6.  
 
 
「お風呂に入る回数、多くなっちゃいましたね」  
フフフ……とシャワーを浴びながら楓が笑う。電気アンマで汗びっしょりになった上、  
楓は顔中に稟の欲望のしるしを受けてしまったので、二人して洗いっこしてるのだ。  
「楓は特にびしょ濡れになるからね」  
稟が悪戯っぽく笑うと楓が「もぉ〜……」と言いながら稟の胸で顔を隠した。  
「どうしてそんなに私が恥かしくなる事ばかり言うんですか?」  
ちょっと拗ねたような甘え声が可愛らしい。稟はもっと楓を苛めてやりたくなった。  
 
「ここでしてやろうか?」  
「……何をですか?」  
「電気アンマ」  
「…………」  
真っ赤になる楓をよそに稟は手ぬぐいを取り出し、楓の両手首を掴んだ。  
「あっ……」  
何をされるか分からない不安に一瞬怯んだが、稟を信じる楓は素直に稟のされるがままに  
なっている。稟は手ぬぐいで楓の両手を縛り、身動きできないようにした。  
 
「これで楓は何をされても抵抗できないわけだ」  
「…………」  
ニヤニヤといやらしい笑顔を浮かべる稟を楓はじっと見つめる。  
「こんな俺を見るのは初めてか?」  
稟の質問に楓はコクリと頷いた。  
「さっき楓が俺に意地悪をしただろ? あれの仕返しだよ」  
「あ……」  
確かにさっき楓は稟に奉仕しながらちょっとした意地悪をした。だけど、それはこの様に  
縛り付けられるほど悪い事をしたように思えない。  
(でも……これが正しいんですね。稟君はご主人様で、私は稟君の所有物なのですから)  
楓は心の中では納得している。しかし、実際に縛られてみると未知の経験に不安で  
一杯になる。  
 
「こんな感じかな?」  
稟は楓の両手を取ると、シャワーフックに手ぬぐいを引っ掛けた。楓は無防備な姿勢で  
吊るされた状態になった。  
(こんなのって……)  
楓の不安はますます大きくなる。いくら信じる稟の前でも全裸で防御も出来ない状態で  
恥ずかしい所を曝け出すのは抵抗があった。  
それに、脇の下から腰、胸、お腹、股間――女の子の弱い所を狙い放題なのだ。楓は  
辛うじて動く足を内股にする。それでもフックに吊るされているため、踵が常につく状態  
では無いので完全に股間を守る事は無理なのだが――。  
 
「そこ、狙われると思ってる?」  
稟が意地悪な表情で内股になっている股間を見つめる。恥毛が薄く彩られた緩やかな  
カーブを描く丘陵を見つめられ、楓は羞恥心で真っ赤になった。  
「楓って上付きなんだな。正面からでも少し割れ目が見えてる……」  
「イヤ!」  
稟の言葉を遮り、楓が悲鳴を上げた。  
「言わないで下さい……そんな恥かしい事」  
「事実を言っただけだよ?」  
「……稟君は意地悪です」  
とぼけた答え方をする稟に瞳をウルウルさせて抗議の意思を示す楓。腰を引いて稟の  
視姦から大事な所を守ろうとしても壁が邪魔でこれ以上引けないのだ。  
無駄だと分かりながらも必死で恥かしい状態から逃れようともがく楓を見ると、稟の  
内にあるサディスティックな欲望が鎌首を擡げてくる。  
「あっ……」  
楓は稟の股間の怒張が天を衝かんばかりに屹立しているのを見て恥かしそうに視線を  
そらせた。稟君が自分の恥かしい格好を見て欲情している――そう思うだけで、下腹部の  
奥からじわっと熱い蜜が溢れてくるのを止められない――。  
 
「また濡れてきたのか、楓?」  
稟が足の先で楓の割れ目をいじるように突っついた。  
「ひゃん!? だ、だめ……!!」  
楓は慌てて体を捩って逃れようとするが、勿論逃げ場など無い。僅かに動いて親指の先が  
割れ目に埋没するのを辛うじて防いでも、稟の足は執拗に追っかけてくるのだ。  
足の指の先が何度も割れ目に入ったり出たりして楓の柔らかな襞を刺激する。  
「はぅん……あん……。り、稟君……だめぇ……」  
割れ目に指先が出入りするたびに、稟はとろりと溢れた熱い蜜が自分の足先を伝わって  
くるのがわかる。その蜜の熱さが心地良く、楓の股間を責めるのをやめられない。  
 
