〜あらすじ(最下行のみ重要)〜  
マタハリの勝負服を着たまま、ウルたちとともに加藤を倒したカレン。  
過去にタイムスリップして日向と出会うはずが、  
一瞬だけ、日向の時代、ウルのいる時代、そして未来を同時に思い浮かべてしまったために  
全く関係のない190年後の現在にやってきてしまいました。  
幸い、21世紀でも健在だったロジャーに助けを請い、日向の時代を再びめざすことに。  
ロジャーの調べによると、再々度タイムスリップをするには、  
以前銅鐸の現れた飛鳥・石舞台に行かなければならないとのこと。  
カレンは、急いで飛鳥・石舞台へと向かいます。  
 
飛行機で。  
 
 
 俺はこっそり隣りを見る。  
そこにはとても飛行機に乗るとは思えないような  
大胆な服装の女の子が座っていた。  
 赤毛の長い髪を一纏めに結った白人の綺麗な娘だった。  
ほとんどチューブトップにしか見えないもので豊かな胸元を  
辛うじて覆い、腰も股下ギリギリの際どいミニスカート。  
 見事なプロポーションは全く隠されていない。  
そんな身体をリクライニングシートで無防備に晒されているのだ。  
意識しないでいるのは不可能だった。  
 くびれた腰に無骨な座席のベルトを締め、時折窓の外に目をやっている。  
一面の雲の絨毯だが彼女は何に想いを馳せているのか小さな溜息まで  
しているのが分かる。  
 最後部列の窓際に彼女、その隣りに俺が座り、通路側には背広姿の男が居眠りをしていた。  
その向こうの機体中央席、それに右舷席の連中も俺の右隣と同じ会社の出張仲間らしく  
皆都合よく居眠りをいるのだ。だからこの席は今の俺にとっては特等席だ。  
なぜなら、客室乗務員にだけ気をつければ何をやっても他の人間には気付かれないからだ。  
 先ほど彼女が化粧室に行っていた間に俺は彼女の席のベルト金具に細工をしておいた。  
簡単に外せないようにしたのだ。そしてもうひとつ。  
 彼女が客室乗務員から受け取ったオレンジジュースにブランデーを相当量垂らしておいた。  
機内販売のものだ。  
 顔でも洗ってきたのかすっきりした顔で席に戻った彼女はそのカクテルを一気に呷ったのだ。  
寝たふりをしていた俺が横目で見ると彼女は顔を赤らめて胸元を抑えていた。  
「どうしました?」  
 ワザと聞いてみる。  
 
 どうしてそんな悪戯をしたのだろうか。  
彼女に魅了されたからだ、としか俺には思えなかった。  
そして今なら間違いなくそう思える。  
 上気した彼女から発せられるそれは紛れも無く  
男の本能を発露させるものだったからだ。  
 
「え? あ、な、なんでもないです」  
 慌てて窓の方を向く彼女。  
だが俺は知っていた。彼女はしきりに俺の  
ズボンの膨らみをチラチラと見ていた事を。  
「それにそんなに顔を赤くして」  
 ベルトを外していた俺は少しだけ彼女の方へ  
身体を寄せる。  
「そ、そうですか?」  
 何気なく答えたように見せる彼女だが  
その吐息はアルコールが回っているのを示していた。  
「だって…乳首が立ってますよ」  
「な!?」  
 絶句する彼女。だが実際に胸元の布地に浮き出たそれは  
乳頭以外の何物でもなかった。  
 すかさず彼女の手を取り自分のズボンのテントへと乗せる。  
「それに知ってますよ。さっきからここを見ていたでしょう?」  
 声を立てようとした彼女の先を制して続けた。  
「そんな格好をして、男を誘っていないなんて他の人が  
 考えると思いますか? あからさまに乳首なんか立てて」  
 
 彼女の手首を掴んで手の平でぐりぐりとズボンを少しだけ弄らせ手を離す。  
たちまち息が荒くなる彼女。意志の強そうな瞳も蕩けたようになってゆく。  
「その証拠にまた注目してる。…それに自分で手を動かして」  
 ハッとして俺のズボンを触っていた手を引っ込める彼女。  
間を置かず彼女の股間に手をやる俺。薄いレースの下着は  
濡れそぼり、シートまで汚してしまっていた。  
「やっぱりそうじゃないか。こんなになってる」  
 指の間で糸を引くそれを見せ付ける。  
「汚れた俺の指を舐めて綺麗にしたら、もっといいものをやるぞ」  
 口元に指先を近づけると彼女は観念したかのように、  
そっと自分の情熱的な唇を寄せた。  
 
 
 
  * * *  
 
 
「ん、んく」  
 差し出された俺の指を彼女は  
少しだけ出した舌で舐めてゆく。  
 最初は壊れ物でも触るかのように  
舌先だけでなぞるだけだったが  
アルコールがまだ回っているのか、  
それとも生来のものか大胆になってゆく。  
「ちゅ…んちゅ、くちゅ」  
 俺の指を根元まで咥え、舌で巻き取るように  
舐めてゆく。もうとっくに指の穢れは取れたというのに。  
 俺は彼女が息継ぎをするタイミングを見て指を一旦引き抜いた。  
「あ」  
 唾液が彼女の口から糸を引く。  
離れてゆく俺の指を名残惜しげに見送った。  
 
「…どうして?」  
 彼女の疑問の答えはすぐ出た。  
客室乗務員が近くに来たからだ。  
 俺の席の二つ前の客が呼んだらしい。  
用事を済ませた乗務員はチラリとこちらを見ただけで  
再び前方の持ち場へ戻ってゆく。  
 隣りでは彼女が戸惑ったような表情でこちらを見ていた。  
「“どうして” だと? 何でそんな事を言うんだ?」  
「だって途中で」  
 そこまで答えた彼女は俺の質問の意味に気がついたのか  
顔を更に真っ赤にして下を向く。  
 俺は抱き抱えるように身体を寄せて質問を続ける。  
「途中って何のことだ? ん? 途中ってことは続きがあるんだな。  
 言ってみろよ。ほら」  
 布切れでしかないトップスの上から彼女の胸を軽く掴む。  
布に浮き出た部分には触れずに乳肉の感触を確かめる。  
「あ、…あの、ほ、欲しいの」  
 彼女は小さな声で呟くように答えた。  
 
  * * *  
 

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