こんなはずじゃない。
アイツは俺のモノじゃなかったのか。
思いもかけず復讐のために這い上がってきたアイツを見た時は、
はっきり言ってほとんどアイツのことなんか忘れていたから
ホントにアイツかどうかなんてわからなかった。
だってキョーコだぜ???
どうやったってキョ−コはキョ−コ以上になれるはずもなくて
あんな地味で色気のね−女なんざ眼中なし。
たとえこの世界に入って来たって、俺様のもとに来るなんざ100万年早え!
どういう運の良さなのか、俺のPVに出ることになったとはいえ、
どんなにごまかしたってちょっとカマかければボロだす、やっぱり鈍クサのキョ−コじゃネエか。
テメエなんざ、復讐だなんだ言ったって、俺には痛くもかゆくもないんだぜ?
…………そのはずなのに。
「ああン…尚ちゃん…ダメよぉ…衣装が…んんっ…崩れちゃううぅぅ…」
ポチリが喉を鳴らして俺にすがりついてくる。
イイねえ、この衣装。こいつの胸は好みなんだよな。
ことさら胸を強調する真っ白な衣装をずらし、ノーブラの胸をしゃぶる。
ポチリは胸は色白でほんの少しこすりあげただけでパアッと紅く染まる乳首を
俺は愛おしむように舌でこねる。
「ふぁッ…ふうぅんッああああ…っ!い・いやぁん、尚ちゃぁん…
美森、そこ、弱いのぉぉッ!」
のけぞりながらそれでも俺の頭を抱え込んで胸にすりつけて離さない。
こいつもだいぶ感度が良くなったよな。
祥子さんみたいに余裕のある色気とは違って、こいつはこいつで俺を刻み込んでく良さがあるんだよな。
しかし、長い金髪のカツラにブルーのカラコン。外人とやってるみてえだ。
清純そうな天使の衣装から、こぼれだした胸がスゲエ淫乱だ。
ロングブーツってのもそそるよな…
ゆっくり足を広げさせブーツの足を抱え上げて俺のひざの上にポチリをのせる。
白いレースの下着はもうすでに濡れちまって服の上からでも熱く湿ってるのが伝わる。
「ひあぁッ…尚ちゃん美森・美森…もう我慢できないよおぉぅぅぅ」
ポチリのやつ、自分から腰をもぞもぞ動かして、俺のひざにあそこをすりつけてくる。
はは。いい子だねえ、ポチリ。覚えが早いぞ。
俺は左手でポチリの腰を支え、右手の手のひらをあそこにあてて軽く揺さぶった。
「あああああんっ!ダメえええっ、それ…あああっ強すぎるうウッッ!!」
しがみつくポチリの胸を、噛み付くように吸い付いてさらに揺さぶる。
「ヒアアアアアアァァァッ!!!!」
ガクガクガクッとポチリは痙攣し、イった。
簡単だ。女の身体なんて。
「オイ、早いぞお前。自分だけ。俺はまだだ…ほら…」
ゆっくりポチリを抱えておろすとまだうつろなポチリの目の前に俺のモノを取り出してやる。
ポチリは荒い息を吐きながら、もうろうとしながら舌を出してくる。
スゲエ色っぽい。ゾクゾクするぜ。
そうっと柔らかい手で俺を握り、子猫がミルクを飲むようにピチャピチャ音をたてて舐める。
小さな口をあけて喉の奥まで含む。
「お前のその胸でしごいてくれよ…」
「尚ちゃんたらぁ…好きなんだからぁ」
そう言うとポチリは慣れた手付きで白い胸の間に俺を挟み込み、
両手で脇から胸を持ち上げてこねるようにしながら上下しはじめた。
「う…ん…ああ…」
下半身にとろけそうなしびれが寄せてくる。
ポチリの唾液と俺自身の先走りとでぬるぬるになったモノは、ゆっくりしごかれて白い胸の谷間から見えかくれする。
谷間からのぞくたび、ポチリの舌がチロチロと先っぽを舐める。たまらねえ…。
「ああん…ふぁん…んんッ………ああン尚ちゃん、美森、もう…もう…」
パイズリしながらポチリは自分の乳首を虐めていた。尻はもぞもぞ動いている。
「脱げよポチリ、尻突き出せ」
ポチリは白いレースの下着をもどかしそうに脱ぎさると、長いドレスをまくって尻を突き出した。
膝上までの白いブーツに真っ白いドレス。
長い金の髪を振り乱してブルーの目は潤みきってる。
もちろん白い尻のまん中にも潤み切った紅い花弁。
しっかりとその尻を抱え込み、俺はゆっくりと奥まで貫いた。
「ふぅ〜ああああんぅぅぅ〜〜〜〜〜っ」
俺のモノがポチリの内壁をゆっくりこすりあげる。入っていく様子のままにポチリが声をあげる。
「ふあぁぁんん…ッあああっ尚ちゃぁん…すごいぃィィ〜いっぱいだよぉォ…」
たまらないようにポチリの尻がうごめく。
コンコン!
