「稟君、帰ろ〜♪」  
放課後、稟と楓が帰り支度をしていると、シアが元気に声を掛けてきた。後ろには  
ネリネもいる。小首を傾げて微笑んでいる姿が可愛い。  
 
「ん……。ああ、そうだな」  
「樹君と麻弓ちゃんはどこに行ったのでしょう?」  
楓があたりを見回す。  
「さっき紅女史に捕まってさ……麻弓はその証人だかなんだかって。またなんか  
やらかしたんだろ」  
稟が溜め息をつく。  
「いつになるかわからんやつらを待っててもしょうがないし、帰るか」  
「そうですね……」  
楓は麻弓に悪い気もしたが、稟の言う通りでもあるので同意した。  
「うん、帰ろ〜。ほら、雨も上がったよ」  
シアが窓の外を指差す。  
「わぁ〜、綺麗な虹!」  
ネリネが感動したように手を合わせた。  
 
「もうすぐ夏ですね」  
楓が稟を見て微笑む。  
「そうだな、今年の夏休み、どこに行こうか? ……あ」  
「稟君、どうかしましたか?」  
「いや、なんでも……」  
適当に誤魔化す稟。夕映えに微笑む楓にドキッとしたとはみんなの前では言いにくいだろう。  
「お待たせ〜! 私も帰るよ」  
丁度、麻弓が飛び込んできてくれて助かった、と稟はホッとする。  
「樹はどうした?」  
「こってり搾られてるよ。なんか手を出した新入生が教頭の姪っ子とかで、なっちゃん  
のほうが厳重注意されたらしくてさぁ〜、カンカンに怒ってるみたい」  
「紅女史も災難だな……」  
呆れたように言うと稟は楓に差し出された鞄を手に取り、席を立った。  
 
 
         *         *          *  
 
 
「ん〜〜、夕焼けが綺麗っス!」  
シアがご機嫌で縁石の上を歩く。平均台の選手の様に軽いステップを踏みながら。  
彼女はこの時期の天気が大好きなのだ。降ったり止んだり、めぐるましく変わる  
空がエキサイティングらしい。  
 
「シアちゃん、雨上がりだから気をつけてね」  
ネリネが心配そうに言う。確かに彼女の運動神経を物差しにするとシアの行為は  
危険に映るだろう。  
「だ〜いじょうぶだって、こんなに低いんだもん……そうだ」  
縁石では物足りなくなったのか、それより高いガードレールにピョンと飛び乗った。  
「フフ……ここでも大丈夫だよ」  
「し、シアちゃん?」  
ネリネがオロオロする。ガードレールは細く丸い棒で出来ていて縁石より更に危険  
であった。それに高さもある。ネリネからすると見ているほうがハラハラする。  
 
「シア、そろそろ気をつけないと」  
黙ってみていた稟だが、流石に危険を察したか、シアに注意を促す。  
「大丈夫だって、稟君……あっ!?」  
「シアさん!?」  
ガードレールでバランスを崩したシアを見て、楓が顔を覆う。  
「……っと、とと! エヘヘ、平気っス♪」  
シアはうまくバランスを取って立て直した。悪戯っぽく舌を出して笑う。  
 
が……。  
 
その時、一台のトラックが一行の横を走り抜けていった。一迅の風が吹く。  
「きゃっ!」  
高い場所にいたシアのスカートがめくれる。青と白の縞パンが稟の目に飛び込んだ。  
「や、やだ! ……はれ!?」  
「シアちゃん!」  
シアがスカートを押さえようとした瞬間、ずるっ、と濡れたガードレールに足が  
滑った。運の悪い事に右足は右側へ、左足は左側へ滑り落ち、そして……。  
 
 
ご〜〜〜〜〜ん…………☆!!  
 
