久しぶりに流水と一緒に外出できることになり、流風は初めてのデートの時のように胸が高鳴った。
検察庁のお目付け役も一緒だが、克之もいる。
流水が克之と必要以上にくっついていく事には少し胸が痛むが、流風は黙っていた。
流水もずっと克之が好きで、本当なら克之が選んだのも流水だったかもしれないのだ。
結果的に、克之は私を選んでくれ、変わらず愛してくれている。
それはもう疑う余地もないのだから、つまらない嫉妬はよそう。
そう自分に言い聞かせている時、いきなり流水が男の人を平手打ちした。
どうやら痴漢だったらしい。確かに周りに他の男の人はいなかったし、流水がそう言うのなら
そうだったのだろう。「ふん、満月期だったら脳ミソぶっ潰してやるところだ!」
流水が言うと冗談ではないのでゾッとした。「・・・克之、お願い。」こっそりフォローを頼む。
「あ、ああ。流水、大丈夫か?離れないようにしろよ」流水は嬉しそうに頷くと克之の腕に
しがみ付いた。
流風はなんとなく気まずい気持ちで、二人から少し離れて歩いた。
その時。
いきなり背後から手が伸び、流風の顔に布が押し付けられた。「!?」
声が出せない流風は先を行く二人に心の中で助けを求めるが、二人の背中は遠ざかって行く。
流風は口元を抑えられた布の香りで意識が遠のいていった。
・・・克之!流水!待って!助けて!・・・・
「どっちだ?」「ついてるぜ。流風の方だ。お楽しみが増えたぜ。」
ぼんやり男の声が聞こえる。どうやらベッドの上に寝かされているようだ。そしてこの声は・・
「全くお前も言い出したら聞かないからな。イアン。」「日本では男に二言はないとも言うぜ。クリス」
ヨハンセン兄弟だ!油断していた。まさか白昼の人ごみの中から狙われていたとは・・。
今は新月期で能力が失われている。おまけにさっき嗅がされた薬物で体の自由が利かない。
「克之・・助けて・・・!」声もかすれてうまく出せなかった。
「おっと、眠り姫がお目覚めのようだ。クロロフォルムが少なかったらしいな。」
「なぁに。少しくらい抵抗してくれた方が燃えるってもんさ。なあ、流風、楽しませてくれよ。」
額に傷がある。イアンの方だ!「い、嫌っ!離してっ!克之!克之ぃ!!」
イアンは力無く抵抗する流風から乱暴に衣服を剥ぎ取ってゆく。
「お前はどうする?クリス。」流風を裸に剥き、ネクタイで細い腕を縛り上げながらイアンが尋ねる。
「ジーンのファイルにまだ眼を通してない物があるんで、おれはそっちを調べるよ。それ以上顔に傷を増やすなよ、イアン。」
ディスクを振りながらクリスは隣の部屋に姿を消した。
「さて、ではこの間の続きと行くか。流風。あれからトーマには抱いてもらったのか?」
クスクス笑いながら縛り上げた流風の腕を持ち上げ、晒された乳房を揉みしだきながら声をかける。
それには答えず、必死に腕から逃れようと流風はもがいた。「やめて!触らないでっ!嫌っ!嫌っ!」
足をばたつかせて牽制しようとする流風の乳房を、イアンはぎゅっっと掴みあげた。「い、痛っ!・・・」
「どうやらまだトーマはお前を抱いてないようだな。間抜けな奴だ。今頃はお前がいない事に気がついて
焦ってる頃だろうが、もう手遅れだな。くくっ・・」冷酷に笑うと、イアンも自ら服を脱いで流風の体にのしかかった。
愛撫と言うには程遠い乱暴さで、小ぶりだが形の良い流風の乳房を揉みあげる。
「いやぁぁぁっ!やだっ!克之助けてっ!」嫌!嫌!克之じゃなきゃいやだ!
