僕「よかったね、志乃ちゃん。“太一君”うれしそうだったよ?」
志乃「そう」
僕「太一君っていい子だよね。口じゃああ言ってるけど志乃ちゃんのお願いは何でも聞いてくれるしね」
志乃「……そう」
僕「志乃ちゃんの恋人も太一君みたいな人がいいと思うよ」
志乃「!」
僕「うん、大事にしてくれそうだし……何より、僕も志乃ちゃんのお守りから解放されるしね」
志乃「そ、そんな」
僕「それにやっぱり志乃ちゃんもいつまでも僕みたいな歳が十近くも離れた男とばっかりいちゃ駄目だと思ってたんだよ」
志乃「……いで」
僕「僕もそろそろ就活だし、ちょうどいいかな……ってどうしたの志乃ちゃん。泣きそうな顔して?」
志乃「……てないで」
僕「うん?」
志乃「お願いだから、捨てないで……っ」