(陵子・・・会いたかった)
誰・・・この男の人。
・・・ポウ?ポウなのね!?元に戻ったのね!
(陵子、ありがとう。お前のおかげだよ)
そんなこと・・・あ・・・。
猫のあなたとは何度もキスしてるのに、やっぱり恥ずかしいわね。
あ、待って・・・。
や・・・あん・・そんなとこ・・・。
(陵子、愛してる)
あ・・ん、あ・・・ぁん・・・。
私、なんかおかしくなりそう・・・。
(陵子、愛してるにゃあ)
え?
(愛してるにゃあ・・・にゃあ・・・にゃあ)
ええ!?
(にゃあ・・・にゃい・・・にょい・・・)
えええ!?
「おい!!!!!!」
「きゃあ!」
頭に直接伝わる大きな声に驚き、陵子は飛び起きた。
傍らにはにくたらしい顔をした白い猫がいる。
「な、何よポウ、いきなり大声出して」
「大声出してたのはお前だろう」
猫がしなやかな動きで、陵子の正面に移動した。
上目づかいで陵子の顔を覗き込む。
「随分いい夢を見てたようじゃないか」
その言葉を聞いて、陵子の顔が一気に赤く染まる。
「ポウ、何で!?どうして夢の中のことなんか・・・」
「ちょっとは感謝しろよな。あのままほっといたら、喘ぎ声が隣に聞こえてたぜ」
「喘ぎ声」という単語に陵子の体が熱くなる。
今になってやっと、自分が見た夢を思い出し、恥ずかしさが込み上げる。
陵子が顔に手を当てて羞恥心に耐えていると、ふと、お腹の辺りに冷気を感じた。
そして次の瞬間、胸の先端をざらりとした感触が襲った。
「ぁあん!」
くすぐったいようなその感触に、思わず声が上がる。
見ると、パジャマの中にポウが侵入している。
「ちょっ、何してんのよ!!」
パジャマの隙間から見えているしっぽがピクリと動く。
「お前、随分溜まってるみたいだからな」
「溜まってるって・・・ちょっ、やめ・・・あん!」
制止の声を、快感が遮った。
ポウの舌がざらざらと乳首にまとわり付く。
全身の力が抜け、陵子はベッドの上に再び倒れこんだ。
「あんまり大声だすなよ」
頭の中に直接声が響く。
しかし、陵子にはうっすらとしか聞こえなかった。
ポウは前足で器用にパジャマをまくり上げ、左右の胸を交互に愛撫する。
体の上を移動するさらさらとした毛の感触だけで、陵子の体は反応をみせた。
ポウの舌が胸の先端を這い回る。
快感を創り出すそこは、痛いくらいに固く尖った。
陵子はさっきまでの夢を思い出していた。
ポウが元に戻ったら、大きな腕で、体で、抱きしめてほしい。
私のもっと奥まで入って、愛して欲しい。
「愛してやるよ、体に戻れたらな」
ポウはそう呟いた後、舌の動きを止め、陵子のパジャマの中から出てきた。
「続きも、体に戻れたらしてやるよ」
「っ、な!!何言ってんのよこのスケベ猫〜!!」
陵子が真っ赤な顔をして、ポウにまくらを投げつける。
ポウはテレポートしてまくらを避けた。
怒りが一回りした陵子は深いため息をつき、自分の下半身の異変に気付いた。
着替えないと気持ち悪くて眠れそうにない。
そう思って立ち上がったとき、服の上からでもハッキリと分かる胸元の突起に気付いた。
無意識に手が、胸へ、そしてズボンの内側へと伸びていった。
ちなみに、陵子が拓を待ちきれずにイってしまったことを、
ポウはお見通しなのであった・・・。