突如世界に現れ、前皇帝を殺害してその座に就いた皇帝マステリオン。  
その正体は、魔界から来た魔王であった。  
マステリオンの呼び出した、四部族の特徴すべてを併せ持った異形の集団──皇魔族。  
皇魔族によって反目させられていた四部族は、己の戦うべき真の敵を知る。  
 
前皇帝・黄龍帝フガクの力を授かり、光龍王サイガとしてマステリオンに挑んだサイガの敗北。  
各部族の前に立ち塞がった皇魔四天王──その正体が、行方不明となっていた先代部族王と発覚。  
世界の命運を賭けた戦いは、凄惨を極めた。  
 
──そんな戦乱の渦の中での、ひとつの物語。  
一人の剣士の、恥辱と屈辱の物語。  
 
 
【尻奴隷・性爛犬シオン調教伝】  
 
──そこは果たして何処なのか。  
暗い色調で統一された部屋の中で少女は目を覚ました。  
短めに切り揃えられた桃色の髪に、二本の雄々しい角が生えている。  
それは、西方の大陸を統治する聖龍族の証。  
 
和風の着物に身を包んだその少女の名は──シオン。  
嵐の如く剣を振るうさまからついた二つ名が「征嵐剣」。  
聖龍族の猛者として名高い、征嵐剣シオンであった。  
 
青い肌の妖艶な美女が、倒れ伏すその少女の横に立つ。  
 
聖龍族のような――黒色の捻れた二本の角。  
獣牙族のような――黒くうねる悪魔の尻尾。  
飛天族のような――赤い皮膜の張った魔物じみた翼。  
鎧羅族のような――黒地に金縁の、豪奢な鎧。  
 
すべての部族の長所を併せ持ったようなその姿は、紛れも無い皇魔族。  
口元を歪めた笑みを浮かべて腰に手を当てて立つその女性からは、とてつもないプレッシャーが放たれていた。  
 
――皇魔族将軍・アスタロット。  
 
それが、彼女の名前であった。  
皇帝マステリオンの呼び出した皇魔族の中でも、上級と呼ばれる高位の存在。  
豪奢な鎧は彼女の気質を表すかのように卑猥に胸元と腹部をくりぬかれ、その大きな胸とくびれたウエストを誇示していた。  
 
縦に割れた瞳孔を持つ、黄金の瞳がいやらしげに細められる。  
「フフフ…お目覚めのようネ、聖龍族の将軍さん?」  
嘲りを多分に含めた声がシオンに浴びせられた。  
床に倒れ臥したまま、気丈にアスタロットを睨み付ける。  
並の男なら眼光だけで竦み上がるシオンの鋭い視線も、くすくすと笑って受け流すアスタロット。  
 
1対1の対決であったならば、実力の差で若干シオンに分があった。  
しかし狡知に長けた皇魔族はシオンを単独行動させるよう仕向け、独りになったところを大勢で捕らえたのである。  
──シオンもさる者、大勢でかかった皇魔族の半数を殲滅したが──、  
やはり、多勢に無勢であった。  
 
剣は奪われ、防護衣でもある衣も剥ぎ取られてしまっている。  
残っているのは何の加護も受けていない着物だけ。  
そのうえ、何か特殊な呪術でも施されたらしい魔方陣が床に描かれていて、普段の五分の一ほどしか力が出ない。  
 
「ウフフ、そーれっ!」  
アスタロットは、勢いよくシオンの着物の前垂れをめくりあげた。  
「……っっ!!」  
シオンは慌ててそれを押しとどめようとするが、すぐに周囲を取り囲むギュウキに腕を押さえられてしまう。  
ばっ、と布地が捲くり上げられ、その下でぎゅうぎゅうに締め込まれた「ふんどし」が露わになった。  
股間をまじまじと覗き込まれる羞恥に、顔を真っ赤にするシオン。  
 
「あぁら、可愛い下着……♪ お尻にもきゅうって食い込んでるのかしら…?」  
軽々とシオンの身体を持ち上げるとひっくり返し、尻の部分の布地をめくる。  
むっちりとした尻たぶの割れ目に深々と食い込んだ、ねじれた白いふんどしが外気に晒された。  
その瞬間、雌の臭いを嗅ぎ取ったのか周囲のギュウキたちが歓喜の雄叫びをあげる。  
大勢に──しかも敵である魔物にまで──恥ずかしいところを見られているという感覚に、シオンは強烈な屈辱感を覚えた。  
 
「っっ……! こんな辱めを受けるくらいなら…っ!!」  
 
いっそ自害を──と、舌を噛み切ろうと口を大きく開けた瞬間、  
「────っっ!?」  
口を開けたままで驚愕に目を見開くシオン。  
その体が凍りついたように動かなくなってしまったのであった。  
視線だけでアスタロットを追うと、そこには心底可笑しそうに笑う毒婦の姿。  
「アナタみたいな剣士がそうするのは折り込み済みヨ?   
 殺してなんてあげない。ずうっと辱めて、身も心も奴隷にしてあげる」  
 
そう言うと同時に、アスタロットの背後でにゅるり…と蠢く影。  
角のとれた矢印といった風情の──悪魔の尻尾。  
まるで意思を持つ別の生き物のように動いたそれが、ずぶりとシオンの開いた口に突っ込まれた。  
 
「んむぅっ!?」  
突然喉を突かれた衝撃に、目尻から涙をこぼすシオン。  
まるでペニスのように尻尾はずりゅずりゅと口腔を犯していく。  
「んぐふっ! んんぅぅ!?」  
シオンの苦しげなうめき声に、青い肌をうっすらと赤く染めるアスタロット。  
「イイわ、その苦しみ方……♪」  
ぢゅぽん、と音をたてて尻尾をシオンの口から引き抜くと、自分の口の前に持ってきてぺろりと舐める。  
 
ぞくぞくと快楽に背筋を震わせると、アスタロットはシオンの着物に手をかけた。  
むんずと鷲掴みにして、そのまま爪を立てて──引きちぎる。  
 
ビッ、ビビビビィィ……!!  
「っぐぅ……!!」  
小気味いい音をたてて、アスタロットの爪と膂力が一気にシオンの着物をひん剥いていく。  
大きめの乳房がぶるんと揺れて露わになった。  
ギュウキたちの鼻息が一層荒くなり、舌なめずりの音が野卑に響く。  
ふんどしと足袋だけを残した状態で床に転がされるシオン。  
無理矢理引き裂かれた着物が身体に食い込み、擦れて身体の至る所にみみず腫れを作った。  
「っ……ぅ!」  
 
みみず腫れのアトを指先でなぞり上げてから、アスタロットは酷薄な笑みを浮かべた。  
 
 
「ウフフ……♪ そ・れ・じゃ・あ。  
 シオンちゃんが従順なメス犬さんになれるように、調教を始めましょうネ……?」  
 
 
つづく  
 

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