「脱がせるね、志乃ちゃん」
肌触りの良いキャミソールを脱がせると、志乃ちゃんの白い素肌が顕わになる。
華奢な上半身はまだまだ幼くて、だけどそれ故に美しい。
僕はそれを自分の物にしたくて、手を這わせたけれど、
「…っ!」
優柔不断な指先は、彼女の僅かな身動ぎにさえ、その行き先を失ってしまう。
「ご、ごめん志乃ちゃん! ひょっとして痛かったりした?」
思わず引いた手の先、窓から射す薄い光に照らされた彼女の顔が浮かぶ。
その目を見て驚愕する。
今まで、彼女のこんな瞳を見た人が果たして存在しただろうか?
漆黒の闇を湛えた瞳は今や感情に揺らぎ、少しの衝撃でもその水面は溢れてしまいそうだ。
怯え、嘆願、それに僅かな期待を孕んだ視線。
いつもとは全く逆の感情を伝えるそれは、しかしやっぱり僕を怯ませてしまう。
「やっぱりさ、志乃ちゃんが嫌なら、別に無理することなんて…」
思わず口をついて出た、妥協の言葉。
志乃ちゃんを大切にしたい、だけどそれ以上に僕は怖かったのだろう。
あるいは逃避なのかもしれない。
彼女とこんな関係になって、その先に起こり得る破滅の未来から目を逸らしたかった。
だけれど、そんな僕でさえ受け入れて、彼女は言う。
「いい。構わないから、 …続けて欲しい」
そう、彼女に拒絶の意思などありはしない。あるはずは無いのに。
…ああ、僕はやっぱりダメな保護者だ。
こんな今さら判り切ったことですら、すぐに忘れてしまう。
彼女を受け入れることができていないのは僕の方だというのに。
この子を今、受け入れてあげなくてはいけないのに。
だから、
「ありがとう、志乃ちゃん」
そう言って僕は、志乃ちゃんにそっと口づけた。
「ん…」
やわらかい味。
暫しの間、彼女の甘い感触に酔いしれる。
まるで小鳥同士がするような、短い、浅いキス。
それでも僕の気持ちは志乃ちゃんに伝わってくれた、と思う。
…唇を離すと、志乃ちゃんは名残惜しそうな、けれど安心しきった表情を僕に向けてくる。
今まで誰も見ることの無かったであろうその表情を見て、僕も覚悟を決めた。
―ここで女の子に恥をかかす程、僕だって子供じゃない。
僕は汗ばんだ手を彼女のスカートにかけ、
(作者が力尽きました... 全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)