: 140%"> 式神の城

「玄乃丈さん大暴走の巻」 
「……私が死んだら、抱き締めてね。あなたが死んだら、抱き締めてあげる……」  

 謳うように綺麗で刹那いアララの呟きを合図に、タナトス・ゲームの幕は開いた。  

 美しき番人が撒き散らした弾幕を避けながら、ふらふらと宙を踊りつづける。  
 ……こんな所で、いったい俺は何をやってるんだ?  

 眠っていた”獣”の血が、どくんと心臓を跳ね上げて煮えたぎる。  
 俺は、俺は、あいつを……  

 あいつの濡れたように輝く瞳を、桜色の唇を、たわわな果実のような胸を、細い腰を。  
 今すぐにでも腕の中に捕えて、心ゆくまで味わい尽くしたい。  
 猛り狂う逸物で熱い蜜壷を深深と刺し貫いて、散々に掻き回して、たっぷりと熱い白濁  
を注ぎ込んでやりたい。  
 俺は、俺は、俺は…………  

「……狼 の 血 が 滾 る ァ ア ア ! !」  
「っ!? きゃあぁ〜〜!!」  

 思わず我を忘れて特殊攻撃を連発し、うっかりトドメまで刺してしまっていた。  
 俺の目の前で、アララの身体は光の粒子となって崩壊していく。  

「ありがとう。本当に抱き締めてくれるつもりだったのね……」  
 にっこりと微笑みながら事切れた彼女を、俺は茫然と見送りながら……叫んだ。  

「…………も、勿体無ぇ〜〜!!」  

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