「ええ…そう…ですね。いえ、大丈夫ですよ、なんでもないです。  
 じゃあ、社さんも現地、に…直接、ですね。  
 はい、わかりました。じゃ、明日。お疲れさまでした……キョーコっ!」  
 
俺が電話している間、叱れないのをいいことに、  
キョーコはずっと俺の下半身に悪戯をしていた。  
頭を押しやり叱ると、例の無垢なまっすぐな眼で、  
しゅん、と小さくなって首をひねりかわいく尋ねる。  
 
「良くなかった、ですか?」  
 
俺はハアァァァァ、と大きくため息をついた。  
 
「そういう…問題じゃないんだよ」  
「じゃ、良かったですか?」  
 
そう、キョーコを「女」にしたのは俺。  
望みどおりになっていくのは喜ばしいが…  
 
「良かったよ。でも」  
「でも?」  
「悪戯にはお仕置きだ」  
 
俺に悪戯しようなんて十年早いよ。  
 

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