「える〜、える〜、ふしぎな〜ことにまきこま〜れるんるる〜ん♪」  
……意味不明な歌を口ずさみながら道を行く少女。知っての通り、Lである。  
 
「……ありゃ、あれは………?」…前方数十メートル先、帽子を被ってカフェオレをすすっているほしな歌唄を発見。  
 
「うたu………そうでした、私は今エルであってエルではないんです……でも、歌唄ちゃん、悲しそう……」  
 
 
……一方歌唄サイド。  
 
「………なんで、こんな事になっちゃったんだろう…」『……歌唄?』  
「……だって…好きな人が兄妹なんだよ?私のことを好きって言ってくれた人は『敵』だし…私、悪い事してる………もう……どうして、私はこんななんだろう……」  
『…歌唄……』「…もう、生きてても、いいことなんて、あるのかな……」『………え「冗談よ。気にしないで。」  
…イルにはそれが完全な冗談だとは思えなかった。  
 
 
「……あ、行っちゃう……よし!」  
 
「………あの〜、ほしな歌唄さん、ですよね?」  
……後ろから話しかけてきた少女。金髪に碧の瞳。「……なんですか?」  
「私、あなたのファンなんです!何回もコンサート行ってるし、時々やるゲリラライブもかなり制圧してます!」……追っかけか…溜め息。……ん?  
『……こいつ、あたしらの歌を聴いて、なんともないのか?』……そういえば。…ちょっと気になる。  
「……でも、何か悲しそうな感じがする。最近、嫌なことがあった?」「…ッ、関係ない。」「あります!私はあなたの歌が好きで、あなたが好きで、これじゃ駄目ですか!?」  
……なんだろう。何処かであったような感覚。言いたいことは判るけど、なんか…うざい。なんかエルみたいだ。  
…でも、嬉しいかもしれない。私の歌を好きなだけじゃなく、私を好きと言ってくれたから。  
「……しばらく、一緒に歩かない?」「…え、いいんですか?」「………名前、教えてくれる?」「…あ……エ、エレナです。宜しくです。」……あぁ、それで所々文がおかしかったのか。  
「……じゃ、行こう、エレナ。」「…はい!…えと、歌唄ちゃんって呼んでもいいですか?」「……好きにすれば」「はい!好きにします♪」  
 
 

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