――季節は巡り、3月。  
志乃ちゃんは小学校を卒業し、4月からは地元の市立中学校に通う。  
その学校は僕も通っていたから、そのまま付属中学校に進まれるより嬉しかった。  
 
「志乃ちゃん、卒業おめでとう」  
 
「うん」  
 
「来月から通う中学校はね、前にも言ったけど、僕も通ってたんだ。  
 だから分かるんだけど、女子の制服は白いブレザーとブラウンにチェック柄のスカートなんだ。  
 少し変更があるかもしれないけど…、きっと志乃ちゃんに似合うから、今度一緒に買いに行こうね?」  
 
「……うん」  
 
口調こそいつも通りで素っ気無かったけど、ほんの少しだけ、頬が紅く染まっていた。  
お互いに愛しているのを伝え合った日以降、志乃ちゃんはちょっとづつ感情を表すようになってきた。  
あのときは酒の勢いもあったけど、それは本当の気持ちで、今も変わらない。  
これから通う普通の中学校で、さらに多くの感情を見せてくれるようになるだろう。  
 
この時に『似合う』、なんて言っておいて、いざ着てみたら今までの黒いセーラー服とのギャップや、  
照れなどもあり、すぐにそう言えなくて彼女の機嫌を損ねてしまうのだけど、それはまた別のお話。  
 
「さて、そんな志乃ちゃんに、僕から卒業祝いのプレゼントがあります!」  
 
恥ずかしくて顔が熱い。だけどここでやめるのはもっと恥ずかしいから、テンションを上げて言う。  
 
「僕からのプレゼントはこれ。ぜひ受け取ってほしい」  
 
志乃ちゃんの小さな手に包ませて渡す、それは黒い小箱。  
 
中身を予想できたようで、志乃ちゃんは傍から見ても分かるくらいに驚いていた。まあ当たり前だろう。  
 
「…開けて……いいの…?」  
 
「もちろん」  
 
志乃ちゃんは緊張した様子で箱を開く。出てきたのは、ダイヤの指輪。  
数ある指輪の中では安物の部類だったが、それでも生活を維持しながら買うには節約するしかなかった。  
 
「志乃ちゃん、僕と、結婚しよう」  
 
これ以上無いほど顔が熱い、きっと今の僕の顔は真っ赤だろう。対する志乃ちゃんの顔も真っ赤で、  
 
「……少し…いえ、だいぶ気が早いと思う。でも……でも、とても嬉しい…。  
 …結婚の申し出についても、喜んで。私も、貴方と…結婚したかった」  
 
志乃ちゃんは少し俯いてから、顔を上げる。  
そこにあったのは、始めて見る、彼女の笑顔。  
その笑顔はぎこちないものの、目じりにはうっすらと涙を湛え、とても幸せそうだった。  
 
僕はその笑顔に見惚れてしまい、気づいたら志乃ちゃんを抱きしめていた。  
この笑顔をいつも見ていたい。  
この笑顔を自然に出せるようにしてあげたい。  
この笑顔を絶やさないようにしたい。  
どうすればいい?…そして、あることを思いつく。  
 
「…ありがとう。ねぇ志乃ちゃん、僕のお嫁さんは笑顔の素敵な人なんだ。  
 だから僕はいつも笑っていてほしいんだけど、なかなか笑ってくれなくてね。  
 せめて日に1回でも笑顔を見せてくれたら嬉しいんだけど…。  
 それにほら、笑う門には福来る、って言うじゃない?  
 僕はもうかわいいお嫁さんを手に入れてとても幸せなんだけどさ、  
 きっといつも笑ってれば僕も、そのお嫁さんも、もっと幸せになれると思うんだ  
 だから、約束。志乃ちゃん、僕にもっと笑顔を見せて。  
 それが難しいなら、毎日…うん、出かける前とかに、練習も兼ねて、笑って見せてよ」  
 
「…ずるい。そんなふうに言われたら、断れない……」  
 
そう言って志乃ちゃんも抱き返してきて、  
僕らはしばらくそのまま抱き合っていた。  
 
――――――――――――――  
 
「それにしても…さっきも言ったけど、気が早いと思う。いえ、その申し出自体は嬉しいのだけれど、  
 私が高校を卒業するくらいまでは法律で結婚できないのだし」  
 
「ああ、それはね…」  
彼女の顔を見るため、肩を持って体を少し離す。  
 
「いやぁ、単純に待てなかったっていうのもあるんだけど、志乃ちゃんはほら、かわいいし、  
 美人だし、頭もいいし…。これから普通の中学校に通うんだから、杞憂だとは思うけどさ」  
 
