「おじゃまします」  
 カチャリという音とともにアパートの古びたドアが開く。  
 帰ってきたのは志乃ちゃんだ。  
「おかえり。志乃ちゃん、遅かったね?」  
 僕がそう言うと志乃ちゃんは少しの沈黙の後、静かな声でこう返してきた。  
 今日は塾は早く終わる予定だったのに、こんな時間に帰ってきたのだ。問いかけないほうがおかしい。  
「……ちょと電車に乗り遅れて」  
「ふ〜ん、そうなんだ」  
 志乃ちゃんはいつもと変わらず、ランドセルを下ろし、部屋の隅っこに座ったけど、あいにく僕にはお見通しだった。  
 じっと僕が志乃ちゃんを見つめると彼女は、ふいっと視線をそらした。  
 
「志乃ちゃん、言うなら今のうちだよ?」  
「……なんのこと?」  
 彼女は頑なに視線を合わせようとしない。  
 丸わかりな行動をとる彼女を、いとおしく思いながら僕は志乃ちゃんに問いただした。  
 僕は苦笑しながら彼女に近づき、手をとり立たせた。それでもまだ僕のほうを見ない志乃ちゃん。  
「そういう態度とるんだ。それなら調べても大丈夫だよね?」  
「…………」  
「調べてもいいんだよね?」  
「すきにすればいい」  
「それじゃあ、そうさせてもらうよ」  
 そっぽを向いたまま言う志乃ちゃんに、僕はそう言ってから、彼女に両手ですしが少し皺になっていたスカートを捲らせる。  
「んっ……」  
 志乃ちゃんが息をつきながら捲ると、ほっそりとした白い太ももと無毛の恥丘が現れた。  
 彼女には『お仕置き』のためにもうずっと下着無しでの生活をさせている。無論上のスリップも無しだ。  
「ん、おかしいね。いつもならびしょびしょに濡れてるのに……」  
「それは駅のトイレで拭いたから」  
 志乃ちゃんのスリットをいじりながら言うが、彼女は僕のほうを見ないで、部屋の反対にある押入れを見ながら答える。  
 どうあっても自慰をしたことを言わないつもりのようだ。  
 僕はしらをきり続ける彼女のスカートのポケットからハンカチを取り出し、広げてみた。  
「駅のトイレは紙が有料だった。だからハンカチで拭いた」  
 淡々と答える彼女のハンカチは確かに、水で洗ったらしく湿っていて彼女の体液の臭いなどまったくしなかった。  
「どう?満足した? 私は自慰はしていない。約束はまもっている」  
 証拠などない、と言うように、やっと僕のほうを向いてしゃべる志乃ちゃん。  
 いつもの無表情でどことなく自身があるようにも見える顔だ。証拠隠滅はしっかりとしたらしい。  
 だどね、証拠ならあるんだよ。  
 僕は意地悪い笑顔をしながら彼女のスカートのすそを指差した。  
 ちいさく、皺の寄った、ちょうど彼女の口の大きさくらいの皺。彼女がスカートを咥えた跡だ。  
「……!!」  
 聡い彼女だ。それだけで言いたいことがわかったのだろう。だが僕は質問をつづけた。  
「どうして志乃ちゃんのスカートに口で咥えた跡があるのかな?」  
「そ、それは……」  
 視線が宙を泳ぐ志乃ちゃんに僕は続けて言う。  
「いつも志乃ちゃん、両手でオナニーしてるの自分でもわかってるよね。駅のトイレでスカートのすそを咥えてしたんでしょ?」  
 さらに付け加える。  
「トイレの一番奥の個室は和式だったんでしょ? だから、立ったままでオナニーしなきゃいけなかったんだね」  
 びくりと驚く志乃ちゃん。自分の自慰をした場所まで知られて羞恥に顔が赤くなる。  
 かわいいよ、志乃ちゃん。  
 しばしの沈黙の後、僕はダメ押しをする。   
「オナニーを許可なくしちゃだめって、わかってるよね?」  
「…………」  
 彼女はスカートを下ろしながら、小さくうなずいた。  
「じゃあ『お仕置き』だね」  
「あう……」  
 カタカタと小刻みに震えながら呻く彼女。  
「じゃあ服を脱いでお尻をこっちに向けて四つん這いになって」  
 彼女はゆっくりと服を脱ぎすて四つん這いになる。  
 
