肉孔は閉じたり開いたりを繰り返して妖しい動きを見せる。
「早く?一体何をだね」
「ぁ……先生の…………あ、あ……れ」
中途半端に残っていた羞恥心のせいで晶は長い睫毛を伏せて顔を僅かに赤らめる。
そんな態度に男はふぅとため息をついて意地の悪い笑い方をする。
「やれやれ。あれとは何の事だ?ちゃんと言わないとわからないぞ」
「や……ぁ、あフゥ!」
男の太い指を広げた淫裂に捻じ込むと艶のある声で晶が泣く。
柔らかい膣肉を力任せに嬲られ、首筋に男の舌がナメクジのように這いずり回って頭が痺れる。
それでもまだ物足りずもっと太くて、大きくえらの張った逸物で掻き混ぜて欲しくて、晶は半ば閉じられなくなった口で卑猥な言葉を叫んだ。
「ペ……ペ×スです!ペ×ス!」
どんなに抗おうとも最後には男が望むカタチに終わる。
そんな無駄な足掻きが愛らしくて男は更に怒張を熱く滾らせる。
「よく言えたね、晶くん。ほぅら、大好きなチ×ポだよ」
晶の鼻先で男は誇らしげに逸物を見せ付ける。
大きさで言えば男の持ち物は平均よりも短い貧相なものだろう。
けれど今の晶は火照った身体の渇きを潤してくれるのなら誰の物でもよかった。
だから尻を突き出せという男の命令にも素直に従い、うら若き乙女の秘口どころか恥ずかしい排泄口すらも曝け出す体勢をして見せた。
男は瑞々しい尻肉を鷲掴み、更に言葉で嬲る。
「チ×ポ欲しさに尻の穴まで見せるか。キミは本当にあの遠藤晶なのかね?コンクールで優勝したいがために身体を売るなんてとてもじゃないが信じられん」
「ああぁ、意地悪しないで……お願いですから、早く先生のペ×スで……か、掻き回して」
「わかっておる。そう焦らなくても―――」
くちっと粘り気のある音がして肉幹の先端が膣孔を押し広げる。
心待ちにしていた瞬間にまるで時間の流れが緩やかになり、晶は自分を陵辱してくれる責め具が挿入してくる有様をまざまざと感じていた。
「おおぉ……ぁう、あああ!い、いぃぃぃぃッ!」
感覚器官の感度が跳ね上がり、脳内の快楽物質が過剰分泌されて瞳孔が散大する。
男は脂肪の詰まった太めの腹を尻たぶにビタンビタンとぶつける勢いでうねる膣壁を抉る。
自分の半分も生きていない小娘を惨めたらしく責め抜くのが得も言えぬ快感で、何度も腰を振って涙を流して悦ぶ晶の声を聞いて悦に浸る。
「天才ヴァイオリニストと言っても所詮は牝犬だな。ここまで発情するか?一体何人の男をここで咥え込んだんだ、言って見なさい」
「そ、それは……」
「どうせ他の審査員も同じやり方で買収しているんだろう?まったく、演奏家の風上にも置けない女だなキミは」
全て見抜かれていて血の気が引いていく。
しかしその隙間をどす黒い快感が埋め尽くし、道徳観などという詰まらない物は音を立てて崩れ落ち、今だけは性行為による快楽へと逃避していく。
それすらも見透かしていた男は更に追い詰め、晶をセックス奴隷のように扱う。
「西島あやこに勝ちたいがために身体を売るとは堕ちたものだ。プライドがないのかね、晶くん」
「わた、わたし……私は……ぁあああ゛、もう許して!虐めないで!」
男は言葉で晶の心を巧みに責めながら淫水が噴き上げる狭い肉洞をほじくり掻き回す。
気の強い女が許しを乞う無様な姿は絶品で、それだけでも射精しそうな快感だ。
しかしぶち撒けるのならもっと虐め抜いてからだと言い聞かせ、細いウエストを押さえながら牝犬を躾けるのに相応しい後背位で晶の理性を根こそぎ揺さぶる。
「そんなに優勝したいのか!いいとも、優勝させてやろうじゃないか。審査委員長であるこの私がね。その代わりに今日だけは私の幼な妻になってもらおう」
「はい!なります!先生の妻になりますからもっといやらしいことをしてくださいぃぃぃ!」
逃避先があるならどこでもいいのか、セックスの快感に晶はウェーブのかかった美しい髪を振り乱しながら何度も頷いてみせる。
