: 140%"> 式神の城

  「demo play」  

「……ふゃぁ…あっ……」  

 十本の指が、自分の意思を離れて淫らに這い回っている。  
 まるで別の生き物のように妖しく蠢き、体じゅうの起伏をなぞって愛撫する。  
 時には優しく、時には激しく。  

 それは異様な光景だった。  
 ニーギ・ゴージャスブルーの足元には、底知れぬ仄暗い虚空が広がっている。  
 東京上空に出現した「ねじれた城」の内部である。  

 今は敵影も途絶え、静謐の中に……彼女の切なげな声と濡れた淫音だけが響いていた。  

 ピンクと白に染め分けられた一張羅のコートが、闇に抗うかのようにはためいている。  
 だが、その衣に身を包んだ彼女は……奥底から涌き出る黒い衝動に飲み込まれて、  
身も心も……まさしく文字通り、宙空を漂っていた。  

 恍惚。忘我。  
 敵地の只中だということすら忘れて、ニーギは快楽の波に身を任せていた。  
 まるで……糸が切れた後も踊り狂う、壊れた操り人形のように。  
 赤子のように体を丸めて、もぞもぞと胸やスカートの中を弄っていたかと思えば、  
いきなり細い体を弓なりに反らせて、あられもない嬌声をあげる。  

「くふぅっ……やだ……どうして……止まらないのぉ……?」  

 彼女が身につけている黒いタートルネックのシャツは、胸元までまくり上げられて、  
ずり落ちた白いブラとの間に、控えめだが形の良い乳房を覗かせている。  
 うっすらと汗ばむ素肌に、ひんやりした空気が触れる。  
 それさえもが火照った体を刺激して、震えるような快感を彼女の内側に送り込んでいく。  

 つんと尖ったピンク色の乳首を、まるで苺を摘み取るように、両脇から指でつまんだ。  

「きゃうぅ!!」  

 全身に電流が走ったように、がくがくと震える。  
 それでもニーギの左手は止まらない。  
 人差し指と親指の腹をこすり合わせて愛撫し、すり潰すように力をこめる。  

「……っ……ぁ……あっ……もう……止めて……お願い……」  

 息もたえだえに懇願する。……誰に対して?  
 なのに彼女の指は、その意思に逆らって動きつづける。  

 つ……と、触れるか触れないかの微妙さで、敏感な肉芽のそばを指先が通り過ぎた。  

「……ぁ……」  

 思わず唇から漏れた吐息に、彼女は頬を染めた。  
 お構いなしに動き回る彼女の右手は、すでに太腿の内側を這い回っている。  
 またも微妙なタッチで、うっすらと航跡を残していく。  
 ほんの僅かな感触を帯びた肌が、やがて燃え立つように疼きはじめる。  

「やだ……もっと……?……」  

 戸惑い交じりの呟き。  
 まるで焦らすような指の動きに、もどかしさを覚えたことを自覚してしまって。  
 ニーギの意識は、さらなる混濁に引き込まれていった……。  

 ……”彼”は目を細めて、その光景を満足げに眺めている。  
 闇の中で爛々と瞳を輝かせ、薄ら笑いを浮かべながら。  

 
 

 
 

つなぎの式神コント劇場〜。  

ちびふみこ「ねじれた………………尻?」  
アララ「ねじれとらんわーーーーッ!!」  

ふ「あら嫌だ、そんなにムキになって否定しなくてもいいのに。気にしていたの?」  
ア「そーなのよ。あたしって胸もお尻もバキューンって感じで自慢だけど、  
 垂れちゃわないかって心配なのよねー。お子ちゃまには分からんないでちゅかー?」  

ふ「そんなことないわ。苦労はお互いさまよね」  
ア「???」  
ふ「……だけど、口の利き方がなってない。やっぱり教育してあげる」  

(例によって戦闘シーン省略w)  