「☆◆%〇#……$●▽★……!!」  
声なき悲鳴をあげ、ガードレールに跨った状態のシア。勿論、股間を強打していた。  
「し……シア……」  
どうしていいか分からない表情で稟が声を掛ける。シアは直径5cmぐらいの丸い  
ガードレールに跨ったまま震えている。両手は前でガードレールを掴んでいるが、  
そこから降りる行動が出来ない。  
「くぅう〜〜〜…………うっく☆」  
じ〜〜〜〜んと痺れる股間がガードレールに食い込み、辛そうなシア。額からは  
嫌な汗が流れ、痛みを我慢して顔が紅潮している。それに気づいた麻弓がネリネを  
促し、シアをガードレールから降ろした。打った場所が場所だけに、稟に手伝わせる  
のは気が引けた。  
 
「し……シアさん、大丈夫ですか?」  
楓がシアを抱きとめ、介抱する。  
「う〜〜〜〜☆ モロに打ったっス……」  
楓に支えられながら股間を押さえて内股で跳ねるシア。跳ねたところでジンジンと  
痺れる股間の痛みは楽にはならないが、少しでも気を紛らわさないと辛い。  
楓は少しでもシアが楽になるように背中をさすってやる。女の子がここを打った時の  
痛さは人間でも神族でも魔族でも同じ。楓にもその気持ちが分かり、同情する。  
 
「大事な所だから手当てしないと……でも、ここじゃあね……」  
麻弓が周囲を見回す。シアを休ませるような場所はなさそうだった。  
「ここまで来たら家が一番近いかもな……。シア、歩けるか?」  
「ん……。ちょ、ちょっと辛いかも……ハハ」  
稟に恥かしいところを見られたこともあり、何とか笑いでごまかそうとするシアだが、  
その努力は余計に悲壮感を煽るばかりであった。  
 
「よ……よし!」  
コホンと咳払いすると稟がシアを抱き上げた。お姫様だっこだ。  
「り……稟君!?」  
シアは急所を打った痛みも一瞬忘れ、ドギマギする。  
「ちょっと急いでシアん家に行こう。おばさん達がいれば何とかなるだろ?」  
「そ、そうだね、行こう、楓、リンちゃん」  
「「は、はい!」」  
麻弓の声に楓とネリネも同意し、5人は急ぎ足でシアの家に移動した。  
 
(稟君にお姫様抱っこされてる……)  
シアは稟に身をぴっとりと寄せる。股間を打ったが凄く得した気分になる。  
その姿を見る楓やネリネの心中がどうかは本人達以外に知る由もなかった。  
 
 
         *         *          *  
 
 
「シア〜〜! どうした、怪我でもしたのか〜〜!? ……ん?」  
シュワワワワ……BOMB!!  
「ぐはぁああああああああ〜〜〜!!!」  
 
玄関に入ると真っ先に駆け寄ってくる神王をネリネが申し訳なさそうに魔法で  
ふっとばし(一応、事前にシアの許可は取ってあった。と言うか、そう指示さ  
れたw)、一行は奥の和室に入って、シアを布団に寝かせた。  
 
「大げさだよ、こんな……」  
稟のお姫様抱っこから降ろされて残念そうなシアが照れながら言う。  
「だぁめ、大事な所を打ったんだからちゃんと見ないと」  
麻弓がシアを寝かせる。  
「み……見るって……?」  
一同の視線が稟に集中する。稟はその意味に気づき、  
「お、おばさん達を呼んで来るよ」  
言いながらそそくさと障子を閉めて出て行った。  
 
「神王様……ちょっと可哀想じゃない? シアちゃんの事心配してるのに」  
麻弓がシアの服を脱がせながら言う。  
「いいんです、今は。……後でフォローしておくから……って。あ、あの〜?」  
シアが返事をしながら戸惑っている。制服を脱がされ、更に……。  
「そうですね、それがいいと思います」  
楓もシアの下着を脱がせる。シアはブラとショーツ、ニーソックスだけの  
姿にされた。  
 
「あの〜〜、ど、どうするのかな?」  
シアが不安そうに二人を見る。ネリネがぽつんと残されたようにシアの前に座って  
いたが、  
「リンちゃん、シアちゃんのぱんつ脱がせて」  
麻弓が冷静に指示する。シアは慌てた。  
「ちょ、ちょっと待って、リンちゃん! 麻弓ちゃん、もう大丈夫だよぉ〜!」  
「だぁめ。ちゃんと見なきゃいけないし、それに治療もしなきゃ……リンちゃん、  
治癒魔法は使える?」  
「あ……あんまり得意ではありません」  
ネリネが申し訳無さそうに言う。  
 
「まあ、魔族だもんね。魔力が高くても破壊系のほうが得意だろうし」  
「す、すみません……」  
普段の事を思い出したのか、ネリネが恐縮する。  
「おばさん達ならどなたかが治癒魔法を使えるのではないでしょうか?」  
楓の言葉に麻弓も頷いた。  
「多分ね。だから土見君が早く呼んで来てくれたらいいんだけど……あ」  
 