流風は泣きながら叫び続けるが、イアンの手は止まらない。
絞り上げて浮き上がった乳首を咥えると、イアンは前歯で咥えたものを噛んでみせた。
「痛っ!!」痛みで流風の体がこおばる。すかさずイアンは流風の足を開き、
股間に体を移動させた。足を閉じれなくさせると、イアンの指は流風の局部を弄り出す。
「ひ・・っ!」「おとなしくしないと痛い思いしかできないぞ。いいのか?」
流風の花芯は恐怖で固く閉じ、イアンの指を拒んでいた。
不意にその指は流風の股間を離れ、流風の口内に差し込んで、口内を乱暴に弄りだした。
「んぐ・・っ!んっ!」イアンは流風の唾液で指を湿らせると、再び花芯にあてがった。
流風の唾液に濡れた中指を、まだ蜜も出ていない流風の秘所に無理やり挿入する。
「い、痛・・・っ!やだっ・・・!もうやめてっ!」
イアンの指は流風の秘所の肉壁をこじ開けるように、奥へ奥へと刺し貫く。
「痛いっ!痛いってば!お願い!もうやだ・・っ!」悲鳴は懇願に変わってゆく。
それでもイアンの指は流風の秘所に根元まで差し込まれ、流風の肉壁に圧迫されながら
淫らな動きをやめようとしない。
痛みと恐怖ですすり泣く流風の首筋から乳房を味わうように舐め回す。
「・・・ちっ・・・。なかなか濡れてこないな。」イアンはやや苛立って、流風の股を広げると
中指で弄んでいた秘所に顔を埋めて舐め始めた。わざと聞こえる様に淫らな音を立てて舌を動かす。
「!嫌ぁぁぁぁ!っ!あ・・っ!ああ・・っ!」
嫌だ・・・こんなの嫌・・・!お願い、誰か助けて・・・!溢れる涙は止まらず、流風は叫ぶ。
「そんなに騒ぐなよ。お楽しみはこれからなんだぜ。流風」
股間から顔を上げるとイアンは笑いながら流風の股を更に開いた。
唾液に濡れた流風の秘部にイアンの怒張したものが押し当てられる。
「い、嫌・・・。お願い、許して!・・・・ !!きゃぁぁぁっ! 」流風は中心部に激痛が走り、仰け反った。
狭く未開であった流風の花芯を引き裂きながら、イアンの猛る男根が深々と突き刺さされてゆく。
「・・・っ。さすがにきついな。いい感じだぜ。流風。」付け根まで挿入し終わると、イアンは激しく腰を動かし始めた。
流風の大きく見開かれた瞳からとめどなく涙が溢れる。もう悲鳴も声にならなかった。
あまりのショックに、流風は突き上げ続けるイアンに抗う事もやめていた。反動で乳房が上下に揺れ続ける。
ベッドの軋む音だけが静寂を妨げていた。その音がどんどん激しくなり、イアンは唐突に流風の中に欲望を放出した。
内部に熱いものが放たれた瞬間、流風はびくんと背中をそらし、声にならない悲鳴をあげた。
瞳は見開かれているのに、流風は目の前が絶望で真っ暗になっていくのを感じていた。
「・・・ふぅ・・。締まりはいいが、やはりバージンは面倒だな。」イアンはそう言い捨てると、流風から自身を引き抜く。
投げ捨てたシャツから煙草を取り出し、咥えながらゆっくり起き上がった。ライターはどこかとベッドの下を手探る。
丁度火をつけた時、ドアがノックされ、クリスが書類を持って部屋に入ってきた。片割れの情事を気にする様子もない。
「おい、イアン、面白いデータが出てきたぞ。見てみろよ。」「へぇ。ジーンの研究データか?どれどれ」
クリスは咥え煙草のイアンに書類を渡すと、傍らに横たわる流風を見下ろした。シーツには破瓜の証が滲んでいた。
流風の見開かれた目とクリスの目が合う。まだ放心状態の流風を見てクリスは不可思議な微笑を浮かべながら、
素肌にシーツをかけてやった。「終わったらシーツくらいかけてやれよ。薄情な奴だな。イアン」
書類に眼を通していたイアンの目が輝いた。「へぇ。保菌者同士の配合か。なかなか興味深いじゃないか。」
「ジーンは元々一卵性双生児だったはずが何かの変異で1人となって生まれた。
俺たちの故郷カレリアでは一卵性双生児の出生率は80%を超えるし、流水と流風も双生児だ。
ジーンの中で1つに融合された双子の因子が、それぞれ流水と流風を欲したのかもしれない。
今までジーンが女に固執する事はなかったし、ウィルスとは別に双子を愛していたのかも・・。」
クリスは横たわっている流風を見つめながら、ふと悲しそうな表情をした。
「ノズタルジックな想像に浸ってる場合じゃないぜ。例えジーンがこいつ等を愛してたとしても、
ジーンを殺したのはこいつらだ。愛していたのなら尚更ジーンの所に送ってやるべきだろう!」
イアンは声を荒げた。やはり信頼しあう半身動士でも感情の表出は別だった。
「落ち着けよ、イアン。言いたいのはここだ。この記録によると、ジーンは流水の卵子を取り出し
核分裂でいくつかに増殖保存させている。ジーンはまず自分と流水の体外授精を試みた。しかし
受精卵は途中で死滅、つまり成功しないまま、ジーンは命を落とした。」
「こいつらに殺されてな!畜生!」「落ち着けって。イアン。話しはまだ終わっていない。」
クリスは再び流風を見つめた。
