「んっ、んっ、ん……」
ふさがれている口から出せない声を、鼻にかかった音で、彼女は発する。
洞穴の中にともるわずかな明かりが、彼女の淫行を照らし出していた。
眼光は失われ、正常な感情を阻害されて、彼女は人形のような反射で口淫を続けている。
それでも、誰もが刺激されるであろう秘所の締めつけと、無意識の夢の中で遊ぶ舌の動きだけで、
二匹の獣人はその動きを速めていった。
「んぅ……んっ、ん……」
一度、口での奉仕を強要しているほうが、より心地よい部分をみつけて彼女の顔を傾けた。
放り出された子袋から、目潰し草の花が目に映り、彼女は一瞬だけ自我を取り戻して、うめく。
しかし、すぐに数本の触手が口に咥えていたものから解放させ、触手の主に彼女の瞳を向けさせた。
その相手――スーパーゲイズの目が不気味に光り、女はふたたび太いものを咥えさせられた。
「ちゅ、んくっ、んっ、んっ……」
ゲイズがだらしなく放り出されていたお竜の細腕に触手を巻きつけると、彼女の胸の前で腕を交差させる。
そして、手首から肘のあたりまで幾重にも戒めをほどこし、背中ともども縛り上げた。
そうして彼女は、また新たな役目をつきつけられる。
「んっ、ふ……んううっ!?」
わずかにお竜の背筋が反応し、意識の奥底のみで動揺する。
両方の口に入れている雄が征服欲を満たし、太さを増したのだ。
そして、太い腕が彼女の腰と頭とを抱えると、一切の動きを止めた。
「ん、んくっ……んっ……んっ……」
股間にうずめられた彼女から、わずかに何かを飲み込む音だけが聞こえる。
かすかに目をひらいてはいるものの、相変わらずそれは彼女の抵抗を完全に封じているものの仕業であった。
光の届かない瞳が、ただ自分と相手とのつなぎ目を映している。
――そのままの体勢が、一分ほど続いたのかもしれない。
ようやく始めと同じような体勢に戻されて、お竜はこぷり、と口からそこに溜まっていた分だけの白濁をこぼした。
「う……あぁ……」
わずかに息を荒げ、彼女は先ほどまでは暗かった眼光を取り戻した。
そうだ、と彼女はわずかに思考をよみがえらせる。
自分は仲間にはぐれていまったのだと。そしてモンスターに敗れたのだと。
状況を理解したところで、しかし、それは何の助けにもなろうとしなかった。
「ん……はぁ、あ……」
力関係を思い知らせるように、自分の正面にいるミノタウロスがゆっくりとそれを引き抜いた。
わずかに艶のかかった声が出て、お竜はその目を色づかせた。
下のほうは全ての体液を注がれていたが、もはや排出する時間さえ与えられないまま、次の剛直が栓をした。
「やめ……ぁあ……」
強烈な挿入感に、彼女は思わず背筋を反らせた。
精神は嫌悪が支配してはいたが、わずかに勝った快感の分だけ、胸を突き出して応える。
腹の上で縛り上げられたまま交差した両腕が、二の腕で胸を挟み込み、その谷間をいっそう際立たせた。
「うぅん……はぁぁ……」
粘ついた音を立てながら、内部を嘗め尽くすように抽送がおこなわれる。
最奥まで貫いたかと思うと、また入口まで引き抜かれる。
口腔から筋を残したのと同じように、女陰からも白液が溢れ出し、白い尻を伝った。
「あ……あ……」
うわごとのように微かな喘ぎを繰り返すお竜の目は、かの女傑だとは思えないほどにとろんと力を無くし、
中空をさまよっていた。
何かを考えようとしても、意識は自分の肉体の火照りと、上下に出された体液に向かってしまう。
彼女自身も、出された体液がただの欲望の証だとは思っていなかった。
獣人が女を襲う――それはとりもなおさず、手篭めにする力があるということだ。
強い男ほど慎重で、弱い男ほど無粋に言い寄る。
いつだったか、ふもとの村で出会ったひとりの男の姿が、一瞬だけ頭に浮かび、また意識から消えていった。
