「大丈夫か、お竜」  
 
 対峙していたモンスターを切り伏せると、刀を払ってシレンが満身  
創痍のお竜へ振り向き、気遣う。  
 ここはテーブルマウンテン、そのおよそ二一階にあたる階層。未だ  
かつて他の風来人がたどりついた事のない場所だ。  
 
 後に伝説にもなるシレンは、持ち前の習得能力でこの辺りの強力  
な怪物とも十分に渡り合える戦力を備えていたが、お竜の方はシレン  
の旅仲間となるまでは、せいぜい山霊の洞窟に行けるか行けない  
かという程度の風来人であった。ゆえに満身創痍である。  
 
 ぼろぼろになってしまった衣服をそれでも正すお竜。シレンの強さ  
に関心しつつも、多少の悔しさもまじり、強がりを言う。  
 
「はん、ま、まぁね……ミノタウロスなんて、ちょろいもんよ」  
「ホントかよ。ま、やばくなったら言ってくんな」  
 
(ったく、竹林の村の辺りじゃ私に一撃でやられる弱さだったっての  
に、何なのさ、この進歩の早さは)  
 
 思わず小声でひとりごちるお竜。しかし、  
 
(けど……こいつは、惚れるねぇ)  
 
 既に歩き出したシレンの背中を見つめて、ひとり思う。もともとの気  
性の激しさも手伝って、一度そう思えばとことん想いは燃え上がる。  
 いっそ甘いの言葉のひとつも囁いて誘惑してしまいたい気分に駆  
られたが、こんな場所で無防備なマネをするわけにもいかない。  
 
「おっと、待っとくれ」  
 
 そんな思案にくれるうち、シレンの背中が小さくなってしまう。置い  
ていかれては一大事と早足にその背中へとおいすがった。  
 
 
 
 その後、さらに上へと登りつめる階段を発見した二人はいよいよ  
正念場と気を引き締めるが、階段を登り終えるところ見えたものは  
怪物のうごめく魔窟ではなく、水の流れる音だけが聞こえる岩壁に  
囲まれた水脈へと張り付いた人里であった。  
 
「まさか、こんな所にまで人がいるなんてねぇ……」  
 
 目を丸くして言うお竜。さすがのシレンもこれには驚きを隠せない  
ようで、道具袋の中にいたコッパとなにかやりとりを交わしていた。  
 
「宿屋もあるみたいだね、今日はここで休んでいこうよ」  
「そうだな」  
 
 予想外の休息に喜ぶ一行。しかし、陽の光も当らず常に暗さを伴  
うテーブルマウンテン内では昼夜の感覚は麻痺し、これまでの戦闘  
での疲れも手伝い、食事を取るとすぐに床の間へと潜り込んでしま  
った。  
 シレンとコッパはすぐに寝息をたてはじめたが、ひとりお竜だけは  
勝手が違っていた。  
 
(っふふ、リーバ様も粋な計らいをしてくれるね。ありがたく利用させ  
てもらうわ)  
 
 先ほどのシレンの姿が目に焼きついているせいか、はたまた命の  
やりとりをしていたせいで、本能的に交わりを望むのか、この日のお  
竜はいつにも増して欲情に駆られていた。  
 障子一枚で遮られている床の間を、他の者に気づかれないよう音  
もなく移動するお竜。目標はもちろんシレンの眠る布団。  
 
 ゆっくりと潜り込むと、側で眠るコッパを起こさないようにお竜は囁く。  
 
「シ・レ・ン、ねぇ起きなよシレン……」  
 
 んん、とむずがるシレンの耳元に息を吹きかけるお竜。そのくすぐっ  
たさに思わずシレンは目を覚ます。  
 
「……う。あ? あ、お竜っ」  
 
 おぼろげな視界に、お竜の美しい顔が飛び込んでくる。その瞳は  
潤み、わずかに紅潮した頬がその美しさに妖しげな色香を加えている。  
 飲み込まれてしまいそうな淫靡さに、シレンはおもわず悲鳴に近  
い声をあげてしまう。咄嗟、その口を細い指で塞ぐお竜。  
 