俺たちの楽しんでる控え室のドアがノックされる。
ビクッとしたポチリは無意識に俺を締め付ける。
ポチリは自分の人さし指を噛んで声を必死で押さえようとしていた。
「ああ?なんだ」
「あ、尚、キョ−コちゃんの用意ができたって。そろそろ始めるわよ、撮影。」
ドアを開けずに祥子さんがいった。
俺はゆっくり腰をまわし、必死で声を出さないように我慢してるポチリを刺激しながら
「おお、わかったよ、祥子さん。あとちょっとしたらイク。」と答えた。
ドア一枚隔てた向こうに、俺の女である祥子さんがいる。ひどく興奮するぜ。
「………オイタは控えめにしてね。メイク直しも時間の内よ。」
なんだよ、バレバレじゃンか。ちぇ。
思いきり腰をひいて奥に突き刺した。
「ひあああああッ!!!!」我慢仕切れずにポチリが叫んだ。
さっきまでのゆっくりした動きでも相当高まっていたらしいポチリは、
そこからもう声も止まらなくなって喘ぎまくり、ビクビクイキまくり、
俺のフィニッシュのために正上位に転がした時は、もう半分白目を向きながらイキっぱなしになっていた。
「ううあああっ!」
ポチリの中で思いっきり吐き出した瞬間、なぜだか一瞬だけ、キョ−コのイった時の顔を思い出していた。
祥子さんにポチリの始末を頼んで、先にアイツの姿を拝みに行くことにした。
祥子さんはグチャグチャになってるポチリの姿にかなり呆れていたが、しょうがないわね、と引き受けてくれた。
大人の女はさすが違うぜ。
妙にざわめいてるスタッフの声に?となりながら、
ミルキちゃんの姿を見つけてすり寄る。
がしかし、ミルキちゃんの目は驚きで大きく見開かれていて、俺のことに気付かない。
その視線の先には…………
流れ落ちる金糸の髪
純白のドレス
細く尖った顎のライン
憂いを含んだ瞳
つややかに光る唇には悲しげな微笑
細い首に巻き付いたチョーカーが揺れて
その下に息づく白い胸を感じさせる。
ふわりと立つその姿は
まさに………天使。
「………………マジか」
これが…こいつが俺の知ってるはずの…
「お前…キョーコか」
最後まで言うか言わないかで思いっきり向こう脛を蹴りあげられた。
あまりの痛さに顔が歪む俺の胸ぐらを掴んで
キョーコはチンピラのようにガンたれながら吐き捨てた。
「…痛い?…でもね私のココが壊れた痛みは、そんなもんじゃないのよ」
しっ…信じらんねー。
キョーコのくせに…!
