「んぁっ、あぁぁぁ、ひぁんっ!」  
 
はぁ・・・。いつもだ。いつも・・・シタ後は虚脱感が襲ってくる。  
今日はなんで始めちゃったのかな・・・。あぁ、そうか・・・。  
 
「真白ちゃん、要らない?」  
 
そうだ、そこからだ。その言葉を思い浮かべてからイライラして・・・。  
なんでウチだけが名前で呼んで貰えないんだろうって考えて。  
 
シノシノは分かる。あれだけ近くに居れば名前呼びなんて当たり前やと思う。  
じゃあ、あの子は?ウチかてそんなに親しくないし、アイツもそんなに親しくしてるわけじゃないだろうに。  
でもあの子は名前で呼んでもらって、ウチは未だに苗字呼び。  
またイライラしてきた。名前で呼んでもらいたい。呼ばれたい。  
なんでもないように名前を言ってもらって、アイツと一緒に話したい。  
それで・・・あぁ、また濡れてきた・・・。  
「・・・ん」  
分かってる。こうやって自分を慰めててもどうにもならないし、また虚脱感に襲われる。  
でも止まらない。アイツのことを考えると指が動いてしまう。  
「あっ、あっ、んぁっ」  
だめ、どんどん気持ちよくなってくる・・・。そして浮かぶのはアイツの顔。  
アイツがじっとウチを見てるって考えてしまって。  
「んあぁぁ!み、見んといてぇ・・・」  
現実にはいない相手。けれど居て欲しい相手。だから浮かべた顔は消えなくて。  
「で、でも見るのは反則やっ!い、いやっ」  
指が止まらない、止まってくれない。アイツが見てるのに。見てるから。  
だから、余計に指が動いてしまう。どんどん溢れてくる。  
「あっん、ひぅぅぁっ」  
そしてウチの浮かべたアイツはとんでもないことを口走った。  
 
「キララ」  
 
それはとても甘美な響きで。ウチが望んでることで。だから。  
 
「い、いやぁぁぁぁぁぁっ、ひゃっぅぅん」  
 
はっ・・・ぁっ・・・。ぅくっ。  
・・・あぁ、まただ。また虚脱感に襲われる。現実にはないことだから。呼んでもらえないから。  
 
それでも、名前で呼んで貰うって考えただけでこんなに嬉しい。  
でも、このままじゃずっと変わらない。それはもう嫌。  
だから、今度言ってみよう。  
 
「名前で呼んで」って。  
 
 

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