「体外授精自体は難しい操作じゃない。しかも実験をしていたのはあの天才、ジーンだ。
失敗したのはどちらかの因子に問題があったか、それもデータが途切れている。
ジーンはこの双子に自分の遺伝子を残したかったのではないだろうか。」
「そうか!俺たちがその実験を成功させれば、ジーンの因子は引き継がれる。つまりジーンを再生できる!」
「・・・クローニングとはまた違うから、完全なオリジナルの再生ではないけどな。
それと当然流風にも、同じ事をしたかったのではないだろうか、と言うのが俺の推論だ。
ウィルス抗原と抗体の持ち主だし。俺達にはジーンほどの才覚はないから成功するかは微妙だが。」
イアンの眼は輝き出した。
「面白いじゃないか!クリス!俺達が力をあわせれば、きっと成功するさ。流風は今手の中だ。
しばらく生かしておいて、卵子をいただこう。よかったな、流風。とりあえず命拾いしたぜ。」
「それと、新しい能力全てを引き継いだ俺達との受精も興味深い研究対象になるだろう。
ジーンが好奇心だけで肉親の俺たちに能力を与えたとは考えにくいからな。」クリスは静かに話す。
「これで俺達には復讐だけではなく、ジーンの遺志を引き継ぐという目的ができたわけだ!」
ヨハンセン兄弟にとって、どれほどジーンが敬愛の象徴だったのか、そして彼らが悪魔の実験を
試みようとしている事が、まだショックで朦朧としている流風には理解できなかった。
・・・克之・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・私・・・。
流水と元に戻れるかもしれない、という期待感で喜びに満たされていた一日は、たった数時間の間で
恐怖と苦痛に満ちた陵辱を受け、流風の心は奈落の底に沈んでいた。
「さぁ、流風。いつまでもめそめそしてるのはよせよ。当分殺すのはやめだ。しばらく協力してくれれば
もっと優しく可愛がってやるぜ。」イアンがシーツ越しに流風の肩に触れると、流風はびくっと体を
固くして、泣きながら叫んだ。
「嫌っ!触らないで!!もう気は済んだはずよ!さっさと殺せばいいじゃない!殺してよ!」
もう生きていたくない!克之と流水の姿が脳裏に浮かんだ。私がいなくなれば克之は流水を愛するかもしれない。
そうすれば流水は昔の流水に戻ってくれるかもしれない。私なんかいなくなったほうがいいんだ!
自暴自棄な考えが流風を支配していた。
「事情が変わったんだよ。お前にはまだ用が残ってる。おとなしくしろ!」押さえつけようとするイアンに
流風は狂ったように暴れて抵抗した。
二人のやり取りを見ていたクリスの片腕が消えると、暴れる流風に歩み寄り、戻った手にある注射器を流風の腕に刺した。
「・・つっ!・・」ちくりと腕に痛みが走ると、流風は急に全身が脱力し、イアンの胸に倒れ掛かった。
「安定剤だよ。イアン。お前はせっかちすぎるのも悪い癖だぞ。」消えゆく意識の中で流風は静かなクリスの声を聞いた。
「う・・・ん・・・。」
・・・ここはどこ・・・?白いシーツの中で流風は目覚めた。ぼんやり眼を開けると、
そこは病院の個室の様だった。「克之・・・どこ?」なんだか体中がだるく、記憶が曖昧だ。
起き上がろうとすると、着ている病衣の袖がめくれ、両腕にいくつかの注射後があるのに気づく。
そうだ!私はヨハンセン兄弟に捕まって・・・あのときの恐怖が蘇り、体が熱くなった。
克之に会いたい。そして思い切り抱きしめられたい。諦め切れない想いに流風は涙を浮かぶ。
嗚咽を忍ぶ様に枕に顔を埋めて泣いた。
「気がついたか。能力を失っていても回復は早いんだな。」いきなり現れた人影に流風は驚愕した。
顔に傷跡がない。クリスチャンの方だ。
「三日ほど眠ってもらっていた。何か欲しい物はないか?」そう言うとベッドサイドに腰掛ける。
流風は身を固くして無言で頭を振った。・・・三日も経っていたの!?きっと克之は心配してる。
ああ、克之・・・あなたの元に帰りたい!でも、もうあわせる顔がない・・・。
「・・・・・ジーンは・・・。」クリスは流風を見つめながらゆっくり話しかけた。
流風はじっと様子を伺いながら、ふとジョンソンが家族の写真を見せたときを思い出した。
「ジーンは俺たちの自慢の従兄だった。いつでも優しく、聡明で穏やかだった。」
・・・そうだ。時として恐ろしかったが、ジョンソンさんはいつも冷静で、少し寂しそうだった。
そして彼を直接殺したのは・・・私なんだ。最後に見せたあの表情はなんだったんだろう・・。
今も流風にはジョンソンの最後の表情が焼きついていた。
「そんなジーンだが、今まで家族以外に興味を持った事は一度もなかった。日本でお前達に逢うまでは。
そしてあの実験と処方箋。ジーンはお前達を本気で愛していたと思う。」
流風はクリスの言葉に困惑した。確かにジョンソンさんは私たちには危害を加えなかった。
でも、私が愛しているのはずっと克之だけだったし、どうする事ができたというの?