ア「きょ、教育された……」  
ふ「まだよ、本格的なレッスンはこれから。さぁ、お尻を突き出しなさい」  
ア「く……」  

ふ「すぅ〜……せーの、スパンキングスパンキングスパンキングスパンキング(パンパンパン)」  
ア「きゃうんッ! 痛い、痛痛痛痛痛痛ッ、やめて、お願い、あひィッ!!」  
ふ「ふぅん? あなたの肢体(カラダ)は悦んでるみたいだけど、どっちが本心?」  
ア「お願い……です、やめて……下さいぃ……(涙目)」  
ふ「まだ教育が足りないようね。これならどう?(思いっきり指でムギュー)」  
ア「あひゃあッ! だめ、お尻が……ねじれちゃうぅ……!!」  

ふ「あらあら。だらしなく涎を垂らしてお漏らしまでしちゃって、はしたないわね。  
  だけど可哀想だし、もう許してあげようかしら?」  
ア「………………お願いです。やめないで……もっと、ぶって…………」  
ふ「ようやく堕ちたわね。 素 直 が い ち ば ん ?」  (酷いオチだ…)  

 
 

 
 

 ”先輩”に逢いたい、ただ一心にその願いを抱いて戦い続けてきたはずの自分が。  
 敵地の中、好きでもないオトコの前で、あられもない痴態をさらしている。  
 それも、商売女のように我が身を弄んで。  
 堪えがたい恥辱だった。  

 突き刺さる好色な”彼”の視線に、身の毛がよだつ。  
 それなのに、ニーギの指は彼女の意思を離れて淫らに踊りつづけている。  
 薄闇の中で輝く二つの眼光に呪縛され、その持ち主を誘うように腰をくねらせて……  

 履き慣れないタイトミニの裾をまくり上げて、彼女はかすれた声を放った。  
「ど……どう? 見える……かしら?」  
 相手は、隅々まで舐め回すように視線を這わせ、ぶんぶんと首を横に振った。  

「……え? もっと、ちゃんと見せろ……っていうの?」  
 無言のまま促されて。  
 わずかに躊躇した後、ニーギは唇をぎゅっと噛み締めながら、大股に脚を広げた。  

 絶景だった。  
 エナメルブラックの光沢を放つ、ただでさえきわどいデザインのミニスカート。  
 その奥はショーツで隠されることもなく(……とっくに脱ぎ捨ててしまっているのだ)、  
うっすらした茂みと桜色の媚肉が顔を覗かせ、汗と愛液でてらてらと光っていた。  

 脚の付け根とオーバーニーソックスの間の絶対領域には、引き締まった健康的な太腿。  
 その内側にも透明な滴りが線を引き、闇の中で眼光に照らされて輝いている。  
 熱い視線を浴びて、ニーギの露出した肌は羞恥の色に染まっていた。  

 そんな光景を愉しみながら、”彼”は針のように両眼を細め……ごろごろと喉を鳴らす。  
 赤いスカーフを首に巻いた、ニヒルなデブ猫。  
 ニーギに従えられたはずのグレーター招き猫が、彼女を視姦しているのだった。  

(どうして、こんな……ことに、なっちゃったんだっけ……?)  

 靄がかかったような意識の中で、ニーギは途切れ途切れにつぶやく。  
 たった十分ほど前なのに、遠い記憶のような……信じられない出来事が発端だった。  
 幾つもの「世界」を渡り歩き、幻獣や異形のものを向こうに回して戦ってきた彼女が、  
この途方もなく巨大で非常識な「ねじれた城」の中とはいえ、今更何を驚くことがあろう?  