「つまり、私が他の男に告白でもされて、そのまま好きになるのを心配しているの?  
 それはありえない。以前も言ったけど、私は貴方をずっと愛する。そして私が愛するのは  
 生涯で貴方だけ。だから結婚するのも貴方を除いてほかに無い。心配は無用」  
 
僕がそんな心配をすること自体不満なようで、拗ねたような瞳で見つめられる。  
 
「でも、いい。こうして節約してまで指輪を買ってくれて、婚約までしてくれたのだし。  
 ねぇ…指輪、はめてみてもいい…?」  
 
「うん、いいよ。僕も見てみたいしね」  
 
志乃ちゃんは指輪をはめる。もちろん左手の薬指にだ。  
 
「少し、ゆるい…」  
 
「その指輪が1番小さかったんだけど…。いつかぴったりになるよ。志乃ちゃんはまだまだこれから  
 大きくなるんだから。もし指輪がきつくなっても、その都度、買ってあげるからね」  
 
「うん……せっかくだから貴方も指輪をはめてみて」  
 
「え……あ」  
 
「…まさか」  
 
「……ごめん。志乃ちゃんに似合う指輪考えてたら僕のを買うの忘れてた。  
 しかも貯めた分は志乃ちゃんの指輪に全部使ったから、お金も無い…」  
 
「はぁ……せっかくの婚約指輪なのに対のものが無いなんて…信じられない。  
 ……仕方ないから、今度私が買ってあげる」  
 
「ごめん…ありがとう」  
婚約指輪の対を買い忘れて、あげく小学校を卒業したばかりの女の子に買ってもらうなんて、  
僕の情けなさもここに極まれりといった感じだ。  
 
「…貴方が私からの卒業プレゼントを受け取ってくれるなら、許してあげる」  
 
「僕の大学卒業はもう少し先だけど…ほかに何かあったっけ?」  
 
「童貞卒業の記念に、私の処女をプレゼントしてあげる」  
 
「ちょ」  
 
「…受け取ってくれる?」  
さっきの約束の反撃なんだろうか、これは。そんな上目遣いで迫られたら断れない。  
プレゼントの内容的にも、これは男として断れないだろう。  
 
「…それじゃあ、志乃ちゃんのはじめて、貰います」  
 
――――――――――――――  
 
「しまった。コンドームが無い」  
 
お風呂や着替えなど必要なことを済ませたと思ったら、セックスをする上で大事なものを1つ忘れていた。  
 
「問題ない。すでにピルを服用した。それに、せっかくだから貴方には直接私を感じて欲しい。  
 たとえ数ミリのゴムでも許さない」  
 
パジャマを着た志乃ちゃんが言う。着ているといっても上だけで、下はショーツ1枚だ。  
 
「用意周到だね…ってあれ?もうすでに2回分使ってる。1回は今だとして、もう1回は?」  
 
「…昨年の11月、節約を始めた時に」  
 
「あ、あーあー。…ってそれじゃあもしかしてあの『抱いて』ってそういう意味だったの?」  
 
「その時すでに私の処女は貴方に捧げると決めていたから。  
 だから…そう、性的な意味でとってもらっても私は構わなっ」  
 
一途すぎる彼女がもう愛しくて愛しくて、言い切る前にキスをしていた。  
志乃ちゃんは突然のキスに驚いたようだけど、すぐに僕の舌に自身の舌を絡めてくる。  
時には歯ぐきの裏などもなぞったりして、しばらくの間僕らはキスに没頭していた。  
 
