「明日は何が食べたいですか?
「んー、じゃあキョーコが好きなハンバーグ」
「もう、敦賀さんの食べたいもの訊いてるのにっ」
最近私と敦賀さんは、こうして繋がったまま他愛のない話をする。
激しく抱き合ったあとは、敦賀さんはその何十倍も何百倍も優しくしてくれるの。
もしかして罪悪感でも感じてるのかな…
激しくもてあそばれるの、実は好き。だからそんなの気にしなくってもいいのにって思う。
そんなこと恥ずかしくて、まだ言ったことはないんだけど。
「キョーコが好きなものが好きなんだよ。キョーコが幸せそうだと嬉しいんだ」
さらりと言われて胸がきゅんとなる。
嬉しい…いつもこんな風に、私を幸せな気分で満たしてくれる。
いつも---そうか、いつも…私だけじゃ、ないのかも。
きっと今までに付き合ってきた女の人にも。
そう思ったら今度はぎゅ、っと鷲掴みにされるみたいに苦しくなる。
バカみたい、私ってば、うぬぼれちゃって。
「敦賀さん…聞いてもいいですか?」
「なんでもどうぞ」
敦賀さんは私の頬や髪を優しく撫でながら促す。
いつも訊きたくて、でもずっと訊けずにいたこと…
「あの…敦賀さんが今まで付き合ってきた女性って、どんな人ですか?」
なるべくさりげなく…重くならないように言ったつもりだけど、
うまく演技できたかわからなくてまともに目が見れない。
「どうしたの、突然」
「…ふと、思っただけで…」
「どうして知りたいの、そんなこと?」
「だって…敦賀さんみたいな人だったら…
綺麗で色気があって、なんでも器用にこなしちゃう素敵な女の人、寄ってきそうだし、
第一なんで----」
なんで私なんかを、と続けそうになって慌てて止める。
前に何度かその言葉を言ったら、敦賀さんはちょっと怒った。
私なんか、なんて言っちゃダメだ、キョーコは自分の魅力がわかってないんだ、って。
その時は素直に受け入れたフリをしたけど、正直未だに納得がいかない。
私なんかよりずっとずっと素敵な人と付き合ってきたはずなのに、なぜ私なの?
こんな風にうじうじ考えちゃうの、悪い癖だってのはわかってる。
だけどいくら考えても変。それが正直な私の気持ち。
「"なんで"、何?」
「……」
見透かすような目で見つめられている、はず。
顔を逸らしたままの私の両頬を、敦賀さんは両手で掴んで無理に自分のほうに向ける。
「キョーコ」
「…っ」
まっすぐな瞳に見据えられて、私は何も言えなくなる。
なんでもありません、って言おうとするのに、喉に詰まって言葉が出ない。
変わりに涙が溢れそうになって…逃げ出そうにも顔を掴まれてるし、なにより…繋がったまま。
もう私ってバカだ。なんでこんな時にこんなこと訊いちゃったんだろ…。
敦賀さんは心底呆れたようにハァァァァァ、と大きくため息をついた。
ますます悲しくなって、こらえきれずに涙が落ちてしまう。
もう…こんな自分がイヤだ…。
「…っ…ごめ…なさっ…」
「なんで泣く?まったく…ほんとに君は自分ってものを理解していないんだよ。
---じゃあ、質問の答えだけど」
敦賀さんは私の涙を舌で掬いとりながら慰めるみたいに囁く。
「忘れたよ、どんな子とつきあったかなんて」
「…嘘っ!」
ぐすん、鼻をすすって涙をこぼず私に笑顔を向ける。
「本当に忘れたんだよ。キョーコにこうしてもう一度出会ったら、
それまでの恋愛なんてすっかり頭から消え去ったよ」
敦賀さんは優しい。
優しすぎて、私はときどき胸が苦しくってたまらなくなる。
こんなに大事にされて、愛してくれてるのに、想いが通じる前より切なくて苦しいかもしれない。
「信じてないね?困った子だな…」
「私も…?」
「ん?」
「私のことも…そんな風に、忘れちゃう?」
そう言って見上げると、唇を強く強く塞がれた。
「ん…ん、んっ…」
勇気を出して訊いたのに、敦賀さんは答える変わりに愛撫を再開した。
左手で乳房を揉んで、右手はお尻から太ももを往復する。何度も何度も…
…ごまかされてる?
