あたしは毎夜、カイルを受け入れる。  
 
今日は眠いのから、とか  
今日は疲れているから、とか  
あたしが出すはずの断りの言葉は、必ずカイルのキスで封じられて。  
 
「ユーリ、愛しているよ」  
耳元でささやかれる、カイルの甘い声。  
あたしの肌の上を優しく滑る指先、舌、唇。  
それらを感じ、私は抗うことも忘れて、  
唇からは熱い吐息を漏らし、熱を帯びた肌はじっとりと汗をかき、  
だらしなく緩んだ足の間は、奥底から熱く甘く潤みはじめて、  
やがてあたしの体は、全身で カイルが欲しいの と叫びだす。  
 
優しく、ときには強く、カイルは私の中でその存在感を示し、  
あたしのあげる快感の悲鳴に反応するように動き、暴れまわり、  
あたしをさらに高みへと導いていく。  
 
その狂おしい一瞬に、あたしはなんと叫ぶのだろう。  
登りつめるその時を、あたしを見つめるカイルの表情を、覚えていたいといつも願うのに、  
怯えるほどに絶え間なく押し寄せる快感の波は、あたしからすべての思考力をうばい、  
気がづいたときには、あたしを抱きしめるようにして眠るカイルが傍にいて、  
私は甘いうずきと、けだるい疲労感を残した体で、また、朝まで眠りに落ちる。  
 
そしてあたしは明日も、心で、体で、カイルを受け入れる。  
また、ひとつに溶け合うために。  
 

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