「あんたの知ってる純粋で無垢な私はもうどこにもいないのよ。」
こいつが…こんな…こんなキョーコを
オレハシラナイ
「尚、あなたあの子とは元々知り合いだったの?」
かなり呆然としていたんだろうか。
ミルキちゃんが話し掛けてくるまでの記憶がない。
「…………幼馴染み…だったはず…なんだけどね」
祥子さんが黙ってそばにいる。
あの、俺に復讐を誓ったキョーコを彼女も見ていた。
「…あんなアイツ…俺は知らねェよ…」
あんな悪魔みたいにタチの悪い
−−−−そのくせ あんな………
キレイナキョ−コ
プロモの撮影はキョ−コの空回りで中断した。
なんだよ、結局相変わらずどうしよもネエやつ。
外見だけでびびった俺がバカ見てぇだ。
…ったく、こっちはすげー身構えたっつうのによ。
とんだ取りこし苦労じゃねーか。
落ち込んでるキョーコを見て虐めたい気持ちが沸き上がる。
「まったくお前の言う通りだぜ。
こんな仕事に支障になるやつを降ろさなかったこと、死ぬほど後悔してるよ。」
ビクッとキョーコの身体が跳ねた。怒りでからだが震えてるみたいだ。
睨み返してくることはない。
そらそーだ、自分のミスで進行止めちゃってるんだぜ?
几帳面なこいつにとってはかなりな責めだ。
手をのばして髪に指をからめる。
すうっと引き寄せると、唇噛みしめて怒りを堪えるキョーコの顔が見える。
指に絡んだ髪にくちづけしながら肩を抱き寄せ、耳もとで囁いた。
「…頼むから今度はちゃんと綺麗な画になるように………」
ガラスのイヤリングのついた耳たぶを軽く食む。
キョーコの身体がまたビクッと跳ねる。
「…一生懸命」
うなじに息をかけながら唇でなぞる。
こいつはこうされるのが弱かった。
ぶるッと身震いをして息をつめている。
「…演ってくれよな」
いきおいよく胸を包んでいた衣装をずらし、白い胸をむき出しにする。
それまでされるがままになっていたキョーコは「何を…!」と叫んで離れようとする。
逃がす訳ないじゃん。
お前は俺のもんだし。お前をどう扱ってもいいのは俺だけだ。
腰にまわした手で抱き寄せると小ぶりの乳房の先端に食い付いた。
「ひ」
キョーコは思わず声を出しそうになって唇噛みしめる。
手をあげて俺の顔を叩こうとしたその瞬間こう言い放つ。
「いいのか?俺に傷をつけたら、また進行が遅れるよな。
これ以上おまえのためにスタッフに迷惑かけるんだぜ?
この役を降ろされる以前に芸能界失格だよな。」
間違いなくキョーコの手は止まった。
そして怒りに燃える目で俺を睨むと歯を食いしばるようにしてされるがままになる。
いつまでそんな虚勢を張ってられる?
お前の身体なんて知りつくしてんだよ。
口を大きくあけて、小さく尖った乳首を舌で転がす。
キョーコは堅く目をつむり、声をあげるもんかと唇を噛んでる。
頬が少し上気してんのがわかるぜ。
片方の手でなでさすり、乳首をくりくりと虐め、もう片方は俺の唇の間で蹂躙する。
こいつの胸をこんなにいじりまわすことってあったかな。
今一つ貧弱なんだよな。でもあらためて味わうとなんとも気持ちのいい肌だぜ。
「…!……んっ…!」
必死で我慢する顔が苦悶に歪むキョーコ。
「我慢しなくていいんだぜえ?スタッフは全員あっちの現場にいるさ。誰も聞いちゃいないぜ。」
堅く閉ざした唇を舐めまわす。
「感じてんだろ?お前、いつもいつも俺にやられてよがってたもんな。
前みたいにい叫べよ、『ショーちゃあん、イイよぉ〜』って。」
かっと目を見開く
怒りで全身がわなないてるのがわかる。
だけどドレスの下にしのばせた俺の指は確実に熱く湿ってきたキョーコの下着を捕らえていた。
怒りでくらくらする。
こんな男にまたいいように遊ばれてる自分が悔しい。
あまりのこいつへの憎しみのせいで、演じきることができなかった天使。
何度やり直しても私は私の天使がつかめない。
こいつの顔を見るだけで殺意が走る。
そしてまた、こいつに卑怯な手で
…………人に迷惑をかけている自分を引き合いに出されて
抱かれようと言うのか。
悔しい。悔しい。
だがここでもし、私が逆らえば、この仕事は降ろされる。
LMEにも知らせは行くだろう。私がどんな失態をしたのか。
…………そして
もちろん敦賀さんにも知られるんだろう。
私が復讐のためにこのPVの仕事を受けて、なすすべもなく芸能界失格なことをやってのけたことを。
…敦賀さんに…知られる。
イヤだ。そんなのはイヤだ。
また軽蔑されるのが怖い。
嫌われて、もう、私を見てもくれなくなるのが怖い。
ショータロー
あんたなんかで感じたことなんてない!
