*         *          *  
 
 
とは言え――。  
 
亜沙が少々本気になった所で、生まれ持った身体能力の差は如何ともしがたいのか、闘いが  
再開されてもやはり一方的に楓のペースだった。  
間合いの踏み込みもバックの取り方も圧倒的に早い。懐に飛び込まれては鳩尾にパンチを  
食らって悶絶し、一瞬の隙を見せれば背後に回られ、後方に投げ飛ばされた。  
 
「ぐっ……!!」  
したたかに背中を打ち、息が詰まって動けない亜沙。その亜沙に対し、楓は容赦ない蹴りの嵐を  
浴びせた。亜沙は辛うじて体を丸め、致命的ダメージを防ぐのが精一杯だ。  
「お尻ががら空きですよ、亜沙先輩」  
楓は落ち着いた声で指摘すると亜沙の白いお尻にローキックを何発も浴びせる。  
「いたた……! いたっ! この……!」  
慌てて立ち上がってキッと睨みつけるが楓は平然と微笑を返す。それが普段の優しい笑顔と  
変わらないので、亜沙にとってはより屈辱的だ。  
 
(ボク程度じゃ必死にならなくても勝てるって感じだもんね〜。う〜ん……)  
亜沙としては対策はある。とりあえずどのような形でもいいから楓と絡み合った状態になる事だ。  
エッチ攻撃などが得意の亜沙としては勝負はそこからとなる。今の様に綺麗に技を決め続けられる  
状態では手も足も出ない。通常の格闘は『完璧超人』の二つ名を持つ楓の方が優勢だ。  
(エッチ攻撃で攻めてから電気あんまが決まれば一気に形勢逆転出来るんだけど……)  
楓に電気あんまを教えたのは亜沙だ。楓の弱点は知り尽くしている。そこまで持っていければ……。  
 
「考え事なんて、余裕ですね」  
気がつくと楓のローキックが飛んできた。慌てて内股になって防ぐ亜沙。キックは亜沙の内側の  
太股に当たってバシッ!と派手な打撃音を鳴らした。  
「痛ッ……!」  
「まだまだ!」  
更に楓はローキックを何発も繰り出してくる。その度に亜沙は引け腰になって逃げた。  
楓のローキックは通常の左右から繰り出す蹴りでなく、体の真ん中めがけて垂直に蹴り上げて  
くるものばかりだった。それを執拗に繰り返す。  
しかも、狙って蹴るのではなく、思いっきり蹴ってくる。ガードを避けるのではなく打ち破ろうと  
する蹴りだった。亜沙の太股や脹脛、脛などにいくつも痣が出来、ダメージが蓄積する。  
 
「ん……!! もう!! いたたた……」  
足を痣だらけにされた亜沙がいらだつ。楓の狙いは明白だった。ただ一点、亜沙の股間である。  
女の子もそこは急所だが、それを力一杯蹴り上げてこられるのはちょっとした恐怖であった。  
なるべく余裕のある態度を見せようとする亜沙も蹴りが繰り出された時はマジ顔になる。  
(こんなの、まともにアソコに喰らったら、オシッコ出なくなっちゃうよ……)  
あまり動じない性格の亜沙も、流石に少々困惑していたが――。  
 
「フフフ……『マン蹴り』を狙ってあげますね。いつまで防げますか?」  
「な……!? あうっ!!」  
バシッ!と内股に蹴り込みながらわざと下品な言葉遣いで亜沙を挑発する楓。  
品が良く優雅な笑顔の楓の口から『マン蹴り』などと言う言葉がでると、妖しい感じがする。  
「調子に乗らないでね、楓!」  
ついに頭に来た亜沙も楓の股間を狙って蹴り上げる。今度は楓の内股がバシッ!と鳴った。  
「痛ッ……!!」  
じ〜〜ん、と内股が痺れる。お返しとばかり亜沙も思いっきり蹴ってきている。楓と同じく急所狙いで。  
「このっ……!」  
楓もすぐさま蹴り返す。  
「う……まずいっ!」  
亜沙が蹴り足を引っ込めるタイミングだったので防御が間に合わず、今度は股間に命中した。  
ビシャッ!と少し湿った音が鳴る。  
 
「△☆◆※%$……!! はぅう……!!」  
まともに股間を蹴られて内股になる亜沙。楓は更に容赦なく蹴ってくる。  
「いたッ! 痛いってば!! ……この〜〜! キミも喰らいなさい!!」  
亜沙も蹴りを繰り出した。足を広げて詰め寄った分、今度は楓の股間に亜沙の垂直蹴りが命中した。  
亜沙の時と同じく湿った打撃音が響き渡る。  
「きゃうんッ!? くっ……ああッ!!」  
楓も苦悶に顔を歪ませ、股間を押さえて内股になり、くの字に体を折りながら後退りする。  
完璧超人と言えど急所を蹴られては堪らない。  
 
股間蹴りの応酬で痛めつけあう形になってしまった二人。だが、ここで引くわけには行かない。  
「まだまだッ!」  
「こっちこそ……!!」  
二人は目一杯やせ我慢をして再び相手を蹴りに行く。だが、今度はお互いのタイミングが見事に  
シンクロしてしまい。二人して同時に蹴り上げた。垂直蹴り同士の軌道は一度も交錯せず、  
お互いの狙った所に命中した。ビシャ!×2。  
「あうぅ……!!」  
「くうッ……!!」  
マン蹴りが相打ちになり、二人して腰を引いて苦しむ。苦悶の表情と額から滴り落ちる冷たい  
嫌な汗。良く見ると額だけでなく全身から汗が噴出している。亜沙・楓共に大事な所を押さえて  
内股で人工芝に膝をつき、小刻みに震えながら悶えている。  
お互いの女の子の急所を蹴り合う最悪の展開。完全な消耗戦になってしまった。  
 
「こ……このままじゃ、お互いダメージが大きすぎない? 楓、一旦引こうよ?」  
あまりの苦悶に堪らなくなった亜沙が股間蹴りの応酬を止める事を提案するが、  
「いやです! 亜沙先輩が止めても私は蹴り続けます!」  
「楓……? アウッ!! ……あッ!!」  
額から嫌な汗をびっしょりとかいたままの楓が更に蹴り続けてきた。亜沙の脹脛と太股に蹴りが  
当たる。このまま放って置けばまた股間を蹴られてしまう。仕方なく亜沙も応戦するが、次の  
タイミングでまた蹴りがシンクロしてしまった。二人の足の甲が互いの急所を捉える――。  
 