「お前はジーンの愛を受け入れなかった。お前はトーマに惹かれていたし、ジーンも無理強いは
しなかっただろう。しかし俺たちは、そんなジーンを手にかけたお前たちが許せない。」
口調は静かだったが、それが更にクリスの怒りを物語っていた。
流風は咄嗟に逃げようとしたが、すぐに腕をつかまれ抱きすくめられた。
「ジーンはお前達のどこに惹かれ愛したんだろうな?」そう言うとクリスは流風の唇を奪った。
流風の唇を開かせ、クリスの舌が口内に侵入してくる。「・・ん・・っ!んん・・っ!」
何か柔らかい球のようなものが、クリスの舌と共に流風の口内で転がされた。
クリスの激しい舌の動きで押し込まれたそれを、流風は飲み込んでしまった。
「飲んだな。」「・・な、何を飲ませたの?」喉を押さえて恐る恐る聞いた。
「これか?」クリスは手の平に小さな真珠のようなものを転がして見せた。
「綺麗だろう?真珠色にコーティングしてある。粘膜で溶けて吸収されるんだ。古代の媚薬を改良したものだ。
本当は経口ではなく、こちらに入れて使うのが正しい使用法だけどな。」
クリスは流風の下腹部を指差した。「い、嫌っ!」イアンの強引な指を思い出し、戦慄する。
「俺はイアンみたいに暴れる女を乱暴に扱う趣味はない。」クリスは興味なさそうに肩をすくめた。
ほっとした瞬間、クリスは冷ややかに見つめながら笑った。
「お前が目覚めるタイミング位、わからないと思ったか?」
「既にお前が起きる前に、もうこれは入れてある。なんだか体がだるく、熱っぽい感じはしないか?」
流風は目覚めたときの体の違和感の正体を知り、これから何が起こるのかという予想に唖然とした。
流風の予想に反し、クリスはすぐに手出ししてこなかった。
ベッドから離れた応接用の椅子に腰掛け、ただ冷ややかな微笑を浮かべて流風を見つめている。
観察。そう、まるで実験動物がどのような反応を示すか観察し、記録している様に落ち着いている。
流風はクリスの視線から身を隠すように、毛布にもぐりこんだ。明かりも消してしまいたかったが、
明かりのスイッチはクリスの座っている背後のドアの横だ。
「で、出て行って!」搾り出すようにクリスに言い放つが、クリスは無言のまま答えない。
毛布を頭までかぶってじっとしていたが、だんだん自分の体に変化が起こるのを流風は感じていた。
体が鉛のように重く、ベッドに沈むような感覚が強まる。毛布に包まった体が熱くなってゆく。
喉が乾いた・・・。熱い・・・・。頭までかぶっている毛布のせいか、なんだか息苦しい。
少しだけ毛布から顔を出そうと動いた瞬間、「・・・あ・・っ!・・・」と声が出てしまった。
素肌に着せられた寝衣で乳首が擦れただけなのに、静電気が起きたような刺激を感じる。
いつの間にか両乳首は固く尖り、ほんの少しの刺激にも敏感になっている。
そして、体の灼熱感は流風の体の中心部から広がり始めていることに気づく。
イアンに犯されるまで不可侵だったその部位は奥の方から火照り、むず痒い感覚が流風を苛み始める。
こ、これが媚薬の効果なの・・・?
じっとしていても内部のむず痒さはどんどん強まり、流風の一番敏感な部位が小さく膨らみ固くなってくる。
頭の芯がくらくらするほど熱くなり、流風の呼吸は早く浅くなってゆく。
クリスに見られたくない。しかし股間はどんどんむずむずと火照り、毛布も寝衣も払いのけたいほど熱くなってゆく。
「・・・・ん・・・・っ・・・・あ・・・っ・・・・」じっとしている事に耐えられず、体をもぞもぞさせる。
・・・熱い・・・うっすらと汗ばんでくる体。まるで自分の体ではないように制御できない火照りに、流風は
自分の手で寝衣の上からそっと自分の胸に手を当てる。「・・・!っ・・」信じられない快感が走った。
慌てて手を離すが、更に呼吸が荒く早くなり苦しそうな息使いが毛布越しから漏れてしまった。
「具合はどうだ?流風。」見通したようにクリスが声をかける。「!・・・・・・・・」
びくっと声に反応するが恥ずかしくて顔を見られない。「そんなに毛布をかぶってたら暑いだろうに。」
枕元でコップに水を注ぐ音がする。「水が飲みたいだろう?汗をかいているぞ。」頬にコップの冷たい感触が当たる。
「み、水・・・。」震える手でコップを受け取ろうとするが、渡す直前でクリスはコップを持ち上げた。
「座って飲めよ。こぼすだろう。」うっすら上気した頬と火照った瞳で流風はクリスを恨めしそうに睨む。
しかし、もう喉の渇きを我慢するのは辛かった。毛布に包まりながらゆっくり体を起こす。
動くだけで、敏感になっている体に刺激が走り、声を押し殺すのに必死だった。コップを受け取ると一気に水を飲み下す。
水を飲む流風の喉の動きがやけに官能的だった。水を飲み干すと、甘い吐息を漏らす。