その時、障子が開いて稟の顔が見えた。  
「おばさん達、出かけてるみたいだな。誰もいないし……あっ!!」  
稟が氷の様に瞬時に固まった。  
 
タイミング悪く――丁度ネリネがシアのぱんつの横紐を解いた所だった。  
紐で結ぶタイプのぱんつが紐を解かれると当然ぱらりとその持ち主から  
外れてしまう。そして、ネリネは横で紐を解いていたのだから、稟と  
シアの女の子の大事なところに対して障壁物は皆無で……。  
 
「きゃあああああ〜〜!!!!」  
シアの悲鳴が上がると、稟を凍らせていた魔法は一瞬にして解けた。  
「ぷ、プリムラの様子を見てくる!!」  
テキトーな言い訳を放ちながら稟はその場を逃げた。  
残された女の子たちは顔を見合わせた。  
 
 
         *         *          *  
 
 
「わぁああああん!! わぁああああああ〜〜ん!!!」  
下半身裸、と言うよりブラとニーソックスだけの姿のシアが楓に抱きついて  
泣き続けている。楓が苦笑いでシアを慰めるように抱き、麻弓とネリネは  
困った表情で顔を見合わせた。  
 
「私……私もうお嫁に行けないっス……! わぁああああああ〜〜ん!!」  
「もう泣かないでよ、シアちゃん。ちょっとした事故なんだから……」  
「何が事故だよ! よりによって稟君に見られるなんて……わああああん!!」  
麻弓の慰めも逆効果でシアは更に泣き続けていたが、  
 
「麻弓ちゃんのせいだよ〜〜!! この〜〜!!!」  
「きゃああ!? な、何するの!」  
いきなりシアが麻弓に飛び掛ると麻弓の制服を引き剥がそうとする。  
「シアちゃん、やめてよ! 制服が破れるよぉ!」  
「知らないよ! そのまま緑葉君の前に行けばいいッス!」  
「な、なんであいつが関係あるのよ!?」  
 
ズダン! バタン! ドタドタ……!  
 
そのまま麻弓とシアのキャットファイトが続く。和室だし、布団も敷いてあるから  
怪我はしないだろうけど……と残された楓とネリネは止める事も出来ず、二人が  
乱闘で怪我しない様に邪魔なものをそっと除けている。  
そのうち……。  
 
ビリリッ……!!  
 
「あ〜〜〜!!!」  
叫んだのは麻弓だった。見ると彼女の制服が袈裟懸けに破れている。乱闘時に  
シアが掴んだ状態で麻弓が引き離したため、勢いあまって破れたらしい。  
「ど、どおしてくれるのよ!? 帰れないじゃない!!」  
「べ〜〜だ! ザマミロッス!」  
シアが挑発する。お尻丸出しの状態で。  
「この〜〜! もう怒った!!」  
「ひゃあ!?」  
麻弓がシアに飛び掛り、そのまま掴んで布団に投げ飛ばした。布団に仰向けに  
ひっくり返るシアの足元に麻弓は素早く移動する。  
 
「いたたた……お尻打ったぁ〜〜……はにゃ!?」  
シアが気がつくと、自分の両足が麻弓の両脇にがっちり固められていた。  
そして、麻弓の右足はシアのニーソックスの脚を割り、股間に踵を宛がっていた。  
「あ……あれは」  
「なんですの、楓さん」  
二人の様子を見ながら楓がビクンと反応したのをネリネが不思議そうに見る。  
「あの技は、そのう……」  
楓が恥かしそうにもじもじする。気のせいか少し内股になり、手も股間を守り  
たそうな仕草。  
 
「フフン……楓だったら分かるよね? シアちゃん、これはね、人間界の女の子の  
必殺技、『電気あんま』って言うの。聞いたことある?」  
「でんきあんま……? な、なんですかそれは?」  
麻弓の雰囲気にシアが不安そうに聞く。只でさえさっき痛めた無防備な股間に  
麻弓が足を乗せているのだ。不安にならないはずがない。  
「ま、まさか……このまま蹴っ飛ばす気じゃ……?」  
戦いの場において急所攻撃は必須と言える技であった。戦いに躊躇いのない魔族の  
ハーフである麻弓が使わないとも限らない。急激な不安に襲われるシアだが、  
「そんなことするわけないじゃない、友達に対して」  
にまっと麻弓が笑う。だが、シアの不安は消えなかった。麻弓は急所攻撃を否定  
したが、ならば、友達に使っても良い技で来ると言うのか?それに『でんきあんま』を  
知る楓がさっきから表情を変えない。麻弓の悪い笑顔と合わせ考えると、自分は何か  
とんでもない事をされるのでは? とシアは思う。  
 