脂ぎった額に汗を滲ませ、内臓脂肪で腹は突き出て、臍まで剛毛で生い茂るほどの毛深さ、そして下品な笑い方をするこの男の妻。
見られるだけで怖気が立つほど嫌いなタイプのはずなのに身体がこの男に馴染んでいく。
「妻になるなら夫である私の言葉は絶対だぞ!そら、どこがいいのか言ってみろ」
「あっああぁぁぁぁ!ヴァ×ナよ、ヴァ×ナがいいの!」
「そんな上品な名前じゃなくてマ×コと言わんか!」
「ハイっ!おマ×コです!おマ×コいい!」
ステージの上で凛々しく演奏する晶は完全に消え去り、のたうつ快感に頭を揺すって喉が灼き切れるほどの声で叫んだ。
抽挿を繰り返す牡器官を包み込む肉襞は名器と呼ぶに相応しいカタチと動きでぎゅるぎゅると絡み付いてくる。
つい先ほど晶の口に出したばかりなのに白く濁った肉欲の塊が噴き上げてくる。
思いのほか限界が近いのを悟った男は腰遣いのスピードを緩めようともせず、むしろ膣奥にある子宮口を目指して波打つ腹の肉で晶のヒップを叩きつける。
「く、もうイキそうだ……晶くん、中に―――」
切羽詰った男が言い終わる前に晶が『中に出してぇ!!』と叫ぶ。
感極まった声と同時に晶は身体をビクつかせ、本能的に逸物を締め上げて男の精液を搾り出して子宮へと導く。
「あん、先せぇの……熱い……」
ズルリと逸物を引きずり出す際にも敏感に反応して横たえた身体が一度だけ震える。
淫裂からトロリと溢れた精液は事のほか淫靡に映り、男はまた肉棹を熱く滾らせた。
「それでは失礼します、先生。それとコンクールでは……」
情事を終えて着替え終わった晶は、部屋から出る前に念を押すような視線を送る。
「わかっているよ。審査委員長として晶くんを推すとも」
ギブアンドテイクで晶の身体を愉しんだ中年の男は優勝を約束する。
別れ際、ドアの前のやり取りに満足した晶は小悪魔のような笑顔を浮かべて『ありがとうございます』と感謝の言葉を口にした。
しかし男の方は未練がましく晶のウエストに手を廻して抱き寄せる。
「せ、先生……困ります」
「いいではないか。どうだね、最後にもう一度……」
正面から晶を抱きながら尻たぶを撫で回す。
男の手癖は悪くいつの間にやらスカートを捲り上げて触り心地の好い下着にまで指が及んでいた。
まだ余韻が残っているのか、晶は艶の含んだ声を漏らしながら頬をぽっと染めた。
一度スイッチが入ってしまうと止まらなくなるのを知っている晶は男の逸物に手を伸ばす。
「……これで最後、ですよ」
「くくく……晶くんも好きだな。そんなに名残惜しいかね」
答える代わりに濃厚なキスで男の減らず口を塞いだ。
口の中にはタバコの匂いと唾液が混ざり合い、ぐちゅぐちゅ音を立てて舌を絡め合う。
流し込まれた男の唾液で喉を潤しながら、下の方ではスラックスの中から器用にいきり勃った怒張を取り出した。
「さてと、ベッドに戻ろうか」
晶の唾液まみれになった口許を拭いながら男が下品な薄ら笑いを浮かべる。
しかし晶は従わず、ドアに手を付いて『ここでしませんか』と尻を突き出してスカートを捲り上げる。
シルクのショーツに滲み出た蜜は染みとなって男を誘う甘美な芳香が充満する。
「こ、こんなところでか?」
戸惑うのも無理もなく、ドア一枚隔てた廊下ではホテルに宿泊する他の客やスタッフが普通に行き来している。
それなのに晶は妖しい笑みを浮かべてショーツをずらしながら官能的に囁く。
とても高校生とは思えないほどのスケベ顔で男の征服欲をざわざわと掻き立てた。
「あら、とても刺激的じゃありませんか」
「……フン、この好きモノめ」
「先生こそ。さ、どうぞお食べになって……」
くちっと淡く色付いた肉花弁を自ら押し広げて甘く誘う。
男は口許を歪めてむしゃぶりつき、朝食代わりに晶の肉体を存分に味わった。