「フフフ……」  
稟はもう少し前に出て、今度は真下から足の指先を引っ掛けるように楓の股間を刺激した。  
蹴るほど強くはしないが、何度も何度も突き上げる様な責め方をする。  
「ひゃう……!! だめぇ……!!」  
楓は耐え切れずに前のめりになる。フックに拘束されているので完全には引け腰には  
なれないが、それでも何もしないよりはマシだ。  
「電気アンマされるのと、どっちが感じる?」  
意地悪な稟の質問には何も言わず、ぷいっとソッポを向いた。その反応を見て逆に稟は  
嬉しそうな表情になる。  
 
「ふ〜〜ん……ご主人様に逆らうのか」  
稟は指をゆっくり抜く。とろりと溢れた蜜が糸を引き、楓の足元に垂れていく。  
「太股もびっしょり濡らして……いくらシャワーで洗ってもキリがないな?」  
稟はそのたまった蜜を手の平に掬い、それを楓の顔と胸元にべっとりとなすりつけた。  
「い……嫌……」  
楓は顔を背けて逃げようとするが、稟は許さずに何度もペタペタと塗りつける。あまりの  
屈辱に楓は半泣きになって口惜しそうに稟を睨みつけた。  
しかし、その表情は暴君の更なる欲情をそそりはしたが、反省や同情を促す効果は全く  
無かった。稟の瞳は欲望にギラリと鈍く光っている。  
 
「股間ばかり狙って責めてやろうか?」  
稟が新たに悪魔の様な提案をする。  
「…………」  
楓は黙って次の稟の言葉を待つ。普段の優しさの欠片も見えない稟――その口から次々と  
発せられる非道い言葉の羅列に楓は体が熱くなってくるのを禁じえないのだ。  
「例えば……そうだな、濡れタオルでピシッ! ……とかさ」  
「えっ……?」  
その言葉を聞いて楓は体を竦ませた。今までの意地悪とは明らかに違う、乱暴な言葉。  
言葉責めや羞恥責めでなく、肉体責めを稟が口にするのは初めてだった。  
 
「で……でも……」  
「大丈夫。痣になっても見えないところを狙うから」  
「そ、そんな……」  
稟君は――いや、私達はおかしくなってしまってる――楓はそう感じていた。  
あの優しい稟君が非道い事を口に出し、それを私が……私がワクワクして震えているなんて!  
 
稟は粛々とタオルを濡らす。「あちっ!」と声が聞こえ、楓は目を見張る。  
「り、稟君……そのタオル」  
「ん? 大丈夫だって。火傷するほどは熱くしてない……あちち」  
「だ……だめ……」  
覚悟を決めたはずの楓も流石にそれには慄く。稟はどういう苛め方をするつもりなのか。  
 
「それじゃ、お仕置き開始だ。覚悟しろよ、楓」  
「稟君――!」  
稟が濡れタオルを構えると楓は目を閉じた。「股間を狙う」「見えないところを狙う」と  
言っていたので可能な限り力を入れてキュッと内股になる。しかし――。  
 
……ビシャ!!  
 
「あぅうう〜〜!!!」  
濡れタオルの鞭が叩きつけられたのは楓の形の良い胸だった。柔らかな乳房にタオルが  
食い込み、濡れて張りついた、湿った荒い生地で敏感な蕾をズルズルと刺激されると楓の  
体に電流が走る。しかも乳首に張り付く熱い濡れタオルは、すぐに取れてくれずにねっとりと  
執拗に敏感な女の子の弱点を苛むのだ。  
「ひ……ひどいです、稟君……」  
意表を突いた攻撃は効きすぎる。身構える事すら叶わず、無防備に女の子の急所を打たれる  
辛さはされた者でないと分からないだろう。  
 
「何が非道いんだ?」  
「だって……言った所と違う場所を打つなんて。身構えてもいないのに打たれるのは辛い  
です……」  
「だったら目を開けて見てればいいだろう?」  
「そんな……! 怖いのに……」  
「お仕置きなんだからな。贅沢を言うな……それッ!」  
 
……ビタン!!  
 
「きゃうっ!!」  
今度は楓のお腹だ。赤い濡れタオルが真一文字に楓の白い肌に張りつく。楓は腰が落ちそうに  
なるが、フックに縛り付けられているので手首の痛みに悲鳴をあげ、力を振り絞って立つ。  
 
……ビシャ! ……バシッ!!  
 
