* * *
「楓……」
カレハとイイコトをしながらも、楓の様子が気になってたプリムラだが、何からかの
形で収まった様子を見てホッと一息つく。
「亜沙ちゃんが納めてくれたみたいですね。もう大丈夫ですよ」
カレハがニッコリと微笑む。プリムラがコクリと頷いた。
「では、私たちも次のステップに参りましょうか?」
「次のステップ?」
プリムラが小首をかしげる。
「ええ。プリムラさんに電気あんまがどんなものであるか、お勉強していただか
なければなりません」
ニコッとカレハが微笑んだ。
「これはお姉さんが妹さんに教える義務がある事なのです。プリムラさんは私から
教わるのはイヤですか?」
「そんな……。イヤじゃない……。教えて、カレハお姉ちゃん」
プリムラがカレハを見上げた。カレハはそんなプリムラの頭を優しく抱く。
「分かりました。では、最初に聞きます。プリムラさんは電気あんまに対して
どのような印象をお持ちですか?」
「印象……? その……気持ちいい、とか?」
カレハの胸の中で真っ赤になるプリムラ。実際、亜沙にされた時はもう少しで天にも
昇りそうだった。亜沙が楓を助けに行ったので途中でやめられた分、今も体の中心が
疼いている。
「そうですね、亜沙ちゃんは電気あんまがお上手ですから……でも……」
優しく微笑んでいたカレハだったが、少し真顔になった。プリムラが見上げる。
「電気あんまがいつも気持ちのいいものとは限らないのですよ、プリムラさん」
「そう……なの……?」
プリムラは驚いたようにカレハを見た。あんなに気持ちがいいのに、どうして?
と、問いかける表情だ。
「亜沙ちゃんなら毎回気持ちよくしてくれますけど……と言うか、私もそうでした
から。でも、みんなが亜沙ちゃんの様な高い技術を持っているわけではないのです」
…………少し思い出話をしても良いですか?」
何かを伝えたそうなカレハの表情に、プリムラがコクリと頷く。
「私はこの世界に移住してきたのですが、最初は電気あんまが大嫌いだったのです」
「え? ……そうなの?」
驚いた表情を見せるプリムラ。カレハはゆっくりと頷く。
「はい。この世界に最初にされた電気あんまが、凄く痛くて……その日は立てなかった
ぐらいでした。その人は私が憎くてそうしたのではなく、まだ上手ではなかったので
力を入れ過ぎたらしいのです。プリムラさんも女の子ならここを力一杯踏まれたりしたら
どうなるか、お分かりですよね?」
プリムラはコクリと頷いた。女の子の急所を力一杯踏まれたら……想像するだけで、
下半身をもじもじさせてしまう。
「それで暫く、私は他の女の子たちと打ち解けられない時期がありました。表面上の
お付き合いはしますけど、深入りして電気あんましあう関係になるのが怖くて……」
「…………」
じっと聞いているプリムラ。カレハの話には今の自分にオーバーラップする事もあった。
「移住してきて寂しさを感じてた、そんな日々の中、私は亜沙ちゃんと出会ったのです」
カレハはニッコリと微笑んだ。本当に嬉しそうに。
「ある日、亜沙ちゃんは私をご自宅のお部屋に招待してくださり、私たちは楽しく
お話しました。亜沙ちゃんのおかげで私は久しぶりに楽しい気分になり、心から
笑うことも出来ました。その時の事です……」
* * *
(ねえ、カレハちゃん……)
亜沙が少し頬を染めてカレハを見つめる。
(なんですか、亜沙さん?)
(ボクと……電気あんまのかけあいっこをしない?)
(え? で、でも、私は……)
(カレハちゃん綺麗だからして見たいの。ダメかな……?)
カレハは俯いた。亜沙の期待する視線を避けるように目を背ける。
(……私、怖いんです。電気あんまされるのが)
(どうして? もしかして、痛い事されたの?)
(はい……。ですからその……)
(怖くなっちゃったんだね?)
(はい……)
(そっか……)
亜沙は腕を組んで考えると、
(じゃあさ……ボクにかけてよ。カレハちゃんが)
(亜沙さん?)
