松「お前の事が好きだ」  
京「…私も…好き」  
 
はいカッート  
 
撮影が終わり、ザワメク中、上機嫌な人物が1人、不機嫌な人物が1人、そして、邪悪なオーラを放つ人物が…1人…  
 
 
「何で、私がショータローなんかに、好きなんて言わないといけないのよ。」  
ぶつぶつぼやきながら楽屋に迎う彼女。-まったく最悪だわこんな映画…。こんなシーンがあるなら、断るんだった。敦賀さんと一緒にまた演技が出来ると思って、台本も読まないうちに、引き受けちゃったのよね。どうせなら、敦賀さんと…-  
なんて考えながら歩いていた彼女。  
ふと前を見ると、彼女の楽屋の前に誰かが立っていた。  
 
-すごい邪悪なオーラを感じる…このオーラって…-  
 
近づいてみると、彼女の予想どおり、長身で美しい男の姿があった。  
 
「つ、敦賀さん?」  
 
やっぱりと思いつつも、予想外の男の登場に、彼女は男を見上げ聞く。  
 
「やぁ、最上さん」  
 
輝かしい笑顔の男の言葉に、マイナス10度の空気が流れる。  
-え?どうして怒ってるの?私何かヘマをやらかしたねかしら?どうしよう…怖い-  
考え込む彼女をするどく睨む男  
 
悪の大王降臨  
 
-とうとう私殺されるんだわ-  
1人馬鹿げた妄想を浮かべだした彼女に、再び男が口を開く。  
 
「最上さん、楽屋に入れてもらえるかな?話しがあるんだけど」  
 
似非紳士スマイルで有無を言わさぬ男  
 
-私には、入れないと殺るって聞こえるわ…やっぱり私を…-  
 
と考え込もうとする彼女の思考を止めたのは、男の一言だった。  
 
「最上さん?嫌なの?」  
 
考え込もうとした彼女は男を見上げて困惑した。  
 
-どうしてこんなに傷ついた顔をしてるの?何かあったのかしら?-  
 
「そんな、嫌だなんて。私がそんな事言うわけないじゃないですか!」  
考え込みながらも、何とか即答する彼女。  
 
楽屋のドアを開け  
 
「どうぞ」  
 
と男に彼女は微笑む  
 
男は思い詰めた顔で、少し間をおき、彼女の楽屋へと入った。  
 
ガチガチ  
 
鍵を閉める音がした。  
 
-え?どうして鍵なんて閉めるのかしら?すごく大事な話しなのかもしれない-  
 
男の表情から、余程の事だと察し、鍵の事など忘れ、心配そうに尋ねた。  
 
「敦賀さん、どうなされたんですか?」  
 
上目使いに聞いてくる彼女を見た男は、無表情に言う  
 
「最上さん。撮影の時、すごく嬉しそうにしていたけど、まだ、アイツの事が好きなんじゃないの?」  
 
「なっ、なんて事を言うんですか!そんな事あるわけないじゃないですか!私はアイツが大嫌いなんですよ!何でそんな事言うんですか?侮辱です。いくら敦賀さんでも許せません。」  
 
彼女は怒り狂い、思わず、大声で怒鳴った!  
 
