兄さんは強い。
兄さんはカッコイイ。
他の部族のどの王よりもすばらしい。
でも素直に言えない…
普段は何でも無いのに兄さんのことを考えると思考が乱れる。
…一族の王として失格だ…
シリウス:どうしたポラリス? うかない顔して
ポラリス:あ・うん …あのね 兄さん
シリウス:ちょっと待ってろ 今鎧脱いでくるから
ポラリス:…うん
金色の鎧をまとった兄が廊下を歩いて行く。その背中は雄々しくて…父さんみたいで…
100 名前:某一番手 投稿日:2005/11/07(月) 01:56:15 ID:O3ot7erv
シリウス:ホラ コーヒー入ったぞ
ポラリス:アリガト 兄さん
シリウス:何かあったか? 困り事とか相談事か?
シリウス:あ・うん…あのね…
兄さんはやさしい顔で私を見つめている。戦場にいる時とは大違いだ。
敵を見据える目は優しさをたたえ
歯を食いしばる口には微笑みがこぼれ
緊張にこわばる頬は優しくゆるみ
あぁ…なぜ兄妹なのか…
ポラリス:あのね…兄さんは…その…意外な人から告白されたらどうする?
シリウス:なんだ?恋の悩みか!! そりゃまいったなぁ…
兄はこういう話は苦手だ。でも嫌がらずに付き合ってくれる。
シリウス:誰かに告白でもされたのか?獣牙王か?
うーむ…彼ももう少し周りを気遣う者になれば悪くはないかもしれんが…
ポラリス:違うの…
シリウス:ん?同族か?まさかアイアスか?アイツはやめておいた方がいい
プライドがからまわりして…
ポラリス:違うの!!!
シリウス:!?
ポラリス:…違うの…そうじゃないの… あのね兄さん
シリウス:…ん?
ポラリス:私が…私が兄さんのこと…好きって言ったら…どうする?
早まった。頭に血が上りすぎた…もうダメだ…兄さん…もう私のこと変なヤツだって思ってる!!
うあ…イヤな汗がにじんできた。兄さんの顔…見れないっ!!
シリウス:ポラリス こっちおいで
ポラリス:…あの…あのね兄さん…
シリウス:いいからおいで
ポラリス:…
あァ…なんて言われるんだろう…もう…ダメだ…
え…?あ!
私…抱きしめられてる?兄さんに抱きしめられてる!!
シリウス:ポラ… 兄さん嬉しいぞ こんなにしっかりした妹に好かれるなんて
兄さん4族一の果報者だ…!
ポラリス:兄さん… 兄さん!
そう言えばミヤビが言ってた。案ずるより生むがやすしきよし…だっけ?
シリウス:オレはてっきり嫌われてるかと思ってたぞ…
ポラリス:そんな事ない!!有るワケ無い!!
兄さんは私をぎゅっと抱きしめてくれた。
今はソレで充分だ。これ以上望まない。
私も兄さんに負けないくらい幸せ者だってわかったから。
オチ?そんな物無い!!