(ボクは抵抗しないから……カレハちゃんに電気あんまの楽しさを知って欲しいの)
屈託ない笑顔で微笑む亜沙。カレハを安心させる優しい笑顔……
(……でも……私、どうやればいいか……)
それでもカレハが戸惑っていると……。
(大丈夫、ボクが教えてあげる♪)
亜沙はカレハを抱きしめ、頬にキスをした。そのまま二人はベッドに倒れこむ。
(そう、そうやって、ボクのココに……ん、いい感じ♪)
(あ、亜沙さん……痛くないですか?)
(大丈夫……もう少し強めに出来る?)
カレハに電気あんまされた状態でレクチャーを続ける亜沙。自分の経験のせいか、
カレハの電気あんまには力がない。
(は、はい……こう……)
慌ててカレハが力を入れる。しかし……。
(……!! いっ☆!?)
(あ、亜沙さん!)
急に力を入れすぎた、とカレハも感じた。慌てて足を外そうとすると……。
(は、離しちゃだめ……!)
亜沙がカレハの足を掴んで自分の股間にあてがい直す。
(亜沙……さん?)
(だめだよ、『カレハ』)
ちょっと涙目で顔をしかめながら、笑顔を作る亜沙。
(ボク達、親友になるんでしょ? だったら、女の子同士の秘密も持ちたい……)
(亜沙さん……)
(だから、怖がらないで遠慮なくして。カレハがボクを信じてくれるまで……)
(亜沙さん……!)
カレハはたまらず電気あんまを外し、亜沙に抱きついた。彼女の陽の色をした髪の
匂いが鼻腔を擽り、亜沙は陶然となる。
(か、カレハ……だから、怖がらないで……)
(違います……)
(え?)
(私に……電気あんましてください、『亜沙ちゃん』)
(カレハ?)
(私、上手じゃありませんから……最初は亜沙ちゃんに教わりたいです。亜沙ちゃんの
やり方を勉強して、少しでも上手になって、より一層、亜沙ちゃんを気持ち良くさせて
あげたい……今の私はその気持ちで一杯です)
(カレハ……)
亜沙はカレハを抱きしめた。そして、唇にキスをする。熱く長いディープキス……。
時が止まり、二人はお互いの胸をむさぼりあう。そして――。
(カレハ……)
(何ですの、亜沙ちゃん?)
(今からボクが電気あんまをしてあげる。心を込めて、今のボクが出来る最高に
気持ちいい電気あんまを……いいね?)
(はい、亜沙ちゃん……)
カレハは天使の様な笑顔を見せ、ゆっくりと足を開いた。
* * *
「……ちゃん?、……お姉ちゃん……?」
「…………」
「カレハお姉ちゃん!」
「……え? あ、あ……プリムラさん?」
カレハは自分の目の前にいるプリムラを見て目をパチクリさせていた。
「えっと……あの〜〜」
「カレハお姉ちゃん、また妄想してた……」
「え? あ……まままあ、私ったら……」
目をパチクリさせているところにプリムラに突っ込まれ、うろたえるカレハ。
どうやら思い出話をしている間にいつもの癖が出たらしい。
「わ、私……どこまで話しましたっけ?」
「カレハお姉ちゃんと亜沙お姉ちゃんとキスした所まで……」
「まあ! まままあ!? わ、私と亜沙ちゃんが……そんな♪」
またしてもとろんとした目で宙を見るカレハ。
「…………」
カレハの豪快なボケっぷりに辛抱強く待っているプリムラ。この子にはあまり
我慢とかの概念はないのかもしれないが。
「……と、一人で楽しんでいてはいけませんわね」
漸く正気に返ったカレハが申し訳無さそうに言う。
「亜沙お姉ちゃんの電気あんま、どうだったの?」
「え? あ、はい……それはもう、本当に素晴らしかったです」
「気持ち良かった……?」
「ええ、それはもう」
ニッコリと微笑むカレハ。
「人間界の言葉で言えば、『天国にも昇る』気持ちでしたよ……私の電気あんまへの
印象は180度変わりました」
「……いいなぁ……」
プリムラが羨ましそうにする。
「プリムラさんにもそうしてあげますよ」
「本当?」
「勿論です。至福の電気あんまがどういうものかを教えてあげるのはお姉さんの務め
ですから」
カレハはプリムラのお腹を優しく触る。そして、タンクトップを脱がせた。
「……? 水着、脱ぐの……?」
「ええ。私も脱ぎますよ」
カレハも半脱ぎだったワンピース水着から足を抜く。髪と同じ陽の色の縁取りが
艶めかしい。
「……私には、ない……」
自分もビキニを脱いで全裸になったプリムラが自分の股間を見つめる。
「今に綺麗に生えてきますよ。プリムラさん、電気あんまを沢山されれば女の子は
