「あんた、今日のデート、そのピンクつなぎでいくつもり?」
「まぁっ!駄目よ、お姉様。今日は蓮様の誕生日なのに!」
ラブミー部の仕事を終えて事務所に戻ると、モー子さんとマリアちゃんにつかまった。
「いや、着替えるつもりではいたんだけど…」
着替え、忘れてきちゃったから、どうしようもない。
「あんたね、相手はあの敦賀さんなのよ?芸能界一のいい男の」
モー子さん呆れられてしまう。
「そうなんだけど…。やっぱりお誕生日くらいはおめかししたかったなぁ」
付き合い出して半年。
初めて、待ち合わせてのデートなのに。
「大丈夫よ、お姉様。」
そんな私の様子を見て、マリアちゃんがほくそ笑む。
「な、何?マリアちゃん」
「私がコーディネートしてあげるっ!」
にっこり笑って、マリアちゃんは通りすがりの衣装さんを呼び止めた。
そんな私達の様子を見ていたモー子さんは、しょうがないわねぇ、とため息をついて、
「着替えたら、声かけなさい。お化粧してあげるから」
と言ってくれた。
服を選んでもらって、お化粧してもらったはイイけど、
「やっぱりコレ、短すぎない?」
白のレースブラウスに黒のジャケット、そして、黒いミニスカート。
「大丈夫よ、お姉様。きっと蓮様もよろこぶわ」
「たまには、それくらいサービスしてあげてもいいんじゃない?」
サービスって…、一体…。
「それよりあんた、時間はいいの?」
時計を見たら、もう約束の時間。
「たいへん!私、もういかなきゃ!」
ミニスカートなんて気にしてる暇はない。
私はモー子さんとマリアちゃんにお礼をいって、地下駐車場まで急いだ。
地下駐車場に着くと、敦賀さんはもう、車の中で待っていた。
「遅くなってごめんなさい」
車に乗り込んで、お詫びをしたら、何だか敦賀さん、にやけ顔?
「あの…?」
怒ってらっしゃいます?って訊こうと思ったら、
ちゅっ、
いきなりキスをされて、頭が真っ白になった。
「どうしたの?それ」
突然のことにパニクっていると、敦賀さんが口をひらく。
「ミニスカート、初めてだ。かわいいよ、キョーコ」
そうだった。ミニスカートだったんだ。急いで走ったから忘れてた。
「あの、マリアちゃんとモー子さんが…」
事の経緯を説明すると、
「じゃあ2人に感謝しないとね」
って、敦賀さんが笑う。
「あの、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
「ケーキ、作ってきたんで後で食べましょうね」
「それは楽しみだな」
敦賀さんを想って、一生懸命作ったケーキ。美味しいって言ってくれたらいいな。でも、
「実は、プレゼント、用意出来てないんです。ごめんなさい」
ここの所、忙しくて買いに行く暇なんてなかった。
「いいよ、プレゼントなんて。こうしてキョーコと2人で過ごせるんだし」
敦賀さんはそう言ってくれたけど、やっぱり、
「プレゼント、用意したかったなぁ」
だって、好きな人の、それも恋人のお誕生日ですもの。
「そっか」
敦賀さんは、微笑ましそうに私を見て、今度は大人のキスをくれた。
「じゃあ今日は、俺のおねだり、何でもきいてくれる?」
敦賀さんがこんな風に、おねだりなんて初めて。何だかかわいいな、なんて思って、
「良いですよ」
答えたら、甘かった。
敦賀さんは、ニヤリ、夜の帝王な笑みを浮かべて、右手をスカートの中に忍び込ませてきた。
「…っ!敦賀さ、」
驚いて声を出してしまった私の口を、キスでふさいで、ショーツの中に手が入ってきた。
「んっ、んんっ」
事務所の駐車場の車の中で、こんなコトするなんて、誰かに見られたら……。
戸惑いと羞恥で胸がドキドキする。
「んっ、んっ」
こんな所で、恥ずかしい部分に指を入れられ、濡れてしまった私の中に、
ちゅるり。
プラスチックの卵みたいな物が入ってきた。
「敦賀さん、何?コレ」
唇が離れて、尋ねると、突然、
「あっ、」
卵みたいな物が、振動を始めた。
「いやっ!敦賀さんっ、なにっ?コレ」
「キョーコ、俺のおねだり、きいてくれるって言ったよね」
言った。言ったけど、
「敦賀さん、ん、コレっ、なに?」
「ローターって言うんだよ。ちなみに、スイッチは俺が持ってる。
今日、一日、それ入れてデートしようね」
こんなおねだりなんて、思ってもみなかった。
「じゃあ、行こうか」
敦賀さんは、何事もなかったかのように車を発進した。
私の中のローターは、まるで生き物のように蠢いて、私の奥の一番感じるトコロを刺激する。
「んやっ、つるがさん、コレ、ぬいてぇ」
「だぁめ。約束だろう?おねだりきいてくれるって」
確かに、約束だけど…。