ビシャッ!!×2――。  
 
「「ああぁ〜〜〜〜っ!!」」  
 
再び二人して股間を押さえ、今度は二人とも倒れた。  
「くうぅ……! あああっ……!!」  
急所を何度も蹴られ、その痛みに悶えて転がる亜沙。目には涙が浮かび、下半身はぷるぷると  
震える。カレハ達は心配そうに見守りながらも、亜沙の裸のお尻が震えてキュッとすぼまっている  
姿を見ると、どこと無く淫靡な気持ちになってくる。  
「か……楓……?」  
亜沙は汗で霞む目を見開き、楓の姿を捜し求めた。  
じ〜〜んと割れ目のあたりが痺れる痛みと子宮が収縮するような鈍痛で目が眩みそうになるが、  
楓の状態も確認しておかないと追い撃ちをかけられてしまう。  
 
無論、楓も平気なわけはない。亜沙と同じように内股で股間を押さえて転げまわっていた。  
だが、ひとしきり悶えると、打った所を擦りながら、震える足を踏ん張って立ち上がった。  
そして幽鬼の様な足取りで亜沙に向かってくる。  
「まだ……です……」  
楓が亜沙に覆いかぶさる。しかし、そこで動きが止まってしまった。亜沙の耳元で荒い息をつき  
ながらも、逃がすまいとばかりに背後から両肩を掴んでいる。攻撃の意志はあるが動けないの  
だろう。同じ体験をしている亜沙には身に染みてわかる。  
 
だが、この状態は亜沙にとってチャンスだった。さっきから望んでいた泥沼の闘い。  
あまりにもきつすぎる消耗戦の果てだが、ここからなら色々なエッチ攻撃を仕掛けられる。  
「力が入ってないよ、楓――」  
「え……? きゃっ!?」  
亜沙は楓の腕を取ると、そのまま引っ張ってマットに寝転ばさせた。  
「楓の悪いところは、そうやってつい意地になっちゃう所かな――無理に蹴りあいに付き合わないで、  
もっと有利な闘い方だって出来たでしょうに……。でも……」  
亜沙は楓をうつ伏せに寝かせると両方の足首を握った。  
「楓のそういう所、ボクは好きなんだよ♪」  
「えっ……? あっ……!」  
冷や汗を拭おうともせず亜沙はウィンクすると楓の両足の間に足を割り込ませた。  
ついに亜沙の得意技、電気あんまの体勢に入ったのだ。  
 
 
        *         *          *  
 
 
楓は亜沙にうつ伏せにされたがそこから逃げることは出来なかった。濡れた人工芝マットは滑り、  
数回に渡る股間蹴りのダメージですぐには足を踏ん張れない。  
「私のそういうところって……あっ!?」  
亜沙の足が楓の股間に触れる。慌ててそれを振り払おうとするが――。  
「ダメだよ、楓。電気あんまは一分間無抵抗で受ける約束でしょ?」  
「あっ……。きゃっ!?」  
亜沙の指摘に楓が動きを止めた途端、亜沙は完全に電気あんまの体勢を整えてしまった。  
「ふぅ……。やっとボクのペースになったかな?」  
亜沙は漸くホッと一息ついた。ここに来るまでに投げ技で叩きつけられ、絞め技で苦しめられ、  
お腹を殴られ、足は散々蹴られて痣になり――その足で守っていてさえ、股間の急所を6回も  
蹴られたり、頭突きを喰らったりしているのだ。ダメージは計り知れない。  
 
「いたたた……まだ痺れてるよ。大事な所なんだからちょっとは加減して欲しい……」  
「……無抵抗は一分だけですよ。そんなのんびりしていていいんですか?」  
股間の痛みに顔をしかめながら呼吸を整える亜沙に、楓が憎まれ口を利く。  
そんな事をしてもこの状況で有利になる事は無い。むしろ、相手を怒らせて報復がきつくなる  
可能性のほうが高いのだが、言わずにはおれないようだ。  
「なんか攻撃的だねぇ……。うっ……いたたた。あ、あの、楓……。一回治癒魔法で痛みだけでも  
取ってもらわない?」  
「いいですけど、その間に無抵抗時間はなくなりますよ? そしたらまた蹴りますから」  
「そ、そんなぁ〜〜……」  
亜沙は助けを求めるようにレフェリーの麻弓を見る。  
 
 
(楓――)  
一方、麻弓は亜沙の助けのサインには気づかなかったw。少し物思いをしていたのだ。  
レフェリーを務める麻弓は楓の意外な一面を見た気がした。結構長い付き合いのはずだが、  
表情を変えないながら闘志を面に出す楓を見るのは初めてであった。  
(闘い方も随分とラフだし――)  
もし、あれ以上股間の蹴りあいが続くようだったら、麻弓は二人の間に入って止めようと  
思っていた。急所にダメージを受けすぎるのは心配だったし、楓の蹴り方が乱暴だったからだ。  
(狙って蹴るって感じじゃなかったもんね。何か、とにかくアソコを痛めつけるために思いっきり  
蹴っ飛ばしてた感じだったもん)  
麻弓は電気あんま体勢に入っている亜沙の股間を注視する。  
(う〜〜ん……あれは……痛そう)  
亜沙の股間は怪我こそしていなかったが、真っ赤に腫れあがっていた。楓のもそうだろう。  
自分もさっきネリネに喰らった一撃を覚えているので身につまされる。  
 
(こんな状態で電気あんまされたら楓は――)  
心配になり、チラッと亜沙の顔を見る。すると亜沙も気がついたように麻弓を見てウィンクする。  
麻弓は思わずドキッと頬を赤らめる。  
(”大丈夫、ちゃんと気持ちのいい電気あんまをするからね♪”)  
亜沙はそう言ってるように思えたのだ。  
(やっぱり――みんなが最後に頼りにするのは――)  
この人なんだなぁ、と麻弓は改めて思う。亜沙の顔を見ていると何か安心できるものがあるのだ。  
彼女ならこの泥沼状態の闘いでも楓を良い方向に導いてくれるかもしれない――。  
麻弓は改めて亜沙に信頼を寄せたい気持ちになった。さっき目一杯疑っていた事は忘れてw。  
 
