「あっあの〜キョーコちゃん?」
「何です?」
「何です?って、何で俺は縛られてるのかな?」
「私の言うこと聞いてくれる約束です。」
「そうは言ったけど、縛る理由を教えてくれてもイイじゃないか。」
-こんな予定じゃなかったのに-
今日は、蓮とキョーコが付き合いだして一周年の記念日だ。
家でゆっくりしたいと言うキョーコの要望で、仕事を早く切り上げ明日は互いにオフを取った。
何かプレゼントをと言ったが、何も要らない一緒に居られればそれでイイのだと言われた。
-あぁ、もうコノ娘は何て顔して、こんな可愛いコトを言うかな〜-
始終その言葉と表情を思い出しては知らずと笑みをもらし、今日と言う日を待ちわびていた。
-どうやって彼女を喜ばそうか?泣かそうか?-
何も要らないと言われたが、それでもと大きな花束を抱え
歓喜と欲望に溢れる気持を抑えつつ家路を急いだ。
向かえ出た彼女の姿に一瞬驚いた。
いつもの彼女は大好きなピンク系の、可愛らしい物を身に付けている。
今日は深いVネックの黒いワンピース姿だ。
ジッと見つめていると、大人っぽい装いとは対照的な愛らしい面を見せる。
「へっ変ですか?」
顔を少し赤らめモジモジとする。
「いや、凄く似合っているよ。」
-その下はどうなっているのか、早く見たくてたまらないよ-
花束を差し出すと『何も要らないって言ったのに。』そう言いながら、だが嬉しそうに笑みをもらし花瓶に生ける。
「あっ敦賀さんお食事はすませてくるって、おっしゃってましたけど…」
「大丈夫、ちゃんと食べたよ。なんなら社さんに確認するかい?」
「いえ、お祝いだしイイかなって、ワインを買ったんです。」
「ワインを?」
「はい。で、軽くおつまみを用意したんですけど、めしあがりますか?」
-未成年だからっていつも飲まないのに、でも酔ったらキョーコはどうなるんだろう?-
好奇心の方が勝った。
だがそれが失敗だった。
ホロ酔いのキョーコは、凶器とも思えるほどの可愛らしさと、色っぽさを纏っていた。
「敦賀さん」と言いながら横向きに膝の上に乗り、首に腕を回してくる。
いつもなら絶対に自分からは、膝の上に乗ってなどこない。
-普段もこの半分でイイから甘えてきてくれるとなぁ-
ゴロゴロと猫のように顔をよせてくるキョーコ、擽ったいような感触が気持いい。
そっと額に口づけ、唇にと思った瞬間キョーコが口を開いた。
「敦賀さん、プレゼントは要らないって言いましたけど、やっぱり貰ってもイイですか?」
「え?あぁ構わないよ。何が欲しい?」
「物じゃないんですけど…」
「何?遠慮しないで言ってごらん。」
「明日まで私の言うコトきいて?ダメ?」
究極とも言える上目使いに、思わず『いいよ。』と言ってしまった。
「ホント?絶対ですよ!」
-まぁキョーコのことだから、ビックリするほどの難題でもないだろう-
で、今や手首を縛られ尚且つベッドの枕元に座らされ、縛られた手首を柵に固定されている。
「準備よーし!!」
アルコールのせいなのか、かなりハイテンションなキョーコ。
「もしもーし、キョーコちゃん?俺の話し聞こえてる?」
「え?あー縛る理由でしたっけ?それはですね…」
何でも琴南さんに受け身ばかりじゃ駄目だとか、自分から誘ったり攻めたりしろと言われそうだ。
自分からなんて無理だと言ったが、酒でも飲めば恥ずかしさも飛ぶだろうとか
いつまでもマグロ状態で飽きられるのと、どっちがいいのかなど色々と吹き込まれたらしい。
-全くこの上無く余計なことをっ!-
うつむき深く溜め息をついていると、シュルッ、パサッと音がした。
音のした方へ目を向けるとそこには、これまた普段のキョーコからは思いもしない姿があった。
ノーブラで黒いレースに縁取られた、真っ赤なサテンのスリップ姿。