「ほら、キョーコ。そんないやらしい顔してたら、周りの人たちにバレるよ」
信号待ちの敦賀さんの言葉に、ハッとして周りを見回すと、横断歩道を歩く人たちが見える。
「ん、やぁ」
夕方の、黄昏時。
通行人に顔なんか見えないとわかっていても、カァっと頬が熱くなるのを感じる。
「ん、んんっ」
目をつむって、スカートを握りしめ、耐える私の中で、
「あっ、いやっ」
振動がさらに強くなった。
「敦賀さん、コレ、とめてぇ」
懇願する私の願いなんてきいてくれない。
「喉、乾いたな」
車を、道路脇の自販機のそばに止めて、
「キョーコ、お茶、買ってきて?」
端正な顔立ちを、私に向けて言う。
「や、むり…」
「お願い」
甘えた声でそんな言い方されたら、従わないわけないじゃない。
「あ、今回、だけですよ」
しぶしぶ、了解すると、敦賀さんはにやり、笑った。
「早くしないと人がくるよ」
ちゅ、と私の唇にキスを落として、神々しい笑みを浮かべる。
でも、
「んあっ!」
体の奥の振動音はさらに強くなった。
鍵を開けて、おぼつかない足取りで自販機に近づく。
誰かきたらどうしよう。
お茶を買って、急いで車にもどろうとして、
「はっ、」
もう少しで、絶頂が近いことを悟る。
「んんっ、いっちゃ…」
瞬間。
今まで振動していたものが止まった。
「あ、なんで…?」
いきそうだったのに。
はぁ、と一息ついて、こちらのに向かって来る人影に気付いて急いでドアを開けて車に乗り込む。
「どうしたの?そんな恨めしそうな顔して」
わかっている癖に、敦賀さんが言う。
「ぁんっ、」
また、ゆるゆるとローターが動きだした。
「あ、も、イカせて…」
一時間ほど、ドライブして、イク寸前で何度も止められ、我慢ができなくなっていた。
「もう、我慢できない?」
知ってるくせに。
敦賀さんは、わざわさ訊いてくる。
「ん、あぁっ、がまんできないっ!」
恥ずかしさをこらえて、告げると、
「仕方ないな。キョーコはいやらしいから」
笑って、どこかに車を走らせた。
「ほら、キョーコ降りて」
どこかのラブホテルの駐車場で、ローターを抜いてもらえないままおろされた。
「や、だ、だれかきたら」
「キョーコのいやらしい顔が見られてしまうね」
何でもないような顔して敦賀さんが言う。
「つるがさん、お願い!も、イカせて」
2人用のエレベーターの中で懇願する私に、
「部屋についたらね」
にっこりと笑って頭を撫でる。
もう、我慢できない。
敦賀さんの、大きいのが欲しい。
部屋に入って、バタンと扉が閉まった瞬間、
「ちょ、キョーコ」
敦賀さんのズボンのジッパーを下ろして大きなものを取り出し、
「ちゅっ、んむ、」
口に含んだ。
「そんなに欲しかった?」
既に、大きくなっていた敦賀さんのは、ますます堅くなってくる。
「んっ、んんっ」
ローターが体の中で暴れ回る。
「キョーコ」
私の唇を離して、
「キョーコの口でイカせるつもり?」
敦賀さんはお姫様だっこでベッドまで運んでくれた。
枕元のゴムを取ろうとする敦賀さんを押し倒して、
「おねがい…」
下着を脱ぎ、ローターを取って馬乗りになる。
「こら、もう少し待ちなさっ…」
「あ、はんっ」
自分で腰を下ろして、敦賀さんのものをくわえ込んだ。
「あっ、あっ、あんっ」
自分で腰をふる。
「そんなに我慢できなかった?」
私のシャツのボタンを少しだけはずして、乳首を弄びながら敦賀さんがいった。「んっ、だって、つるがさんが、いっぱ、…じらすから」
憎まれ事を言う私に、ごめん、と苦笑して敦賀さんが腰を動かし始める。
「んっ、あ、いくっ、つるがさんっ、いいっ?」
「いいよ」
敦賀さんの声をきいて、
「んああああんんっっ!!」
達した。
どさり。
達したばかりの私を押し倒して、更に敦賀さんは腰を進める。
「あっ、あんっ、んっ」
イッたばかりのそこは、じゅんじゅんと熱くて、ぎちぎちと敦賀さんを締め付ける。
「あ、だめ、つるがさんっ、そん、な、はげし、」
「あんなに可愛いキョーコを見たら、手加減なんてできない」
敦賀さんの動きに合わせて、ギシギシとベッドが軋む。
「あんっ、つるがさんっ!わた、わたし、また、」
「いいよ、キョーコ。一緒に…」
「あああっ、いっちゃっ、んんんんっ!!」
2人同時に、高みに登った。
「素敵なプレゼントをありがとう」
ベッドの中で敦賀さんが言う。
「もう、しませんからね、あんなの」
「ごめんごめん。でも、可愛かったな、積極的なキョーコ」
敦賀さんの言葉に顔が熱くなる。
「おねだりきいてくれたお礼に、今日は後ろから前から、思いっきりかわいがってあげるね」
「いりませんそんなお礼」
答えながら、今夜は眠れないな、と思った。