 
「麻弓ちゃん、なんだか上の空だなぁ〜」  
麻弓は上の空で亜沙のヘルプサインを見逃すし、逆に心配そうにこちらを見るので仕方なく  
笑顔を返したのだが――。  
「う〜〜ん……ま、何とかなるか……。楓のツボは分かってるから30秒もあれば気持ちよく  
させてあげられるし♪」  
諦めて治療無しの覚悟を決めた亜沙は自信たっぷりに楓を見てウィンクする。  
「……私だったら、この体勢から無抵抗の1分間『マン蹴り』し続けます。闘いなんですから」  
亜沙の余裕の態度が気に入らなかったのだろう。楓はわざとタチの悪い答え方をした。  
「そ、それは……ちょっと勘弁して欲しいかな、なんて……アハハ」  
冗談めかして焦った笑顔で言うが、勘弁して欲しいのは本当だった。あんなのを一分間され続け  
られたら、本気でお嫁に行けなくなってしまいかねない。  
「そうならない為にも、楓には久々に亜沙先輩の必殺電気あんまに夢中になってもらわないとね  
……えい♪」  
「そうならない為って……絶対にしますから。……はぅん!! そ、そこは!?」  
「やっぱりここが弱点なのは変わらないみたいね♪」  
最初に捉えられた電気あんまポイントでの一撃目に、楓が焦り、亜沙がにんまりする。  
 
亜沙が捉えたのは楓の割れ目の一番下のあたり、会陰部と性器の境目辺りのポイントだった。  
そこを足の親指でつっついたのだ。無論、強くはなく、3回もの強打で赤く充血した性器を  
いたわる様に、いつもよりも更に加減してつっついている。  
「こうされると楓は堪らないんだよね? うり、うり、うり〜〜〜♪」  
「はぅん……!?」  
ビクビクビクッ……! と楓の背筋が仰け反り、細い腰が浮き上がる。たったこれだけの  
愛撫でこの反応――亜沙の思惑通りに楓は悶えまくった。  
「うり、うり、うり〜〜♪」  
「……や、止めてください、先輩!! はぁうう……!!」  
亜沙の執拗な愛撫?に楓が悲鳴を上げた。充血した性器は敏感になり、感度が高まっている。  
そこに柔らかい刺激を受けるだけでも限りなく痛さに近い快感が走るのに、亜沙の押さえている  
ポイントは楓の弱点そのものだった。これは楓にとってはたまらない。  
 
「うりっ♪ うりりりり〜♪ ……どう、楓ちゃん。この状態で1分持つかな?」  
「あっ……! あぅん……。うっ……ううう……くあぁ!?」  
亜沙は足の指近辺を割れ目に宛がいながらグリグリとマッサージするように電気あんましている。  
足の位置は上から下へ。つまり、うつ伏せの楓には菊門の方からクリトリスの方に責め上げられ  
ている感覚になる。  
楓は既に亜沙の挑発を返せなくなっていた。目を閉じて歯を食いしばり、懸命に快感にゆだねよう  
とする体を制御しようと堪えている。  
 
「フフフ……いつまで耐えられるかな?」  
亜沙は懸命に堪えている楓の股間にあてがった足のスピードを速めた。段々速く擦るように  
動かせ、触れる部分は少しずつ小さくしていった。  
「うっ……!! あっ……!!」  
触れる部分は小さくなっても、ポイントは非常に的確だった。楓のクリトリスの先っちょをまるで  
蹴るかのようなスピードで何度も擦るように触れる。  
「はぅわぁ〜〜!!!」  
その度に楓は何度も腰を浮かせた。蹴るようなスピードで高速の柔らか愛撫。  
この感覚は他の女の子の電気あんまでは絶対に味わえない。亜沙だけが出来る高等テクニックだ。  
これを電気あんまが下手な女の子がやっても、全く当たらないか、逆に踏み込みすぎて本当に  
蹴ってしまうかのどちらかになる。  
亜沙はこのオリジナル電気あんまをクリトリス以外にも応用した。  
 
(こうやってね……少し恥かしいだろうけど♪)  
通常の電気あんまより少し広めに足を広げさせ、裸の割れ目の中が少し見える状態にする。  
楓は恥かしそうに少し抵抗するそぶりを見せたが、亜沙に見られて力を抜いた。まだ無抵抗規定の  
時間内なのだ。  
(敏感なところだから普段あんまり激しく擦ると痛くて堪らないだろうけど、さっきから何回か  
蹴られてるし、大丈夫だよね……)  
念のために足の指先で陰裂をなぞるように触ってみる。ビククッ!と楓は反応したが、痛くは  
無さそうだった。それに……。  
(やっぱり……濡れてる……)  
亜沙の足の指先はねっとりと濡れていた。蹴られて充血し敏感になったところに、亜沙得意の  
ピンポイント電気あんまだ。時間は短くても効果は抜群だった。  
 
「これだけ濡れてれば十分――。楓、泣かせてあげるからね〜〜♪」  
「くっ……。そんな……やられは……あぅん!」  
 
楓の抵抗も空しく――。  
 
亜沙の必殺の高速バイブレーションが楓の開かれた股間に唸りを上げた。敏感な秘裂の内側。  
普段なら触られただけでも痛いところを、触れるか触れないかの柔らかいタッチで擦り上げる。  
「きゃううッ!?」  
楓が仰け反って悲鳴を上げる。同時に蜜がじゅっ♪と迸り、亜沙の足を熱く濡らした。  
「まだまだ〜〜!」  
亜沙は何度もその状態で楓の秘裂擦り上げる。圧迫とも振動とも違う電気あんま。  
(こんなのがあるなんて――うっ!)  
楓は堪えようとしたが新しい感覚に対し、全くの無防備だった。亜沙の激しくも優しく気を  
使った責めに何度も逝きそうになる。  
「ま……まだで……す! ふぁああッ!?」  
楓は髪を振り乱して懸命に耐えていた。しかし、圧迫や振動ならともかく、この初めて体験する  
優しく擦られる感覚には耐えようが無かった。  
「逝っちゃいなさい、楓――!」  
「亜沙先輩……だめ! あぁ……ああああああ〜〜!!!」  
楓の腰がガクガクと激しく震えたかと思うと、一気に失墜が訪れ、がっくりと力が抜けた。  
逝ってしまったのだ。  
 
「…………ふう」  
亜沙は電気あんまを終えたばかりの状態で額の汗を拭う。やっと楓を逝かせた。  
これでやっと、痛めたアソコに治癒魔法をかけてもらえるw――そう思っていたときだった。  
 
「亜沙……先輩……」  
「ん……? どうしたのかな、楓ちゃん。やっと降参する気になった?」  
亜沙は油断していた。楓はもう反撃することは出来ないだろうと。  
そうでなければ、彼女と向かい合わせで足を絡ませたまま休憩しているはずが無い。  
「……降参なんか……しません」  
「え……?」  
楓の瞳が一瞬キラリと光った、かの様に亜沙には見えた。しかし、その後暫くの亜沙の記憶は  
消えていた。なぜなら――。  
 
ドガッ☆!  
 