いつもレディコミの真似して喘ぎ声を作ってただけよ。
感じてるふりしないと、あんたの機嫌が悪くなるからって…
笑えるほどおばかさんだった私。
でも、どうしたんだろう
敦賀さんに何度か抱かれているうちに
私の身体はとても感じやすくなったんだろうか。
彼に抱かれてあれほどのSEXの快感を教えられた私の身体は
他の男にでも反応するのか。
…憎くてたまらない男にでも。
身体の芯が熱い。
こんなやつに感じさせられたくないのに
身体は確実に身体の上を這う快感を追う。
声をあげないでいるのが精一杯。
だがショータローの指が下着の中心に触れた時、私は思わず声をあげてしまったのだ。
「ふ・あああっ」
キョーコの口から初めて声があがった。
レースのショーツはもうじっとりと濡れて布地の上からでも熱くて蕩けてるのがわかる。
こいつ、こんなに濡れるやつだったっけ?
すうっと脇から指をいれて、その蕩けきってる熱い中の小さなクリを探る。
思わず身をよじるキョーコを逃がさぬように押さえ付け
指先は今まで感じたことのないくらいの熱い潤みの中で自由に動き回り、目的のところへ難なく辿り着いた。
そこは俺が知ってるキョーコのクリの大きさをはるかに凌ぐくらい、
熱い大きな真珠となって俺の指の刺激を待っていた。
「ひ・ああああぁぁぁぁっ!!!」
キョーコの背中が反り返り、たまらず声があがる。
腰がうごめく。
…?なんかおかしい。
そりゃ今までだってこいつは「イイよぉ、すごいすごい〜」とよがっていた。
しかしこの余裕の無さは何なんだ???
今にも泣きそうな顔。潤んだ瞳。
ほとんど意志と関係なく、ソコはもっと快感を欲しがっているようだ。
まるで今まで俺がキョーコとやってた時、こいつがよがっていたのがまるっきりウソだったような…
まさかそんな。
じゃあ、でも、このギャップは何なんだ??
こんなキョーコを
オレハシラナイ
天使の顔したキョーコは、今や体中を上気させて、俺(悪魔)の蹂躙に快感を止められずにいる。
いけないとわかっていても身体が快感をむさぼっている。
まさに背徳の瞬間のような…
ぶるッ…っと身震いする。なんか、スゲエ興奮するぜ。
同時に疑問が頭をよぎる。こんなのは演技の訳はねえ。
…じゃあ、なんだ???
なんでこいつはこんなに感じるようになったんだ???
モシカシタラ
いや、そんなことがあるはずがない。
キョーコだぜ?
こいつのことは俺が一番良く知ってるじゃ無いか。
そしてこいつを好きに扱えるのは俺の当然の権利だ。
ホカノオトコニダカレタワケハナイ
振り払うように俺はまたキョーコの胸に食い付いた。
バカなこと考えないでさっさとやっちまおう。
どうせまたこいつは
「イイよぉ〜ショーちゃああん〜もっとぉ〜」ってよがるに決まってるじゃないか。
今はまだ意地はってるだけなんだ。
だから我慢してそんなふうに見えるだけさ。
指を奥までグウッと押し込む。
そのまま揺さぶると面白いように声があがる。
「うっ…あああんっ…や・あ・んんんっだめっ…!やめて…よっ」
やめる訳ねえじゃんバーカ。
「欲しいくせに…見ろよドロドロだぜ、お前ン中。
欲しいって言えよ。前みたいに…
意地はらなくていいんだぜえ?