「あうっ!! ……はぁう!!」  
今度はわき腹と太股を打たれる。吊り下げられた状態では力の入らない、打たれるとキツイ  
場所だ。稟はわざと狙ってこういう所ばかりを打つのだろうか? 苦悶に喘ぎながら、楓は  
稟がサディスティックな快感に酔いしれているのだろうか――と考える。  
(私も――雰囲気に酔っているかもです……)  
理性では認めたくない。だが、それならば打たれるたびに内側から込み上げて太股を熱く  
濡らす、この蜜は一体なんだろうか――?  
 
……ビタァアアアンッ!!  
 
「きゃうううう〜〜〜……ッ!!!」  
一際大きな打撃音が浴室に反響したかと思うと、同時に楓の一際甲高い悲鳴も響き渡った。  
稟は真下から掬い上げるように濡れタオルを振り上げた。それが楓の太股の間を通り、  
前方から股間を直撃したのだ。巻きついたタオルの鞭は、恥丘からクリトリスに張り付き、  
秘密のクレバスに食い込むと会陰部から後ろに抜け菊門を擽った。股間にある女の子の急所  
全てをこの熱く湿ったタオル鞭が打ち上げたのだ。哀れな生贄の楓が今までと違う悲鳴を  
上げるのも当然だろう。  
 
「あぅううぅぅ…………」  
楓は前かがみになり、内股になって体を震わせている。表情は急所を打たれた苦痛で歪み、  
額からはねっとりとした脂汗がじんわりと滲み出てきていた。息は荒く、腰の辺りを中心に  
モジモジと体を動かせて苦しんでいる。両手が解放されていたら股間を押さえてのたうって  
いただろう。吊るされた状態ではそれすら出来ないのだ。せいぜい、太股を捩り合わせて  
痛みをごまかすぐらいしか出来ない。ほとんど効果は無いが。  
 
「流石にそこは効いたようだな……こうしたら、どうなる?」  
稟はわざとタオルを持ち上げて引っ張った。そうするとタオルは楓の股間に張り付いたまま  
引かれ、敏感な菊門やクレバス、クリットを擦って抜けていくのだ。  
「はぁああぁ……ん!」  
悲鳴とも喘ぎ声ともつかない、切なげな声で楓が呻く。  
「そこを苛められると気持ちいいのか?」  
「…………」  
稟の問いに楓は答えない。うつむいて目に涙を溜めている。屈辱を堪えているのか、歯を  
食いしばっているようにも見える。  
 
稟はそんな楓に近づくと、乱暴に股間を掴んだ。突然の行為に楓は小さく悲鳴を上げて、  
目を丸くする。  
「ここをいじくってやるよ。俺の指と手を使ってな」  
「うっく……! あぁああ……!!」  
稟は楓の秘密の花園を蹂躙するかのように乱暴に股間をこねくり回す。中指をクレバスの  
中に埋め、その状態でわしわしと手を握ったり離したりするものだから、楓は急所を内と  
外から責められていた。  
「やめて……稟君……あぅう!!」  
稟に股間を責められながら内股になって体を捩る楓――逃げようにも背後は壁、稟の手を  
払おうにも自分の手は吊るされたまま。どうしようもなく、ただ陵辱されるがままになる  
しかないのだ。  
 
「ほら、またぐっしょりだ……」  
楓の股間をこねくり回してべっとりと蜜に濡れそぼった手をさっき塗りつけたときの様に  
楓の鼻先に近づける。そして今度は、楓に塗りつけるのでなく、自分でペロリと舐めた。  
ペチャペチャと蜜を味わう淫猥な音が間近で聞こえ、耳を覆いたくなった。  
「へぇ……さっきのより、匂いも粘りも強いな。量も多いし……虐められて嫌がってたん  
じゃ無かったのか?」  
楓は恥かしくて死んでしまいたくなる。愛しい人に「お前は乱暴されて悦ぶ淫乱女だ」と  
言われたら、女の子は全員そう思うだろう。稟はそういう辱めをしているのだ。  
 
「さて……いよいよ電気アンマかな」  
稟の言葉に楓は横を向く。  
「どうした? して欲しいんだろ?」  
意地悪な表情を浮かべて稟は楓の顎を掴んで自分の方を向けさせた。楓は目に一杯涙を  
溜めている。  
「フフフ……珍しい表情だね。そんな顔もそそられるけど」  
稟が楽しそうに笑うと楓が稟をキッと睨みつけた。  
「こんな陰湿にいじめないで一思いにすればいいじゃないですか。稟君は……変態です」  
楓の抗議にも稟は薄ら笑いを浮かべて平然としている。  
手首を縛ってから二人の雰囲気は一気に妖しくなった。それは稟も楓も自覚している。  
稟はすぐに電気アンマをせず、色々と抵抗できない楓の体を弄んでいた。  
しかし――。  
 
