最近のカイルってば、おかしいの。
ここに来てもただじっと静かに私を見つめてるだけ。
・・・前は二人っきりになろうもんなら、スグに抱きしめてキスしてきたりしたのに。
何だかさみしいよ。
そんな私の視線に気付いたのかカイルがフッとこちらを見た。
「どうした?ユーリ。」
そう尋ねる仕草すらもカイルは色っぽくて、私は思わずどぎまぎして焦ってしまった。
「な、なんでもないよっ!ちょっと考え事してただけ!」
あー、私ってばほんと何考えてんだろ。カイルは皇帝で忙しいんだし毎晩そんなコトしてらんないってば。
私は自分が考えてた事が恥ずかしくなって、多分真っ赤になってるだろう頬を両手で押さえた。
するとカイルはクスっと笑い、カタンと音を立てて椅子から立ち上がり私の方へと近づいてきた。
そしてあっという間に私の座っている長椅子に辿り着き、隣に腰掛けながら
私の頬に当てた手を自分の手で振りほどき、熱い視線で見つめてきた。
「何を考えていたんだ?」
ばっ・・・・。言えるワケないじゃない。恥ずかしくて私は咄嗟にウソをついた。
「えとー、えとー、・・・アスランとシムシェックはもう寝たのかなーーって。あはは。」
・・・まずい。白々しすぎたかも。明らかにカイルは信じてない様子だった。
「・・・本当にそう考えていたのか?神に誓って。」
う。神に誓ってとまで言われると、そうとは言いづらい。
何とか上手く言い逃れようと考えを巡らせていると、カイルがおもむろに私の胸元に手を入れてきた。
「言わないのなら、言わせるようにするまでだ。」
カイルは私の弱い所を知り尽くしている。わざと私が我慢出来ないようにして翻弄する。
「あっ・・・カイル。」
「白状する気になったか?」
意地悪く微笑みながら言うカイル。思わず言いそうになっちゃうけど、抱いてほしかったなんてやっぱ恥ずかしくって言えないよ。
そんな私に業を煮やしたのか、カイルが更に弱い部分を刺激してきた。
「・・・・んっ・・・はぁっ・・・」
もう何も考えられない。ただただその先が欲しい。
と、突然カイルが手を止めて、悩ましげに私を見て言った。
「さっきお前が考えてた事は聞かなくても判ってる。こうしたかったのだろう?・・・私もだ。
だが次は言ってもらうぞ。神の前で。・・・これからどうしてほしい?」
見抜かれてた―――――。恥ずかしかったけど興奮してる私はそんな事よりもカイルが欲しかった。
これからどうしてほしいか言うのも恥ずかしいけど・・・。
「言ってくれ。ユーリ。」切なそうな表情でカイルが言う。
カイルも私と同じ気持ちなのかもしれない。だったら・・・恥ずかしくても私・・・。
「・・ほ・・・ほし・・・」
恥ずかしさで一杯になりながら、私は思い切って叫んだ。
「ほしゅっ!!・・・・言ったよ?」
「ありがとう。ユーリ。私とお前の願いはきっと神に聞き届けられるだろう。」