「大嫌いな男に、あんな笑顔で好きだなんて、いくら演技でも言えないんじゃない?」  
 
男は彼女を睨み付け、近づきながら責めた。  
 
「それは…」  
「それは?」  
 
凄みをます責めに彼女はうまく返事が出来ない。  
 
-そんな…アイツを敦賀さんだと思って、演技してただなんて、本人を前に言えるわけないじゃないの!どうしよう…-  
 
考え込む彼女に魔の手が伸びた  
 
「イタッ」  
 
男は、彼女の両手を掴み、組敷いた。  
 
彼女が何が起こっているのか解らず、動揺して、抵抗出来ないのをいい事に、男は自分のネクタイを外し、素早く彼女の手を拘束し楽屋に置いてあるテーブルに括りつけた。  
 
「な!」  
 
今度は、抗議しようとする彼女の口に、彼女が先程まで持っていたタオルを詰め込み、自分のベルトで外れないよう固定した。  
 
まだ、理解は出来てないものの、身の危険を感じ、必死にもがくがビクともせず、男のなすがままの状態になってしまった。  
 
男は何も言わず、彼女の首筋、鎖骨へと唇を落としていった。  
 
経験も知識も全く無い彼女は、この先、何が起こるのかも解らなかった。  
 
-敦賀さん?どうして何も言わないの?私、とんでもない失敗をしたのかな?だから怒って…-  
 
彼女の目からは本人も気づかぬうちに涙が溢れだす。  
 
-耐えなきゃ。嫌われたくない。この人にだけは…置いていかれたくない-  
 
そう決心する彼女の気持ちに、気づく事なく、無惨にも、男の魔の手は小さな膨らみへと伸びていった。  
 
左手で服の上から、下から揉み上げるように愛撫し、右手は、素早く彼女の服を剥ぎ取っていった。  
 
短い間に、一糸纏わぬ産まれたままの姿にされた彼女は、恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にさせ、目は涙で潤み、本人の意志とは関係なく、男をさらに煽ってしまう。  
 
そんな彼女を見た男には、理性など、全く残ってなどいなかった。  
 
左手は痛いぐらいに荒く激しい胸への愛撫…いや、もう愛撫とは言えぬだろう。  
 
だだ、男は本能のまま、飢えた狼へと変貌したのだから。  
 
次なる獲物を求めるがごとく、右手は誰も触れた事などない、茂みへと下りていった。  
 
本能のままであれ、今までの経験のおかげか、そこへの愛撫には、荒さはなかった。  
 
的確に小さな突起物をみつけ、優しくなでさする。  
 
「んっんん」  
 
彼女は迫り来る快感に、声にならない喘ぎをもらす。  
 
-なんなの?熱い…気持ち良い-  
 
彼女は敏感らしく、少し触っただけで、みるみるうちに、水気のないオアシスから、理想的なオアシスになるかのように、潤いが溢れ出した。  
 
溢れ出した秘部へと指を滑らせば、ゆっくりと収めた。  
 
少しずつ広げるかのように、彼女の中をかき回す。  
 
「んっ んゥ」  
 
声が上がる度に、秘部への刺激は、強く激しいものに変わっていき、彼女の敏感な場所にも刺激を与え続けた。  
 
声もあげれぬ彼女は、息をするのも苦しく、どうして熱く、感じてしまうのかもわからないまま、一際大きな声をあげ、なんなく達してしまった。  
 
息は荒く、躰はほんのり色付き、色気を漂わせ、男を魅了していく。  
 
-なに?頭が真っ白。私、病気?-  
 
未知なる快感に、脅え、不安でいたたまれない状態の彼女に、更なる追い討ちをかけるかのごとく、男は素早く下半身を剥き出しにし、彼女の中へと堅く反り立ったものを一気に押し入れた。  
 
「ウッ、ウゥ」  
 
痛みに声にならない叫びがあがる。  
 
-な、なに?これはなに?まさか…-  
 
ここまできて、ようやく知識のない彼女は、理解した。  
 
-どうして?-  
 
まともな思考など働くわけもなく、ただただ疑問だけが募っていった。それでも彼女は…  
 
-私、敦賀さんと繋がってるんだ-  
 
痛みと、悲しみと…そして喜びとが混濁したまま、男は彼女の名器とも呼べるような秘部の中で、精を放った。  
「京子は俺のもの…」  
そうささやきながら…  
 
男は、ようやく理性を取り戻し、彼女の表情を見た。  
泣き続けて目は真っ赤になり、最後に言った言葉を考え込んでいた為に表情は無かった。  
 
男は、自分に操を奪われた悲しみの為、泣き続け、そして感情をも消したのだと勘違いし、嫉妬という感情に彼女の気持ちなど気にも止めず事を成した事に激しい自己嫌悪に落居っていった。  
 