「シッ。コッパが起きちまうだろ。ねぇシレン、私今日はもうたまんな  
いよ……」  
「たまんないって、お竜、お前」  
「嫌かい?」  
「そ、そんなこた無ぇが……」  
「ならいいだろ。ほぅら、脱がしてあ・げ・る」  
「お、おいっ」  
 
 そういい布団を剥ぐと、あっという間にシレンの寝巻きを剥ぎ取っ  
てしまうお竜。すれば腰に締めた六尺褌越しに、痛々しいほどに  
一物が直立しているのが見て取れた。  
 
(あら、大きい)  
 
 お竜はしどろもどろになるシレンに可笑しさを感じ、思わず卑下た  
笑みをうかべながら布越しに竿をゆっくりと擦り始める。  
 シレンは弱弱しい吐息をはきながらも、お竜の大胆な指使いに刺  
激され、さらにその一物を大きくさせていく。  
 お竜はまた、玉の方も揉んだり軽くはじいたりしながらシレンの一  
物を愛撫していると、その内、布の天辺が黒く濡れ始める。  
 
「いやらしく滲ませちゃって、まぁ……ふふふ」  
 
 そう言いながら、褌の紐を緩めるお竜。手早く剥ぎ取ってしまうと  
ビンとそそり立った一物が姿を現した。醜悪なそれは亀頭の先から  
は先走り汁を滲ませ、シレンが苦しげな息をするたび、脈を打つよう  
に動く。  
 お竜は顔を一物に接近させると、艶かしい吐息を何度も吐きかけ  
雁を刺激するように扱きつつシレンを拷問する。  
 
「ねぇシレン……イキたい?」  
「うぅ」  
「どうなのよ。答えられないなら、ここまでね」  
「た、頼む……イかせてくれっ」  
「ふふ……ああいいよ、思いっきり……出して」  
 
 そう言うと、口をすぼめて一気にシレンの一物を飲み込むお竜。深  
く吸引を繰り返しながら、たまに舌でねっとりと、いやらしく亀頭を舐  
め回す。  
 既にさきほどからの愛撫で射精感がこみ上げてきていたシレンは  
この口技に簡単に昇天させられてしまった。一瞬、玉が収縮すると  
溜まりに溜まった濃い精液を、お竜の口の中に次々と流し込んで行く。  
 
 お竜も一滴も零すまいと一物に口をみっちりと張り付けて、生暖か  
い液を喉を鳴らしながら飲み込んでいった。  
 やがて、ずいぶんと長い射精が終わるとゆっくりと口を一物から引  
き抜く。唇で舐め取りきれなかった分が、糸を引いて垂れ落ちた。  
 
「あ、ああ……お、お竜」  
「っふふ……随分と溜まってたのねぇ。こんなに出しちゃって……」  
 
 未だ恍惚の表情を浮かべて満足な返事もできないシレンを、いや  
らしさの張り付いた笑顔で見つめるお竜。すぅっと立ち上がると、呆  
けるシレンの目の前で、今度は自らの寝巻きを、わざと見せ付ける  
ようにして、ゆっくりと剥いでいく。  
 
 その光景に、放出した事で一時的に萎えたシレンの一物が、再び  
むくむくと天を突き始める。  
 それに嬉しそうにしたお竜は、今度はゆっくりと再びシレンの元へ  
と伏せていくと、さらなる誘惑の言葉を耳元に囁く。  
 
「ああ……すっかり濡れちゃった。さぁシレン、今度は……」  
「ま、待ってくれ」  
「なにさ、一人だけイって終わりなんてナシよ」  
「いやそうじゃない……う、後ろから、やらせてくれないか」  
「あぁら、ふふふ。シレンも好きねぇ」  
 
