いつものように食事を終えた蓮とキョーコは、リビングでじゃれあっていた。  
蓮は、自分の腕の中にすっぽり納まってしまうキョーコを、背後から抱きしめる。  
 
「今日も美味しかったよ、キョーコ」  
「ちょ、耳元はやめてください…もぅ」  
「もぅ?何」  
 
蓮はクスクスと笑いながら、耳元から首筋へと唇を這わせた。  
そして顎に手をかけ、後ろを向かせそっと接吻する。  
 
「デザートもいただこうかな」  
「もう、何言って…」  
 
キョーコの言葉は蓮の唇に塞がれる。深い接吻が続いたその時、  
テーブルの上のキョーコの電話が震えた。  
 
「ねぇ、電話でないの」  
 
唇を離し、無表情になった蓮が尋ねる。  
 
「だって…」  
 
キョーコは蓮のその表情を凝視できず、思わず目をそらす。  
 
2人とも電話の相手はわかっていた。不破 尚…。  
 
「ふーん。じゃ、こんなことしちゃおうかな」  
 
蓮は、電話をひょいっと持ちあげ、ブラウスの中に電話を入れ込んだ。  
 
「ひゃっ…や、やめて」  
 
電話を取ろうとするキョーコの手は、蓮に妨げられた。  
 
「駄目」  
「え…でもっ…あぁ…やっ」  
 
指とも舌とも違う感覚が、キョーコの胸の頂を刺激する。  
蓮はキョーコの首筋を唇で攻め立てながら、いつもより荒々しく電話ごと胸を揉みしだく。  
 
「彼もしつこいね…今度かかってきたらキョーコの声聞かせてあげようか(クス)」  
「い…いじわる…あっ」  
 
電話の振動が止まると、蓮はすっと電話を取り出し、キョーコを抱きしめた。  
 
「さて。本格的にデザートいただいてもいい?」  
「駄目って言っても、無駄なんでしょ?」  
「うん(キュラリ) じゃいただきます」  
 
ベッドルームに移動し、蓮の濃密な愛撫でキョーコがとろけ始めたころ、  
再び電話が震えた。  
片手でキョーコの中を弄りながら、無言で電話を受ける蓮。  
 
「おい、キョーコなんで出ないんだよ」  
「もしもし、キョーコは今取り込み中なんだけど」  
「って誰だよお前!!!」  
 
蓮はキョーコの中を弄んでいだ指を抜く。  
 
「や…やめないで…敦賀さん」  
「ということだよ。尚ちゃん」  
「…なんだてめぇ、何やってんだ」  
「何って、お聞きのとおりだよ。せっかく何度も電話くれたから、  
キョーコの声聞かせてあげたのに…」  
 
クスクスと笑いながら蓮は、尚に聞こえるようにキョーコと深い接吻をする。  
2人の舌を絡める音が電話を通しても尚の耳に聞こえる。  
 
「俺のキョーコになにしてやがる」  
「そんな口2度ときけなくしてあげるから、黙って聞いてな、尚ちゃん」  
 
蓮は電話をキョーコの枕元に置き、軽く接吻しながら囁く。  
 
「観客にキョーコのいい声、たっぷり聞かせてあげて」  
 

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