より一層女の子らしくなれるのです」
「そうなの……?」
「ええ。電気あんまは女性ホルモンの分泌を促しますし、それに気持ちの良い
電気あんまは心と体をリラックスさせます。適度な有酸素運動にもなって体内脂肪を
燃焼させますし、新陳代謝を促してお肌も綺麗になりますよ」
「すごい……」
「フフフ、気持ちの良い電気あんまは女の子にとってはイイコト尽くめなんです。
それに……」
ここでカレハが頬を赤らめた。
「それに……なに?」
カレハの様子にプリムラが首を傾げる。
「それに、性感帯の開発になりますからね……」
カレハがプリムラの股間を優しく撫で上げた。
「あっ……!」
プリムラが一瞬体を硬くしたが、すぐにカレハのなすがままになる。
(お姉ちゃんに、可愛がってもらうんだ――)
プリムラの熱い思いはカレハにも伝わった。
「ではプリムラさん、そこに寝てください。私が亜沙ちゃんに教わった思い出の
電気あんま、余すところ無く伝えてあげますからね」
髪を優しく撫でるカレハにプリムラはコクリと頷いた。
* * *
「では、参りますよ、プリムラさん」
プリムラの両足を脇に抱え、股間に右足をセットしたカレハの声にプリムラが頷く。
いつもの無表情さではあるが、胸で組んだ手にはじっとりと汗が滲み、頬は早くも
紅潮している。やはりプリムラにとってもドキドキする姿勢なのであろう。
カレハはそんな表情のプリムラを見てクスッと微笑み、ゆっくりと足を振動させ始めた。
「う……あっ……!」
プリムラが軽い悲鳴を上げる。先ほどの亜沙のダブル電気あんまで十分に準備は
整っていた。自分の恥かしいところから電流の様な刺激が全身に伝わり、それが
融けるように消えたかと思うと、今度は心地よい暖かさが体中から染み出るように
湧いて来る。
「気持ちいいですか、プリムラさん?」
カレハは優しく、そしてリズミカルにアンマを続けてる。
「うん……凄く……いい感じ……。カレハお姉ちゃん、……もっと……して……」
最後は消え入りそうな声になる。やはり自分からおねだりするのは恥かしいのだ。
しかし――。
「…………」
カレハはそんなプリムラの期待に応えるかと思いきや、突然、ピタリと足を止めて
しまった。
「……カレハ……お姉ちゃん?」
気持ちよさに半ばまどろんだ様なプリムラが疑問に思ってカレハを見る。
そのカレハはいつになく真顔であった。
「……プリムラさん。私、これからあなたに少し意地悪な事をします」
カレハが冷静に言う。
「意地悪な……事……?」
「我慢してくださいね――」
そう言うとカレハは自分の右足に力を込め、グリッ!と捻った。
「……!! ……いた……い……」
プリムラが小さく悲鳴を上げた。思わず腰を浮かせようとするが、カレハがしっかりと
股間を踏みつけなおしたので、動けない。そればかりか、更に痛くなってくる。
「痛い……カレハお姉ちゃん、痛いよ……」
さっきまでの気持ちよさとは180度違う感覚にプリムラは戸惑い、カレハを見る。
しかし、カレハはプリムラのほうを見ようともしなかった。冷静に、いや冷酷に
プリムラに『痛い』電気あんまを続けている。
グリグリグリグリ……。プリムラの無毛の幼い股間を無慈悲に踏みにじるカレハの
白くて美しい足。だが、今のプリムラにはそれは凶器に見えたであろう。
「カレハお姉ちゃん……痛い……。やめて……」
小さく切なそうに訴えるプリムラ。声は張り上げないが、その分、彼女の痛々しさが
まざまざと伝わる。
「カレハ先輩……?」
二人の様子を見ていた楓が近寄ろうとする。
「だめだよ、楓」
丁度、どこかに行ってた亜沙が戻ってきて楓を止めた。
「で、でも、あのままじゃリムちゃんが可哀想だよ……」
シアもカレハを止めたそうにする。あの優しいカレハがあんな事をするなんて……
二人は幼いプリムラの事を思うと気が気でない。
「大丈夫だよ、ちゃんと考えがあるの、カレハには♪」
亜沙が安心させるようにウィンクする。しかし、その彼女が持っているものは……。
「リムちゃんの事はカレハに任せて、ボク達はボク達で楽しもうよ」
ガラガラ……と手に持っていたものを全部人工芝に降ろす。
「「…………」」
楓とシアは顔を見合わせた。そこにあるものは真新しいモップの柄、洗濯バサミ、
洗濯紐……。
「全部新品があるなんて、ラッキー。これで楽しめるよ、か・え・で・ちゃん♪」