「油断大敵……ですよ」  
楓は最後の力を振り絞って亜沙の股間を力一杯踵で蹴り飛ばした。  
命中――それも、クリーンヒット――。  
プールサイドに亜沙の声なき悲鳴が、なぜか無音で響き渡ったかのようにみんなには思えた。  
 
 
        *         *          *  
 
 
本日7回目――。  
明らかに他の女の子達の何倍もの股間打撃を受けてしまった亜沙。  
その半分以上は身から出た錆とは言えw、それでも楓のキックは全部力一杯蹴ってきていた。  
それをまともに受けたのだから、流石の亜沙もたまらない。  
それに最後のは、超ウルトラ級のクリーンヒットだ。  
亜沙はあまりにもたまらず、プールに飛び込んで下半身を冷やした。だが、そんな程度では  
勿論痛みは完治しない。  
 
(地獄って、こんな感じ――?)  
プールサイドでぐったりしながら思わず韜晦の言葉が出てしまう。プールに浸かっていても  
冷や汗が出る。こんな体験は滅多に出来ないだろう。亜沙にとってはしたくも無いだろうが。  
それにしても、これでも気絶したり、逃げ出したりしないところは流石にタフである。  
それが彼女自身にとって美点であるかどうかは段々分かりにくくなってきたが。  
 
「麻弓ちゃん……。一生のお願いだから、誰かに手当てさせてもらって……痛いの……」  
股間を押さえながらウルウルとした瞳で亜沙が懇願する。少女の様な、穢れを知らぬ瞳……w。  
「そ、そうです……ねぇ……」  
チラッと楓を見る麻弓。勿論、麻弓にも亜沙の気持ちはそれこそ痛いほど分かるが、結果としては  
亜沙の電気あんま攻撃に対する楓の正当な?反撃なのだ。それを治療させるのは亜沙に有利に  
ならないだろうか……? とは言え――。  
「な、なんでボクの時だけ迷うかなぁ〜〜?」  
確かに楓の時と全然待遇が違うのは気のせいか?  
 
「いいですよ、麻弓ちゃん。カレハ先輩に治療させてあげてください」  
楓が人工芝に仰向けで寝転がって、股間を擦りながら言う。  
「い、いいの、楓? 亜沙先輩に有利になっちゃうけど……いひゃひゃ!? いひゃいれふ!  
(いたた!? 痛いです!)」  
(余計な事言うな〜〜〜〜!!)  
麻弓が楓に言おうとするのを亜沙が背後から彼女の口に指を突っ込んで広げ、喋れなくする。  
「ええ……。また始めから蹴りなおすだけです。何度でも苦しめてあげます」  
その様子を面白そうに見ながら楓が薄く笑う。  
 
「ま、また蹴りなおすって……!? ま、まだ蹴るつもりなの?」  
「はい。勿論です。なるべく痛くなるように思いっきり蹴りますから覚悟してください♪」  
亜沙が『そんなぁ〜〜!』と言いたげに泣きそうになるのを楓は軽く受け流す。楽しそうに  
にっこり微笑んでいるのが、逆に亜沙には堪えた。がっくりと肩を落とす。  
(他のどこでもいいから、ここだけはもう勘弁してよ〜〜〜!)  
亜沙が心の叫びをあげるのを楓は楽しそうに見つめている。  
 
…………ん?  
 
「楽し……そう?」  
亜沙が楓を振り返った。楓は亜沙に小首を傾げてニコニコと微笑んでいる。  
「楓……キミはもしかして、楽しんでない?」  
「えっ……?」  
ギクッと楓の頬が引きつる。不意を突かれたせいか、いつものポーカーフェースの余裕が無かった。  
亜沙だけでなく、周囲の女の子たちにもモロバレである。  
 
「ふ〜〜〜ん……。そういうことなんだ……」  
亜沙がジト目で楓を見つめながらゆっくりと近づいていく。  
「な、なんの事ですか……? そ、それ以上近づくとまた蹴りますよ?」  
楓は座った状態で後退りしながら威嚇するように蹴りを股間の位置に繰り出す。  
だが、亜沙は止まらなかった。  
「いつから……ご機嫌が直ってたのかな、楓ちゃんは?」  
ヒクヒクと引きつった笑顔で楓に迫る亜沙。ちょっと怖いw。  
「えっと……。その……」  
楓は焦った表情で笑みを浮かべてごまかそうとしたが全く通用しそうに無いのを悟ると、  
後退りするのをやめた。  
「先輩が……叱ってくれた時からです……。その……『困った時には亜沙先輩に何でも相談する  
事!』って……」  
見上げるような視線で可愛らしく舌を出す楓。その珍しい悪戯っぽい表情は普段ならどんな  
男女でもたちまち虜にしただろうが――。  
 
「ふ〜〜ん……。じゃあその後、ボクがお嫁に行けなくなるくらいの大ピンチに遭ったのは  
何故なのかな?」  
亜沙が腕を組んでじっと楓を見下ろす。笑顔だがこめかみの辺りがヒクヒクと動いている。  
「え……? そ、それはその……。最初に先輩が股間攻撃で苦しんでた姿が可愛らしくて……  
つい……」  
楓が内心を告白する恥かしそうな声ではにかみながら言う。中身はとんでもない台詞だが。  
「『つい』……って。そんな理由でキミはボクを『行かず後家』にするつもりだったの!?」  
「だ、だって……先輩なら大丈夫かなって思って……」  
「大丈夫なわけ無いでしょ!」  
ついに亜沙が切れた。まあ、仕方が無いことだろう。  
 
「じゃあ、亜沙先輩はともかく、私の涙も無意味なものだったのか……」  
がっくりと溜め息をつく麻弓。彼女は闘いの前に危なくなったら身を挺してでも止める、と  
涙ながらに宣言していたのだ。  
「誰がともかくだ! キミ達ねぇ……」  
「無意味じゃないですよ、麻弓ちゃん」  
楓がにっこりと麻弓に微笑みかけた。  
「あの言葉……本当に嬉しかったです。私にはこんな良い友達がいるのに、どうして閉じこもる  
必要があるのかって……本当に考えさせられました。亜沙先輩の言葉があって、麻弓ちゃんの  
言葉があって、私は……すごく気が楽になったんです」  
「楓……」  
堪らなくなった麻弓が楓を抱きしめる。楓も麻弓を抱きしめた。二人の少女の閉じた目から涙が  
零れ落ちる。  
 