「じゃあ『お仕置き』するよ」  
 僕は志乃ちゃんのスカートを捲ると、その白い臀部に向かって手を振りかぶった。  
 
 パチン、と軽快な音が狭い借間に広がる。  
「っ!……」  
 唇をかみ締め、小さな悲鳴をあげる志乃ちゃん。  
 さらに続けてスパンキングをする。  
「あうっ!……ひうっ!!……」   
「まったく、もう……明日の夜まで我慢できなかったのかい?」  
 叩きながら僕は志乃ちゃんに問いかける。  
「オナニーは週一回だって言ってたでしょ?」  
「ううっ!……だって……うぐっ!……足りっ!……ないっ!」  
 途切れ途切れに答える志乃ちゃん。  
「ホントに志乃ちゃんはエッチな子だね。それを治すのに『お仕置き』してるのに全然治らないね」  
「ぐっ!……それっ……はっ……ひあっ!……貴方が……」  
 一際力を入れて叩く。  
 
 バン!!  
 
「〜〜〜〜〜〜っ!!」  
 その大きな一撃によって、声にならない悲鳴を上げる彼女に、さらに僕はこう言った。  
「だめだよ志乃ちゃん人のせいにしちゃ。そんなだから下着無しの『お仕置き』受けてるのに、また『お仕置き』しなきゃいけなくなっちゃうよ?」  
「ぐっ!……はい……っっ!」  
 まあ、素直に返事をしても『お仕置き』するけどね。  
 僕はさらに彼女を叩き、その悲鳴が連動して部屋に響き続けた。   
 
 
「はぁっ……はぁっ……」  
 相当な時間叩かれ続けて荒い息をつく彼女。  
 その突き出されたお尻は、真っ赤に腫れ上がり今夜はうつ伏せで寝ないと、痛みで寝ることは出来ないだろう。  
 しかし、突き上げられた股の割れ目には、トロリと透明な液体が滴っていた。  
「ずいぶんと感じちゃったんだね? 志乃ちゃんはお尻を叩かれて喜ぶ変態さんかな?」  
「はぁ……はぁ……ううっ……」  
 僕の問いかけに答える余裕はないようで、呻きと荒い呼吸を繰り返すだけだった。  
 
「ちょっと叩きすぎちゃったかな? でもまだ『お仕置き』は終わってないからね」  
 そう言うと僕は彼女の返事を待たず、彼女の手をロープで後ろ手に縛った。  
「!?」  
 ビクリと志乃ちゃんは驚いていたけど、これは単なる準備に過ぎない。  
 さらに両膝、両足首同士をぴったりとあわせて縛る。これで彼女は身動きが取れなくなった。  
 不安がる彼女を僕は優しく支えながら立たせた。  
「な、何をするの?」  
 バランスがとり難く、ふらふらしながら志乃ちゃんは、その瞳に恐怖と羨望と色欲を湛えながら見つめ、問いかけてきた。  
「さっきからいってるじゃない、『お仕置き』だよ」  
 僕は意地悪く答えると不安げな彼女を尻目に次の用意を始めた。  
 
