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「な、な、何をやって・・・」
小夜が顔を耳まで真っ赤にして、なんとかその一言を口に出す。
俺にとってはいつもの行為だが、彼女からしてみればあまりにも刺激が強すぎたのだろう。
そうドアを開けっぱなしで数分ほど硬直しちまうぐらいの・・・
この夏から発生した連続猟奇殺人事件、マスコミへの情報規制が徹底されているのか
あまり表沙汰にはなっていないが、ばれるのもいずれ時間の問題だろう。
それぐらいこの犯行はいかれている。
女性を生きながら惨殺するという非道極まりない犯行。被害者は現在のところ三十人を超えている。
そんなとち狂った犯人の捜査に、俺達H&K探偵社へのオファーが舞い込んで来たのが先日の事だ。
なぜ殺人事件の捜査に、こんな探偵社へ依頼がくるのかはわからなかったが、
そんな事俺にとってはたいした問題ではない。前金という事で渡された札束、それがすべてだ。
もう自販機の下の小銭を探す必要もないし、今までのカップラーメンの生活から一変、
出前を注文できる立場に。それもチャーシューを付けようが炒飯をセットにしようが思いのままだ。
しかしその代償として連日のようにこき使われ、いつもの『日課』を行う事さえ忘れていた。
まさかその反動がこんな所で来るとは思っても見なかったが。
「すいません、遅れました!!」
警視庁にて連日おこなわれている「特定犯罪第568号」捜査会議
無意味とはわかっているがオファーの際に参加が義務づけられており参加しないわけにもいかない。
のはずなのだが誰もいない・・・時計を見てみるとすでに2時間の遅刻。
当然もう他の人間は捜査に出ており、この広い空間には俺一人、否ザサエさんもいるか。
「はー」
一気に疲れがこみ上げてきた。こんな事ならば事務所のソファーでもう1時間は寝ていられたのでは
ないかとは思うが、今更そんな事を言ってもしかたがない。
「戻ろっか〜、ザサエさん」
そう言いながら振り返ると、息を荒げ、今にも倒れてしまいそうなザサエさんの姿がそこにあった。
その瞬間ふみこたんの言葉を思い出す。
「彼女は食人鬼、ただし現代で人を食わせるわけにはいかないわ、
だから人の替わりに主が精を与えれ続ければ十分代用として成り立つ。
毎日とは言わないけど定期的に与えないと暴走するか、消えるわよ・・・」
連日における捜査活動、帰ってくれば食事よりもまず睡眠。
夜に時折、何かを言いたそうな顔でいるときもあったが、自分を優先していた事。
もう場所などは選んでいられなかった。
口を開きかけた俺に、彼女は顔を寄せ唇を重ね合わせてくる。
絡み付くような、激しい口づけ。
唾液の交換という行為により少しは体力が回復したのか、いままで頬を撫でていた手を
俺の下腹部に這わせてくる。
ひさしぶりの行為のためか、彼女の手がそこに触れるかというときには、
もうすっかり興奮した状態になっている。
ザサエさんが俺の正面に座り、いつの間に脱がしたのかズボンからはみ出し、
彼女の目の前に放り出された物に何の躊躇もなくほほを寄せてきた。
柔らかいほっぺたの肉をこすりつけられる、それだけでみるみる膨張し始める俺の物。
「んっ・・・」
上目づかいで俺を見て、微笑みながら上向きになったそれを先端からぺろぺろと舐め始めた。
「んっ、んっ、ん・・・」
小さくうなずくように首を上下させ、舌の先が器用にはい回る。
「あっ」
女の喘ぎ声のような言葉が俺から出るのを聞くと嬉しそうに笑い、行為を再開させる。
そうこうする内に彼女は唇で俺の物を挟み込み
ちゅぅぅぅ・・・と激しい音を立てる。
舌からの刺激、唾液があわさりぬるぬるとした温かい感触、そして何もかも忘れるような
強烈な吸い上げ。加えてこのような美女が俺のため、いや俺だけにおこなうという満足感、征服感。
それ以上に、こんな場所でしかも口にくわえさせるという背徳感。
そんなさまざまな感情が合わさり、これ以上ない快感が生まれる。
「気持ちいいよ、すごく」
ちゅっ・・・袋の部分を手のひらに乗せ口づける。
返事の変わりにそんな行為で返してくる。
ちゅっ、ちゅっ・・・
竿の根元から裏側、先端の割れ目、さまざまな部分にキスをしてくる
そんな行為に耐えれなくなってきたのか、溢れ出た透明な液体をぺろりと躊躇なく舐め、
こくん・・・と舌の上で転がしてから、喉を鳴らして飲み込んだ。
そうして今まで以上に妖艶な表情で微笑む。
そんな姿を見るたびに満足感に包まれている自分がいるのがわかる
多分自分の為にしてくれているってのを一番実感できる時だからかもしれない。
「ぷっ・・ぁあん、むっ・・・」
そして、行為をする側の彼女がされる側である俺の様に息を荒げ始める。
疲れたのかとも思ったが、舌の動きは衰える様子をみせない。
「気持ちいいの・・・?」
そう聞くと、軽く、そして当たり前のように自然にうなずき舌を動かすのを今まで以上に
激しくし始める。
繋がっているときとはまた異なる、しかし勝るとも劣らない麻薬のような快楽。
いつまでもこのままでいたい・・・。
そんな思いにも終りがくる、やはり我慢するにも限界がある。
吐き出される液体は少しずつ、そして確実に透明感を失い粘着の度合いを増してきた。
「そろそろだけど、いいかな?」
その言葉を無言で、その替わりに行為で返してくる。
「っ・・・」
腰のあたりから寒気が走り、全身をかけぬける。
限界ギリギリにあったものが一気に崩れ去り同時に射精感が高まっていくのがわかる。
「んっ、っん、んぅ・・・」
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、どんどん動きを激しく変化させる
「あっ、もうっ・・・」
「んっ、んーっ・・・んっ、んぅ・・・うぁ・・・」
彼女とつながっている時のように、断続的に白くにごったものが飛び出し、彼女の
口の回り、淡く輝く長い髪を汚していく。
しかし、彼女はそれらを舐めとり、もっともっと、とでも言うかのごとくまだ硬いままの
物をくわえ始め行為を再開し始めようとする。
そんないつも以上の快楽が俺を襲っていた為だろう、俺の気配を感じ遅刻に対する文句でも
言いにでも来たのだろうか、巫女装束の少女がドアを開け欲望が吐き出される瞬間から今までを
ずっと見ている事にすら気づかなかったのは・・・。
「な、な、何をやって・・・」
間抜けな事だがその一言でようやく彼女の存在に気がついた。