違うよぉ、ちゃんと答えてほしいのに…!
やめて、やめて、頭の中ではそう叫んでるのに…でもお尻を撫でる手が熱くて…
また動いて欲しくなってきて、アソコが熱くてうずいちゃう。
やだ、さっき逝っちゃったばかりなのに…
気付いたら頭の中じゃ、意地悪しないで、さっきみたいに激しく突いて!って叫んでる。
私いつからこんなにいけない子になっちゃったんだろ。
なにもかも、敦賀さんのせい。
好きでたまらなくて不安になるのも、
抱いて欲しくてたまんない、なんてこと考えるようになったのも…。
さんざんお尻と太ももをさすったところでようやく唇を解放される。
「また濡れてきたみたいだね」
「…つ…敦賀さんもまた…」
「また?」
もう。いつもこうやって、私にいやらしいことを言わせたがる。
恥ずかしくてたまんない。言いたくないのに…言わないとなんにもしてくれない。
「…また…私の中で…っ」
「キョーコの中で?」
カァっと顔が赤くなるのが自分でもわかる。
やだ…こうなった敦賀さんは妥協なんて絶対しない。
わかってる、わかってるけど---
必死に首を振って、言えない、許して、って伝える。
「教えてよキョーコ。どうなってる?」
「…また…大きくなって……」
「それから?こっち見て教えて」
再び両手で顔を包んで目を覗き込むから目も逸らせない。
もう、どうしてこんなにいじめっ子なの!
「お…っきくなって……固くて…すごく…熱い、です」
「当たってる?」
「ん…奥に…っ」
意地悪ばかりされてるのに、私の中からまたどんどん溢れてくるのがわかる。
ううん、違う。私ってば、意地悪なことを言われれば言われるほど濡れちゃうの。
もうやだ、なんでだろ…私、敦賀さんに変な魔法かけられちゃってるの?
敦賀さんは私の言葉を訊くと、ふっと笑って奥をぐりぐりってしてきた。
「ぁああっ!」
頭が一瞬真っ白になって、自分がそれを待ちわびていたことを知った。
「っ…ほんとによく締まるね、キョーコの中は」
「だ、誰と…比べてる、んですかっ」
「妬いてるの?」
「……」
「妬いてるんだ。嬉しいな。そうだね…昔はそれなりに遊んだんだよ、いろんな女の子と寝たりした。
だけどどんな子たちだったかなんて忘れたよ。キョーコのことしか頭にない。
でもそうだな…あえて比べるとするなら…」
敦賀さんは腰をゆっくり回したり突いたり、私の好きなポイントを探すように楽しみ始める。
「キョーコの中が一番締まりが良くて、一番淫乱だね」
「ゃあっ…あぁん…っ…ちがっ!ちがうの、そんな…そんなこと、訊きたいんじゃぁあっ…あ、ああっ」
そこっ!そこ、すっごく気持ちよくて、もうおかしくなっちゃいそう!
「何度も何度も…一番欲しがりだし、いやらしいことばかり言うし」
「そ、それはぁ…はぁ…ん、や、やだっ…待っ、てっ…それは、つるが、さんが…
…無理に、言わせて…っ、あ、あんー、んっ!」
また大きな波がゆっくりと迫ってきて、我を忘れそうになったところで、動きを止められる。
もう、またっ!いつもそう、私を翻弄して楽しんで…!
いつもいつも敦賀さんの思い通りで……でも…
もぉ…だめぇ…くやしいけどまた、お願い、しちゃう…
だっておねだりしないと、続き、くれないんだもん。
私、ほんとに敦賀さんが言うみたいに、いやらしいのかも。
だって、だって、我慢、できない!無理だよぉ、こんなおあずけ状態。
もっともっと、気持ちいいこと、して欲しいのっ。
「ダメだよ、そんな自分から腰振って。ほんとにキョーコはいやらしい子だな」
「ごめ…なさい…っ…だってぇ、熱くて、疼いちゃうのっ!動くと、あんっ、気持ちいい、の。
めちゃくちゃに、してほし、のっ…い、ぱいっ…いっぱい、いやらしいこと、してぇぇ」
「聞こえる?ぐじゅ、ぐじゅ、って。すごいね、びちゃびちゃになってる証拠だ」
「や…だ…言わない、でぇ、そんな、ことっ、あ、んっ!ね、ね、して?して?」
「なに、して欲しいの?」
また…!も、やだぁ、言うの、恥ずかしいのに!