「むぐ……んっ、んっ……」
自分の自由を奪っているゲイズが、一本の触手を口にねじこむ。
意思を奪わない代わりに、雄を愉しませることを課した。
ただ、こうして自由を奪われたままで犯されることに、彼女はかすかな陶酔を感じていた。
「あん……はああん……」
いろめかしい喘ぎが、こぼれはじめていた。
ゲイズの触手から吹き上げた体液を飲み込まされてから、それはいっそう明瞭になった。
自分の肉体とは相容れないものを注ぎ込まれた結果、身体が熱を発し、頭が働かなくなってくる。
まるで酒に弱い女に、幾合もの焼酎をあおらせたようだった。
「やっ……ああんっ……」
律動により与えられた快楽も、三人分の熱い液も、分解できずに体内に蓄積してゆく。
触手も相変わらず腕を拘束し、身体を縛りつけながらも、さらに彼女の肌を蹂躙し始めた。
豊かな乳房の合間に、擦り付けるように往復する。
勃ち上がった乳首をこねまわし、あるいは柔肌にうずまる。
女のもっとも敏感な突起を刺激しているものもあり、目の前の女を追い詰めて楽しんでいるかのようだった。
そして、彼女も遂に追い落とされようとしていた。
「あっ……、も、もう……!あっ、あっ……ぁあああっ……!」
前後運動を繰り返した肉棒が力強く打ち付けられ、お竜はその黒髪を振り乱した。
快感に口元にはたしかな笑みを浮かべながら、自分の中で相手が果てたことを感じる。
そして、ミノタウロスとの結合部からは、新たな白濁が零れ落ちた。
「はあ、はあ……」
息を整えるお竜の腕が、ようやく解放された。
さきほどまで谷間で扱き上げていた触手は、精をまき散らして主のもとへ戻っていく。
だが、汚れの残ったその触手を彼女はつかむと、自ら口元へ導き、舐め上げた。
「ん、ちゅ……ん……」
舌を伸ばし、腹でひきずるように清めていく。
開いた脚の間からミノタウロスが出て行き、局部が露出していることにも、彼女は恥らおうとはしなかった。
「ねえ……、もう終わりなの……?」
そう上目遣いでゲイズに訊くお竜の瞳には、ふたたび催眠の印が現れていた。
「ふふ……いいこと、してあげる……」
獲物をみつけたように妖しく微笑み、お竜は手近な触手を……両手に握り締めた。
そしておもむろに片方を局部へと導くと、ためらいもせずに自ら抜き差しを始めた。
もう片方は、しゃぶりあげながら手で刺激する。
「くちゅ……くちゅ、ん……」
異形のものを前にして、自らを慰めながらも相手の性感を高めてゆく動きは、あまりにも的確だった。
特に、上の口のほうは、筋の部分を重点的に責めあげ、無意識に分泌される涎をからめて幾度も繰り返す。
癖になるほどに濃厚なものを、貪欲に搾り出すための奉仕。
しかし、人外の体液による媚薬ともいえる効能もあったが、彼女にしてみれば、弱々しい雄を責め立てる行為といえた。
雄を追い詰め、精を搾り出す。輪姦されているということも理解はしていたが、彼女の気質がそれに溺れることを許した。
「んっ、んっ、んんっ……!」
ゲイズが鈴口から精液を吹き上げ、脈動する。
ミノタウロスよりは少ないものの、その量は決して少なくない。
それでも、美味なものをこくこくと飲み下し、彼女はまた身体を熱くした。
そして当のゲイズは、彼女が体液を吐き出した次の瞬間――横たわる女体に向けて無数の触手を差し向けた。
「んっ!?むぐううっ……!」
理性が危機を煽り、催眠と本能との間でさまよっていた彼女の瞳に、生気を戻らせた。
その目に壮絶な光景を映し、反射的に体中へ警告を発する。
瞬間的にこわばった両の脚に触手の幹が巻きつき、大きく開かせ、先頭はそのまま陰部へ突入する。
腕も同じような様子だったが、触手の頭頂部が手に触れると、彼女は率先してそれをこねまわした。
胸にはすでに何本もがうごめき、感触を堪能している。
