腰を抱くようにして引くと簡易寝台に押し倒す。シンプルな作りのベッドだが、
さすが鎧羅の野営用設備だけあって二人の重量を受け止めても危なげはない。
散々嬲ったせいか尖りきった乳嘴はぴんと立ち上がって仰向けに倒れた余韻に震え、
先刻の戦闘ですっかり濡れていたエドガーの髪が圧し掛かった拍子にその上を滑る。
突然の冷感と快感にポラリスは身を捩ったが、掴まえてきつく抱き締めると抵抗はなかった。
鎧羅族独特の重装甲に潰されないだけの筋肉を備えた体は同年の女性たちに比べれば
逞しいものだが、元より獣牙は女性であろうとも己の爪牙を信じる部族である。極端な
肉付きでない限りはそれも美感を損ねる要素ではない。むしろ弾力より硬さの勝る手足は
エドガーにとって丈夫そうで抱き心地の良いものだ。
ハの字になったその眉間を一舐めし、雨と泥、そして隠れるように鉄と火薬の匂いが残る
髪に鼻先を埋めた。戦場に身を置く女王らしい匂いは化粧や香水よりよほどエドガーを
興奮させてくれる。
楽しくなって低く笑うと、合わせた腹から振動が伝わるのかポラリスが不思議そうに
視線を寄越すのが気配で分かった。
それがあまりに何食わぬ顔なものだから、これからすることをしばし忘れてそのまま
満面の笑みとキスをくれてやる。
くすぐったがる隙をついて指を滑らせ、腰骨をなぞり、骨の上に直接張り付いたかの
ような肌に少し面食らう。腹も太股も鍛えた筋繊維に覆われているというのに、部分の
パーツは時折驚くほど女性的だ。
ポラリスの体から力が抜けた頃合を見計らって一端体を離すと、閉じられた膝に手を
かけて開かせる。
一瞬込められた力はしかしエドガーが意識する前に霧散した。
髪と同じ色合いの陰毛は少し薄い。中心が濡れて光り、内側から膨らんだ性器が
赤い色をわずかに覗かせている。
「獣牙ぉ――あっ」
舌足らずに呼ぼうとした敬称を陰唇に触れて中断させた。
「つーかさ」
できるだけ余裕を含ませた口調に対して指先は忙しなく花唇をなぞり、時に肉厚な
小陰唇を割って秘裂の内、孔を浅く抉る。息をつめて断続的な快楽を受けるポラリスの
体は少しづつ熱くなっていき、つられて汗と体臭が強くエドガーの鼻に届き始めた。
「こういう時は名前呼ぶもんだろ?」
な、と至近距離で見つめたまま挑発じみた声色で問いかけると、ポラリスの眉根が
また困ったように寄せられる。恥じらうというでもなく心底対応に困った風だ。
「呼ばねぇとイイコトしてやんねぇぞ?」