「それは?」  
 僕が取り出したのはガムテープと金平糖二粒。  
 何に使うかわからず困惑する志乃ちゃんに僕は優しい声で説明してあげた。  
「これはね、志乃ちゃんの乳首に貼り付けるんだよ。もちろん金平糖をはさんでね。」  
  そう、これを貼り付けるとずっと乳首が金平糖によって刺激され続けることになる、すでに発情して尖りきっている志乃ちゃんの小さな乳首を。  
「今日はこれをつけて寝るんだよ。朝になったらはずしてあげる」  
 その言葉に気が遠くなったのか尻餅をつく志乃ちゃん。  
 当然、僕に散々叩かれて真っ赤になったお尻が勢い良く畳にぶつかる。  
「あぐっ!!」  
 その強烈な痛みにもがく彼女は、僕の手に持つテープから逃れようとうつ伏せになって芋虫のように必死に逃れようとする。  
 そんな抵抗はほとんど意味を成さず、僕に簡単に捕まり仰向けにされる。  
「ひうっ!」  
 お尻からくる痛みで硬直する彼女の、まだ膨らんでもいない胸に手早くテープと金平糖を貼り付ける。  
「ああっあううう!!」  
 今の彼女には、胸にテープを張るという行為のそれだけで十分な刺激がお尻に伝わるようで、どうにかお尻を床に触れさせないように体を反ろうと懸命に努力していた。  
 張り終わり、最後の仕上げにペチンとテープ越しに彼女の胸を叩くと、一度大きく跳ねたあと小刻みに震えていた。  
「じゃあ僕は布団を敷いてくるから、ちょっと待っててね」  
「まって! っふう! これを外してっ!」  
 懇願する彼女を無視して僕は布団を準備した。  
 布団を敷いている間彼女は痛みを堪えながらもがいて、どうにか膝立ちに体勢を変えることが出来たようで、フラフラしながら臀部と乳首からくる耐え難い刺激をなんとか凌いでいた。  
「ふーっ! ふーっ!」  
 大きく呼吸を繰り返す志乃ちゃんを僕は布団の前に立たせると、少々残酷な選択肢を与えた。  
「さあ、志乃ちゃん。うつ伏せに寝る? それとも仰向けに寝る?」  
 乳首か臀部の苦痛か。究極の選択に彼女は少し悩んで、小さくつぶやいた。  
「うつ伏せで……」  
 言った瞬間に僕は彼女を布団に押し倒した。  
「ひゃっ! うあああ!」  
 乳首に強く突起物が押し当てられて、悲鳴を上げる志乃ちゃんにかまわず、僕は上から掛け布団をかけた。  
「ひうう!」  
 腫れたお尻は、布団がかかるだけでも相当な刺激らしく、また悲鳴を上げた。  
 志乃ちゃんは敷布団の上とはいえ、硬い金平糖を自分の乳首に押し当ているので相当な痛みがあるはずだ。  
 もがけばもがくほど痛みがひどくなり、さらに掛け布団にすれたお尻も痛みを産み二重に苦痛を受けている。  
「それじゃあ、志乃ちゃんお休みなさい」  
 僕はそれだけ言うとさっさと自分の布団に入る。  
「ううっ、ふぐうう……」  
 彼女は痛みと快楽でうめき声を上げる。  
 彼女をそのままにして僕は眠りについた。   
 
 もちろん『お仕置き』が最初からこんなに過激だったわけではない。  
 初めに彼女が自慰をしているのを見つけたのは偶然だった。  
 ある日バイトが思いのほか早く上がって、アパートに帰ったら、すでにドアが開いていて、僕が最初に見たのは脱ぎ散らかされたセーラー服のスカートと女児用の白いショーツだった。  
 志乃ちゃんは部屋の隅、いつもの場所で下半身を丸出しにして股間に手をあてて自慰をしていた。そのときの彼女の絶望に染まった表情は僕の嗜虐心に火をつけるのは十分すぎるほどだった。  
 その日から彼女に対しての『お仕置き』という名の『調教』が始まった。  
 自慰は週一、僕の見ている前で一回だけで、破れば『お仕置き』という約束が僕と志乃ちゃんの間に交わされた。  
 ちなみに最初の『お仕置き』はその日僕の部屋で勝手にオナニーをした罰として、下半身丸出しの格好のまま一日を過ごさせた。  
 中途半端に終わらせられた自慰の興奮と、僕に下半身を見られている羞恥心で、官能の火が消えないまま志乃ちゃんはそのまま禁欲の生活に入っていった。  
 当然、我慢できるはずもなく、こっそりと自慰をしては、僕に見つかりお仕置きされ、火をつけられた性欲を解消されないまま、またこっそり自慰にふけるという悪循環に陥った。  
 それでここまで過激な『お仕置き』となったわけだ。  
 