「あはぁ……あぁ、気持ち良い……」
揉みほぐされ、うずめられ、擦られる。甘美な愛撫を、彼女は積極的に受け入れた。
痴態を目の当たりにしたグレートチキンが、股間を膨らませて近寄る。
お竜が目を細め、自ら伸びやかな脚を無防備にした。
「ふふ……ねえ、ここに頂戴……あなたも、したいんでしょ……?」
愛撫に反応して跳ねる腰が、唯一まだ空いている箇所を露わにした。
「ねえ……早く、挿れて……」
陰核と前は犯されていたが、肉付きの良い白肌の奥に、羞恥を誘う部位が残されていた。
期待に応えてグレートチキンが尻を持ち上げても、羞恥心は無い。
むしろ激しく責められている膣から愛液を潤わせ、誘惑している。
新たな雄は、お竜が欲求するままに狭いところを押し広げた。
「くぅん……あっ、あぁ!いいぃぃ……!」
苦痛は無かった。ただ望んでいたものを打ち込まれ、蹂躙される。
快感のあまりに全身を弓なりに反らし、引き攣らせた。
胸のふくらみは必然的に高く突き上げられ、強調される。
そうして改めて、そこにも触手がうごめいていることに気づき、彼女は悶えた。
「あ……あぁ……」
目を目いっぱいに見開き、硬直する。
余韻に浸るというよりも、あまりの衝撃に何もできなくなっていた。
ただ、それでも膣内で熱い射精を受けると自分の役目を思い出し、ふたたび務めを開始する。
胸元で堪えきれずに限界を迎えたものが、全身にかけていった。
それをすくいとると、手で扱いているものに塗りたくり、潤滑液とする。
「ああん、ああっ、もっと、もっと……!」
グレートチキンの行為が佳境に迫ってきていた。
お竜もそれを感じ取り、その脚を自分の尻を苛める腰に絡みつけた。
もっと深く貫いてほしい――その一心のまま。
「ひゃあんっ、ああっ、ああんっ……ぁあああ!」
雪色の肌に、大量のものを浴びせかけられる。
体内の深部にも、これまでで最も多い射精を受け、お竜はたまらず絶頂に昇りつめた。
「はぁ……あぁん……」
ねっとりと粘液のからみついた四肢をくねらせ、喘ぎをこぼす。
その疼きを癒すように内股をすり合わせ、手を差し伸べては、胸の切なさを解消すべく、自分の乳房を抱きしめる。
くちゅくちゅと淫猥な音を立て、それぞれの動作を行うたびに、粘ついた糸を引く。
頬を赤らめながら恍惚と自分の痴態を見つめるお竜に、先ほどのグレートチキンが太腿に手をやった。
「ああぁん……また、出したいの……?」
彼女の視線が、衰えない巨根へ向かった時には、それは胎内へとうずめられていた。
そして粘性の高い液をぐちゃぐちゃとかき混ぜながら、その太さをさらに増してゆく。
「あっ、あっ、んっ、あんっ……」
彼女もまた、いっこうに媚薬の効果は減じていなかった。
積極的に性交を求め、腰を動かす様は、さながら彼女が誘導しているかのようだった。
グレートチキンが華奢な身体に覆いかぶさり、二人は互いに抱き合う。
強靭な胸板にふさわしい豊かな胸は、押しつぶされ、律動を繰り返すたびに変形した。
「ああぁぁん……やあぁん……」
時には、ただ貫かれるだけでなく、円を描くように動かされ、鳴かされる。
脚を持ち上げられ、身体を折りたたまれる体勢にさせられ、より熱のこもった嬌声をもこぼした。
「あっ……あんっ、あっ……はぁん、あんっ……」
そのまま真上から打ち下ろされ、高みへと持ってゆかれる。
もう戻ってはこれないことを、彼女は直感し、快感の中を何かが遮ったような気がした。
「ああっ、ああんっ……来て、奥に来てえっ!」
しかし、男を誘う声しか、いまの彼女の口からは出てこない。
相手の腰を縛りつけ、男根を締めつけたその瞬間には、熱いものが大量に放出され、さらには隙間からあふれ出す。
下腹部から胸元に流れる白濁を見て、お竜は笑みをこぼし、自らを犯すものと一緒に、達した。
