志乃ちゃんにガチでデートを申し込まれた僕。  
おしゃれしようかなとか思うけど女っ気のない(と本人が思いこんでいる)生活の為  
どういう風に着飾っていいかわからない。  
先輩に話せば100%茶化されるし……ならばと思い立ち真白ちゃんに相談。  
服選び等々に付き合う代わり、食事代など全部持つことを条件に了承する真白ちゃん。  
お店回りながら服選んだり、その最中に腕を組まされたり  
ご飯を食べに行っては「あーん」とかやらされたりでクタクタな僕。  
けど流石にセンスがいいのか、思ったよりお金をかけずにいい感じの見た目に。  
さらに髪まで真白ちゃんに切ってもらってよりスッキリ。  
そんなこんなで志乃ちゃんとのデートを楽しんだ僕。  
当の志乃ちゃんも思いの外カッコ良くなった彼にご満悦のご様子。  
というよりも自分の為にそういった努力をしてくれたということがうれしくてたまらないといった感じ。  
 
けどそんな幸せいっぱいの志乃ちゃんの前に現れる真白ちゃん。  
「嬉しそうですね、支倉さん」  
「……何?貴女には関係が無い」  
「そんな冷たいこと仰らずに、楽しんでいただけたようで何よりです」  
「何が言いたいの?」  
「いえいえ、そんな大したことではありませんけれど。ただ数日前、  
『助けて真白ちゃん!』ってある男の人に泣きつかれまして、その方のデートのために色々と、ね」  
「――――っ!!」  
「どうでした?彼。格好良かったですねぇ私の選んだ服に、私の選んだフレグランスに、私が切ってあげた髪」  
「どうして、貴女が?」  
「そんなに怖い顔したってどうにもなりませんよ。さっきも言ったじゃないですか。泣きつかれたって  
私は堪能させていただきましたよ。私のおかげで彼が良い笑顔でいるところを」  
 
自分がときめいた『彼』に仇敵の手が入っていたこと  
そしてそれに気が付かなかった自分  
両方に腹が立って唇から血をにじませる志乃ちゃん。  
 
 

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