「まままぁ……楓さんと麻弓さん……」  
「カレハお姉ちゃん……妄想……」  
「そう……だったのですね。良かった。楓さん……。ねぇ、シアちゃん」  
「え……? う、うん……」  
気のせいかシアだけが少し俯き加減だが、あたりには安堵の空気が流れる。  
 
しかし――。  
 
「楓……。お仕置きの覚悟は出来てるよね?」  
一人だけ怒りの収まらない少女がいた。勿論、亜沙であるw。  
笑顔がひくついている怒りではない。普通に怒っている。亜沙にしては珍しいことだが、  
事情が事情だけに止むを得まい。  
「う……亜沙先輩」  
楓も流石に亜沙が怒っていることは分かる。まあ、楓の執拗なマン蹴りを受け続け、処女喪失なり  
子孫断絶なりの危機?に直面させられたのだから同情の余地はある。しかも無意味にw。  
 
「あ、亜沙ちゃん……お手柔らかにね」  
「亜沙先輩! 楓は悪気があってやったんじゃないですから……」  
カレハと麻弓が立ちはだかるのを見て亜沙は目を閉じてこめかみをひくつかせる。  
「……い〜かげんにしなさい! あくまでボクで遊ぶつもりなの!? 悪気が無い子が女の子の  
大事な所を何回も蹴ってきたりしません!」  
カレハや麻弓が止めるのも聞かず、亜沙は楓の腕を取って引き寄せた。  
「うわっ……と!」  
「きゃうん♪」  
楓が無抵抗だったので勢いあまって二人して縺れ合ってひっくり返る。二人は密着状態になった。  
 
「亜沙先輩……どんなお仕置きをしてくれるんですか?」  
楓が耳元で囁くように聞く。  
「勿論、亜沙先輩スペシャル電気あんま♪ 麻弓ちゃんにも手伝ってもらうからね。  
キミが泣かせたんだから」  
「え……? は、はい……」  
恥かしそうに楓は頬を染め、亜沙の胸にうずくまるようにして気持ち良さそうに微笑んだ。  
 
 
        *         *          *  
 
 
「ふぅ〜〜……やっと人心地がついた〜〜」  
亜沙がカレハの治癒魔法で痛くなった股間を擦る。腫れはすぐには引かないが、痛みが取れただけ  
でも十分ありがたい。亜沙はご機嫌な調子で微笑んでいる。  
「そんなに痛かったのなら、もっと早く言ってくれれば良かったのに……」  
「言った。思いっきり言いました。恥骨を何回も打ったって。カレハは無視してくれたけど」  
「そんな……亜沙ちゃんが苦しんでるのに無視なんかしませんよ?」  
「先に謝れとか、怒ってたでしょ〜〜が!!」  
「そうでしたっけ……? 私はどうして怒っていたのでしょう〜? 亜沙ちゃん、もしかして  
何か怒られるような事をしましたか? う〜〜ん……」  
「…………」  
色々突っ込みたいところはあるが、カレハの調子に会わしてるとこっちのペースも狂ってくる。  
また何やら考え事を始めそうなカレハは放っておいて、亜沙は麻弓と楓のほうに向き直った。  
 
「じゃあ、麻弓ちゃんはそうやって楓を羽交い絞めにして立ってね」  
「こ……こうですか?」  
亜沙によるお仕置きが始まると、麻弓は亜沙に手伝わされ、楓を捕まえる役をさせられた。  
お仕置きととは言っても、楓もニコニコと微笑んでいる。さっきまでの緊迫した空気は無い。  
 
(まったく……。最初からこうしてくれればボクはあんな目に遭わなくても済んだのに……)  
亜沙は内心思うが、あの闘いこそが楓のフラストレーション発散だったので仕方が無い、と諦める。  
股間ばっかり狙って蹴られた事には全く納得いかなかったがw。  
 
「よいしょ……。ボクがこうして楓のここに潜り込んで……」  
亜沙が楓と麻弓の足元に潜り込む。  
「あ、亜沙先輩……そ、そんな位置から見上げないで下さい……」  
「そ、そうですよ……! は、はずかしいなぁ……」  
楓と麻弓が揃って真っ赤になる。  
確かに下から見上げれば二人の開いた股間からアソコが丸見えである。楓の場合、さっきの  
足を開いた電気あんま中に何回か見えたりしたが、こうして女の子二人の割れ目が並んで  
見えているのはなかなか壮観だった。  
 
「ま、気にしない気にしない。楓はこれからそんなことよりもっと恥かしい目に遭わされる  
んだからね♪」  
漸く調子が戻ってきたのか、亜沙は得意気にウィンクする。  
そして、立っている楓の足元に潜り込むと自分の足を天に向かって突き上げるように伸ばした。  
そこには当然――。  
 
「あっ……♪」  
楓が喘ぎ声を上げる。亜沙の足は楓の股間に食い込むようにあてがわれた。いきなり踵からだ。  
亜沙は楓の両踝を掴んで固定する。  
「麻弓ちゃんはそうやって楓を支えていて。楓が逃げたりバランスを崩したりしないように」  
「は……はい」  
「この電気あんまはね……されている女の子に普通の電気あんま以上の快感を与えることが  
出来るの」  
「普通以上の?」  
麻弓が聞き返すと亜沙はにんまりと微笑む。  
「うん。実際にやってみた方が早いかな……。それ〜〜〜!!」  
「え……? はぁう……!! あっ……!!」  
亜沙が送る容赦ない振動にいきなり楓が悶えだした。上半身を揺すって暴れる楓を慌てて麻弓が  
支える。ぶるぶるっ……! ぶるぶるぶるっ……! 下から突き上げてくる振動に太股を震わせ、  
切なそうに目を閉じて頬を紅潮させて悶える楓。  
 
「くっ……! あっ……! く、食い込んじゃう……」  
(あっ……)  
麻弓よりもシアたちギャラリーの位置からのほうがこの電気あんまのメリットがどこにあるかが  
一目瞭然になっていた。仕掛けているほうの亜沙の踵が生贄の楓の股間に自然な形で食い込んで  
いるのだ。楓はそれが堪らないらしく、しきりに亜沙の足を退けようとするが、勿論亜沙の足は  
ビクともしない。亜沙の足はがっちりと根が生えたように地面から伸び、そこに楓が自分の体重で  
食い込ませているのだから当たり前である。  
 