「ぷぁ…」 「…ふぅ」  
 
つー…と、一本の唾液の糸が引く。志乃ちゃんの口の周りはベタベタで、垂れたものはパジャマにまで及んでいた。  
 
「キスだけでも気持ちいいね。止めどころがわからなくなりそうだよ。もっとする?」  
 
「それもいいけど、でもキスはいつでも出来る。次の段階に進みたい」  
 
「わかった。それじゃあ服を脱がすから、バンザイして」  
 
「服ぐらい自分で脱げる」  
 
「初めてくらい僕に任せてよ。それに、志乃ちゃんもさすがに緊張してるみたいだしね」  
 
「…………」  
志乃ちゃんは無言で両手を上にあげ、僕は彼女のパジャマをゆっくりと脱がす。  
長い髪の毛も全て服を通り抜けたところで、僕は改めて彼女の身体を見つめる。  
 
「…綺麗、だ」  
自然に口をついて出る。志乃ちゃんの裸を見るのは初めてではない。  
けど、こういうシチュエーションだと、いつもより違って見える。  
 
「早く、次のを…」  
 
僕としては志乃ちゃんの身体を眺めていたかったんだけど、彼女にとってそれは恥ずかしいみたいだ。  
志乃ちゃんは自分から胡坐をかいた僕の上に腰を下ろす。とっとと愛撫しろということらしい。  
 
「僕も脱ぐよ。………よし。それじゃあ失礼して…」  
志乃ちゃんの薄い胸に手を伸ばす。柔らかいが、もちろん掴めるほども無く、とりあえず軽く揉んでみる。  
 
「っ……痛い」  
 
「あ、ごめんね」  
軽く揉んで痛いということは、今は膨らみかけということか。今後の成長に期待しよう。  
 
だから今はやさしく撫でるようにする。軽く押してみたりもして、女の子の柔らかさを味わう。  
首をまわしてキスも交えながら撫でていたら、手のひらに引っかかりを感じた。  
見ると志乃ちゃんの綺麗なサクラ色をした乳首が勃起していた。  
 
「こんなのでもちゃんと感じてくれるなんて嬉しいな。今度はこっち向いて座ってくれる?」  
 
今度は向き合って座る。また軽くキスをしたら、次は彼女の乳首に舌を這わす。  
ただ座っただけでは体格差で届かないから、両腕でしっかりと抱える。  
志乃ちゃんは細いから、そのまま乳首に手を伸ばせる。  
志乃ちゃんも両腕を僕の頭にまわして、足もお腹辺りに絡めて、抱きしめてくる。  
 
「…っ……っ…ふ、ぁっ…」  
 
乳首を舌で転がして、もう片方も指で弄くると、きっと弱いのだろう、今までより強く反応してくれた。  
その際志乃ちゃんは一層、強く抱きしめてくる。そうすると僕の口はおろか鼻まで塞がれてしまう。  
その反応が嬉しくて、楽しいから、僕は少しくらい苦しいのも気にせず続けた。  
 
そうしていたら自分のお腹に少し湿りを感じた。いまだに志乃ちゃんは僕を強く抱きしめていたから、  
僕は左手で志乃ちゃんを抱え、右手は彼女のショーツに隠された部分へと向かわせる。  
 
そこに触れた瞬間、彼女の身体は跳ねて、僕の指には少し粘性のある液体がついた。  
年相応というべきか、まだそこは小さくて閉じているものの、溢れる愛液は止められなかったようだ。  
僕はその割れ目に指を1本押し当てて、つぷ…と、ほんの少しだけ膣内に潜りこませてみた。  
 
「ゃ……っ…」  
びくん、と身体が跳ねて、さらに愛液が溢れ出てくる。  
 
「志乃ちゃん、準備はいい?」  
 
「うん……あなたも…そろそろ我慢できないようだし…」  
 
実際僕のモノは、志乃ちゃんの反応と、跳ねた際に強くおしりを押し付けられたりして、  
はちきれんばかりに膨張していた。  
 
「それじゃ…脱がすよ?」  
志乃ちゃんを持ち上げ立たせ、ショーツを下ろしていく。  
濡れた分よく張り付いていたようで、秘所からショーツが離れる際に志乃ちゃんはぴくりと身体を震わせた。  
 
「貴方のは…私が出してあげる……」  
言って志乃ちゃんは僕のズボンをずらしてくれる。  
 
――――――――――――――  
 
「大きい……」  
 
平均のサイズなんて知らないけれど、どちらにしろ今の私にはこれを全て受け入れるのは苦しいだろう。  
それでも構わない。彼と繋がることは何事にも代え難い幸せで、だからどんな痛みにも耐えて…  
いや、きっと彼に抱かれたら痛みすら喜びに変わるのだろう。  
この行為が始まってからは、彼に触れられたところから軽く電撃が奔るように感じてしまうほどだったから。  
 