「そんなに汗ばんで、我慢強いな、流風。普通のデータをかなり更新している。そろそろ限界だろう。」「あっ・・!」
クリスは流風から毛布を奪い取ると床に落とした。「こんなになるまで我慢してたのか。」そういうと寝衣の上からも
わかる突起した両乳首を覗き込んだ。胸を隠そうとする流風の腕を掴んで開き、寝衣の上から片方の乳首を口に含む。
「・・・ああ・・・っ!」寝衣の胸の部分が濡れてしみを作る。濡れて透けてきた寝衣から、固くとがった乳首が
更に刺激を求めるように動いている。流風の理性とは逆に、体は快感を求めていた。
前後2枚をホックで止めただけの寝衣をクリスはゆっくり脱がせながら、流風の汗ばんだ首筋に舌を這わせる。
「・・・ん・・・っ!・・・い、嫌・・・・」拒絶の言葉は甘い喘ぎにしか聞こえなくなっていた。
クリスは流風の寝衣を脱がし終わると、そのまま流風の体の上に覆いかぶさった。
拒絶しようとするが、火照った体はクリスの愛撫に抗えず、反応してしまう。
うっすら汗ばんだ肌がほんのりと明かりに照らされて輝いている。その体を手と口で味わいながら、
クリスは耳元で囁いた。「おまえの体はいい香りがするな。流風・・・。」
流風の顔は更に桃色に上気し、首を左右に振りながら瞳を固く閉じた。触れられるたびに体はのけぞり、反応する。
・・・嫌なのに・・・逃れられない・・・!涙が頬を伝いながら、流風はクリスの動きにあわせて喘ぎ声を放った。
クリスの舌が放つ淫らな水音は、流風のむずむずする股間を更に火照らせ、じわじわと腰の下のシーツにしみを広がらせてゆく。
股をこすり合わせ、切なそうに腰を動かしてしまう自分を、流風はもう止められなかった。
「流風。自分で触ってみろ。こんなに濡れてきているぞ。」クリスが流風の手を濡れた秘所に誘導する。
「い・・・嫌・・・恥ずかしい・・・」流風の手を押さえ、流風の秘所を自ら愛撫させる。
「ここがむず痒くないか?」手を重ねたまま、ゆっくりと蜜壷となった流風の中に指を入れる。
「・・・あああぁぁ・・っ!そ、そんな・・・!」二人の指はぬるりと蜜壷に挿入された。むず痒かった部分を擦られ、
流風は歓声に近い喘ぎをあげる。指の動きにあわせて、火照る部分に触れようと、自らの腰が浮き上がった。
「ついこの前まで処女だったとは思えないほどだな。流風。」「嫌・・・言わないで・・・あぁ・・っ!」
流風の手を離すと、クリスは愛液で濡れた股間に顔をうずめ、指と舌を使って流風を頂点まで導いた。
「あああああ・・・ぁぁぁ・・っ!」流風のからだが痙攣し、しばらくの後蜜壷からどっと愛液があふれ出た。
「すごいな。経口との二重効果と限界まで我慢した結果か・・。まだ新しいデータが取れそうだな。」
流風が達すると、クリスは猛り立った自分自身をゆっくり流風の蜜壷に埋め込んでいった。
弛緩していた蜜壷は、クリスを迎え入れると絡みつくように締まり出す。新たな快感に、流風はまた
喘ぎ始める。つい先日まで固く閉ざされていたそこは、熱い疼きを満たされ、貪欲に奥へと導いてゆく。
クリスはあえてゆっくりと腰を動かし、流風を焦らす様に責立てた。
「あぁ・・っ・・・んっ・・・・」もっと激しく欲しいと言うように、流風の腰が動く。
「・・・どうして欲しい?流風?」「・・・・・!」「このままでいいのか?」「・・・・」
クリスは動きを止めて流風の反応を見る。「・・・い・・・いや・・・・」
「何が嫌なんだ?自分で言ってみろ。言うまでこのままだぞ。」流風は切なそうに首を振ると、自ら腰を動かそうとする。
クリスはそれも制した。「・・・!ああっ・・・」流風は荒い吐息でこちらを見ると消え入りそうな声で言った。
「・・・お願い・・・もっと・・・」「よし。いい子だ。」クリスは笑うと、激しく腰を動かし始めた。
流風は歓声をあげる。いつの間にか両足をクリスの背中に絡めより深くクリスを求めていた。
ベッドが激しく軋み、クリスの息も荒くなる。流風も再び登りつめた。「・・!っ・・」流風が達すると同時に、クリスも流風の中で果てた。
二人の荒い呼吸だけが病室の静寂を妨げていた。
しばらくすると、イアンがふっと室内に現れた。流風とクリスはまだ繋がったままでいるのを見て笑う。
「なんだ、クリス。人に仕事を押し付けおいて、お前も結局流風に手を出したのか。」
流風はイアンの存在に気づかない様子で、夢遊病のように瞳はまだ宙を彷徨っている。
「随分激しかったようだな。あれを使ったのか?」クリスは呼吸を整えながら流風から抜き出た。
白く輝く糸が流風とクリスをしばし繋ぎ、名残惜しそうに滴り落ちる。
「ああ。上下から投与してみたが、かなりの効果が認められたぞ。そっちの守備はどうだ?」
「とりあえず卵子は3個に分裂した。様子を見ながらもう少し増やすつもりだ。」イアンはクリスにグラスを渡すと、
