: 140%"> 式神の城

「魔法使いになりたいかい?の巻」 
 ドレスに身を包んだ彼女は、門番というにはあまりにも優雅で華奢な存在だった。  
 流れるような手捌きでデックをシャッフルし、堀口ゆかりは陶然と微笑む。  

「アンタップ アップキープ フェイズスタート!」  
「……そうね。せっかくだから、私も付き合ってあげるわ」  

 眼鏡の奥に鋭い眼光を走らせ、魔女……ふみこは薄い笑いを浮かべた。  
 ポケットから彼女が取り出したのは、ゆかりと同じ一組のカードデック。  

「……何ですって?」  
「あら? デュエリスト相手にカードで勝負を挑むのは変かしら?」  
「…………いいえ。存分に楽しみましょう」  

 かくして、二人の女は戦場の真っ只中で”決闘”を始めた。  

 ゆかりは初手で《モックス・ダイアモンド》を置き、《冬の宝珠》を場に張った。  
 しかし、ふみこは対戦相手のえげつないロックにも全く同じない。  
 冷静な手つきで《沼》から《ブラッド・ペット》を召喚し、次のターンには《ブラッド  
・ペット》を生贄に《隠れたる恐怖》を召喚、代償として《アーデンの天使》を捨てた。  

「そ、そんな……」  
「これくらい常識でしょう? ”ボス”である貴方にデュエルを挑むなら」  

 驚愕に震えるゆかりを尻目に、ふみこは自動復活した《アーデンの天使》と《隠れたる  
恐怖》を操り、それから3ターン余りで易々と彼女を撲殺した。  

「この私が、デュエルで敗北を喫するなんて……」  
「フン。あなたの手の内は、とっくにお見通しなのよ。それに……」  
「……それに?」  

 茫然と見上げるゆかりに、ふみこは研ぎ澄ました槍のごとく残酷な言葉を叩きつける。  

「アルファシステム謹製のドリームキャスト版『マジック・ザ・ギャザリング』は、内輪  
贔屓に見ても失敗作だったわね」  
「きゃうっ!?」  
「まずCPUの長考が限度を越えているわね。待っている間に紙で1デュエルできるわ」  
「そ、それはDCのハード性能の問題だと思うけど……」  

「そういうことにしてあげてもいいわ。でも、問題はそれだけではない」  
「…………」  
「そもそも第6版ベースのシステムというのが終わっているわね。よりにもよって、歴代  
マジック史上で最もダメダメなセットじゃない」  
「( ゚д゚)・∵. ゴフッ」  
「そのくせボスは絶版カードで武装しているし、どう見てもイカサマなドローに頼るし、  
難易度調整も碌に出来ていない」  

「わ、私だって、もっとマシなセットを使いたかったわよ!・゜・(ノД`)・゜・」  
「まぁ確かに同情はしてあげる。だけど……何よりも許せなかったのは、オンライン対戦  
が没ったこと!! 全国のデュエリストの期待を裏切りまくって、言語道断だわ!!」  

 恐怖におののきながら、ゆかりは彼女に尋ねかける。どう考えても逆恨みだが。  
「そ、それで……私をどうするつもり……?」  
 答えは、ぞくりと背筋が凍りつくような悪魔の微笑と共に返ってきた。  

「そうねぇ……。カードで負けたのだから、貴方も具現化されたカードの慰み物になって  
もらいましょうか? 《拷問台》や《鉄の処女》は基本として、《野生の雑種犬》で獣姦  
なんていうのも面白いかもね♪」  
「…………い、嫌ァ!! お母さーーーん!!」  
                                (むりやり終わる)  

 
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