男は、ゆっくりと自分の物を抜き、手や口の拘束を外し、彼女に背を向け言った。  
 
「すまなかった」  
 
-あの言葉は私の妄想だったんだ。私のバカ-  
 
悲しみに再び涙を流しだす彼女  
 
罪悪感、自己嫌悪に蝕まれる男  
 
2人のすれ違いは明らかだった。  
 
長い沈黙のなか、男の携帯がなる  
 
ピピ ピピ  
「はい」  
 
何とか携帯を取り出し、出た所  
 
「レン?お前何処にいるんだ?今日はもう上がりだろ?」  
 
何も知らない男のマネージャーが明るく話す声が、楽屋の中に響く  
 
「社さん、すみません。今日はちょっと急用があったので…」  
 
なんとか平常を装い、返事をする男  
 
「なに?んじゃ、先に帰ったって事?まぁいいや、お疲れ様」  
「すみません。お疲れ様でした」  
ツーツーツー  
 
電話の切れた音が響く中、彼女がゆっくりと口を開いた。  
 
「私…敦賀さんに…ここまで嫌われていたんですね」  
男の謝罪を行為に対するものではなく、気持ちは無いと言う事だと勘違いしたのだ。  
 
その言葉に戸惑い、慌てて振り向いた男を見て彼女は、笑った…自嘲気味に…。  
「違う!」  
 
男は、どう言っても、言い訳になるような気がして、否定の言葉だけを口にするのがやっとだった。  
 
再び沈黙が続き、彼女が言葉を発そうとしたその時、男が静かに口を開いた。  
 
「違うんだ。嫌いどころか俺は君が…君が好きで、気持ちを止められなかった。演技だと判ってはいても、アイツを好きだという君を見て、嫉妬して…その…」  
彼女の目が大きく見開かれる  
 