 
「これは……普通の電気あんまより効くかも……」  
「そうですね……」  
くしくも電気あんまに詳しくない神族・魔族ばかりのギャラリーだが、それでも今の楓が何に  
苦しんでいる――或いは感じているのかが分かる。そして、それは自身がされているイメージと  
かぶさって、ギャラリーの頬を染めさせた。考えただけで子宮に重苦しい圧迫感を感じ、秘裂近辺に  
熱いものがじわっと沁み出てくる。。  
「まままぁ……亜沙ちゃんたら、そんな……」  
カレハに至っては既に亜沙にそうされている妄想に嵌っていた。流石にみんなの前でオナニーまでは  
しなかったが、所在無げに手は自分の股間の近辺をうろついている。  
 
(オナニー……したいんですね……)  
ネリネはカレハの手つきを見てそう思った。しかし、その気持ちは彼女だけではない。  
(私も……したいです――)  
すっかり電気あんまに感化されてしまった魔族のプリンセスは、他の女の子がそうされているのを  
見るだけで自分もそうされたいと思うようになった。本人に直接聞けば完全否定するだろう。  
だが、事実はそのようなカラダになってしまったのだ。  
ネリネは目を閉じ、熱病に冒された様に頬を紅潮させて、熱い吐息をついた。  
 
 
「あさ……せんぱ……い……。これ……辛い……です……」  
楓が全身にじんわりと汗を滲ませながら震えている。  
亜沙はその楓の姿を見てドキドキと胸がときめいていた。下からのアングルは楓のお尻周りと  
電気あんまされているマンコのあたりを強調し、視覚に直接訴えるど迫力があった。  
「ふ〜〜ん、辛い? でもね、楓。それとマン蹴りではどっちが辛いのかな?」  
「マン……蹴り……です……」  
「………(こいつはぁ〜〜)」  
思わず心の中で拳を握り締める亜沙。それがわかってて蹴ってきたのか、この娘は。  
 
「だけど、亜沙先輩……これだって辛いですよ。楓は力の逃げ場が無い状態であんまされてるん  
ですから」  
麻弓が上気した顔で言う。密着した状態で楓を押さえている彼女は楓の喘ぎ声と熱い吐息を  
常に感じ、自分も段々興奮してきているのだ。  
「しかも、しっかりと大事な所に足が食い込んで、ね。でも、楓。これって……強く踏みつけ  
られる電気あんまと比べてどう?」  
「こっちの……方が……いいです……。いたく……なくて……」  
楓が喘ぎながら言う。彼女の太股はもうびしょ濡れだった。蜜壷からはどんどん新しい蜜が  
あふれ出し、亜沙の脚も楓の脚もねっとりとした濃い液体で熱く濡れそぼっている。  
 
「え? そうなの、楓?」  
「そうだよ、麻弓ちゃん」  
亜沙は得意気に微笑む。  
「この電気あんまはね。無理矢理足をねじ込まないから痛くせずに済むの。する側が力一杯  
踏みつけても最終的には同じ圧迫効果があるんだけど、踏みつけるとどうしても力が入りすぎて  
――力を入れないと逃げられるから仕方が無いんだけど、責め方が性急になりすぎて、感じる前に  
痛くしちゃうデメリットがあるじゃない? あれは虐めには使えるけど、電気あんまの本来の  
目的からは少し外れるよね」  
麻弓はコクコクと頷いた。自分もわざとネリネに痛くした記憶がある。勿論その後は優しくして  
あげたが。  
 
「だけど、このやり方だと、楓は自分の体重を自然にボクのかかとに掛ける事になるから、全然  
痛くせずにマンコを圧迫できるの。圧迫されてからの責めは結構キツイけど、マンコは痛めないし、  
そこに至るまでにカラダが温まってるから、十分に耐えられるの。わかるかな〜?」  
「わ、わかります……」  
麻弓は亜沙の説明を聞いてまるで自分がされてるかのように股間が熱くなる。  
 
(それに亜沙先輩……『マンコ』だなんて……)  
 
冷静な様でも亜沙先輩も興奮している――そう思うと麻弓はドキドキした。  
今亜沙が狙っているのは楓だ。だが、自分も楓と同じ体勢にいる。亜沙があと10センチ程踵の  
位置をずらしたら、楓がされている電気あんまを自分も受けてしまうのだ。  
(そう考えると……感じちゃうよぉ――)  
亜沙は自分の太股に蜜が滴り落ちていくのを感じていた。最初は一筋二筋だったが、今は  
びっしょりと内股を濡らし、それは冷える間もなく熱い樹液がとろとろと自分の脚を伝わり落ちる。  
だが、それは麻弓だけではなかった。ギャラリーの女の子達もまた同様で――。  
 
 
「うん……あっ……」  
「「か、カレハ先輩……」」  
シアとネリネが顔を見合わせた。カレハは股間に手をやり、もぞもぞと動かしていた。反対の手は  
胸を揉んでいる。ついに堪えきれなくなったカレハはみんなの見ている前でオナニーを始めて  
しまったのだ。  
「カレハお姉ちゃん……手伝ってあげる……」  
プリムラが切なそうなカレハの頬をチロッと舐め上げた。  
「リムちゃん……私、皆さんの前でなんて事を……恥かしい……」  
「恥かしくないよ、お姉ちゃん……。私だって……こう……」  
プリムラはカレハの右手を取ると膝立ちになり、自分の股間を触らせた。開発されたばかりのそこは  
女の子の蜜でびっしょりと濡れている。  
「リムちゃん……」  
「私も可愛がって……お姉ちゃん……」  
「勿論ですよ……」  
にっこりとカレハは微笑むと、プリムラを引き寄せ、その胸を吸いながら股間を優しくまさぐった。  
「あっ……」  
プリムラは少女に似合わない喘ぎ声を上げた。熱い吐息をつきながら。  
 
