この前食神のほこらに行ってきた。八柱神の一人、ブフーが奉られてた所だ。  
そこでまあ99Fまで行ったわけですよ。そしたらなんかブフー本人が出てきてね、  
逆ブフーの杖ってのをくれたんだよ。なんでも普通のブフーの杖は当てた相手を肉にしちまうけど、  
この杖は当てた相手を人間に変えちまうらしい。それと強化の壺では回数は増やせないって話だ。  
そしてこの杖の回数は【0】。つまり一発投げて当てたらおしまいって事だ。  
うーん、人に変えるって事は当然モンスターに当てるわけだよな。  
ノロージョとかじゃ人に近いからあんまり変わり映えしないだろうし、  
かといってミドロとかに当てたらとんでもないのが出来そうだし。  
そうだな・・・あっ、ボーグマムルに当ててみるか!  
結構可愛いのになりそうだし、いざとなったらそのまま一緒に旅に出ればいいさ。  
よーし・・・ていっ!  
「コレハ・・・チガー・・・う?」煙がボーグマムルを包み込む。  
さーて、どんなのになんのかなーっと。  
 
煙が晴れたところには、銀髪の女性がへたり込んでいた。なぜか服は着ている。  
「シレンさん、これは・・・?」俺は事の経緯を説明した。  
「なるほど、それで私が人間の女性でいると言う事ですね」おお、片言じゃなくなってる。  
ふーむ、結構可愛いな。胸も割とあるみたいだし。しかし服は一体どこから出てきたんだ。  
「シレンさん、この体になって気づいた事があるのですが」  
ん、なんだ?  
「私のレベルは99でしたが、その杖の影響かどうやらあと一つレベルが上がりそうなのです」  
へー、レベル100までいくってのか。まるでポ○モンだな。で、何が必要なんだ?  
「それは、シレンさんの体液です」  
へ、俺の、体液??? なんだなんだ、血か。俺の血がほしいのか。  
「いえ、シレンさんの体を傷つける必要はありません。唾液か何かでいいと思います」  
唾液・・・か。つまり、俺にキスをして欲しいと。しかもディープな奴を。  
「シレンさんがお嫌であれば、構いませんが・・・」  
いやいや、こんな可愛い子とキスできるなんて願ったり叶ったりよ。  
 
それじゃ、やるぞ。  
「はい・・・はふっ」  
俺も一応健全な青年だ。流石にディープなキスをする時に平静じゃあいられない。  
とりあえず口の中で分泌される液体全部、マム子(仮)に流し込んだあとは  
いつの間にやらマム子を押し倒すような体制で口の中を舐っていた。  
軽い酸欠か顔が赤い。おまけに目ぇつぶってる。やっべ、マジ可愛いなこいつ。  
そうしてる内にマム子も俺も唾液を全部飲み込んだみたいだ。  
「んっ・・・はぁっ、ありがとうございます、シレンさん」  
いやいや、いいってことよ。それで、レ、レベルは、レベルは上がったの?  
「それが、もう少し濃度の高いものが必要なようです」  
おいおい、何でそんな曖昧なんだ。マムルのときは装備の印まで指定してきたのに。  
「すみません。まだあまりこの体に慣れていないものですから・・・」  
それもそうか。まあこっちが勝手に杖投げたんだしな。文句いうのもかわいそうだ。  
マム子と横になって考える。さーて、もう少し濃度が高いものと言うと・・・  
やっぱり血と、もう一つは・・・しかしこれは・・・  
 
うーん・・・さすがにこれはまずいよなあ。そりゃ俺にだって人並みの性欲はあるけど、  
レベルアップのためにってのを盾にそういうことをするのは・・・なんか卑怯っぽい。  
血でもいいか。俺がちょっと痛いだけだし。よし、なんか刃物を・・・  
 
ぎう  
 
( ゚д゚)・・・  
(;゚Д゚)!!  
えーと、俺、今、くっつかれてる?  
「シレンさん・・・今考えてる事、大体わかります」  
んじゃあ、えと、この、丸くてふにふにした球体は、もしかしなくてもオパーイ?  
これが噂の当ててんのよって奴か。お父さんはそんな子に育てた覚えはありませんよ。  
「私のレベルアップのために、その、そういうことをするのは・・・ってことでしょう」  
何で俺の考えてる事わかるんだ。  
「ずっとシレンさんのこと見てたんですから。シレンさん、真面目な人だから・・・」  
そうか、人から見れば俺って真面目なのか・・・そうなのか?  
 
(この間に山頂の宿でのあれがあったと思って頂きたい)  
 
ねえ、なにこの状況ふざけてるの?ここはいつのまに愛のすくつ(なぜかry)になったの?  
二人の間に静寂が訪れる。それも微妙に気まずいようなピンク色なような。  
今俺とマムコは同じ向きで横になっている。つまり俺は背を向けて寝ている。  
正直やばい。股間のアビスドラゴンが火炎入道99してる。どう見ても勃起です本当に(ry  
だが奴には見えないはず。今ならどうにか言いくるめればこの場を逃れれるはずだ。  
一応いっておくが、別に嫌なわけじゃない。むしろ滅茶苦茶にしてやりたいと思ってる。  
でも人間としてのモラルは留めておきたいわけよ。それに風来人が冷静さを失う事は死を意味する。  
そうだ、うろたえるんじゃあないッ!風来人はうろたえないッ!  
「シレンさん・・・」  
アッー!こいついきなり喋ったと思ったら何でこんなに体密着させんだよおおおお!!  
犯されたいんか?お前犯されたいんか?  
 
