「・・・・・・zzz」  
 
「あの〜、志乃ちゃん?」  
「・・・・・・」  
 
「そこは僕の布団何だけど・・・・・・」  
 
「・・・・・・(ピクリ)」  
 
 例えランブの薄明かりの中でも、流石にサイズの違いは一目瞭然だ。  
 
「志乃ちゃん? 起きてるでしょ?」  
 
「zzz」  
 
「なら僕は志乃ちゃんの布団に――――――無い」  
 
 志乃ちゃんの方を向くと、彼女は目を逸らしていた間に布団の端に寄っていた。そう、調度僕が入り込める分だけ、空いている。  
 何処からか漂って来た、甘いミルクの匂いに喉が鳴る。ランブの明かりの中掛け布団の端々から覗く志乃ちゃんの姿態がキャラメルのような艶っぽさを出していた。  
 僅かに動くふとももの甘い色艶に、いつの間にか前のめりになっていた。慌てて戻そうとしたが、脚が縺れてしまう。  
   
 サワ・・・。  
 
 そして投げ出された掌を、ベビーパウダーのようにサラっとした手がくすぐって来た。  
 

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