自分も服を脱ぎ始めた。「経口も効果があるなら、男女兼用で使えるな。とりあえず俺も参加させろよ。」
「ああ。流風の方はまだ効果が切れないはずだ。元々お前が先口だからな。流水と揃えるまでゆっくりやろうぜ。」
クリスは流風に口移しで水を飲ませながら、イアンが流風の股を広げ、早速挿入してゆくのを見ていた。
「本当にせっかちな奴だな・・。イアン」再びベッドが軋む始めた。
月齢12。ウィルスが流風に眠っていた能力を覚醒させていた。
・・・だからどうだというの?こんな能力を持っているからって私は無力でしかない。
媚薬を使われた後もヨハンセン兄弟達に幾度となく陵辱され、流風はもはや抵抗する事も諦め、ぼんやりと横たわっていた。
克之を思い出すと胸が締め付けられる痛みに襲われたが、もう、いくら逢いたくてもあわせる顔がない。
愛される資格を失ってしまった・・・。涙は枯れ果て、泣きたくてももう泣けなかった。
「・・・全く、いつまでふてくされてんのよ?甘えてるのもいい加減にしたら?」不意に頭上から懐かしい声が聞こえる。流水が腕組しながら宙に浮かんでいた。
「る、流水・・・?流水なの?どうやってここに?」
「探すのには苦労したわよ。力が戻るのを待ちながら、あいつ等の隙を見張ってたからに決まってるでしょ。
とはいえ忍び込めたのがやっと今だったけど。さあ、さっさと脱出するよ。」
「私を助けに来てくれたの・・?流水?」
「そう思ってもくれていいわ。正直あんたにはずっとここにいて欲しいくらいだけど。 私一人じゃあいつらには勝てない。
克之さんだって狙われてるんだから、さっさとあいつ等を始末しなきゃ。 悔しいけどそれにはあんたの協力が必要なのよ。 わかったらさっさとして!」
「う、うん。」投げられた服を急いで身に着ける。
そうだ。彼らは私達と克之を狙ってたんだ!私ったら自分の事しか考えてなかった!これ以上大事なものを奪われてはいけない!
「やっとのんびりとした頭が働き出したようね。さぁ、まずは脱出するわよ!」
流水に誘導され、壁を幾度かすり抜けると、拍子抜けするほど簡単に建物の外に脱出できた。
「悲劇に打ちひしがれたお姫様が、いきなり逃げ出すとは思わなかったんでしょ。
あいつら、なんだか話しながら二人で研究室に篭って夢中になってたわ。たまにはあんたの軟弱ぶりも役に立ったって訳ね。」
返す言葉もなかった。
「ね、ねぇ流水、それで克之は今どこにいるの?無事なんでしょ?」
流水の瞳に嫉妬の炎が光ったが、次の瞬間それが好奇の光に変わった。
「一緒に来るって聞かなかったので、そこのホテルに待たせてきたわ。 あの様子じゃすぐに飛び出しそうだから、とりあえずお姫様の無事を教えてあげるといいわ。こっちよ。」
「ほら、ここよ。月齢が満ちるまで、せいぜい戦力を高めておくのね。」
「って、待ってよ流水、部屋の鍵は!?」隣の部屋に入ろうとする流水を引き止める。
「・・・あんた、少しは考えなさいよ。いつ従業員があいつ等に操られて合鍵を
使うかわからないのよ。部屋は内側から幾重もロックをかけてある。壁を抜けて出入り
するのが一番安全でしょうが。」
そう言われればそうだ・・。流水は克之を私以上に大事にしてくれてる・・・。私は自分の事でうじうじとしてるだけだったのに・・。
罪悪感を感じながら、流風は意を決して克之のいるという部屋の壁を通り抜けた。
部屋には椅子に縛り付けられた克之がいた。「おーい、流水。参った。降参するからこの縄を・・・流風!?」
「克之・・・!」涙が溢れて止まらない。逢いたかった!思わず駆け寄り抱きつく。
「流風・・・・無事でよかった・・。流水が?」泣きながら頷く。「そうか。・・・ところで流風、この縄を解いてくれないか。」
「え・・・。あ!!ごめんなさい!」慌てて結び目を探し拘束をはずす。
「相変わらずおっちょこちょいなところが抜けないな。」開放された腕を伸ばし、冗談混じりに克之が話しかける。
流風はびくっとして黙り込む。・・・いいえ、克之。私は汚れてしまったの。本当ならあわせる顔もないのよ!
「流風・・?どうしたんだ?何かあったのか?」克之が肩に触れようと近づくと、流風は飛び上がるように後ずさった。
「流風?」
「ご、ごめんなさい。なんでもないの。まだ緊張してるみたい。」
「そうか・・・。そうだよな。ごめん。あの時、俺がもっと注意していれば・・。 流風を見失って、俺は自分がどんなに無力な馬鹿野郎だったか思い知ったよ。
ごめん。ごめんな、流風。無事でいてくれてよかった・・。」
克之の優しさに、流風の感情は堰を切ってあふれ出した。
「克之は何も悪くないわ!いつだって私を大事にしてくれるし、 私のせいで色々な犠牲を払ってくれて・・・!私こそ克之になにもしてあげられない!