「シアちゃん……私たちも……」  
「リンちゃん……」  
人工芝上の3人の電気あんま、そしてすぐ隣で展開されている魔族と神族の少女のレズ行為――。  
これらを見せ付けられては経験の少ないプリンセス達も燃え上がらざるを得ない。  
「シアちゃん……ん……」  
「リンちゃん……」  
二人のプリンセスは熱い抱擁と接吻を交し合った。通常の親愛を示すキスではない。  
熱く長く、蕩けるようなキス――。漸く二人が離れた時、二人の唇には熱い光の糸が繋がり、  
長く伸びていた。  
「リンちゃん、私たちはこうしよ♪」  
「シアちゃん……何を……あん♪」  
シアはネリネの脚の間に自分の体を入れると、そのまま深く絡ませていった。そしてどんどんと  
カラダをネリネの太股の間に割りいれていく。  
「シアちゃん、何を……?」  
電気あんまをしてくれるとワクワクしながら見守っていたネリネは、シアが更に深く絡んできた  
のを不思議そうに見ていたが、やがて彼女が女の子の割れ目同士を密着させると、その未知の  
感覚に「あん♪」と小さな悲鳴を上げた。  
「し……シアちゃん、これは……」  
「エヘヘ……『貝合せ』っす。……はぅん♪」  
「かい……あわせ……でも……あふん♪」  
シアが動いたので二人のアソコがキュン♪と触れ合い、二人とも喘ぎ声を上げる。  
「だめぇ……リンちゃん、動いたら……はぁん♪」  
「シアちゃんこそ……あぅん♪」  
ほんの少しの動きだけで二人は同時に唇を噛んだり悲鳴を上げたりする。  
このプリンセス達の織り成す淫らな様子は他の女の子たちも動きを止めて見入ってしまう。  
 
「リンちゃん達……やりますね……」  
「ホント……どこであんな事覚えたのかな?」  
麻弓と亜沙がごくりと唾を飲み込む。  
 
「シアちゃん……! これ……凄すぎます! あぅん……!」  
「リンちゃん! わ、私も……こんなに凄いなんて……! はぁん……!」  
「シアちゃん……初めてこんな事をしたのですか……? きゃう……♪」  
「うん……エッチな本をちょっと見ただけ……ああん♪ でも……たまんないよぉ……」  
「私も……です。シアちゃん……はうぁ……♪」  
「リン……ちゃあん……あぅん♪」  
カレハとプリムラに続き、レズ行為に走るシアとネリネ。  
プールサイドは少女達の放つ甘い匂いで一杯になった。  
 
 
        *         *          *  
 
 
「向こうも盛り上がってるみたいだけど、こっちも続きいこうか♪」  
亜沙が突き上げる振動で楓に悲鳴を上げさせながら麻弓に微笑みかける。  
実際、この電気あんまはされている者としている者に大きな差が生まれる。  
バランスさえ取れれば、している方はほんの少し振動を送るだけでされているほうに強烈な  
責めを与えることが出来るのだ。されている方は自分の体重で自分のアソコを責め立てている  
のだから、される方から受ける刺激はアクセント程度でもグリッと股間を踏みにじられる  
ぐらいの衝撃がある。  
亜沙の言うとおり踏みにじられるのと違って自重を自然にかけているので痛みは少ないが、  
それでも自分の意志では全く何も出来ないのは踏みつけられるタイプの電気あんまと変わらない。  
されているもの側に出来る事は懸命に全力で抵抗して踏ん張るぐらいしかないが、それで  
外れるならともかく、今の楓の様にがっちりと決められていては、それでどのぐらいの効果が  
あるかは……。  
 
「麻弓ちゃん、バランスはもう取れたよ。支えて無くても楓は落ちないと思う」  
実際に杭を打ち込まれたわけではないが、今の楓は完全に亜沙の踵に股間を支配され、後ろにも  
前にも逃げ道がなくなった状態で固定されていた。  
切なげな溜め息と時折押し寄せる、ブルブルと震える快感。急所を圧迫されていても痛みは  
なかったが、その代わりに絶え間なく快感が押し寄せるばかりであった。  
「んんっ……!。……あ……くぅん……。うっ……!」  
息が詰まったり切なげな吐息が漏れたり……上気して頬を染めた今の楓を稟が見たらどんな  
反応を示すだろうか……。  
 
「は、はい……。これでいいですか?」  
麻弓は亜沙のいうとおり、楓を離した。楓はそのままの状態で倒れない。突き上げる快感に  
ビクビクと震えても、倒れない。  
「そろそろ楓を逝かしてあげないと……このままじゃ狂っちゃうかもね♪」  
明るい笑顔で亜沙がとんでもない事を言う。確かに麻弓から見てもこのまま楓を生殺しにしては  
精神に支障をきたしかねないと思われた。  
「でも……どうすれば……」  
「麻弓ちゃんも下に座って寝転んで。ボクと……お尻をくっつけるように」  
「こ、こうですか……?」  
「そうそう……「ひゃん!?」」  
麻弓が腰を下ろし、亜沙の言うとおりにお尻をひっつけたが、その時、股間同士がひっついて、  
麻弓と亜沙は同時に悲鳴を上げた。  
「ひゃあううう……!?」  
亜沙が驚いた瞬間、楓の股間にビリビリとした振動が伝わり、楓も悲鳴を上げる。  
「エヘヘ……マンコ同士もひっついちゃったね♪」  
亜沙はまた『マンコ』と言う卑猥な俗語を使って麻弓を赤面させながら悪戯っぽく舌を出した。  
 
「麻弓ちゃんはここから足を突き上げて楓のお尻の穴を狙って」  
「えっ……? お尻の穴……」  
「そう。ボクがマンコ狙いで麻弓ちゃんはアナル狙い♪ このツープラトンで逝かないツワモノは  
いないでしょ?」  
亜沙が明るく微笑む。だが、言ってる事はなかなか過激だ。  
「は、はい……。こうですか?」  
麻弓は亜沙の電気あんまで震える楓のお尻に足の爪先を軽く触れた。その途端――。  
 
「きゃあううぅ〜〜〜〜……!!!」  
 
楓の絶叫がプールサイドに大きく響き渡った。  
亜沙の足の上で楓は大きく仰け反り、そのままの姿勢でガクガクと腰が震えた。  
「ん……!! んんん……!!」  
振り乱した髪がふぁさ……と元に戻り、懸命に亜沙の足の爪先を掴んで耐えている楓。  
「あ……。ああっ……」  
はぁ、はぁ……と荒い息で白い胸が激しく上下し、太股はギュッと亜沙の足首を締め付けて  
震えている。かなり感じているらしい。  
 
「す、すごい……」  
「ねぇ……」  
指示をした亜沙も驚いている。ここまで効果があるなんて……楓の弱点はもしかしたらそこも  
かもしれない……。  
「ねえ、麻弓ちゃん。もっと強くやってみて……ボクとタイミングを合わせながら……」  
「は、はい! ……行きます!」  
「だ、だめ……。少し待ってくださ…………あうぅ!?」  
楓の望みも空しく、麻弓のアナルアンマは親指で菊門を突くように放たれた。  
 