吐いた息が彼のペニスにかかる。すると、それだけで彼は悶えた。  
こんなに敏感なのか。けど多分それは私も同じで、さっきのお返しとばかりに手で触れ、握ってみた。  
 
「うあ……」  
 
「…………(熱い。これが今から私の、中に)」  
 
そう考えただけで膣内はまた潤ってくる。彼は辛そうな顔で私を見つめるが、私もそろそろ  
我慢できない。たまらず彼の上に戻り、抱きしめ、先端を入り口にあてがった。キスも忘れない。  
 
「…志乃ちゃん、力を抜いて。あと、痛かったら言ってね?」  
 
「たとえ痛がってもやめないで。最後まで、して。プレゼントを見ただけで返すなんて失礼にも程がある」  
 
「…そうだね。それじゃあ、なるべく優しくするから……入れるよ」  
 
「っぁ……ひっ…」  
彼のペニスが私の中に押し分けて入ってくる。予想通りに、しかし想像以上の痛みが奔る。  
だけどその痛みの先に、彼と繋がれるのなら、痛くはない。  
 
彼は私のことを心配してか、ゆっくりと挿入してくる。その心遣いはありがたいのだが、  
入っているだけで痛いのだから、多分一気に挿入してもあまり変わらないだろう。  
 
このままゆっくりと、痛みから彼を感じるか、それとも、一気に奥まで行き着いて彼に満たされるか。  
少し迷い…私は満たされる方を選んだ。  
 
――――――――――――――  
 
「っ、ぅっ!」 「…っぐうっ!?」  
 
強い締め付けに耐えながらゆっくりと進めていたら、突然志乃ちゃんから腰を下ろしてきた。一気に膜まで到達する。  
よほど痛かったのだろう。彼女は息を荒くして、抱きつく手の爪は僕の肌に食い込んでいた。  
 
「志乃、ちゃ…?」  
 
「かま、わないで。私なら大丈夫、だからっ、一番奥まで、お願い…。  
 貴方の、ものなら、全てうけ、受け入れる、からっ」  
 
「っ…わかった、よ。……志乃ちゃん、愛してるよ」  
 
すると気が和らいだのか、締め付けが少し緩くなった。  
 
「…うん」  
 
「ちょっと我慢してね。……いくよ」  
 
せめて一瞬で済むようにと、一気に突き立てる。  
 
「っくうっ…ああぁ!!」  
遂に志乃ちゃんの処女膜を突き破り、最奥の壁にぶつかる。  
いままで僕のモノを追い出すようだった性器は、今では離さないとでも言うように強く締め付けてきて、  
 
「くうぅっ、出るっ!」 「ふぁああっ!」  
その瞬間、ただでさえ締め付けがきついのと処女を奪った征服感もあってか、僕はあっけなく果ててしまった。  
同時に志乃ちゃんも絶頂を迎えたようで、その顔はとても幸せそうだった。  
 
――――――――――――――  
 
萎んだ僕のモノを引き抜くと、破瓜の血で薄いピンク色の精液が溢れ出てきた。  
 
「気持ち、良かった……?」  
 
「うん。でなきゃこんなに出ないしね。志乃ちゃんもお疲れ様。初めてで痛かっただろうに…」  
 
「…痛かったけど、でも貴方と結ばれるなら気にならない程度だった。  
 それと、もう一つお願い。私の首筋のあたりを軽く噛んで、貴方の歯形をつけて欲しい」  
 
「? うん、わかった」  
 
かぷりと志乃ちゃんの首に噛み付いて、歯形を残す。  
 
「…これで私は完全に貴方のもの。……確かに初めてで痛かったけど、全身で貴方を感じれて幸せだった。  
 私が痛くても、貴方が感じてくれるだけでとても幸せなのだけれど、  
 私も感じれるようになればもっと幸せになれると思う。  
 いずれ結婚するのだし、…毎日とは言わないけれど、痛くなくなるように、練習に付き合って欲しい」  
 
ああ、本当の反撃はこれだったのですね。  
 
完  
 
 

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