何もあげる事ができない!私なんか、私なんか・・・・!」
涙が溢れて止まらなくなった。
「流風!落ち着け!」克之はいつもそうするように流風を抱きしめると、口づけした。
甘く優しく、それでいて力強くいつも流風を包む込んでくれる克之のキス。
ずっとこの腕の中に帰ってきたかった。あの二人にどんなに陵辱されながらも・・・。
突然、流風の脳裏に自分が陵辱されていた光景がフラッシュバックした。
「・・!い、嫌っ!」抱きしめられた腕を振り払うと、自らの方を抱きしめ、
体の震えを止めようとする。
「流風・・?」
「あ〜あ。まるで安っぽい昼メロみたい。いい加減悲劇のヒロイン気取りは
やめたらどう?流風!」
「る、流水!?」隣の壁から流水が半身を通り抜けて二人を見下ろしていた。
「克之さんも克之さんよ。4日の間男に捕まっていた女が、普通何もされてないと思うの?」
「やめて!やめて!流水!言わないで!」耳をふさぎ叫ぶ流風。
「・・・・どういう意味だ。流水。」
「さあね。ずっと一緒に寝起きしていて、手出ししない誰かさんとは違った扱いを
受けてたって事じゃない?普通に考えれば・・・ね。」
そう言い残すと、流水はまた壁を通り抜け、自室に戻っていった。
「待て!流水!」何もなくなった壁は答えない。
克之は流風を振り返った。流風は大きく見開いた瞳から溢れる涙を拭おうともせず、
ただ自らの肩を抱きしめてカタカタと震えていた。
・・・・・畜生!!あいつら!!俺の流風を!!・・・・
克之はぎゅっと握りこぶしを握り、唇を噛み締める。
「ごめんなさい・・・。克之。ごめんなさい・・・。」
震えながら独り言のように繰り返す流風を、克之は背後から優しく抱きしめた。
「謝るな。流風。お前は何も悪くないじゃないか。流風は流風のままだ。
何も変わってない。俺の流風だ。」
流風はかぶりを振りながら克之の腕から逃れようとする。克之は再び流風を失うまいと、
抱きしめる腕を緩めなかった。
「違うわ!私はもう無垢な体じゃない!克之に愛される資格なんかないの!」
泣き叫ぶように絞り出した言葉を、克之は唇を重ねて制する。
逃れようと抵抗する流風の唇を抑え付け、更に強く唇を重ねると、克之は流風の口内に深く舌を差し込み
流風の舌に絡ませる。
頭の芯が熱くなるような口づけに、流風は抵抗をやめ、力を抜いた。
「いいか、流風。俺は流風が処女だから好きになった訳じゃない。前にも言ったろ?
流風が流風だから好きになったんだ。俺は今俺が一番望む事を勝手にしてるだけだ。
なにも犠牲になんかしていない。わかるか?全て俺が自分勝手にしてる事だ。
流風はそんな勝手な奴は嫌か・・・?」
流風はしばらく呆然と聞いたあと、激しく頭を振った。
「嫌なんかじゃない!私が好きなのはずっと克之だけよ!・・でも・・」
「お前が穢されたというなら、俺が洗い流してやる。流風が流風なのは変わらない。」
「克之・・・!」なおも溢れる涙を、克之は唇で吸い取るとそっと流風を抱き上げた。
ゆっくりベッドに流風を横たえ、柔らかな流風の髪に指を絡めながら唇を重ねる。
「怖いか?流風・・・?」「ううん・・・克之なら怖くない・・・。」
口づけを交わしながら克之の手が流風のトレーナーをたくしあげる。
ブラジャーのホックをはずすと、そっと流風の頭を支え、トレーナーを脱がせた。
肩袖ずつトレーナーとブラジャーを腕から抜き取ると、流風の上半身を覆う物は
全て取り除かれる。克之も上着を脱ぎ捨て、素肌と素肌を重ね合わせた。
克之の唇が流風の首筋にそっとあたり、奥から舌を這わせ始めた。
その手は肩からだんだんと両胸のふくらみをゆっくりと揉みほぐす。
時折流風はフラッシュバックで体をこおばらせたが、その度、克之は流風の名を耳元で囁き、
今、流風に触れているのは自分なのだと言う事を流風に伝える。流風の鼓動は高まる。
媚薬で強制的に引き出された快感とは違い、穏やかな甘い疼きが克之の手と舌から導き出される。
「俺が洗い流してやる」そういった言葉の通り、克之の舌は丹念に流風の全身を洗い清め
陵辱された嫌悪感を払拭しようとしていた。
ヨハンセン達に目覚めさせられた体中の性感帯に克之の舌が触れると、思わず甘い吐息が漏れる。
流風はそんな自分の体の反応を呪い、克之への罪悪感で必死に快楽の声をあげまいと口を覆う。
そんな流風の反応を見て克之は口を覆う手に優しく口づけすると囁く。