「その変態にいたぶられて下半身をびっしょりと濡らしているの誰だ?」  
そう言うと稟は楓の股間を蹴り上げた。思いっきりではなく、足首のスナップを利かせて  
甲で軽く打つ感じの蹴りだ。しかし、威力が無いわけではなく、股間にヒットすると同時に  
ビシャッ!と飛沫が上がった。  
「ああぁーーッ!!!!」  
急所を蹴られた楓の悲鳴が浴室に響き渡る。軽く蹴ったと言っても一番敏感なところだ。  
痛くないわけが無い。  
「うっ……ああぁあっ!!」  
可能な限り腰を引いて身悶えする楓――美しいかんばせは苦悶に歪み、汗びっしょりの  
額に柔らかな前髪が張り付いた。苦悶を堪えるかのようにくねりながら小刻みに震える  
腰が何とも艶めかしい。  
 
「たっぷり濡れてるからあんまり痛くなかっただろ? それとも、もしかして今の蹴り  
じゃ物足りないか?」  
稟の非情な言葉にも楓は返事を返せない。大切な所を蹴られた苦痛、そして、それの何倍  
もの奔流となって体中を駆け巡る快感――そう、楓の体を震わせているのは被虐の快感  
だった。ビリビリと全身が痺れるこの気持ちは楓の心を大いに昂ぶらせる。  
 
「楓のいけない所、もっと痛くしてやろうか?」  
調子に乗った稟は平手で楓の割れ目をピシャッ!と叩いた。楓のソプラノの悲鳴がまた  
浴室にこだまする。更にもう一度――二度――。  
「はぁあ……ん! ……あんッ! ……アアッ!!」  
ピシャッ! ピシャッ! と恥かしい急所を何度も虐められる楓は悶え狂っていた。  
割れ目を打たれた痛みに腰を引けば今度はバシッ!と濡れタオルをお尻の側に打ち込まれる。  
お尻打ちの方はかなり力を込めて打たれた。あまりの酷さに泣きながら抗議をすると、  
さっきの様に真下から濡れタオルで股間を打ち上げられた。  
「きゃああああ……!! ……うっ……」  
楓は太股をすり合わせてじたばたともがきながら悲鳴を上げるしかなかった。  
 
(お願い――早く電気アンマして。もう、耐えられない――)  
楓はついにシクシクと泣き出した。稟の責め――特にこの嬲って焦らす責めの連続は楓の  
火照りきった体にはとても辛かった。唇を噛み締めても、稟を睨みつけても、これ以上は  
我慢し切れない……。  
 
「稟君、お願いです」  
「…………」  
「私に電気アンマしてください。お願いだからもう痛くしたり焦らしたりしないで……  
辛いんです。これ以上は……無理です――」  
それだけ言うと楓は「わぁ……!!」と泣き出した。女の子が自らの体の火照りに耐え  
切れないでおねだりする屈辱――これは男には絶対に分からないだろう。  
 
「わかったよ、楓――」  
優しい声が聞こえて、吊られたまま泣き崩れていた楓が面を上げる。その目に入ったのは  
いつもの優しい稟だった。  
「あ……」  
さっきまでの意地悪な稟ではなくなっている。楓は心の底からホッとした。稟の中の獣が  
影を潜めた事で、それに呼応していた自分の中の獣の欲望に火照っていた息苦しさが、  
少し収まってくる。  
「いじめたりしてゴメンな。楓が可愛らしくて、つい――今からちゃんと気持ちのいい  
電気アンマをしてあげるよ」  
そう言って稟は楓の泣き顔にキスをした。楓はようやく落ち着いたが、ひっくひっくと  
子供の様に咽び泣いていた。  
 