にんまりと意地悪な笑顔を浮かべ、亜沙はモップの柄を掴んで楓を見た。
「……あっ」
楓は亜沙が何をしたいのか、分かったようだ。怯えるように後退りするが、シアと
ぶつかり、逃げられなかった。
「…………?」
二人の様子を見てシアが首を傾げる。亜沙はモップの柄をゆっくりと楓の足の間に
通した――。
一方、カレハとプリムラ。
「お姉ちゃん……。お願い……もうやめて……。カレハお姉ちゃん……」
プリムラが涙を滲ませて弱々しく哀願する。しかし、カレハは電気あんまをやめようと
しない。右足の力はさっきより強くしている。
「プリムラさん……」
カレハが真顔で呼びかける。
「な、なぁに……?」
プリムラは返事をするのも大変だったが、カレハの呼びかけに健気に応えようとする。
「こんな事をされて、私の事、嫌いになりましたか……?」
「……? …………」
プリムラはかぶりを振った。自分を優しく受け入れてくれたお姉ちゃん達を嫌いになれる
わけが無い――プリムラはそう思った。
「では……。私がこんな電気あんまをプリムラさんに毎日したいと言えば、どうしますか?」
「えっ……?」
プリムラは絶句した。今のカレハがしている電気あんまはプリムラにとっては泣くほどに
痛い。これを毎日されるなんて――。
カレハの目は真剣だった。本気でそう思っているらしい。
「…………いいよ」
ポツリと呟くようにプリムラが言った。
「プリムラさん……。今味わった、痛いのをですよ? それが毎日でも?」
「…………」
コクリとプリムラは頷いた。殆どためたうことなく。
「お姉ちゃんになら……されてもいい……。私、頑張って慣れるようにする……」
痛さで涙目になりながらもカレハの瞳を見つめるプリムラ。非難する目ではない。
大好きなお姉ちゃんのために耐えようと決心した目だ。
「プリムラさん……」
カレハが電気あんまをやめ、プリムラを優しく抱く。
「無理ですよ。女の子がこんな仕打ちに慣れるなんて……」
愛おしげにプリムラに頬擦りするカレハ。
「勿論、こんな事したりしませんよ……。プリムラさん、良い子ですね。試すような
真似をしてごめんなさいね」
「試す……?」
プリムラが目をパチクリする。カレハはそっとプリムラの股間に手を当てた。
「あっ……」
さっきの様に暖かさが染み出る感覚――。カレハ得意の治癒魔法だった。さっきまでの
電気あんまの痛みがゆっくりと癒されていく。やはり『癒しのカレハ』の二つ名は伊達では
ないらしい。
「プリムラさん……。実はさっきの痛い電気あんまでは、気持ちのいい電気あんまより
ほんの少ししか力を加えていないのですよ」
「え……? そうなの……?」
「ええ……」
カレハは何かを韜晦するかのようにプリムラから目を逸らせて説明しはじめた。
「元々女の子の大事なところは繊細に出来ているのです。男の子の愛を一杯感じるために、
ですね。感じやすくデリケートに――ここが女の子の急所であるのは必要な事であり、
当然の事なのです」
「…………」
「だから気持ちの良い電気あんまをするのには経験とテクニックが必要なのです。
ここを痛めつける事は簡単なのです。さっきプリムラさんにしたように、ほんの少し力を
入れれば良いのですから――急所攻撃が反則なのはそういう理由もあるからなのです。
たった一撃で女の子の誇りを剥ぎ取り、恥辱と苦痛に塗れさせる反則技――そんな事が
ごく簡単に出来てしまいます。だからこそ、自分の好きな人に気持ちの良い電気あんまを
してあげるのは大切な事なのです」
カレハの言葉を聞き、コクリと頷くプリムラ。快楽の電気あんまと苦悶の電気あんま。
二つの電気あんまを経験したばかりの彼女には今のカレハの言葉が真実である事が良く
理解できる。
「ですが――」
カレハはそこでプリムラの目をじっと見る。ここからが彼女の言いたい事の大事な所
なんだ、とプリムラは悟る。
「さっきも言ったように、電気あんまと言うのは力加減が非常に微妙な技です。全ての
女の子が上手に出来るとは限りません。それでも――。女の子達は電気あんまで親愛の
情を表したいのです」
カレハの言葉に力が篭る。いつもの妄想の様に無駄にテンションが高くなったりしないが
その分、迫力が増しているような気がする。
「だから、時にはあまり上手でない子から電気あんまを受ける事があると思います。
痛くて辛いだけの電気あんまをです……いいえ、プリムラさんはおそらく他の女の子