「流風・・。無理しなくていいんだ。流風が感じてくれるなら俺も嬉しい。我慢する事はない。
俺は流風の全てを知りたいし、流風にも俺を知って欲しい。愛してるよ。流風・・。」
「克之・・・。あ・・っ!・・」流風は小さく喘いだ。「嬉しいよ。流風・・」
再び克之の舌が流風の体を舐め清め始める。
不思議な安堵感に包まれ、だんだんと凍てついた流風の心身はほぐれていった。
流風を凍てつかせた氷は溶け、体の奥底から克之を求めて、流風は切ない喘ぎ声を放つ。
「ああ・・っ・・・克之・・・そ、そこは・・・」
イアンとクリスチャンに何度も挿し貫かれ欲望を注がれた場所に
克之の舌は到達した。
既に男を受け入れる事を覚えてしまったそこはうっすらと花びらを開き、
甘い快楽と共に、愛液を溢れさせている。
「流風・・・。綺麗だ。」克行の指は開きかけた花びらを開き、躊躇することなく
その最奥まで舌を挿入した。力づくで開花された秘所を、隅々まで丁寧に
舌で洗い清める。切ない喘ぎは歓喜に変わり、流風はどんどん登りつめていった。
「ああ・・っ!克之・・・わ、私もう・・・!」流風の反応を察すると、克之は
更に流風の蜜壷と薄紅色の真珠に這わせた舌を激しく動かした。
「あああぁぁぁ・・・っ!」流風は激しく体を仰け反らせ、達した。
柔らかい細波に身を委ねる流風を抱きしめると、克之は流風に口づけをし優しく髪をなで続ける。
流風は克之の香りにもっと包まれようと、克之の首に腕をからませ自らも抱きしめた。
荒い吐息の克之は、少し困った顔をしてためらいがちに囁いた。
「ごめん、流風。お前を探すのに夢中だったから・・・その、用意してないんだ。」
「・・・・?」
「・・・えーと・・・、その、なんだ。・・・まだ子供ができるのは早いだろ。」
普段強引な克之が照れくさそうに言う。「シャワーでも浴びてくるよ。」
起き上がろうとする克之を流風は「待って!」と抱きしめた。
流風の体を気遣う克之の気持ちが痛いほど伝わり、流風は幸福感に満たされた。
ヨハンセン兄弟はお構いなしに流風の中に放ち続けた。流風がどうなろうが興味はなかったのだ。
「待って・・。克之。・・・・私・・・私、克之が欲しい・・・。」
流風はおどおどしながらも、そっとズボンの上から克之の男性自身に手を触れる。
服の上からも克行自身が猛っているのがわかる。
「でも、流風・・お前・・・。」流風ははにかみながらそっと克之に口づけする。
「・・・いいのか・・?流風・・・?」流風はこくんと頷く。
「お願い・・。克之・・・。」我ながら大胆な言葉に顔を真っ赤にしながら流風は克之を誘った。
「流風・・・!」再び克之は激しく流風を抱きしめると、濃厚な口づけを交わした。
流風は瞳を閉じて克之の口づけに身を任せながら、布の擦れる音を聞いていた。
「流風・・。愛している。」克之の体温が、汗のにおいが、流風を再び官能に導き始めた。
ゆっくりと克之の腕が流風の足を広げてゆく。
溢れる愛液を生み出しているそこに、猛り立った克行自身が触れただけで、流風は達してしまいそうな
快感に襲われた。ビクッとした流風を気遣い「大丈夫か?」と克之が問いかける。
流風は何も言わず絡めた腕で克之を抱きしめた。
「・・・ん・・っ・・・!」熱く滾った克之が、ゆっくり流風の中に入ってくる。
流風は全身の細胞を集中させて、克之を受け入れていった。
ゆっくりとした動きに流風の蜜壷に克之は溶け合い、次第に更に溶け合おうとするように
二人の動きは激しくなってゆく。もはや流風は堪えることなく、甘い喘ぎ声をあげ続けた。
克之の汗が流風の体に降りかかる。貫くごとに、克之の呼吸は荒くなる。
体が重なり合い、溶け合うごとに、流風は更なる頂点に向かって登りつめた。
「ああ・・。克之、愛しているわ!」絶頂をむかえて流風は叫ぶ。
克之は流風の中で絡みつかれたまま、ぎゅっと蜜壷に抱きしめられて、今まで堪えてきた激情を
流風の中に解き放った。
「・・う・・っ!」抑えてきた激情を開放した快感で克之は喘ぎ声を発した。
流風は自らの中が克之で溢れてゆく事を感じ、幸福感に満たされた。
陵辱を受けた流風の体は、克行によって 今、再生されたのだ。
・・・克之・・・。これからどんな事が起こっても、私はもう負けないわ。
薄れる意識の中で、流風はかたく決心した。
END お疲れ様でした。