どっ、どうする?どうすればいい?  
1、ハンサムなシレンは突如一発逆転のアイディアをひらめく。  
2、コッパが道具袋から泥棒した時の店長のように飛び出してくる。  
3、場の空気に流される。現実は非情である。  
 
俺が○を付けたいのは2だが期待は出来ない・・・  
どうせなんやかやいわれるのが落ちだろうと思ったから事前に金縛りを振って置いた・・・  
多分俺が引っ張りだすまで起きないだろう。戻れるなら一時間前に戻って俺を殴り殺したい。  
「シレンさん、私じゃお嫌なんですか?」  
・・・ったく、何でこいつはこうストレートにエロい事を告白できるかなあ。  
「そんなわけないだろ」  
背中にちょっとびくっとしたような感じが伝わる。そういやあんまり喋ってなかったなあ。  
「俺は、お前も言ったように、理由があるからとかその場の勢いでとか、そういうのが嫌なんだ」  
「シレンさんって、今時珍しい性格してますね・・・風来人じゃ考えられないです」  
知らんがな。俺は俺だ。  
「・・・お前がいいなら、いいんだけど。本当にいいのか?」  
「・・・はい」  
ちょっと震えてるような感じが、した。  
 
「マム子・・・」  
俺がマム子にキスをしようとした、次の瞬間。  
「し〜〜〜れ〜〜〜ん〜〜〜・・・」  
「「!?」」  
二人して同時にびくっとする。何だ?道具袋のほうから聞こえてきたが・・・  
「おいシレン!オイラを金縛りにしてかわい子ちゃんとよろしくやるってのはどういう了見だ!」  
なんと、そこにコッパがいる。何でだ?俺もマム子も袋には近づきもしてないはずだが・・・  
「コッパ、お前なんで・・・金縛りは?」  
「シレン、お前金縛りになったことあるよな?」  
なんだいきなり・・・ああ、そりゃあるよ。もしなった事無い風来人がいるってんなら会ってみたいぜ。  
「その時、自分の体はどういう状況だ?」  
えーと、自分の体は動かない、でも周りの様子は見えるし聞ける。それが?  
「金縛りは自分の体に何か異変が起こったら解ける、そうだな?」  
そうだよ。何が言いたいんだ?はっ、もしやお前・・・!  
「そうだ、お前らの会話を聞いてこれからする事を想像してだな、不覚にも 勃 起 してしまったんだよ!!」  
「な、なんだってーーーーーーーーーーーー!!」  
 
お前人間の交尾想像して欲情するのかとか色々突っ込みたい事はあるがとりあえずそれはおいておこう。  
てゆーかそれってもしかしたら冒険の役に立つんじゃないか?覚えとくか。  
「で、その不覚にも勃っちゃったコッパが何をしに出てきたんだ?」  
「うるせーよ、どうせするんならもっと面白くしてやろうと思ってだな。シレン、もうちっと近寄ってくれ。」  
どう考えてもマム子が一人置いてきぼりにされてる気がする。まあいいか。  
「いいか、まずこれをな・・・そしたらお前は・・・」  
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」  
「おわっ!!いきなり大声出すなよ!」  
「うわーすごい!なんじゃそりゃお前この外道が!ヴォースゲー!生粋だなこの変態が!氏ね!」  
・・・俺って興奮するとこんな風になるんだなあ。そしてなんでこんな状況で冷静に自己分析してるんだろう。  
「・・・まあそういうことだ。ただ、やる前にちゃんと相手に伝えるんだぞ?」  
「うん、分かったよ母さん!それじゃ俺いってくるよ!」  
ハイテンションに過ぎる。俺の精神はどうなってしまうのか。  
 
猛スピードで部屋の隅から隅(約10b)を駆け抜けマム子の肩をがっしと掴む。  
「マム子!」  
「はっ、はいっ!?」  
「いいか、俺のいう事をよく聞くんだ。そしてそれに従ってほしい。」  
「は、はあ・・・」  
「俺が今からする事はちょっぴりアブノーマルな事かもしれない。つまり、お前にとっては少しばかりきついかもしれない。」  
「え、一体なn「でもお前は強い子だからきっと大丈夫だと思うんだ。」  
「あの、ちょt「そして俺を信じて全てを任せて欲しい。」  
「・・・ハア、よくわかりませんけど、お任せします。」  
あら、あっさり。  
「いいのかい?俺は初めてでも平気でガンガンいっちまうような男なんだぜ?」  
「いいんです、私、シレンさんみたいな人好きですから・・・」  
「嬉しい事言ってくれるじゃないの。それじゃあ、やりますか。」  
また部屋の隅まで歩き、道具袋からあるアイテムを取り出す。そしてコッパとアイコンタクトを取る。  
―――行ってくるぜ、相棒  
―――ああ、やり過ぎるなよ  
目と目で漢の約束を交わした。そして俺は意を決して、アイテムを強く握り締めた。  
 

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