 それは……このねじれた快楽に飲み込まれていく、自分自身に対しての驚きだった。  

 

 事の起こりは、「城」の守護者たるエイジャ兄弟を退けた直後に遡る。  
 ニーギの式神として獅子奮迅の働きを演じつづけてきた「グレーター招き猫」が、  
突如としてヘソを曲げて沈黙してしまったのだ。  

「うわっ……とと!」  
 押し寄せる弾幕を、それでも巧みな空中機動で避けながら、ニーギは慌てて逃走した。  
 敵影が見えない、既に殲滅済みのエリアまで戻って、彼女は頬を膨らませた。  

「もう! 一体どうしちゃったのよ!?」  
「ニャー」  
「……え? 化け物とムサい漢共相手にコキ使われるのは、もう嫌だ?」  
「ニャ」  
「待ちなさいよ! あんた、それでも式神? 使い主に逆らっていいと思ってるワケ!?」  
「ニャ、ニャニャニャー、ニャーニャニャニャニャ」  
「……そりゃ、強引に連れてきた私も悪いけどさ……どうしたら機嫌直してくれるの?」  
「ミャ」  
「………………ぬ、『脱げ』ですって〜〜〜っ!!!!!?」  
「ニャ?」  
「くッ……『嫌なら俺を置いて一人で戦うんだな』?……足もと見てくれるなぁ……」  

 ……かくして式神に言い負かされたニーギは、敵地のど真ん中でストリップショーを  
演じる羽目に陥ったのだ。  
 なんでも招き猫が主張することには、彼は煩悩を活力源として生きているそうな。  

(道理で……アララの時は無闇に元気だったのに、アノレゴスやエイジャ兄弟相手には  
 苦戦するワケよね……)  

 そういえばアララが光に包まれて消滅した時、招き猫が物欲しそうな名残惜しい表情を  
浮かべていたような気もする。仏心をかけずに、いっそ彼女を生贄にすべきだったか?  
 ……などと悔やんでみても、すべては後の祭り。  

「こんなとこ……他の誰かに見られでもしたら……んぅっ……」  
 ロジャーやら探偵の少年やらの顔が脳裏をよぎって、ニーギの肌を紅潮させる。  
 知らず知らずのうちに、指の動きが激しさを増す。  
(からだが……熱いよぅ……)  

 ………………カランっ!  
 どこか遠くで乾いた物音が響いた。  
「や、やだ。誰かいるの!? 見ないで、見ちゃダメぇっ!!」  

 怯え顔で叫ぶ。  
 だけど言葉とは裏腹に、彼女の指は最も敏感なところを探り当てて……  
 まるで見せつけるように押し開いて、激しく掻きまわして…………  

「だめ……イッちゃう、イッちゃうぅ………………!!!!」  

 がくがくと痙攣するように、ほっそりした背中を弓なりにのけぞらせて。  
 きらきらと虚空に白い飛沫を舞い散らせて、ニーギは果てた。  

 抜け殻のように力を失って、闇の中に落ちていく。  
 その少女の体を、何者かが乱暴に掴んで引っ張りあげた。  
「ニャ!」  
「あっ……エロ猫」  
「ニャー」  
「『余は満足じゃ?』 どういたしまして」  

 どうやら彼女の媚態をたっぷり味わって、やる気も霊力も満タンに補充できたらしい。  
 心なしか毛並みまでツヤツヤ輝いている。  
 そそくさと着衣を整えながら、自分が演じたあられもない姿を思い出して、ニーギは  
声をかすれさせた。  

「ところで……あんたの他に、誰か見てなかった?」  
「ニャ? ニャー」  
「な……何ですってェ!? 『ただのラップ音』?」  
「ニャーン♪」  
「『見られてると興奮するみたいだから、驚かせてやった』!? こ、この猫……」  
「ニャ?」  
「……ま、いいわ。見てなさい、フフフ……」  

 異様に引きつった笑顔を浮かべるニーギに、今度は招き猫の方が怯えはじめる。  
「これからの道中、たんまりコキ使ってあげるから。覚悟はできてるわね?」  
「……ニャーン」  
 そして彼女と「彼」は、激しい集中砲火の中に再び飛び込んでいった……。  

                                    (糸冬)  

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