……歌唄の様子がおかしい。さっきから顔を赤く、そして青くしながら震えている。
「……歌唄、どうした、大丈夫か?」
「…イ…クト…あ……駄……目……」
「歌唄?」
「…あ………たし、も……う………、が、がま、ん、で、できな…………」
「落ち着け!……大丈夫か?歌唄?」
「い゙、いままで、ずっと。イクト、と、きょうだい、だか、ら……って。が、我慢して……っ!!…きた、けど。やっばり、もう、だめ――…………!!!!」
不意を突かれ、いきなり押し倒される。
そして。犯すような深いキス。
……あ、ヤバい。
イクトはなんとかして振り払い、大体の男性を虜にするような目付き、仕草で「おいてかないでー」と言う妹を置いて、原因を探した。
マネージャー代理。原因は彼がふざけてコーヒーに入れた媚薬だったという。
当然猫の引っ掻き傷がざくざくざくと入ったとのこと。
その後数週間の間、歌唄はイクトを直視できなかったとか。