お前の大好きな俺のモノを…欲しいって言えよ…」
また唇噛みしめてグウッと声を出さないように我慢しやがる。
目は堅くつむられて、俺を見ようとしねえ。
俺は素早くジッパーを下げ、俺のモノを取り出した。
キョーコの手をとって握らす。
耳もとでまたうなじを愛撫しながらだめ押しした。
「わかってるだろうけど。
その手で傷をつけたら、お前はもうこの世界にはいられないぜ?
さあ、俺を満足させな。」
キョーコの手が震えてる。
爪を立てやしないか、ちょっとヒヤヒヤしたが、俺の言った意味がわかったみたいだな。
そうッとさすり出した。
このままこいつのモノを、引きちぎってやれたらどんなにスッキリするんだろう。
そうはできない自分が悔しい。
こいつと私の今の立場の違いが身にしみる。
ゆっくりと擦り出すと、意外にもショータローのモノの形も大きさも
すでに手にしみ込んだような記憶が蘇る。
どこが気持ちいいのかもすべてわかってる。
ここのくびれをこう擦るのがイイのよね。あんたは。
ここのすじをこう…
ああ、もう、こんなこと、忘れたいのに、まだ覚えてる自分が情けないわ!
「う…ん…いいぞ、そう…
おまえ相変わらずうまいじゃんか…」
このままこの手でイかしてしまおうか。
そう思った瞬間、ショータローの指がグウッと私の奥の弱いところに擦れた。
「ひ・あ・んんんっ」
思わずしがみついて身体を震わせた。
そこは敦賀さんがいつも私を抱く時に意地悪してゆっくり責めてくるとこ。
腰をグウッと沈めてくねるように動く。
「あああんっだめえっ…そこ・そこはぁっ」
このあといつも私が懇願するのを楽しむように敦賀さんは責めるの。
一瞬、私を責めているのがショータローだと言うことを忘れて首にしがみついてしまった。
「あっ…あっっ…ふ・うんっ…あああんっ…だめぇっ…や・ああっ…」
だめ。キモチイイ…
腰がもう自分の意志とは関係なく、グイグイ動く。
もっと、もっと…ああ…キモチイイ…
「は・あああああッ…い・いい・あ・あ・ああアッ…や・ダメぇ!!!」
大きく身体を震わせて軽く痙攣したあと、いつものように息を吐いて
「も…だめぇ…我慢できないぃ…オネガイ…敦賀さ…」
潤んだ目で懇願しながら顔を見て、
彼と違う顔に、それも憎くてたまらない男を間違えたことにがくぜんとした。
…………今、何つった?
この世で一番いけすかないやつの名前を、こいつは今吐かなかったか?
一瞬、見たこともないような色っぽい顔をして俺を見て
そのあと思いっきり凍り付いたこいつは
今、誰の名を口にしたんだ????
「…お前、今なんつった?」
「…」
「何っつったんだよ!今、誰の名前を呼びやがった!??」
キョーコは固く口を閉ざした。
いや、俺は確かに聞いた。
アイツの名を。
「敦賀って、アイツか?アイツなのか??」
「…」
「何とか言えよ!キョーコ!!」
すべての愛撫の手をやめ、俺はキョーコの肩を掴んで揺さぶった。
ガクガク揺さぶられながらキョーコの顔は氷のように凍り付いたまま、
何の反応も示さない。
そのことが、語るよりももっとはっきりと俺に確信を持たせた。
アイツが…お前を抱いたんだ。
あのヤローが、俺様のモノであるキョーコに手を出しやがった。
暗い感情が沸き上がる。
片手であごを掴み、そのまま壁に押し付けた。
ぎりぎりと指先に力が入る…
キョーコの顔が苦悶に歪む。
ほとんどぶつけるようにして口づける。
キョーコは固く口を閉ざし、俺を睨み付けている。
あごの付け根を圧迫して無理矢理口を開けさす。
歯を食いしばろうとしたキョーコもなすすべなく唇が開く。
その中にゆっくりと舌をいれ、キョーコのそれにからめる。
俺の舌から逃げ回ろうとするが、それがかえってキョーコ自身の反応を引き出していた。
「んっ…ぐ…んうっ…」
こんなにこいつの舌を甘く感じたことがあったろうか。
蕩けそうな思いでたっぷり蹂躙していく。
憎悪をぶつけるように睨みつけていたキョーコの目はだんだん潤みを帯びてくる。
さっきの高ぶりがまだ残ってるのかもしれない。
「お前は俺のもんだろ」
グググと身体ごと吊り上げるように締め上げる。
「いつからそんな女になった?キョーコ。
家政婦から娼婦にまで落ちたのか?