 シレンのマニアックな一面を垣間見たお竜は、にやりと笑うと、し  
かし従順に言われた通り、尻をシレンに向けて突き出した。安産型  
の魅力的な尻の下、濡れそぼった女の秘部が男を今か今かと待ち  
受けている。  
 あまりのいやらしさに、ごくりと生唾を飲み込むシレン。もう我慢で  
きないといった風情に、息遣いも荒く柔らかい桃肉を両の手で掴む。  
むっちりとした感触が手の平に伝わり、なおシレンは欲情する。  
 
「じゃあ……いれるぜ」  
「おいで、シレン……」  
「っ……うっ」  
「あ……あぁぁっ!」  
 
 十分に濡れたそこは、いきり立ったシレンの一物も柔軟ににゅるん  
と受け入れる。中のヒダが男のモノを少しでも早く昇天させようと、動  
くたびに強烈な刺激を与え続ける。  
 
 興奮の最中のシレンは、一物を出し入れしながらも、加えてお竜の  
重力に引かれてぶるんぶるんと揺れる、豊満な乳房を揉みしだきな  
がら、己が性欲を満たしていく。  
 お竜もまた、それに応えるべく、もっと、とシレンを求める。  
 
 ぬちゃぬちゃと性器が結合する湿った音と共に、肉と肉のぶつかり  
合う、淫らで激しい破裂音、そして二人の荒い息が外の水の流れる  
音と混じりながら、協奏曲となる。  
 
 シレンとお竜、二人のうら若き男女が織り成す淫らな協奏曲は、緩急  
を伴いながら、時として火の様な愛欲の言葉を交えつつ、終演に向け  
て演奏を続ける。  
 そして、いよいよの時が訪れると、濃密な肉の交わりから緩やかさ  
が消え去り、乱暴なまでの荒い息づかいと喘ぎ声のそれに変じた。  
 
「お竜っ、はぁっ、俺はもうっ」  
「ああっ! いいよっいいわシレン! 全部っ受け止めてあげるっ」  
「うおぉっ」  
「あ、いッ……いぎぃぃっ……!!」  
 
 そして終演、お互いに天へと駆け登りつつ、結合された一物から  
は再び欲望の白い液が、今度は女の中へとたっぷり放出されていく。  
 雄と雌の本能を最大限に感じながら、二人はしばし痙攣を伴った  
硬直の後、余韻とともに弛緩して床の間へと臥せる。  
 
「はあ、はあ……お竜、最高だ……」  
「んん、シレン、私もよ」  
 
 しばし、シレンが上から被さる形で重なり合ったまま、愛の言葉を  
睦ませながら時を過ごす。  
 やがて息を整えると、ゆっくりと体を、しかし名残惜しげに引き離す  
と、互いに生まれたままの格好で向き合う。なぜか、二人してくすくす  
と笑ってしまう。  
 
「ありがとシレン。久々に燃えちゃったわ……あんたは、満足、できた?」  
「ああ……いや、お竜、もう少し」  
「あぁら。初めてでもないのに、がっついちゃってまあ……」  
「お、お竜っ」  
「ああん」  
 
 激しく交わったにも関わらず、未だ精力の衰えない様子のシレン。  
がばっとお竜を組み伏せると接吻をねだる。  
 シレンの若い性欲に呆れながらも、深い興奮を覚えるお竜は彼の  
唇を受け入れる。  
 二人はまるでお互いを貪るかのように、舌をも交えて濃密な口付け  
を交わしながら、この地下水脈の中の永遠の夜を、淫らで激しい、天  
に昇る様な快楽の支配する夜を過ごしていったのだった。  
 
 
 
 
(ちぇっ。こんだけ騒いで、おいらが起きないとでも思ってるのかよ)  
 
 そして、喘ぐシレンとお竜をよそに、ひっそりと毒づくコッパ。翌日か  
ら、コッパのからかいの元となったのは書くまでもない。  
 

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