稟はそんな楓の足元に潜り込むと吊るされたままの楓の両足を掴んで広げた。  
そして足の間に座り込み、背中を床につける。座り式電気アンマが90度傾いた状態に  
なった。  
「ここからだと、楓の綺麗な所が見えるね」  
稟がニヤニヤしながら呟くと楓は真っ赤になって股を閉じようとする。勿論それは  
すぐさま稟の手で広げられてしまったが。  
「今更隠す事はないだろ?」  
「だって……恥かしいです」  
「今日までだって、何回か見たよ、楓のここ」  
「い、言わないで下さい」  
羞恥心に打ち震える楓はとりわけ可愛らしく、稟は執拗な言葉責めをついつい何度も  
やってしまう。だが、それは必ずしも無駄な行為ではなかった。羞恥責めされるたびに  
楓の体の中心が熱くなり気分が高まっていくのだ。そして――。  
 
「あっ……」  
数々の苦痛責めと快楽責め、羞恥責めに晒された楓のそこは稟の足があてがわれるのに  
十分準備が出来ていた。クニュ……と柔らかな暖かい感触が稟の踵に伝わる。楓の秘密の  
クレヴァスは稟の踵をキュッと締めるように反応した。無論、中に入るわけはないから  
表面上だけだが。  
(この状態でペニスを中に深く入れたら、締まって気持ちがいいんだろうな)  
ペニスなら楓のクレヴァスはしっかりと咥え込んでくれるだろう。稟はちょっと惜しい  
気もしたが、電気アンマで盛り上がっている所なので我慢する。少なくとも一度は楓を  
電気アンマで逝かせてやりたい。  
(この濡れ方なら、いけそうだな)  
稟は割れ目にあてがった踵をブルブル震わせながら押し込むように責め立てる。  
電気アンマ特有の圧迫感と振動を女の秘所に受け、楓は「うっ……!」と呻いた  
稟は更に突き上げるような荒い振動を送り込む。  
 
どどど……だだだ……。  
 
道路工事の破砕機の様な強烈な振動――それは楓にとって未知の体験になった。  
「あうぅぅぅ……!」  
楓の体が大きく仰け反り、表情が切なげになる。振動の効果もさることながら、この体勢  
特有の体重のかかり方が楓を悩ませていた。ただでさえ体重が両足で支えきれていない  
状態で真下から足をあてがわれているのだ。今、楓の体重の大半は稟の踵で支えられている。  
そして、それは楓の股間だけが乗っているのだ。つまり、楓は自分の体重を股間だけで  
支えている――言わば三角木馬に乗せられたのと同じ効果があった。  
 
「稟……君……あぅ……んッ!」  
楓は前後に体を揺すりながら稟の電気アンマに耐えていた。  
寝室での柔らかな電気アンマとは違う、少し乱暴に力が入った電気アンマだ。  
(でも……力強くて……とっても……いい……)  
楓の体に火照った炎を静めるにはこの位の強さが無くては間に合わない。楓は稟の踵に  
股間を強く食い込まされながら自分の腰を動かして更に強い快楽を求めようとする。  
「この状態で、こういうのはどうだ!?」  
稟が振動を細かくし、回転を上げていく。更に両足を楓の股間にあてがい、責めるポイントを  
増やす。稟の裸の足と自分の内股や割れ目が当たると何ともいえない気持ち良さがある。  
ブルブル震える踵はクチュクチュ音を立てながらクレヴァスに食い込み、もう片方の足の  
指先はアヌスを細かく振るわせた。  
「あぁぁああああ……!! 稟君……それ、いいッ!!」  
楓は髪を振り乱して悶えた。体中が電気あんまの振動でなく、自分の内側から込み上げる  
黒い快感の渦で震えているのが分かる。そして――。  
 
「これで止めだッ!!」  
だだだだだだだだだだだだだだだだだ…………!!  
稟がありったけの力で楓の股間を突き上げたほとんどピストン運動の様な激しさで楓の  
股間を責め上げた。  
「稟君……稟君! ……ああああッ……アアアアアァアアアアアアアアア〜〜〜〜ッ!!!」  
楓が絶叫すると、彼女の花園から熱い蜜が溢れ出し、稟の足を熱くねっとりと濡らした。  
「は……ぁ……ぅ…………」  
がっくりと楓の体から力が抜け、フックから吊るされて稟の足に跨ったまま失神した。  
 
 
                   7.  
 
