「ルカ、ちょっとこの薬を飲んでみていただけますか?」  
そう言って流風は、ジーン・ジョンソンから、小さなカプセルを渡された。  
「これ、何の薬?」  
心配そうに聞く流風に、ジーンは優しく微笑みかけた。  
「心配はいりませんよ。あなたの抗体の強さを調べるための薬です」  
「抗体の強さ?」  
「ええ。もしルミのウイルスより強いことが分かれば、  
感染した人を元に戻せるかもしれませんよ」  
「元に戻せる・・・!?本当なの?」  
ジーンはゆっくり流風に向かって頷いた。  
流風は一瞬ためらいをみせたが、  
やがて決意したかのように、カプセルを水で流し込んだ。  
「効き目が出てくると、少しだるく感じるかもしれません。  
しばらく、ベッドルームで待っていていただけますか?  
変化が現れたら、内線で呼んで下さい」  
 
ジーンの言葉に従い、流風は部屋のベッドに座っていた。  
時計に目をやると、薬を飲んでから30分程たっていた。  
流風は、少し体が重くなるのを感じた。  
ベッドの脇に置いてある電話の受話器を取る。  
2度コール音が流れた後、ジーンの声が聞こえた。  
「効いてきましたか。それでは、すぐそちらに向かいます」  
受話器を置いた後、流風は体の奥に痺れのような感覚を感じた。  
すると、扉をノックする音が聞こえ、ジーンが現れた。  
「体はどうですか?ルカ」  
「少し、体が重く感じるわ。あと、体の奥が痺れてるみたいな気がする」  
「痺れ・・・。体のどの辺ですか?」  
「え・・・お腹の下辺り、かな」  
「そうですか。効き目はいいようですね」  
ジーンは持っていた書類に目を落とした。カルテだろうか。  
その間にも、流風の中の痺れは大きさを増していく。  
「ジョンソンさん、何だか体が熱くなってきたわ。早く調べて。  
そうすれば、パパやママを元に戻せるんでしょう」  
「それでは、調べさせていただきましょう」  
 
ジーンはカルテをサイドテーブルに置き、流風の首筋に触れた。  
「あっ・・・」  
脈をとるかのように首に触られただけなのに、流風の唇から嬌声が漏れた。  
その声を聞いたジーンが笑みを浮かべる。  
「薬の効果は完璧なようですね」  
ジーンはそう呟くと、優美な動作で身を翻し、流風をベッドに押し倒した。  
「ジョンソンさん・・・?何?」  
「あなたの体を、調べさせてもらうだけですよ」  
そう言うとジーンは流風の首筋に唇を這わせはじめた。  
「いやあ!何するの!?」  
流風は驚いて体を傾けた・・・はずだった。  
しかし、体が動いていない。  
腕を動かそうとしても、力が入らない。  
唯一自由になる眼球を動かすと、目の前の相手は冷たく微笑んでいた。  
「ルカ、あなたを愛しています」  
 
ジーンは流風の着ていたワンピースのボタンを一つ一つ丁寧に外していく。  
乱暴な動きは何一つないが、そのアイスブルーの瞳には、静かな欲望が秘められていた。  
やがて、流風の白いブラジャーに包まれた形のいい胸があらわになる。  
「いやぁ!ジョンソンさんやめて!!」  
ジーンはブラジャーの上から、流風の胸にそっと触れた。  
「あぁん!」  
直に触られてもいないのに、流風が強い反応を示す。  
「な・・・どうして・・・」  
「先程の薬には、媚薬の成分も入っています。綺麗ですよ、ルカ」  
ジーンがブラジャーのホックを外し、流風の白い肌に口付けた。  
「い、いやあぁ!克行!克行ィ!!」  
「いくら呼んでもトーマは来ませんよ、ルカ」  
ジーンはそう言うと、流風の胸の中心にある突起を舌で転がした。  
根元から先端にかけて、ゆっくりと上下に舌を動かす。  
「あ・・・は・・いや・・アぁん!」  
体の奥底から湧き上がってくる快感に、流風は必死で耐えるが、  
いくら口を閉じても自然と甘い声が漏れる。  
「双子は、敏感な部分も同じのようですね」  
流風を攻め立てる大きな快感は、媚薬の効果だけではなかった。  
ジーンは流水と何度も関係を持っている。  
流水の体を知っているということは、流風の体も知っていると同じことだった。  
ジーンは舌で硬くなった突起を弄び、もう片方の胸を手で揉みしだく。  
「い・・・や」  
薬による体の重さと、快感で、流風はもう抵抗する気力を失っていた。  
 