ぐりぐりぐりぐり……。ぐりぐりぐりぐり……。  
 
「あああああぁ〜〜〜!!! だめっ! 麻弓ちゃ……ん!!!」  
楓は麻弓の責めから逃げようと体を前に傾倒させ、少しでもアナルへの刺激を減らそうと  
したが……。  
「…………!! はぅうう……!!」  
今度は電気あんまされている性器部への方に負担が掛かった。  
「クスクス……。楓、そんな逃げかたしたらマンコに負担がかかり過ぎない?」  
元々は股間に踵を食いこませて責めているのが基本なのだ。そこに自分から負担をかける  
行為は自爆に近い。  
「でも……! でもぉ……ふうっ……くっ!!」  
楓はどうしてよいかわからぬように体を前後に揺すって悶えている。だがそうすればそうする  
ほど深々と股間は亜沙の踵に食い込んでいく。  
もがけばもがくほど状況が悪くなる。正に蟻地獄の様なたちの悪い罠であった。  
 
「それじゃあ、そろそろボクの方も本気で責めよっかな♪」  
「だ、だめ……! 亜沙先輩……これ以上アンマされると……」  
「どうなっちゃうの、楓?」  
「私……おかしくなっちゃいます。飛んでいっちゃいそう……」  
「このまま放置する方が生殺しでおかしくなっちゃうよ? 大丈夫、この亜沙先輩に任せれば  
楓を天国に連れて行ってあげる♪ 麻弓ちゃん、タイミングを合わせるよ?」  
「は、はいっ! ……せ〜〜のっ!!」  
「逝きなさい、楓!」  
 
ブルブル……ブル……ブルブルブル……ブル。  
グリグリ……グリグリ……グリ……グリグリ。  
 
タイミングを合わせるといっても同時にするのではなく、微妙に楓の反応に合わせるように  
二人のツープラトン電気あんまは放たれていた。  
「どう? 楓……もっと強くして欲しい?」  
麻弓が熱っぽく上気した表情で楓に聞く。彼女も相当興奮しているようだ。  
「麻弓ちゃん……もっと……もっと強くして……はぅん!?」  
麻弓のアナル責めに楓の体は前に傾きながらも、お尻の攻撃は避けられない。  
楓はお尻攻撃を拒むとばかりに体を捩って少しでも逃れようと頑張ったが、二人の女の子に  
固定された下半身はビクともしない。  
 
「ああっ……! う……お尻が……。ひゃん! だめ……アソコが……アソコが……!!」  
「楓! アソコってどこ? はっきりといいなさい!」  
亜沙がグリグリする力を強めた。楓がそれに反応し、跳ね上がるようにして震えている。  
「そんな……恥かしい……!! ダメです……言えません!」  
「さっきはマン蹴りって言ってたくせに……マン蹴りのマンはどこの事を指すの!?」  
亜沙は意地悪く楓の最も感じるポイントをほんの少しだけ逸らせて突き上げた。  
「はぁうう……!! うわぁああ……!!!」  
気持ちの良いような、もどかしいような感覚――。この快感と苦痛の狭間にいる居場所を  
制御することが電気あんまの基本であった。亜沙はそのテクニックに長けている。  
楓はおそらく逃れられない。どんなに頑張っても言わされてしまうだろう。  
 
『オ○○コ』という言葉を――。  
 
「いやです……! 絶対に言いません!! い、意地悪するとまたマン蹴りしますよ!?」  
楓が涙を溜めた目で亜沙を睨む。だが、次の瞬間には仰け反って絶叫させられるのだ。  
「なにそれ、脅迫!? キミは自分の立場が分かってるのかな、楓ちゃん♪」  
ただの脅しだと分かってはいるが、一瞬条件反射的に蒼くなるのが亜沙のお茶目な所かw。  
それだけ痛い目に遭ったという事だが。  
「楓、言いなさい。言わないとこの地獄はいつまでも続くよ?」  
「い……イヤ……言いません……言えません……」  
「麻弓ちゃん!」  
「はい! 楓……言わないと辛いよ……これで楽になって!!」  
麻弓は足先をすぼめて軽く蹴るようにして菊門を突いた。  
 
ずん……!!  
 
「はぅ……! ……わ……がっ……!」  
重い浣腸の様な衝撃が楓の菊門から脳天にまで響き渡った。  
楓は大きく仰け反り、失神しそうになる。だが――。  
「気絶なんて、許さないからね!」  
 
どん……!!  
 
亜沙が意図的に蹴り上げるような衝撃をマンコに真下から与えた。  
「はぅううっっ……!!!」  
気絶しそうだった楓はその衝撃で冷まさせられた。菊門を蹴られて気絶しかけ、股間を蹴られて  
覚まさせられるのだ。楓の様な少女にとってはかなり辛い仕打ちに違いない。  
 
「先輩……もう……もう無理です……。お願い……楽にさせてください……」  
楓が泣きながら哀願した。ついに心が折れたのだ。  
「勿論だよ、楓。だから言いなさい。どこが気持ちよいのか……どこを責めて欲しいのか。  
それを楓の口からはっきりと……ね♪」  
最後は明るく微笑む亜沙。それは恥かしがっている楓を勇気づけるかのように優しく暖かい  
微笑だった。  
 
「はい……。私の……」  
楓が涙ながらに大きく息を吸い込み、覚悟を決めたように上を向く。  
 
「私の……私のオマンコが気持ち……いいんです!! オマンコを……オマンコを逝っちゃうまで  
責めて……下さい!!」  
 
泣きながら絶叫する楓の声はプールサイド中に響き渡った。みんなが楓に注目する。  
 
貝合わせを楽しんでいるシアとネリネも――。  
お互いに愛撫しあっているカレハとプリムラも――。  
協力し合って後ろから前から楓を責め立てている亜沙と麻弓も――。  
 
(私――。みんなに見られてます――)  
楓は恥かしさと何か高揚する気持ちで一杯になった。  
後は――亜沙先輩が天国に導いてくれるのを待って――。  
 
「麻弓ちゃん、行くよ! 勇気を出した楓を逝かせてあげましょう!」  
「はい……!」  
亜沙と麻弓の振動スピードが今までと比較にならないぐらい、速くなった。  
麻弓は爪先で、亜沙は踵で――後ろから前から、菊門もオマンコも容赦なく責め立てられ、  
楓は髪を振り乱し、大きく体を揺すって悲鳴を上げる。  
 
「あああ……!! はぁあ……!! はぁああああああああああ……!!!!!」  
 
カナリアの歌声の様な美しい悲鳴がプールサイドに響き渡るのと同時に、楓の蜜壷から熱い蜜が  
迸った。亜沙と麻弓が蜜のシャワーを受けるのと同時に、楓に安らぎの失墜が訪れた――。  
 
 

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