 
「なぁ、楓……まだ怒ってるのか?」  
寝室のベッドの上で、稟は気弱げにぷいっと反対側を向いたまま全裸で座っている楓に  
話しかける。バスルームで気絶してベッドで目覚めてから楓は稟の方を向いてくれないのだ。  
「……当たり前です。あんな非道い事ばかりをされて」  
「だ、だから悪かったってば……つい、そのノリで……」  
あたふたと言い訳をする稟の気配を背後に感じながら、楓はにんまりと笑っている。  
勿論、怒っているのは『振り』だけだ。いや、それすらもしていない。楓自身は稟の方を  
見ずに背中を向けているだけで、稟が勝手に慌てふためいているだけなのだ。その様子が  
楓にとっては面白い。  
(もう少し、意地悪しちゃいます♪)  
更に何か機嫌をとってくる稟の気配を察すると、わざとその反対を向いて、こっそり  
小さく舌を出していた。稟には見えないが、悪戯な笑顔が愛くるしい。  
 
実際、言葉ほどは酷い事をされたわけでもなかった。濡れタオルで打たれた所は赤くは  
なっているが腫れてはいないし、もう少ししたら消えるだろう。タオルを浸したお湯も  
せいぜい熱めのシャワー程度だった。いくら雰囲気に盛り上がっても、稟が楓の体に危害を  
加えること自体、ありえない話だ。所詮はプレイに過ぎない。  
(でも、急所に当たったのは結構効きました……)  
それを思い出して楓は自分の股間を擦る。稟が打ち上げた濡れタオルはまともにクリトリス  
から菊門までを直撃し、べったりと張り付いて楓を思わず飛び上がらせた。  
大きなダメージはなかったと言うものの、敏感な所を打たれた上、その後にも熱いタオルを  
食い込まされたり、軽くとは言え蹴られたり、電気アンマで責め立てられたりで、この部分は  
少し責めが辛かったのだ。  
(だから、その仕返しです)  
暴君に対する、奴隷からのささやかな仕返し――こういうシチュエーションも結構楽しい。  
しかし――。  
(でも、もう限界ですね……クスクス)  
稟の困った様子がおかしくて楓は笑いそうになってたのだ。プルプルと震えているのは  
怒ってるからではなく笑いを堪えるため――稟はそれに気づくだろうか?  
 
一方――。  
 
(う〜〜ん、困ったなぁ……)  
楓の内心を知らない稟の方は本気で困っていた。  
(楓だって結構乗り気だったくせに)  
凛としてはお仕置きの雰囲気が面白くて、風呂場ではちょっとした演技も交えてプレイ  
していた。楓も良い感じに乗っていたので、  
そう思うが、我慢は稟の得意技。あの手この手を使って宥めすかそうと手を尽くす。  
しかし、今度ばかりは楓は強硬に自分の方を向いてくれない。  
(さっきから身震いしてるし、やっぱり怒ってるんだな――はぁ……どうしたものだか)  
深い溜め息をつくと、なんとなしに部屋の反対側に視線を移す。全身鏡が目に入った。  
そこには全裸の自分と楓の姿が映し出されているが――。  
(――うん?)  
稟は身を乗り出して楓の肩越しに鏡を見つめる。そこには楓の演技ではない姿が映し  
出されていた。  
「あっ……」  
それに気づいた楓は慌てて、忍び笑いを収めて、つん、とそっぽを向く。なんとか  
ごまかそうとした。  
(間に合ったでしょうか……?)  
稟が何も言わないのでチラッと目線だけを稟に向けると――。  
 
「か〜〜え〜〜〜で〜〜〜……」  
「きゃ〜〜〜〜〜!!」  
映画に出てくる幽霊の様に稟が覆いかぶさろうとしてきた。楓は慌てて逃げる。  
嬌声を上げて笑いながら。  
 
「こら! 待て! 楓!!」  
「やです、待ちません! ウフフ!」  
狭い部屋の中で裸の男女が鬼ごっこをしている。稟が力で捕まえようとすると、楓は  
身のこなしで交わして逃げる。抱きつかれたり、また逃げたりして、くんずほぐれつ、  
二人の肌は触れ合ったり、密着したり、突き放されたりしてなされる沢山のスキンシップが  
心地良かった。お互い楽しく、笑顔で。  
 