「あっ……気持ち、いい……もっと……」
お竜が次に誘ったのは、すでに何度も揉みほぐされた胸部だった。
二つの山を手で両方から押し込み、グレートチキンのものを挟み込む。
並の娘よりも、ひとまわりもふたまわりも大きいそれには、犯され続けた証がたっぷりと残されていた。
奉仕をするには充分な滑らかさと、媚薬の香り。
「ふふ……気持ちいいの?」
竿を、あるいは袋を包み込み、媚薬を流し込むための管を刺激する。
その先端からは、新たな先走りが溢れ出し、彼女の身体の熱はまた燃え上がった。
やがて、胸での愛撫は根元と陰嚢だけになり、舌を伸ばして雄の最も敏感な部分を擦る行為に移行した。
ねっとりとこびり付いた淫液を舐めとり、清めてゆく。
自分の液と、相手の液を同時に口にし、それが済むと先端を咥え込み、吸い上げる。
だが、半端な量を舐め取らせるだけでは、彼女の欲望を抑えるにはとても足りなかった。
徐々にお竜の舌の動きが激しくなり、むしろグレートチキンの腰を動かすためにと奔放になってゆく。
「んちゅ、んっ、んぅ、んっ、んっ……」
もはや、搾り取ることしか頭にはなかった。情欲の炎が燃え盛っているのに、それを満たすものがないのだ。
胸が高鳴り、乳房の突起はなんとか甘い刺激を受け取ろうと突きあがっている。
その時、こんこんと男女の液を垂れ流す膣に、新たなものが侵入した。
「んぁ、はあああん……!」
それは覚えのある感触だった。ミノタウロスの剛直だ。
既に十近くもの射精を受け入れたそこであっても、ミノタウロスの摩擦は強烈だった。
それは犯す側にとっても同じである。お竜の身体は、魅惑的でありながらも引き締まっている。
吸い付き、締めつけるそこを犯し、性欲を満たしてゆくことができた。
「あぁんっ、はあんっ、はぁ、はあぁ……」
悦楽のあまりに、口での奉仕がままならなくなっていた。
お竜もそれを察し、さらなる淫行のために、あえて口と胸での奉仕を止めた。
代わりに口を開いたまま小さく舌を出し、とろけきった表情ででグレートチキンを見つめる。
口を犯してほしい。その淫欲を強く示すために、空いた腕を男の背へとあてた。
「来てぇ……ん、んぅ……」
そして望みどおり、上下共に性の玩具として使われる。
両方を突かれて苦しくはあったが、視界が完全にふさがれたのは、かえって興奮を煽ることになった。
さらに、止んでいた輪姦がふたたび行われたことは、ゲイズに媚薬漬けにされた時のことを、呼び起こさせた。
「んんっ、んううっ……!?」
条件反射が、無意識に淫らな身体を生み出していく。
たっぷりと吐き出され、あるいは彼女自身が分泌した蜜とで接待している膣が、男をきつく締めあげたのだ。
それに応じて膣を往復する動きは加速し、奥深くを集中的に責める。
「ぅんっ、んっ、んんっ!んっ……!」
そして、上下共に奥底に打ち付けられ、お竜はその瞬間を一度に味あわされた。
「んんっ、むぐううぅっ……!?」
口腔に、膣内に、収まりきらないほどの精液が放出される。
大量の媚薬を注ぎ込まれたのを悦んで受け止め、お竜は従順に飲み込んでいった。
興奮の最高点に達し、下半身を本能のままに震わせる。
「こくっ、んっ……こくん、こく……」
上下が蠕動し、獣人の溜まっていたものを搾り出す。
すると、ミノタウロスの亀頭が子宮口をとらえ、直に熱いものを流し込んだ。
「ぷぁっ……奥、奥に来てる……いいいぃぃ……!」
これまでで最も刺激的な絶頂を迎えて、それを鳴き声で示さずにはいられなかった。
そして、ミノタウロスの興奮も、彼女が乱れれば乱れるほどに高まる。
「あはぁ……もっと、出して……っ……」
お竜と共に、ミノタウロスも腰を動かして、残りを吐き出してゆく。
催淫の夢心地に飲み込まれ、彼女の意識はそこで途切れた。