鎧羅族、王宮。
自室へと向かう堂々とした人物が一人。
シリウス。
仏頂面ではあるがその手腕、その人柄は民に安心を与えていた。
彼には、ある隠し事がある。
「シリウス様?」
家臣の一人が近寄って来た。
「ポラリス様があなた様の部屋に籠もられてもう半年、未だ音沙汰無しとはどういう事です?」
もう何回も問われた質問だ。いつもの様に受け答えた。
「直に姿を見せる…」
そういうと脇目も振らず歩みを再開した。彼は王としては優秀なのだ。それ以上は家臣団も詮索しない。
隠し事とは。
シリウス自室
ベッドに腰掛けている少女がいた。
肩までのびた鮮やかな深緑色の髪、透き通った紅き瞳、白い肌。かつての鎧は今はつけていない。
なぜなら、今は着れないからだ。
「お帰り、兄さん」
「ああ」
シリウスは彼女の隣に腰掛ける。
すぐに目をやったのは彼女の、命を宿した、お腹。
「もう少しか?」
「うん…もう少し…」
シリウスが、そのお腹をさする。その手をポラリスが重ねる。
「兄さんの子供なんて…夢みたい…」
「俺は父上母上に申し訳ないが…」
二人の関係はもう長い。最初は、父、母の目を盗み、手を繋ぐ程度だった。
時は経ち、二人はお互いが欲しくなった。
それが唇であり、胸であり、最後には、兄妹として最も禁忌とされる所まで進展していた。
それでも、歯止めは利かなかった。
「兄さん…」
「何だ?」
チュッ
不意に重ねられた唇。
「私…後悔なんてしてないよ…兄さんが好きだもん」
「兄としては俺は最低なんだ」
「もう戻る気なんてない。それに…」
ポラリスはお腹に目をやった。
「この子だって、兄さんに感謝してるわ」
「ポラリス…」
今度のキスは、深いキスだ。お互いの唾液を飲み干し、舌を絡め、唇を舐めまわすキス。
「んっふ…にい…さん…」
唇を離した時、ポラリスはその美しい瞳を潤ませ、唇からシリウスの唾液を引いていた。
そのまま後ろのベッドに倒れ込む。
「私…また兄さんが欲しくなっちゃった…」
「無理はするなよ」
「いいの…私…お腹一杯兄さんを食べたい…」
指の先を噛み、ねだる瞳で言う。
「私がこんなに淫乱になっちゃったから…兄さん嫌いになった?」
「いや…ずっと好きだ。ポラリス」
「ありがと。兄さん…じゃあ」
「今日も沢山食わせてやる」
前より膨らんだ胸と、魅力的な胸の先の突起物。柔らかく丸みのあるお腹。そして、アソコ。全ての場所に妖艶さを加えたポラリスが、そこにいた。
「兄さんがこんなにしちゃったんだから、ちゃんと…ね?」
そっと二人はボタンを外していく。