「うそ!」  
 
「嘘でこんな事は言わないよ。君の事になると、自分が止められないんだ。」  
 
悲痛な笑顔で告白する俺に彼女の目から喜びの涙が溢れ出した。  
 
「私、私も敦賀さんが、敦賀さんの事が好きです。わ、私、好きでいてもいいんですか?そばにいても…」  
 
消え入りそうな声で呟く彼女に、今度は男が驚愕する。  
 
「本当に?」  
 
「本当です。敦賀さんの事…いつの間にか好きになって…もう恋はしないと決めたのに、どうしても気持ちを消す事が出来なくて…」  
 
涙を流しながら、必死に話す彼女を男が抱きしめ  
 
「嬉しいよ。つまらない嫉妬のせいで、君に酷い事をしてしまった。こんな俺を…恋人にしてくれる?」  
神々しい笑顔で男が尋ねる。  
 
「私、悲しいはずなのに、敦賀さんとひとつになれた事が…嬉しかったんです。私の恋人になって下さい」  
 
愛しさの募る言葉に、きつく抱きしめ、優しい口づけを交わす。最初は軽く、しだいに深く…。  
 
慣れない彼女の舌を味わいつつ深く深いキスを何度も繰り返す。  
 
「あの…えっと…私を…その…ちゃんと敦賀さんのものに…して下さい。」  
 
顔を真っ赤にして呟く彼女  
 
「君には驚かされてばかりだ。もう君を離さないから。覚悟してね。」  
 
男はそう言い、またキスの雨を降らす。  
唇、首筋、胸へと  
 
途中、何を考えたのか男は扉の鍵を開けに行った。  
 
「敦賀さん?」  
 
不思議そうに尋ねる彼女  
 
「いや、もう鍵を掛けておく必要はないからね。」  
 
似非紳士スマイルで言う男に不信を抱きつつも、彼女は快感に溺れ、深く考える事が出来なかった。  
「あっぁん、そこ、きたな、っい」  
 
キスが秘部へと到達した所で彼女は抵抗するも、力は入らず意味のない行動となった。  
 
「最上さんのここ、おいしいよ」  
 
そう言いながら男は、小さく突起した物を甘噛みした。  
 
「あぁ…あー」  
 
急な刺激に彼女は耐えられず、達してしまう。  
 
「イッたね。またまだ沢山いかせてあげるから。さっき酷い事をしてしまったからね」  
夜の帝王降臨か!?  
「ん、ぅん、あ、そこっ、きもち、いぃん」  
 
突起物を口に含みながら、指でかき回し、彼女の敏感な場所を探り、しつこく攻める。  
 
「もう、もうだめです。その…敦賀さんのを…下さい」  
 
「ん?入れてあげたいんだけど、もっとここを味わいたいんだ。」  
 
そう男は返し、指を抜いた先に舌を張り巡らせた。  
 
ピチャ ヌチャ  
 
わざと音を立て、攻め続ける男  
 
舌で中をかき回し、左手で胸を、右手で突起物を刺激し続けた。  
 
「あぁ、んっ、いゃ、もう、もういっちゃうの〜、ダメ、んっイク〜」  
 
あっけなく達し、意識を手放した彼女を心配そうに覗くが…  
 
少しして、彼女の目が覚めた。  
 
「大丈夫?」  
 
彼女は真っ赤になりながらも。  
 
「大丈夫です。でも、もうあんなにしないで下さいね」  
 
男は、おどけたように言う彼女を、強く抱きしめた。  
ふと、彼女は自分の躰の違和感に気づく  
 
見てみると、彼女の中に、しっかりと男のものが、収まっていた。  
 
突然の事にびっくりした彼女は目をぱちくりさせた。  
 
「いや、意識がない方が、力が入らないぶん、痛くないだろうと思って。」  
 
今度は男がおどけてみせた。  
 
「え?そうなんですか?」  
 
真剣に聞き返す彼女に男は、たまらず吹き出した。  
 
「ぷっー、くっくっくっ」  
 
「ひ、ひどい!騙したんですね?」  
 
怒りに震える彼女  
 
「人聞きが悪いなー。君を騙したりなんかしないよ。  
実際、痛くないだろ?」  
 
キュラレストで返す男に、ますます彼女は怒り出す。  
 
「だって、あっあんっ、ず、ずるい」  
 
男は、抗議しようとする彼女の口を塞ぐかのように、いきなり腰を動かし始めた。  
 
「もう我慢出来ない」  
 
その言葉に嬉し恥ずかしそうに微笑んだ。  
 
「あ!上になってくれる?」  
 
ふと、男が突拍子もない事を聞いた。  
 
「上って?」  
 
知識のない彼女に判るはずもなく、男は説明もしないまま、男の上に彼女を乗せた。  
 
「あっ、恥ずかしい…こんなの…ぃや」  
 
「乱れた君が見たいんだ。見せて。」  
 
彼女の言葉など気にもせず、下から突き上げながら、男は言った。  
 
男は気づいていたのだ。  
 
楽屋に近づいてくる足音に…  
 
最初はぎこちなかった彼女も、下から突き上げる度にみだらに舞続けた。  
 
「あっやっ、っ、つるがさぁあん、ぁん、れっ、れん、れん、好き」  
 
腰を動かし、男にしがみつく彼女。  
2人はいつの間にか座って抱き合うような形になっていた。キスを交わしながら、愛の言葉を囁きあう。  
 
彼女は気づいてはいない…が、男は気づいていた、ドアが少し開いた事も。  
そして、アイツが覗いてる事も。  
 
その為に男は座り合ったような体位にし、彼女の躰をみせないよう、自分の躰で隠したのだ。  
 
「んっもう、れ、れん、私っ、いっ、いっちゃう」  
 
「いって。一緒にいこう。愛してるよキョ-コ」  
 
「ん、イック〜」  
 
一際高い声と同時に、男も果てた。  
自分の物は中に入れたまま、気を失った彼女を抱きしめ、ドアの隙間を睨んだ。  
 
ドアから人の気配がなくなると、男は、彼女を抱きしめ、幸せそうに微笑んだ。  
 
一方  
覗いていたあいつといえば  
 
「キョーコが…あいつと…嘘だろ?キョーコは俺のものなのに…」  
1人ぼやきながらふらふらと自分のいるべき場所に戻っていった。  
 
 
終わり  
 

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