より、沢山そのような経験をすると思います」
「私が……? どうして……?」
プリムラがカレハを見る。
「それはね……」
カレハがプリムラの首に手を回して頬にキスをした。
「プリムラさんが普通の女の子に比べると、大変魅力的だからですよ」
頬から口を離すと、クスッと笑うカレハ。
「私が……? そんな……」
「だって、今私は思わずプリムラさんにキスしましたよ? 私はこんな事、誰にでも
したりしないですよ」
カレハがウィンクする。
「うぅ……」
恥かしそうに俯くプリムラをカレハは優しく抱きしめる。
「みんなプリムラさんと電気あんまのかけあいっこをしたがるのです――だから
プリムラさんにはこういう経験をしていただこうと思いました。私の言う事はお分かり
になりますか?」
「…………」
コクリ、とプリムラは頷いた。
「……もし私に痛い電気あんまを掛けてくる子がいても、それは意地悪でやってるの
ではない……の?」
「そうです。ですからプリムラさんはこういう経験をしても、相手を恨むのではなく、
それを受け入れてあげてください。宜しいですね?」
「はい……お姉ちゃん」
今度はプリムラのほうから抱きついてきた。カレハの胸に顔を埋め、すりすりと
顔を動かす。
「あっ……♪」
カレハは思わずため息の様な喘ぎ声を出してしまう。
「プリムラさんなら出来ますね、きっと。さっき私がワザとひどい事をしても、それを
受け入れてくれた優しい子ですから――そのお詫びとお礼に、今度は本当に、最高に
気持ちいい電気あんまをして差し上げます。よろしいですか?」
「最高に……。うん……お姉ちゃん、して……♪」
プリムラはにっこり微笑み、自ら受け入れるように人工芝に寝転んだ。
「今度こそ、本当に気持ちのいい電気あんまですよ……プリムラさん、力を抜いて」
「はい……。カレハお姉ちゃん」
プリムラは言われたとおり全身の力を抜いた。カレハの前に一糸纏わぬ無防備な姿を
晒している。しかし、不安は全くなった。お姉ちゃんが好きで、信じているから――。
「フフフ、最初はゆっくりと……ね」
「う……うん……。あっ……!」
両足を持たれて右足を股間にセットされただけでプリムラは小さく悲鳴を上げる。
(さっきと……全然違う……)
心の中でプリムラは思う。今されている電気あんまは、全然別物の様な暖かさがある。
丁度カレハが治癒魔法を使った時の感覚にも少し似ているか。
「フフフ……これは本当は電気あんま的には反則なんですけどね」
「う……うぅん♪ ……反則?」
「ええ」
悪戯っぽくカレハが微笑む。
「ほんの少し、癒しの魔法もかけています。さっき痛くしたから効くでしょう?」
「う……うん……。気持ちいい。凄く気持ちいいよ……お姉ちゃん……ああん♪」
プリムラはカレハの電気あんまに悶え、首を左右に振る。
「これはね……」
ひそひそ声でカレハがプリムラだけに聞こえるように言う。
「亜沙ちゃんが私にしてくれた電気あんまなのです。癒しの魔法を少し加えた、
優しく暖かい電気あんま……」
「亜沙……お姉ちゃんが?」
プリムラは不思議に思った。亜沙が治癒魔法を使える事も初めて知ったが、
それよりも彼女が魔法をあまり好きでない事を聞いていたので、自らそれを使った
ことに驚いたのだ。
「皆さんには内緒ですよ」
カレハはひそひそ声のまま、言い含めるように話す。プリムラはコクコクと頷いた。
「亜沙ちゃんが初めて私に電気あんまをしてくれた時、私はまだ電気あんまに対して
不安感ばかりを抱いてました――。折りしも、その日の体育で私はソフトボールの
打球をキャッチし損ねて股間に直撃させてしまっていたのです」
「そ……それは痛そう……」
「ええ。大変でした。あまりに痛くてみんなが見ているにも関わらず、私は股間を
押さえて苦しんでいました」
プリムラは悶えながらも話を聞いていた。カレハも電気あんまを中断せずに続ける。
「その時、保健室に亜沙ちゃんが連れて行ってくれたのですが、丁度先生もいなくて、
治療する事が出来ませんでした――」
(カレハちゃん、大丈夫……? どうしよう、先生がいないと……)
(落ち着いてください、亜沙さん。……もうじき痛みも治まりますよ)
(でも……でも……大事な所なんだよ? 怪我でもしていたら……)
(大丈夫ですよ。亜沙さん、冷たく冷やしたタオルを持ってきて下さいませんか?)