 朝、目覚めてすぐに志乃ちゃんに声をかけるけと、彼女はすでに起きていて、顔を見ると目は充血していた。  
「おはよう志乃ちゃん」  
 
「はぁ……はぁ……おはよう……ございます……」あまり寝られなかったようで、憔悴していた。  
 荒い息を上げる志乃ちゃんの布団を捲ると、紫色になった痛々しいお尻が見えた。  
 しかしよく見ると、股のところが透明な液でびっしょりと濡れている。  
「ん? 志乃ちゃん随分感じちゃってるみたいだね? びしょびしょだよ」  
 僕のその言葉に彼女は顔を赤らめながら布団にうずめた。  
「言わないで……」  
 消え入るような声でつぶやく彼女に僕はさらに意地悪く言う。  
「昨日オナニーしたのに、まだ足りないのかな? 随分と淫乱だね。でもまだ『お仕置き』は終わってないよ? 今日一日は裸だからね」  
「お願い……ゆるして……」  
 涙声に許しを請う彼女の姿が愛おしくて、すぐにでも襲い掛かりたくなるところを押さえて、彼女を起こし縄をゆっくりとといていく。  
 胸に貼り付けたテープも慎重に引き剥がし、彼女に刺激を与えないように注意を払う。  
 そしてはずした金平糖を彼女の口に含ませてやる。  
「おなか空いてるでしょ? 何の足しにもならないだろうけど朝ごはんまでのつなぎね」  
 そういいながらビショビショに濡れている股間をイカせないように慎重にぬぐい、彼女の肌を清めてやる」  
「それじゃあ朝ごはんをつくろうかな。志乃ちゃんも手伝ってね」  
 僕はそう言うと志乃ちゃんにエプロンだけを渡した。  
 彼女は戸惑いながらもそれを身に着けたが、モジモジとして落ち着きがない。  
 どうやら発情して尖った乳首がエプロンで擦れて感じてしまっているようだった。  
 しかし、そんな様子には気づかないふりをして意地悪く彼女に朝食の準備を手伝わせた。  
「んっ……ふぅ……」  
 喘ぎそうになるのを必死に堪え、悶えながら食事を作る彼女の裸エプロン姿は実に官能的だった。  
 黒く長い髪の毛に隠れる、紫色の腫れたお尻が動くたびに痛みにも身悶える姿は嗜虐心をそそり、わざとお尻に僕の足を掠らせて彼女の反応を見た。  
 電流が走ったようにのけぞった彼女は、僕を睨みつけたがその瞳は淫靡な色で潤んでいた。  
 
「それじゃあ、いただきます」  
「…………いただきます」  
 生まれたままの姿で食事をとる彼女の腕は縛られた縄の後がまだ残っていた。  
 ちゃぶ台に隠れているが正座をして折りたたまれている足も同様だろう。  
 平らな胸の二つの突起は朝からずっと痛々しく尖り、彼女がずっと発情していることを告げている。  
 僕の視線に気がつくと先ほどと同じに無言で睨むがそれには迫力はなく、むしろ誘っているような表情だった。  
 そんな風に食事を終え次は彼女の宿題を手伝うことにする。  
 今日は塾も休みだが彼女の学校の宿題は結構な量が出ている。午前中はそれに費やすことになるだろう。  
 
 宿題をかたづける志乃ちゃんはもう、いつもの無表情を浮かべることが出来ず熱病に冒されたようなとろんとした目で気もそぞろで、彼女らしくないミスも目立った。  
 そのつど僕が訂正を入れてやると、はっとした表情で直していく。しかしまた彼女の表情は緩みミスをする。それの繰り返しだった。  
 そろそろ彼女も限界だろう。数ヶ月ずっと満足に性欲を満たせず燻らせたままだったのだ。  
 頭の中は今日の夜のオナニーのことで満たされて、早くそのときが来ないか待ちわびている。  
 そろそろ『仕上げ』の頃合だろうと、宿題を見てやりながら僕は考えていた。  
 