「そんなに不安がらないでよ、シアちゃん」  
早くも勝ち誇った笑みを浮かべ、麻弓がシアを見つめる。  
「この技はね、女の子だけに使われる必殺技なの。用途は色々あるよ。例えば、  
お仕置きとか、イジメとか……それに、愛撫にも」  
「あ……愛撫!?」  
「そうだよ、愛撫♪ シアちゃんの心がけ次第ではどうにでもなるんだけど、  
どうする?」  
「どうするって……?」  
「私の制服を破いた事を謝ったら許してあげる。勿論、帰りの洋服も貸してね」  
「な……!」  
麻弓の強気な態度にシアはムッとする。元はと言えば原因は嫌がるシアを押さえ  
つけぱんつまで脱がさせた麻弓に原因がある、とシアは思っている。  
それに神族の姫として魔族のハーフに屈服するのは内心不愉快だ。  
 
「フン! だ。麻弓ちゃんに謝ったりなんかしないよ〜〜だ!」  
べ〜〜! っと小さく舌を出すシア。麻弓のこめかみにピシッ!と何かが弾ける。  
「そう……。ならば仕方が無いよね。人間の女の子の超必殺技、とくと味わいなさい!」  
そう言うと麻弓はゆっくりと踵をグリグリと左右に捻った。  
「な……なに!? ひゃあう!?」  
シアが氷水でも掛けられたかのような悲鳴を上げる。麻弓の靴下が捩れ、シアの  
陰裂を刺激し、性器を圧迫する。ぐりぐりぐりぐり……。  
 
「ひゃ……! はは……! な、なにこれ……キャハハハ! や、やめて!  
麻弓ちゃん!!」  
シアがくすぐったいように笑いながら体を捩る。内股で懸命に麻弓の足を除けようと  
するがうまく行かない。その理由は……。  
「ニーソックスは電気あんまでは不利ですね」  
誰ともなしに楓が呟く。  
「うまく外せてもソックスは滑りやすいですから、あっという間にまた割り込まれます」  
同じくニーソックスのネリネはそれを聞き、思わず足をもじもじさせる。  
 
「でも、楓さん。その『でんきあんま』って、くすぐったい技なのでしょうか?」  
「いいえ」  
ネリネの質問を楓は言下に否定した。その目はシアの様子を食い入るように見つめている。  
「くすぐったいのは最初のうちだけです。それは感じやすい所に急に刺激を与えられ  
るからなんですけど……考えてみて下さい。女の子の一番感じやすい所をずっとあんな  
風に刺激されていたらくすぐったいだけで済むでしょうか?」  
「それは……」  
楓の真剣な表情にネリネも想像してみた。自分の大事な所を時間掛けてグリグリと  
執拗に刺激されたら、おそらく……。  
「へ、変な気分になってしまうのでは?」  
ネリネの答えにコクリと楓が頷いた。そして、シアを指差す。  
「あ……」  
ネリネが見たシアは……。  
 
「う……うん……」  
先程とシアの様子が変わっていった。頬は紅潮し、何かに耐えるのに必死になっている。  
体をもじもじさせ、耐え切れなくなったように手はシーツを掴んで離さない。  
自慢の長い髪が乱れ、白い布団に広がる姿は見るものをドキッとさせる。  
勿論、仕掛けている麻弓もだった。シアの乱れ姿にドキドキし、電気あんましている  
右足に力が入りがちになる。その度にシアの体は切なげに揺れるのだ。  
 
「フフフ……こんなに感じてるんだから、さっき打った所も大丈夫みたいだよ」  
麻弓が舌なめずりせんばかりに妖しげな表情に変わる。  
「でも、もう少し確かめておこうかな? さっき喧嘩売られたし……」  
「だ、だめ……麻弓ちゃん、許して……」  
体の内面に疼く何かを燃え上がらせられたシアは涙ぐみながら麻弓に許しを請う。  
「ダメよ。あんな絶対不利の状況で啖呵切ったんだもん。その報いは受けなさい」  
「だって……これが、こんなにだなんて知らなかった……あああ!!」  
 