は。お笑いぐさだぜ。それがお前の成り上がり方かよ!」
他の男にやられた。
それもよりにもよってアイツだ!敦賀 蓮!
こんな侮辱はないぜ、キョーコ。
「どんな顔して抱かれたんだよ。見せてみろや!」
バッとドレスをたくしあげ、ショーツを剥ぎ取る。
薄いレースの生地はあっさりと裂けて足元でゴミになった。
必死で足をばたばたとして抵抗するこいつは、まだ自分の立場がわかっちゃいない。
お前は俺のもんなんだよ。
いつでもどこでも俺に抱かれるのを喜んで受け入れなきゃならないんだよ。
それがお前の幸せだろ?
『なんにもいらない
ショーちゃんがいてくれるから
他には
もうなんにもいらないの』
そして前みたいに啼けばいいんだ。
「イイよぉ〜ショーちゃあん、もっとぉ〜」ってな。
あのヤロー、ぜってえ許せねえ。
人のモノに手ぇ出しやがって。
荒々しく指を入れて揺さぶる
俺の手のひらにキョーコのクリがあたって、キョーコはたまらず腰をくねらせた。
唇は相変わらず俺が占領してるから、苦しいのか感じてるのかわからない顔をしてる。
片足をガバッと抱え上げ、
しとどに濡れそぼってるそこに俺のモノをぶち込んだ。
「!ぐウっ!!!んむっぐううううっ!!」
壁にぶつけるように腰で突き上げるようにキョーコの中を突き進む。
「…!…!く・かハァッ!」
唇を解放して胸を含む。
小さめの乳首はもう固く尖っていて、カリッと噛むとキョーコがのけぞって叫んだ。
「ヒアアアッ!!い・いやぁああああっ!!やめて!やめてよぉ!…あ・くウぅぅ!!」
突き上げられ、身体ごと揺さぶられ。乳房はもみくちゃにされ、乳首は思うさま嬲ってやるぜ。
「い・やぁぁっ!だめ・だめぇ!!」
いや!!!!
こうなるかもしれないとわかっていたけど、
やっぱりイヤだ!
ショータローなんかで感じたくない。
でも、もう、からだが受け入れてしまってる。
懐かしい身体。ショータローの匂い。
今はもう忌わしい記憶のはずなのに、私の身体はあの頃の思いを引きずってるの???
あの頃は苦痛でしかなかった挿入が、今はもう歓喜の思いが駆け上がるくらい快感を伴う。
ああ
敦賀さんに愛されて本当の快感を知ってしまったのが
こんなところで
こんなやつに
感じさせられることになるなんて。
「いやぁッ…あ・ああアッ…い・いやょぉ…ああんっ!あっあっあっあああああっ!!」
身体ごと揺さぶられるたび私の中からドロドロに溶けていく気がする。
片足がショータローの腕に抱えられている。その姿勢でたったまま貫かれ、胸を思うさまいじめられてる。
こんなこと思ってる場合じゃないのに
悪魔に天使が陵辱されている様があからさまになって、そのことが私をドキドキさせている。
ああっ…いやっ!!こいつになんか感じたくないッ!!!
でも…でも…ああ…あああ…ん…もう、もう…どうしよう…こんな……!!!
「い…あ…っ!!い…ぃ」
思わず口からもれる喘ぎ。
バカ!私のバカ!
敦賀さん…敦賀さん!!!どうしよう…私、私…感じちゃうよぉっ!!
「ひああああっああんっ!!あうんっ!い・いい…あああっ!!」
…こいつ…!!!
何なんだこの感じ方は??