 朝と同じように手伝わせた昼食をとり、気だるげな午後の日差しが僕を眠気を誘う。  
 しかし、志乃ちゃんはそれどころではない様子で、いつもの部屋の隅の指定席に座りながら、必死に体から燃え広がる官能の炎に抗っていた。  
 気を緩めれば手が性器に触れようとするのを必死で堪え、手を膝の上に乗せている。  
 目もうつろで小さな口の端から無自覚によだれがたれていた。  
 志乃ちゃんのあそこもだらしなく蜜があふれていて、時々僕が拭いてやる。彼女には自分で拭く権利は無い。  
 イカせないように丁寧にふかれ、物足りないような表情を見せるが、僕は絶対にそれ以上のことはしない。  
 当然トイレもドアを開けたままでさせ、後処理は僕の手でした。彼女が恥辱に悶え苦しむ様を存分に堪能する。  
 
 彼女にとって幸いだったのは服を着なかったことだ、もし来ていれば肌を刺激する布のせいで我慢の限界をとっくに超えていただろう。  
 そして日は傾き、夕方に近づいてきたそのときに僕は志乃ちゃんに声をかける。  
「ねえ、志乃ちゃん」  
「……なに?」  
 何事かとうつろな表情で首をかしげる彼女に絶望的な一言を投げかける。  
「志乃ちゃんは昨日、オナニーしたんでしょ? だったら今日はしなくてもいいよね? 今日のオナニーは無しだよ」  
「え……?」  
 志乃ちゃんの目が絶望に見開かれる。僕はさらに畳み掛ける。  
「そうだね。罰としてお尻の痣が消えるまではオナニーは禁止がいいかな?」  
 僕がそう言うと彼女は泣きながらカタカタと体を震わせ、僕の方にしな垂れかかってくる。  
「お願い! ゆるして……させてください……」  
「ん? 志乃ちゃんはオナニー癖を直すんじゃなかったの?」  
 一瞬の躊躇の後、彼女は半ば叫ぶようにして僕に懇願した。  
「志乃はオナニーを我慢できない淫乱な娘です! だから、オナニーをさせてください!」  
「どうしても?」  
「お願い……これ以上じらさないで……」  
 僕は今にも泣きそうな彼女に満足してとある道具を彼女に差し出した。  
「それじゃあ、これを使ってオナニーしてね。手で直接しちゃだめだよ」  
「?……これはなに?」  
 その道具は男性の性器を模して作られており、その横に透明な液体の入った瓶も置いてある。  
「これはねディルドーって言ってオナニーのための道具なんだ。こっちの瓶のローションを塗って使うんだよ」  
 その説明に志乃ちゃんは複雑な表情で僕を見つめた。  
「うん? 淫乱な娘はそれで処女を破っちゃえば?」  
 ちょっと突き放した言い方に彼女はさらに涙目になり僕を困惑に満ちた表情で凝視する。  
 僕と畳の上に置かれた卑猥な道具を、交互に見ながら僕の残酷な指示を実行に移そうか迷っている。  
 処女を破るか、それともこのまま欲情を発散できないまま悶絶するか、二つに一つだ。  
 しかし、志乃ちゃんのとった行動はまったく別のものだった。  
 四つんばいになり蜜に濡れたお尻をこちらに向けてか細い声で懇願する。  
「……してください……」  
「ん?」  
 僕が聞き返すとさらに震え声で卑猥なことを口にする。  
「道具じゃ嫌……貴方が処女を奪ってください」  
「本当に淫乱だね」  
 僕の苦笑に彼女は余裕のない声でさらに言う。  
「お願い……なんでもするから……」  
「わかった。約束だよ」  
 僕はズボンを下ろし、イチモツ取り出すと彼女のお尻にあてがう。  
「あっ…ん……」  
 触れただけで喘ぐ志乃ちゃん、僕はそのまま一気に挿入する。  
「ひあっ……がっ……」  
 この不意打ちめいた動きに彼女は口をパクパクさせながら痙攣する。  
 
 ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ……  
 
 少し乱暴に腰を振るけど十分に濡れていた彼女の秘所は、そんな挿入にスムーズに対応した。  
「ひあっ! はうっ! あんっ!」  
 お尻を突き出したまま快楽に身を任せ、僕の動きに合わせて喘ぎ声を出す志乃ちゃん。  
 やがて僕の限界が近づき腰の動きを早める。  
「いくよ志乃ちゃん!」  
 その掛け声とともに僕は志乃ちゃんの中に果てた。  
「あうぅ…んんっ!」  
 それとともに彼女も気を遣ったようだ。  
「はぁ……はぁ……はぁ……」  
 荒い息を継ぐ彼女に僕は声をかける。  
「まだ、ぐったりするのは早いよ。今日は休ませないからね」  
「えっ?」  
「僕が休憩している間はディルドーを入れてあげる。淫乱な志乃ちゃんがしばらくはセックスをしなくても良いくらいにしてあげるからね」  
 彼女の目が見開かれ、その瞳が恐怖と未知の快楽に揺れた。  
 
 
 ぐちゃぐちゃと水音と彼女の嬌声だけが、完全な暗闇となったオンボロアパートの一室に響き渡る。  
「出すよ志乃ちゃん」  
「うっ……」  
 微かに呻く志乃ちゃん。  
 僕は容赦なく志乃ちゃんのあそこにディルドーをあてがい休憩に入る。  
「ちょっと疲れたから志乃ちゃんはこれで遊んでてね」  
「………」無言で受け止める志乃ちゃんの両胸には、ローターがテープによって貼り付けられて絶えず快楽を与えていた。  
 僕の休憩中も快楽攻めにあった彼女はもうぐったりとして、ほとんど反応を示さなかった。  
 明かりをつけ彼女の様子を見る。  
 彼女を寝かせている布団は、汗や体液でぐちゃぐちゃに濡れたが彼女は不快感も表さずに四肢を投げ出して寝そべっていた。  
 目は開けているけど焦点があっていない、時折ピクッと痙攣するくらいだった。  
 でもまだ休ませない、彼女の体に徹底的に快楽を打ち込んでそれ無しでは生きられないくらいにするつもりだ。  
 僕は彼女の顔に近づきキスをする。小さな口の中の小さな下も蹂躙するように濃厚なキスをした。  
 その行為によってイチモツがむくむくと起き上がり、彼女の中に侵入する準備が整った。  
「よし、続きをしようかな。志乃ちゃん行くよ」  
 幾度目かわからないセックスの続きをはじめると志乃ちゃんがかすれた声でつぶやいた。  
「もう……だめぇ……」  
 その声を無視して僕は腰を動かして彼女を快楽へ導いていった。  
 
