ある日、突如として失踪してしまった志乃ちゃん。
必死の捜索にも関わらず、目撃情報すら報告されないまま。
憔悴しきった僕の前に現れたのは、真白ちゃんだった。
「真白ちゃん、大変なんだっ! 志乃ちゃんが、志乃ちゃんが…!」
「……それはそれは。ご心労をお察しします。
それより聞いて下さい。私、最近猫を飼い始めたんですよ。
黒くて小さくて、とっても可愛らしい仔猫です」
「真白ちゃん、君は一体何を? ていうか今はそれどころじゃ……」
「落ち着いて下さい。焦ったところで迷子は見つかりませんよ?
そんな事より、ぜひ家のペットを見て頂きたいんです。
必ず気に入ってもらえると思いますから……ね?」