見たことない。こんな喘ぎ。こいつがヤってる最中に、こんなに色っぽく見えたことなんてない。
今までは動けと命令しないと動かなかった腰が、
どんどん溢れてくる愛液をとどめることなく、せつなげに自分から快感を求めてうごめいてる。
コンナキョーコハシラナイ
「ふっ…アッ…ああんッい・いい一!ああうっ…だめえっこんな…こんなぁっ…ひうううっ!」
降ろしてたもう片方の足を自分から俺の腰に巻き付け、腕はもう首に絡み付いて俺の頭を抱え込む。
乳首を両方かわるがわるに嬲ると小さい痙攣をくり返し、
その動きがまた、内部で俺をヤワヤワと締め付けて奥に奥にと誘う。
「キョ−…コ…お前…こんな」
すごい。
下半身がもう、意志と関係なく、本能だけで突き上げをくり返している。
そしてキョーコも、それをもっと奥に奥に飲み込もうと答えるように動く。
たまらず口付けて思い切り舌を吸うと、今度は俺の舌に答えるように舌が絡み付く。
頭の中がスパークしそうだぜ!
これがキョーコか????
ホントウニオレノシッテル
キョ−コナノカ????
「ああああんッ!!もう・あああっもう…ダメ・ダメえええ!!」
足を思いきり絡み付けてキョーコがのけぞった。
俺も爆発寸前…!
ビクビクビクッ!!!!
身体をくねらすように痙攣するキョーコ。
こんなイき方をしたこいつもはじめてみた。
「ひ・あああっっ!!!ふああああっ…ん…敦賀さ…」
!!!!!!
「うおおおおおおっ!!!」
俺は怒りにまかせてキョーコを突き上げる。
お前も許さねえぜ。キョーコ!
俺の印をたっぷりとその身体に注ぎ込んでやらあ!
「!!!いっ!!ヒあああっ!!ダメえ!また…ああんん!!またイっちゃうぅぅ!!」
キョーコが二度めの大きな波にさらわれた瞬間、俺は一番奥に熱い精をたっぷり放った。
息がおさまるまで、壁にキョーコを押し付け
その上にのしかかるようにまだ中に俺のモノを入れたままでいた。
「…………なして」
あ?
「…離してよ。これで満足なんでしょう。」
ついさっきまで蕩けんばかりのせつなげな目をしてたのに、
まるで別人のような冷たい目で俺を見下ろしているのに気付いた。
「ンだよその目は。お前もスゲエ感じてたじゃないか。どのツラ下げてそんな目ができるんだ?」
カアッと頬に赤みが走った。
そうさ、そうやってイイ子にしてれば俺だってまたちょっとは考えてやらア。
「お前は俺のもんなんだよ。わかったろーが。
身体は正直ってことだな。
俺の印をたっぷりと注ぎ込んでおいたからな。
まあ、あのヤローにヤられたのは許せねえが、その分はまたじっくり思い知らせてやるさ。
ありがたく思え。」
「く」
ん?
「く・ふ・ふふふ・ふはははは・あはははははははははっ!」
まだ俺を中に入れたまま、キョーコが突然笑い出した。
「何だよ、おい、何だってンだよ。
おい!その薄気味悪い笑いを止めろよ!」
そんなに嬉しいのかよ…そう言いかけた時
氷のように冷たい目で俺を見下ろしてるのに気付いた。
慌ててキョーコの身体から飛び退くと、
俺のモノがズルリと抜けたところから白い精液がドロリと筋を作って足首にまで流れ落ちてきた。
その姿を隠そうともしないで、キョーコは冷たい目をして笑っている。
「こんなことで、あんたが私に印をつけたって??
本気でそんなこと思ってるの?チャンチャラおかしいわっ!
バカだバカだと思っていたけど、ここまでおバカさんだったのね。あ−おかしい!」
あははははははははは
カンに触る笑い方をしやがって、キョーコのくせに!!
バシッ
カーッと頭に血が昇って思わず頬をはたくと床に転がるキョーコ。
頬を押さえてきっと睨み付けてくる。
「抱かれたからどうだって言うのよ。感じたからどうだって言うの!
所詮あんたは私の心なんてどうでもいいんじゃない。
どんなに屈辱だったかなんてどうでもいいんじゃないの!