・・・・・・・・・・・・・・  
・・・・・・・・・・  
・・・・・・・  
 
 絶え間ない快楽の渦に私は途中から記憶がなく、目が覚めたら次の日の夕方近くになっていた。  
 全身に倦怠感があり感覚がはっきりしない。  
 見覚えのある天井を見つめていると彼がこちらに来る気配がする。どうやら私の目が覚めたことに気がついたようだ。  
「おはよう、志乃ちゃん。もう夕方だけどね」  
 苦笑する彼の声が聞こえた。  
 起き上がろうとするが力が入らない。  
「ああ、志乃ちゃん。疲れて起き上がれないならそのまま休んでていいよ」  
 そういい残し足音が遠ざかる。  
 私は少し状況を整理することにした。  
 今、私は布団の中で全裸で横になっている。一昨日の『お仕置き』をされたお尻は痛みが引き臥せっても問題はなくなっていた。  
 この数ヶ月ずっと私を悩ませていた、堪えようのない身体の火照りは完全に収まっていて、もう自慰は必要ないだろう。  
 体は清められていて、昨日のセックスの痕跡はまったくなくなっている。  
「はい、志乃ちゃん。おなかすいてるでしょ? ご飯もってきたよ」  
 不意に彼がお盆に食事を載せて戻ってきた。  
「起き上がれる? 大丈夫?」  
「ん。問題ない、食事の前に服を」  
 起き上がりタンスへ向かおうとする私を彼は制し、悪夢のようなことを口にする。  
「だめだよ志乃ちゃん、淫乱な娘は裸ですごすんだよ? 何でもするって約束したよね?」  
 さらに彼は明るい口調で言ってくる。  
「そうそう、今日からいつでも好きなときにオナニーしていいからね? ほかにも色々あるけどご飯食べてからだね」   
 悪魔のようなささやきに抵抗するすべもなく、私は服を着ることをあきらめるしかなかった。  
   
 全裸での食事を終えると彼が荒縄をもって私の前に立った。  
「今日から外出のときは縄で縛って下着替わりにしてあげるからね」  
 そう言うと試しということで私は荒縄で縛られた。  
 二つ折りし、幾つかの結び目がある縄を輪にして首にかけられ二本とも股の下に通される。  
 縄は首の輪に通し思い切り引っ張られた。股の割れ目に食い込んで苦しみに声を上げるが、彼はそんなことお構い無しに結んでいく。  
 二本の縄を今度は胸を挟み込むように巻きつけていく、縦二本の縄の間にいれ背中側に回し反対側かわまた縦縄に入れていく。  
 これを幾度か繰り返し両端を結び亀甲縛りを完成させる。  
「よく似合ってるよ。志乃ちゃん」  
「んっ、つっ……」  
 
 動くたびに股縄が擦れて感じてしまうし、排泄も出来ない。もし服の下がこんな卑猥な格好であることが知られればどうなってしまうだろうか。  
 この亀甲縛りの状態で外で過ごすことを想像すると絶望的だった。しかし体は早くも順応し秘所は濡れ、両乳首は尖り始めた。  
 もうこの体は私の命令を受け付けず、背徳的な快楽を優先するようになってしまった。  
 
「ああ、トイレはちゃんとさせてあげるよ。でも昨日みたいに僕に見られながらだけどね」  
 
 その言葉に私は力が抜けへたり込んでしまった。もう何も隠すことは出来ない。そのことがさらに私の体に火をつけた。   
 それからは彼にすべてを管理される生活になった。  
 
 荒縄を下着代わりに登校し、発情しながら授業を受ける、体育のある日など地獄だった。  
 激しい運動に縄につぶされたクリトリスが想像を絶する快楽を与えてくるが、縄のせいで満足にいじることが出来ず出来るのは休み時間に乳首をいじり続け、溜飲を下げるくらいだった。  
 そして彼のアパートに帰れば、制服を脱ぎ彼が帰るまで悶々とした時間をすごす。  
 彼に縄を解いてもらい排泄もさせてもらうと、一糸纏わぬ姿で自慰をする。無論、彼の目の前で、だ。  
 私のはしたない姿を見て、彼が卑猥な言葉を浴びせかけると、私はさらに燃え上がり激しい自慰をするのだった。  
 入浴も彼と一緒だ。私はもう随分と自分の体を自分では洗っていない。  
 髪も、顔も、手足も、まだ膨らんでもいない胸も、肉つきの薄い臀部も、小さな背も、総て彼に洗われるままにしている。  
 
 もう、私は以前の私ではなくなった。彼の言うことには一切逆らえない。  
 今も彼の命令で黒いファーのついたアナルディルドーを自ら突き刺し、猫耳のついたかチューを着け、四つんばいで猫の真似事をしている。  
 自分が人間ではなく彼の所有物になっていく感じがする。そしてそれを心の底から喜んでいる。  
 もうもとにはもどれない。このかいらくからのがれることはできない。  
 
ー了ー  
 

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