深夜の都内。人気のない公園に逃げ込んだ獲物を追って、昼間の熱を孕んだアスファルトの上を飛ぶように駆ける。  
水銀灯の明かりに照らされた大木の根本にへたりこむ、息も絶え絶えな全裸の娘。  
腕には変わった形の痣。  
同族の証。  
彼女に悟られぬよう、背後に足音一つたてず忍び寄った。  
『グアゥ』  
悲鳴を上げる娘の両肩に前足をかけ、そのまま押し倒す。  
鼻先に彼女の顔があった。  
恐怖に怯える紫の瞳。切羽詰まった息遣い。  
押さえ付けたしなやかな白い身体が小刻みに震えているのが、肉球越しに伝わってきた。  
これからされる事を彼女は充分判り切っている。  
暴れた所で万に一つも勝ち目は無い事も。  
…だから大人しくしてくれ。  
綺麗な輪郭の顎に鼻を寄せ首筋をさらけ出させた。  
彼女が固唾を飲む音が聞こえる。  
そっと綺麗な曲線を描くそこに牙を立てると小さな悲鳴が上げてのけぞった。  
だが、抵抗は無かった。  
前足を肩から離して身体を密着させ、傷付けないように甘噛みしてやる。  
「はぁ…っ…やだ…」  
それだけで鼻にかかった甘い嬌声をあげた。  
…そうだ、それでいい。  
形の良い乳房を舐め上げると彼女は腕を首に回して縋り付いて来た。  
スラリと伸びた脚を、引き締まった腿を腰に絡ませてくる。  
身体が熱い。汗ばむ肌を舌で愛撫する度に、彼女の唇から淫らな喘ぎ声が漏れた。  
「ね、お願い…きて…」  
耐え切れなくなったように物欲しげな、切ない声がそう伝えてきた。  
一度身体を離し、彼女を四つん這いにさせる。うなじに軽く甘噛みすると甘い匂いのする髪が鼻を擽った。  
熱を帯びた肉茎を宛うと、まだ誰にも触れさせたことの無いだろう秘裂が濡れてひくついていた。  
ほっそりした腰を掌で抱え一気に貫く。  
それだけで彼女は達した。  
白濁を搾り取るみたいに中に食い込んだモノをきつく締め付けて来る。  
…だが、叫んだのは違う男の名前。彼女の幼なじみ。  
 
 
そこで目が覚めた。  
自分のマンションのベッドの中で。  
独りで。  
…いつか、この腕に彼女を抱きしめ眠ることが出来るのだろうか。  
願わくば…その時だけでもいい。  
名前を呼んでほしい。  
あの男の事など忘れて。  
 
この命が尽きる前に。  
 
 
 
了  
 

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