「相変わらず色気ねぇな…」  
キョーコを見下ろしながら尚はあからさまな溜息を付いた。  
「な、な、な」  
あまりの怒りにキョーコは顔を真っ赤にして怒鳴る。  
「そんなことアンタに関係ないでしょうっ!!!」  
「いーや?あるね」  
「何がよーっ!!!」  
「俺が楽しいから」  
そう言って尚は一緒に住んでいた時と変わらない悪戯っぽい笑みを浮かべた。  
一瞬面食らったキョーコの隙を突き、湧き上がってくる怨霊キョーコを器用に叩き落としながら、  
尚はさらに体重を掛けくる。  
柔らかい楽屋のソファーの中に身体を沈められている所為でもがく事すら満足に出来ない。  
キョーコは唇を噛み締めて尚を睨んだ。  
 
「ん…っ」  
噛み締めた唇を甘く舐められ、顔を背けた拍子に頬を滑った唇がキョーコの耳朶を食む。  
「…キョーコ、その顔…スゲーくる」  
「なっ!!」  
聞いたことも無いような低音と舌を耳の中に送られてキョーコの身体がひく、と小さく震えた。  
ああお前耳弱かったよな、と確信犯的な笑いを含みながら言われてキョーコの体温が上がる。  
その台詞にあのマンションで尚に抱かれていたときの自分の痴態を否が応でも思い出してしまう。  
尚の愛撫にとろとろに溶かされ、泣きながら尚の猛りを強請り、喘ぎながら夢中で腰を振った。  
最中に囁かれる愛しているという言葉が、今となっては唯のリップサーヴィスでしかなかった尚の言葉に、  
どうしようもなく歓喜し、登り詰めてしまっていたあの頃の愚かな自分を。  
 
あの頃自分を狂わせた指が服の合わせ目からするりと入り込んでくる。  
逃れようとしてもがいても圧倒的な力の差に加え、この不利な体勢だ。  
「やめ…っ、しょ、いい加減にしなさいよっ……」  
必死の抵抗も今の尚をただ煽るだけのようだった。  
間を置いたとはいえ慣らされた身体はキョーコの気持ちを裏切って尚に反応していく。  
尚はするすると手際よく服を剥ぎ、あらわになった白い肌を吸ってやる。  
「あ、んっ」  
思わず声を漏らしたキョーコの身体の熱が上がってくるのが伝わってくる。  
触れた肌がしっとりと汗ばみ、頬は薄桃色に染まっていた。  
どうしようもない衝動を感じて尚は慌しくキョーコのブラジャーを押し上げ、形のいい小さな丘の頂に唇をよせた。  
「だめぇっ、そこ、やだぁぁ…ひぁっ」  
片方の頂を熱い口内で転がされ、おざなりにされていたもう片方の乳房を荒々しく揉みしだかれ、  
キョーコの抵抗に甘い媚が混じりはじめる。  
尚を押しのけようとした手がそのまま尚の髪をまさぐり、もっとと強請るように彼を抱き寄せた。  
 
 

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