ベッドを挟んで対峙する二人。稟がどちらかに動こうとすれば楓はその反対側に動く。  
鬼ごっこの駆け引きだ。  
「ハァ……ハァ……逃げてばっかりだと、捕まった時に非道い目に遭うぞ?」  
「クスクス……どんな非道い目ですか? バスルームの時よりも?」  
「勿論だ。電気アンマのフルコースをお見舞いしてやる」  
「そんなのやです。ぜ〜〜ったいに捕まりませんから!」  
アハハ……と、朗らかに笑って楓が逃げると稟がまた追いかける。逃げる楓の白いお尻が  
プルプル揺れるのを見て、稟は欲情してしまった。自分の股間の欲望が鎌首を擡げてくる。  
「クスクス……稟君、またそんなトコおっきくして――」  
「仕方ないだろ、楓がお尻振りながら逃げるんだから」  
「もう、そんなトコばかり見てるんですね。このエッチぼうず!」  
えいっ!と楓が枕を掴んで投げつけた。それは狙い過たず、稟の欲望器官に命中した。  
「いってぇ〜〜!!」  
「あ、当たっちゃったですか?。フフフ……さっき私の大事なトコを蹴った罰ですよ♪」  
稟が股間を押さえてピョンピョン跳ねているのを見ながらも、男の痛さなど知るはずも無く、  
楓がコロコロと楽しそうに笑う。  
「もう許さね〜! 覚悟しろ〜〜!!」  
「きゃああ!? 稟君が怒ったぁ〜〜!!」  
稟が勢い良く楓に飛び掛かり、楓がスルリと身をかわす。元々、走り回るのには狭い寝室の事、  
隠れる場所も無いこの部屋での鬼ごっこの勝敗など最初から分かっていた。鬼から逃げられる  
わけが無いのだ。捕まって非道い目に遭うのが分かっているのに楓は鬼を挑発して逃げる。  
しかし、ついに――。  
 
「きゃうん!?」  
バタン!と楓がベッドにうつ伏せになった。ベッドを越えて逃げようとした時、稟に足首を  
掴まれたのだ。  
「あっ……」  
楓はちょっと慌てたが、もう逃げられない。稟はズルズルとベッドの端まで楓を引き寄せた。  
羽根布団に裸の乳首が擦られて楓は「うっ!」と呻き声を上げる。  
「や、やです……稟君……」  
「乳首が擦れて感じたか? 今からもっと感じさせてやる」  
「あ……な、何を……」  
うつ伏せの楓が顔だけで振り返ると、稟はベッドの柵の支柱に楓が跨るようにして両足を  
通した。  
「これって……や、やだ……!」  
楓が慌てて抵抗するが、時既に遅し。このまま稟が楓の両足を引っ張ったら、楓の股間が  
柵に押し付けられる。グリグリするのは勿論、強く引っ張られればアソコをモロに打って  
しまうかもしれない。柵は木製で滑らかに磨いてあるが、女の子の大事な所をぶつけたり  
グリグリされたら辛いだろう。  
 
「それもいいかもな。さっきは男の急所に枕をぶつけられたし」  
「そんな……! 枕はそんなに痛くないじゃないですか」  
「男の急所にぶつけたんだぞ? 女には分からない痛さなんだからな」  
「お、女の子だってそこを攻撃されたら痛いです……」  
「挑発してきたのは楓だからな。じっくりといじめてやる」  
「う……だ、だめ、引っ張らないで…………あっ!!」  
 
稟は楓の両足を引っ張ると柵に楓の股間を食い込ませた。裸の楓のソコは既にヌルヌルと  
ぬめっており、咥え込む様に股間に細い木の棒が食い込む。  
「うう……。あ……ああん!」  
股間に食い込んだ上体で稟が両足を揺するようにして引っ張ったため、楓は身悶えして  
しまう。上半身を弓なりに仰け反らせて白いおとがいが艶めかしく見える様子は、稟からは  
全身鏡を通して見える事になった。楓もそれに気づき、顔を赤らめる。  
「この角度、いいな。電気アンマもこの状態でしてやる」  
「そんな……うっ! ……だ、だめ……急に強く引っ張っちゃ……はぅん!」  
秘所を棒に食い込まされて呻く楓に対し、稟はそのリアクションを楽しむように何度も  
不規則な力を入れて足を引っ張った。強くされた時は電流が流れるような突き上げを感じ、  
楓は何度も小さく悲鳴を上げてはベッドに伏し、切なさに耐えるためにシーツを噛み締めた。  
 