(う……うん。これでいい?)
(え、ええ……それでいいです。あっ……! ふぅ……少し楽になりました)
(ごめんね……)
(え? 亜沙さんのせいではありませんよ? ボールを当てたのは私が下手だから……)
(そうじゃないの……。ボク、カレハちゃんを癒す事ができるはずなのに……)
(……? それは……?)
(ごめんね……。ごめん……)
「――亜沙ちゃんは涙ぐんでいました。その時は分からなかったのですが、その日の
電気あんまされる時に理由が分かりました――」
(カレハ……気持ちいい?)
(はい……。ああん♪ だ、だめ……気持ちよすぎて……)
(昼間痛かったのも……少しはマシになった?)
(え……? で、ではこの気持ち良いのには……はぅん♪)
(うん……少し魔法を使ってるよ。カレハが気持ち良くなるために)
(で、でも……亜沙ちゃんが魔法をあまり使われないのは……聞いた事が……)
(カレハには言ったっけ? うん、魔法は使いたくないの。だからお昼にも使わなかった
……だけど)
(……? ……あふっ♪)
(カレハが辛い思いをしているのにボクが何もしてあげないのは……違うもの……)
(…………)
(カレハは昼間ココを痛くしたのにも関わらずに、ボクを信じて電気あんまを受け入れて
くれて……だったら、ボクもカレハの気持ちに応えなきゃって。だから……)
(亜沙ちゃん……ああん♪)
(もっと悶えていいよ、カレハ。気持ち良さに悶えるのはステキでしょ?)
(はい……。はぁうん……!! 亜沙ちゃん……)
(気持ちの良い電気あんまは心の痛みも癒すんだよ。カレハ……これからはボクと
電気あんまのかけっこをしようね。毎週でも……毎日でも、ずっと……)
(はい……! 亜沙ちゃん……あああああああ〜〜〜!!)
「――そうして私は亜沙ちゃんに電気あんまの素晴らしさを教わりました」
いつもの様な妄想ではなく、自分の大切な思い出話を語る落ち着いた表情で、カレハは
プリムラに微笑んだ。
「……いいなぁ……あぅん♪」
プリムラは電気あんまに悶えながら羨ましそうにカレハを見る。
「私も、亜沙お姉ちゃんの様な友達……出来るかな?」
「出来ますよ」
カレハは即答した。
「プリムラさんは優しくて健気な子ですから。相手の方にもその気持ちは必ず伝わります。
みんな、プリムラさんを大切にしてくれますよ。相性の良い方もきっと見つかります」
「う……うん……。あ……う……、くぅん♪」
切なげに太股を震わせるプリムラ。思い出話中にもずっと電気あんまされ続けてきたのだ。
そろそろ限界か?
「では、一旦、イかせて差し上げます。プリムラさん、凄い体験ですよ♪」
カレハの右足の振動速度が速まっていく。その度にプリムラの無毛の股間はひくひくと
蠢き、ねっとりと熱い樹液をたらしてゆく……。
「あ……あああ……お姉ちゃん! 何か変だよぉ……。カレハお姉ちゃん……!」
プリムラが叫び声を上げ、頭を左右に振り内股にギュッとカレハの右足を締める。
その度に樹液があふれた。
「いいのです……プリムラさん。気持ちに正直に……心を解放してください」
「はい……お姉ちゃん。ああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
プリムラの頭が真っ白になったかと思うと、そのまま急激に暗くなった。
がっくりと体中から力が抜け、プリムラは失神した――。