ジーンは流風の腰をゆっくり持ち上げ、ワンピースとショーツを足から抜き去った。  
頬を赤く染め、一糸まとわぬ姿になった流風を上から眺める。  
「ジョンソンさん、お願い・・・やめて・・・」  
流風の目から涙が零れた。  
ジーンが流風の涙を指ですくいとる。  
「泣き顔も素敵ですが、感じている顔の方がもっと魅力的ですよ、ルカ」  
そう言うとジーンは、流風の太ももを撫で、足の付け根へと指を動かした。  
中指で流風の中心の割れ目をなぞる。  
「ぁ、は・・あああぁん!」  
そこはすでに濡れていて、少し触れただけで大量の愛液が流れ出した。  
ジーンの指がさらに奥へと進む。そこはすんなりと指を受け入れた。  
流風は、自分の内部で何かが蠢く感覚に、いっそう高い喘ぎ声を上げる。  
ジーンが、濡れた肉芽を転がすと、流風の頭の中は完全に快感だけが支配し始めた。  
ジーンの中指が膣壁をなぞるように、時にかき回すように動く。  
親指と人差し指は、ぬめりの中で存在感を示すように震える芽を摘まむ。  
「あ・・いや・・・そ、こ・・・ああぁああ・・ん!!」  
肉芽を摘ままれた流風は、快楽の絶頂へと誘われた。  
「まだまだ、薬の本当の効き目が分かるのはこれからですよ」  
ジーンは流風の耳元でそう囁いた。  
 
肩で息をする流風の胸元に、ジーンのブロンドの長い髪がかかった。  
まだ硬さを失っていない胸の突起に髪の毛が絡む。  
そのくすぐったいような快感に耐えていると、下腹部でざらざらとした舌が這い始めた。  
ジーンの腕が、力の入らない流風の両足にかかる。  
何の抵抗もなく、足はジーンの前に開かれた。  
胸元でなびいていた髪が下に降りると同時に、舌も茂みを抜け、  
まだひくひくと何かを訴えるような中心部へやってきた。  
足の付け根まで溢れ出した蜜を丁寧に舐め、すくい取る。  
「ぁ・・・ん・・あ」  
その動きにも、流風は甘い反応を見せた。  
やがて、ジーンの舌は割れ目へと侵入し、敏感な肉芽に絡みついた。  
舌は流風の芽を執拗に追い回す。  
転がすようにつつき、潰すように押し、時折甘噛みする。  
「は・・・あぁあ・・ん・・・や・・・ぁ」  
それだけで達しそうになるのを何とか抑える流風。  
しかし、今度は舌が膣内に侵入してきた。  
奥まで突き上げるように差し込み、小刻みに震わせながら出し入れを繰り返す。  
「ああぁ・・・は・・あぁん・・」  
流風の激しい快楽の波が、頂点に達する直前に、ジーンは舌を抜き、体勢を整えた。  
「さぁ、そろそろ実験もクライマックスのようですね」  
 
「い、いやぁぁぁ!!やめて!」  
流風の悲鳴を自分の口で塞ぎながら、ジーンがゆっくりと腰を沈めていく。  
指や舌をすんなりと受け入れたそこは、まだジーンの大きさには対応しきれない。  
流風の荒い息に水音が混じる。  
快感で霞んでいた頭が、痛みで急に冴え渡った。  
「いやぁ!・・・お、お願い・・・やめてぇぇ!!」  
ジーンのものが流風の奥を激しく貫く。  
それまでは乱暴な動きを見せなかったジーンが、流風の中で欲望を剥き出しにした。  
奥へ奥へ、ジーンが食い込んでいく。  
流風の中の痛みも、次第に痺れに似た快感へと変化を遂げる。  
「あ・・・ん・・あっ・・・や・・・」  
ジーンの腰の動きに合わせ、流風が声を上げ始める。  
一度痛みによって引き戻された意識も、また快感の波に飲まれ始める。  
最後に残った意識の中で、愛しい人の顔が見え隠れする。  
「ごめんなさい・・・克行・・・」  
頭の中の恋人が、流風に背を向けて消えた。  
代わりに快楽の絶頂が押し寄せ、流風の中を満たしていく。  
「あ・・・いやぁああああ!!」  
甲高い悲鳴と共に、流風は達した。  
その直後、流風の中にジーンの欲望が放たれた。  
生暖かい感触の中で、流風の意識は闇の中へと堕ちていった。  
激しい動きですこし乱れた金髪をかき上げながら、ジーンが流風の頬に口付ける。  
「ルカ、愛しています」  
ジーンの瞳がいっそう冷たく輝いた。  
 
明日は満月。  
月は流風に、微笑むのだろうか・・・・・・。  
 
 

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