 
         *         *         *  
 
 
「ハァ……ハァ……ハァ…ハァ……」  
稟の執拗な股間責めから解放されても楓はぐったりと大きく胸を上下させながら寝そべって  
いるだけだ。寝返りを打って仰向けで寝ている。稟のアングルからは白い形の綺麗な胸が  
膨らんだり縮んだりするのが見え、更に情欲がそそられていく。  
「さて、お待ちかねの電気アンマフルコースだな」  
「う……うう……」  
「否定しないのか?」  
「だって……」  
楓が稟を見つめて瞳を潤ませる。昼間、麻弓が樹に見せていた表情と同じだ。女の子に  
とって電気アンマは何か特別な効果があるのかもしれない。  
「まずは正統派電気アンマかな」  
稟は楓の足の間に座り込み、両足踝を掴んで右足を股間にあてがった。既に濡れそぼった  
楓の股間がいきなり稟の足の裏を濡らす。  
「……これが正統派なんですか?」  
「さあね。それより、楓はもう準備OKなんだな」  
「い、言わないで下さい……」  
恥かしがる楓が一瞬気を抜いた時に稟はいきなり股間をグリグリしたため、楓は悲鳴を  
上げた。  
「ひゃん!? い、いきなりやらないで下さい! あ……うん……心臓に悪いです……  
はぅ…ん……」  
「意表を突くから面白いんじゃないか。今度はいきなり踵グリグリ攻撃だ」  
「きゃああん……!! だ、だめ……強すぎます……!! ンッ……!!!」  
「このままブルブル震わせてやる。そらそら〜〜〜……吸い付くような感触だぞ、楓?」  
「や、やだ……はぁん♪ はぁ……ぁあぁあああ……!!」  
稟はクニュクニュ……と柔らかい楓の恥肉の感触を楽しみながら、足の裏に熱く溢れてくる  
蜜を股間全体に馴染ませるように足の角度を変えながら電気アンマした。  
楓はその快感のせめ上がりに耐えるように息を詰まらせながら懸命にシーツを掴んで  
耐えている。白いシーツの上で艶めかしく身悶えする楓の姿は天井カメラがあれば一生  
使える映像が撮れそうなぐらい、男の情欲をそそるものだった。  
 
「フフフ……あっという間にイキそうじゃないか?」  
「うっく……!! だって……だって……はぅんん!!」  
稟の意地悪な攻撃は常に楓の状態の逆を取る。楓が堪えきれなくなってイキそうになると、  
ほんの少し力を緩めて、しかも攻撃は休めない。じんわりと楓の盛り上がりは長い時間  
掛けて下がって行き、平常に近い状態になるとまた激しい振動を股間に送り込んで楓の  
全身を震わせる。正に生殺し電気アンマだった。  
「ひどいです、稟君……こんな中途半端な気持ちを続けさせるなんて」  
「それが電気アンマの醍醐味じゃないか。女の子の悶えて堪える顔を見るのが男にとって  
一番楽しいんだ」  
「だ、だからって、こんなことばかり続けられたら私は……あぅうぅうう……!!」  
楓は我慢できなくなったように、稟の足を掴んでブルブルと体を震わせた。ギュッと閉じた  
目、切なそうな表情、震える胸、体、太股――流石にこれ以上生殺しを続けるのは  
無理なようだ。  
「この状態で思いっきり股間を蹴ったら……失神するかな?」  
「…………!! そ、そんなの……いやです!!」  
稟のサディスティックな言葉と表情に、楓が真っ青になる。その反応に稟は満足そうに  
ニヤリと笑う  
「大丈夫だよ。多分、しないから」  
「ぜ、絶対にダメです……お願い……そんな事しないって言って下さい」  
「…………フフフ」  
楓の哀願にも、やらない、とは誓わずに稟は楓を見る。楓は切なそうに稟から目を逸らせた。  
稟がひどい事をしたくなった時でも奴隷の自分は稟に応えなければならない――そう  
思いなおすのは大好きな稟に対してであってさえ、辛かった。  
 
「まあ、蹴るのは許してやるよ。このまま一回、逝かせてやる」  
「は……はい。……うッ!! ……あ……ううッ!!」  
稟の足の動きが更に激しくなった。今度は踵でクリトリス近辺を執拗にマッサージした。  
「はぁ……ん!! ああ……稟君……!!」  
楓は自分からも稟の足を股間に押し付けるように稟の足先を強く掴む。稟の送る激しい  
振動に股間が揺さぶられ、止め処もなく熱い蜜が何度も溢れてくる。  
「このままいかせてやる……楓!!」  
 
ダダダダダダダダダダ……!!  
 
激しい振動が楓の濡れそぼった割れ目を強烈に圧迫しながら送り込まれた。  
きゅん!!と太股を閉じて上半身を仰け反らせ、そして――。  
 
「ああああぁあああぁあああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」  
楓の脳裏は真っ白に飛び、今日何度目かの昇天を迎えた。  
 
 

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