恥ずかしくてたまんない…のに…そんな敦賀さんの言葉だけでまた感じちゃう…
えっちなこと言われると、私の中が、また熱を持ってきて溢れ始めるのが、わかる。
どうしよう…私、ほんとに、敦賀さんの知ってる女の人の中で、一番淫乱なのかも。
だって、言ったらご褒美もらえる、って思ったら、我慢できずに、言っちゃうもの。
「もっと…もっとして欲しいの…」
「なにを?」
…っ!今日はここで、許してくれないの?いつもはここで、してくれるのに。
「や、やだぁ、やだ、も、やだ、言えない、よぉ、許してえ!欲しい、欲しいの、もっと、欲しいっ」
「だめだよ、ちゃんと言わなきゃわからない。何が欲しいの?どんなふうに?」
そんなの言えない!ひどい、ずるい。とことん追い詰めて、苛める気だ。
両手で顔を覆って、イヤイヤ、って一生懸命、首を振った。
ほんとに、イヤなの、言いたくない!
敦賀さんはその両手を取って、涙ぐむ私のまぶたに口付ける。
まぶた、ほっぺ、耳、首、そして唇。優しいキスの嵐にまた幸せな気分になる。
よかった、許してくれた…
そう思ったら、とびっきりの笑顔でとどめを刺された。
「どうして欲しい?」
ずるい…
逆らえないの、わかってるくせに。
悔しい気持ちより恥ずかしい気持ちより、淫らな欲望のほうが膨れ上がって、私は落ちる。
「敦賀さんの…敦賀さんの熱いので…私の中、めちゃくちゃにっ…いっぱい、かき回して…」
「それから?」
「それ、からっ、奥まで、激しく…何度も、いっぱい突いてっ」
「それから?」
「あと、ぐりぐりって…」
「好きなの?ぐりぐり、ってされるのが」
「好きぃ…大好き…だって、だって、気持ち、いぃの、ヘンに、なっちゃいそぉに、イイの」
「キョーコ、かわいい。全部してあげる」
それからのことは、よく覚えていない。
すごく気持ちよくて、気持ちよすぎて…ほんとは全部覚えていたいのに、頭が真っ白になって…
でもあとで敦賀さんが言うには、喘ぎまくりで逝きまくりだったって。
何度も何度も逝ったのに、もっと、もっと、って、「俺のほうが気絶するかと思った」だって。
もう、恥ずかしい…敦賀さんも忘れてくれればいいのに、あとで何度も報告するの。
覚えているのは、気付いたら優しく綺麗に整えられて、
身体中にキスの跡をつけられてる最中だった、ってこと。
「敦賀さん…やだ私…」
「信じてくれる?」
「え?」
なんの話かわからずに訊き返す。
「俺の頭の中、キョーコだけだ、ってこと」
あ、そうか…私が信じないから…それで怒って今日は一段と意地悪だったのか。
「信じます…ごめんなさい…」
「いいんだよ、信じてくれるなら」
なぜ私か、ってことはよくわからないけど、愛されていることは、よく知ってる。
「明日の…いやもう今日、か。午後は仕事だったよね」
「はい、光さんたちと、収録です」
「……彼って…キョーコに気があるよね、心配だな」
「そんなわけないじゃないですかぁ。敦賀さんってば、変な人」
くすくす笑ったけど、敦賀さんは笑わないまま、胸元で、ちゅ、ちゅ、と吸い付いてる。
「みんなでどこかに行くのはいいけど、ふたりっきりはやめて欲しいな」
「どうしてですか??」
「…どうしても」
ため息をつきながら見上げられる。
「よくわからないですけど、わかりました」
「ほんとに?」
「ほんとです。約束です」
「約束、だよ」
もしかして嫉妬も独占欲も、私より敦賀さんのほうが強いのかな?
そう思ったら、なんだか敦賀さんがかわいく思えて、髪を撫でてあげながら、話しかける。
「敦賀さんってば、甘えんぼさん」
「キョーコ、好きだ」
「私も、大好きですよ」
敦賀さんの愛撫が激しくなってくる。
もうすぐ朝なのに、今日もまた、寝不足だなぁ。
そう思いながら、私は身をよじらせた。
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