そーゆーあんたに私はとっくに愛想がつきてんのよ!私があんたに感じるのは、今、憎悪だけなの!」
何を言ってンだ?
お前は俺のもんだろ。
お前は俺だけが大事なんだろ?
そんなのはもうずっと昔から…
なのに凄まじい目で睨み付けてくるキョーコに、俺は声が出ない。
「…ありがとう」
ふわりと立ち上がり、突然天使のほほえみを浮かべてきたので、たじろぐ俺。
「私、さっきかなり凹んでたけど、これでとてもじゃないけど引き下がる気が無くなったわ。
思い知らせてあげる。
どんな手を使っても、今回の仕事は完璧にやるわ。
あんたに思い知らせるために。」
つい、と俺の髪をからめとって耳に囁きかける。
「私はもう、ここまで来たのだとね」
このあとの撮影は散々だった。
携帯で電話をしてたキョーコをちらりと見たが、
どこからどう言うアドバイスをもらったのか、何をどう切り替えたのか、
俺は完璧に食われたのだ。
まさに演技においては俺とは格が違うところをまざまざと見せつけられたのだった。
…キョーコのくせに…っ!
自覚したくはないが、かなりの実力をつけて俺の前にあらわれたのは認めない訳には行かなかった。
『私はもう、ここまで来たのだとね』
キョーコの冷たい笑顔がちらつく。
着替えて出てきたキョーコに声をかけようとした俺は、自分自身で戸惑ってしまった。
…オレハ
ナニヲイウキナンダ????
何だろう、喉がやけに乾く。
言いたい言葉があるのになかなか声にならない。
…オレハ
ナニヲイウキナンダ????
「…!キョ−…」
意をけっして声を絞り出した時、キョーコの携帯が鳴った。
慌てて携帯を探す様子は、昔のままのキョーコだ。
なんだ。思い過ごしだなたぶん。
アイツはやっぱりキョーコじゃねえか。
なんだ。はは。
………って、俺は何を安心してるんだ−!!!
これもすべてあの…
「…敦賀さん??」
…な…に…?
今…
何つった…?
こいつ…!!
幸せそうに電話で話してるキョーコを冷たい気持ちでみながらゆっくり近付く。
何を話してやがんだ。
「今日…仕事で…すごくいい事があったんです…
あの…実は…」
「また知名度があがる事間違いね−仕事できたのが嬉しいんだよ」
バッと携帯電話を奪い取って言い放った。
キョーコの顔が引きつる。かまわず続けてやる。
「俺のPVに出たからな」
ざまあみやがれ敦賀蓮!
人の女に手ぇ出してのほほんと電話してんじゃねえぞ!
「…以上、今日のいい事報告終わり!」
ブツ!
顔面蒼白になってあうあうあう言ってるキョーコにホレッと電話を投げる。
「あんた−!なんてことすんのよちょっと−ー−!!
どう言うつもりよあんた−!」
「なに焦ってンだよ…敦賀って、あの敦賀蓮だろーが」
「そうよ!あの敦賀さんよ!私の事務所の先輩よ!」
そうだよな。そしてお前を抱いた男だ。
恐ろしい殺気をまき散らせてキョーコが怒りに震えている。
「なんだよ!
お前は『敦賀蓮なんて嫌い』なんじゃなかったのかよ!!」
そう言ってたじゃないか!!!
あの頃のお前は。
「どーせあのヤローも遊びだろ。それか単なる珍しもん好きかだ。お前みてえな地味で色気のね−女」
キョーコの後ろから黒いものがゆらゆら揺らめいてちょっとたじろいた。
「あんたなんか絶対許さない!!!」
こんなはずじゃない。
こいつは俺のモノじゃなかったのか。
だってキョーコだぜ???
どうやったってキョ−コはキョ−コ以上になれるはずもなくて
あんな地味で色気のね−女なんざ眼中なし。
…………そのはずなのに。
突然電話を切られた蓮は
ある確証を持って考えを巡らせていた。
あの電話の声…
それに口調…
どこかで聞いた事があるような気がした…
…あるはずだよな…
あんな事…
後にも先にもあれっきりなんだ…
間違いない
あの声は
不破 尚だ
FINE