彼はひどい人だ。
今日だって些細なことで"おしおき"と称して私をオナホールとして扱うプレイを要求してきた。
フェラチオの際、普段は精液を全て飲み込んでいたのに今回は禁止された。
その次は女性器への挿入。いつもなら必ずキスから始まり胸などの愛撫をしてくれるのに、それらは
一切なしで挿入された。その上彼は私を腰から持ち上げてこちらのことなどお構いなしに激しく
突き上げてくる。その間は自分から動くのを禁止されていたから、
自分が本当に彼のオナホールにでもなったような錯覚に陥ってしまった。
彼はひどい人だ。
この、私を使った自慰行為で彼がオカズとして選出したのは、いつの間に撮ったのだろうか、
私と彼の性行為の動画だった。それも二人が性行為をし始めてまだ日が浅いころのものだ。
今の彼は「志乃ちゃん」と切なげな声を上げて腰を振る。私を抱いて名前も呼んでいるのに、
彼が今が見ているのは過去の私。ぎこちない、初々しい頃の私を思い出しているのだろうか。
彼が画面の中の私を呼んでいる間、私は過去の私に激しく嫉妬していた。
彼はひどい人だ。
その後彼が私の膣に2回ほど射精したあと、特に抱きしめてくれたり声を掛けてくれたりもせず、
すぐに風呂で精液を全て洗い落とされた。風呂に着くまでの短い距離を、性液が零れないように手で
塞ぐことも無く、ただ逆さまに抱えられ連れて行かれた。
彼はシャワーで温水を掛けながら指で事務的に自分の精液を掻き出す。
せっかく満たされていたのに、という喪失感。せめてもう少しの間、彼を感じていたかったのに。
彼はひどい人だ。
精液らしいものが流れ出なくなり、シャワーを止める。しかし私の顔を見て思い出したように
私の口を手で開き、またシャワーで精液と唾液が混ざったものを洗い流す。彼が思い出したからいい
ものの、もしそうでなかったら、私はこの"おしおき"が終わるまで精液を口に含んだままですごす羽目
になったのだろうか。飲み込むことを禁止されていたため、口の中で唾液と精液を舌で混ぜ合わせて
その味と匂いを楽しむことこそできたが、好物の一つをそのまま捨ててしまうのは惜しかった。
彼はひどい人だ。
後始末が済んだらもう寝る時間だった。"おしおき"はまだ続くようで、蓋と称して貞操帯を
つけられ、そして「オナニー禁止」とわざわざ念を押された。洗い流すまで十数分もの間、
口に精液を溜めていたためか、まだ匂いが鼻にこびり付いている。この状態で自慰をするなと言うのは
非常に酷だ。股間が熱い。そもそも私は使われただけで満足したとは言い難いのだから。
そう考えているうちに、もう彼は隣で寝息を立て始めていた。
彼はひどい人だ。
寝ぼけてのことだろう、すぐ隣にいた私を引っ張って抱きしめ、同時に彼の口から私の名前が漏れる。
ただ、彼はとても不安そうな顔をしていた。まるで私が居なくなることを心配しているかのように。
私が今日のこんなプレイでも受け入れるのは偏に彼を愛しているからだ。今までもそうしてきたが、
今の彼を見るに、まだ不安がっているらしい。不安が夢に出ること自体、許せない。
彼は私からこんなに愛されていて、私から彼の傍を離れる気など全くないことを自覚すべきだ。
だからそんな彼には"おしおき"が必要だろう。私からも抱きしめる、ただし足や腕の血の巡りが少々
悪くなりそうなポイントを強めに。これで朝目覚めたとき、彼は痺れてまともに動けないだろう。
まだ鼻に匂いが残っていて、彼に抱きしめられて、彼の匂いにまた包まれている。更に熱くなる。
痺れさせたついでに、朝になったら彼を襲おう。貞操帯の鍵は目に付くところに置いてあった。
問題は股間の熱い疼きだけ。いっそ寝ずに高めて朝の彼へこの欲求をぶつけてしまおうか。
ああ、それと貞操帯を勝手に外したことと襲ったことへの"おしおき"だろうか。
私の彼は本当にひどい人だから。