ブルブルブル……と小刻みなアンマを続けられ、感じてしまうシア。  
その様子を楓とネリネもじっと見つめていたが、  
「これが電気あんまの恐ろしさなのです。分かりますか、ネリネさん」  
楓の言葉にネリネは黙って頷いた。  
女の子の大事なところからこみ上げてくるものが全身に広がりながらも内圧の高まりを  
抑制されるジレンマ――。それでいて、これを途中でやめられるとそれこそ地獄だろう、  
とネリネも思う。  
「あとは、する人がイかせてくれるのを願うだけなのですね」  
今度は楓が頷いた。大げさに言えば生殺与奪の権利を握られたようなものだと思って  
よいだろう。それに実行者自身はいつイかせても、或いは残酷にいつやめても何の  
問題もないのだ。  
 
「お願い……麻弓ちゃん。謝るから……謝るから……もう許して……」  
シアは泣き声になっていた。流石に麻弓もやりすぎたかと思い、シアに対し優しく  
話しかけた。  
「私こそゴメンね。土見君に恥ずかしい所見せちゃったり……でも分かって。あれは  
ワザとじゃなく事故だったの。シアちゃんが大事な所を打って本当に心配だったんだ  
んだよ」  
「うん……うん……」  
シアは切なさに泣いていた。哀願するような瞳で麻弓を見る。  
「大丈夫だよ、シアちゃん。ちゃんとイかせてあげる♪」  
麻弓はそこから電気あんまのペースをあげた。足の動きを大きくし、クリトリスを  
擦る時間を長くする。女の子の一番感じる所を激しく刺激され、大きく仰け反るシア。  
 
「ああ……もう、だめ……麻弓ちゃん、いっちゃうよぉ〜!!」  
「いっちゃいなさい、シアちゃん。大丈夫……大丈夫だから……!」  
「うん……! うん……! あああああああああ〜〜〜〜!!!!」  
 
シアの脳裏がホワイトアウトし、急激な失墜が訪れた――。  
 
 
         *         *          *  
 
 
「……で、土見君と神王様は?」  
「二人ともネリネちゃんの家にいるみたいです。私たちも着替えて、そろそろ呼んで  
来ましょうか?」  
「いいよ、まだ。もう少し女の子だけの時間を楽しみましょ……ね、シアちゃん」  
「え……う、うん♪」  
あれから結局、シアだけが裸なのは不公平、と言うことで麻弓も脱ぎ、楓もネリネも  
裸にさせられた。その状態でシアの大事な所の様子を見たが、赤くなってはいたが、  
どうやら大丈夫だった。まあ、電気あんまにあれだけ感じるのなら大丈夫だろうが。  
 
そのまま電気あんまパーティに雪崩れ込まなかったのは不幸中の幸いであった。  
なにぶん、今回は急だし、男たちを放り出したままだし……。  
 
「次は計画的に時間をとってやってみようかな……」  
「……え?」  
「そ、それは……」  
「なぁに、楓とネリネちゃんは反対?」  
「そ、そういうわけではないですけど……」  
「…………」  
ネリネは恥かしげに俯いてしまった。  
 
「シアちゃんはどう?」  
麻弓が肩を抱いているシアに問いかける。  
「私は……やるっス!」  
シアがニッコリ微笑む。  
「麻弓ちゃんに仕返ししないと……それにリンちゃんも『初体験』してもらわないとね」  
「わ、私ですか……?」  
「だって、私だけ済ませたんじゃ不公平でしょ? 友達なのに」  
「そ、そんな事言われても……」  
恥かしそうにきゅっと足を閉じるネリネ。それを見て麻弓は次のターゲットを彼女に  
する事を決めた。尤も、次回も麻弓が責めに回れる保証はないが。  
 
「フフ……。じゃあ、計画は練っておくね。楓、あなたも人事じゃないからね?」  
「わ、私も……!? う〜〜〜」  
なんだかんだと楽しげに語らう女の子たちだった。  
この後、彼女達の間に一大電気あんまブームが訪れる予兆の出来事だった。  
 
(つづく……かもしんない)  
 
 

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