深く入ったスリットからチラチラと覗くショーツは、布の部分が極小で両脇を紐で結んであった。
ギシリとベッドを軋ませ、キョーコは四んばいの姿勢でゆっくりと近付いてくる。
真っ白な乳房や、その先端に彩られた小さな突起がチラチラと覗く、ゴクッと思わず喉を鳴らした。
「きっキョーコちゃんがしてくれるのは嬉しいけど、縛られるのは何でなのかな?」
「だってそうしないと敦賀さん私に触るでしょう?」
「俺に触られる嫌なの?」
パッと顔を赤らめ、間を置いてプルプルと首を振る。
「でも敦賀さんに触れられると、直ぐにワケ分かんなくっちゃうんだもん。」
ナルホドと思っているうちに、キョーコは蓮の股間辺りに跨った。
「きっキョーコちゃん、無理しなくてもイイんだよ。だいたい俺がキョーコちゃんに飽きりゅっ、ぁ!」
-なっ何だ今の?俺が出したのか?-
自分自身が上げた声に驚いたが、そろよりもビックリして目を円くしているキョーコの姿が目に映った。
クスッと、いやニヤリとキョーコが笑った。
「敦賀さんも耳、弱いんですね。」
初めは何をされたのか、一瞬で理解できなかった。
だが弱いと判断された耳を、容赦無く舐め回された。
「ヤメッ、んッ!」
耳たぶに吸い付き、甘噛みされ中にまで舌を入れてくる。
「キョッ、コ もーいぃ、くっ!」
空いてる方の耳に指を這わせ、丹念に撫で擦り指で栓をされた。
そのせいでクチュクチュと、耳を舐め回す音に頭が支配される。
それしきの事でまたも声を出しそうになり慌てる。
-ヤッヤバイ、耳だけでこんなになるなんて!-
まだスラックスと下着に包まれたままのそこは、完全に立ち上がろうとしていた。
衣服に阻まれパンパンに張りつめ、今にも突き破りそうな程だった。
どうにか紐を解けないかと、ぐっと手に力を入れる。
-もう我慢できない。早く押し倒して抱き締めたい-
そんな蓮の思いとは裏腹に、キョーコは耳から首筋を伝い激しく上下する喉仏を舐め
吸い付き、肉食獣が如く歯を立てた。
「かふっ。」
喉が押され勝手に、息とも声ともつかない物が漏れる。
うっすら着いた歯形に満足そうな笑みを浮かべ、歯形に舌を這わす。
そのまま顎まで舐め伝い、一呼吸置いて蓮の唇をペロリと舐めた。
「敦賀さん舌出して。」
言われるままに舌を出すと、そう言ったキョーコも舌を出しゆっくりと絡めてくる。キスされるのかと思いきや、舌を絡ませるだけで唇を合わせようとしない。
体を前に出してキョーコの唇を捕えようとするが、スイッと後ろへ下がるように逃げられる。
-なっ何で?何でだよ!?-
こんなにもキスしたい!と思ったのは初めてだった。
キスの攻防に夢中になっていた。
「んあぁっ!!」
不意に新たな刺激に襲われ、あられもない声を上げてしまった。
「へぇ〜男の人もココ固くなるんですね。」
そう言ったキョーコの顔は、新しいオモチャを与えられた子供のようにキラキラしていた。
シャツの釦に手を掛け、筋肉で隆起した胸や腹を露にし、首からそっと臍の辺りまで撫でられた。
肌の感触を楽しむように何度も撫で擦り、
胸に飾られた小さな突起に掌を当て、コロコロ転がすように手を動かす。
さらに親指と中指で挟み、人指し指でカリカリとひっかくようにされた。
「んっ、あぁ…ひゃっ」
-あぁ、もう限界だ。-
内腿がふるえだし息が上がる。
「はぁ、キョーコもうっ!!」
勝手に腰が動き、ビクビクと腹筋を震わせあっけなく達してしまった。
スラックスにじんわりと染みが浮かんできた。
「敦賀さんたら、おもらしするなんて悪いコ。」
フフッとからかうように笑う。
ジュッと全身が羞恥で焼けた音がした。
キョーコは蓮の隣へ座り直しカチャカチャとベルトを外して、ジッパーを下ろし下着の中に手を入れてきた。
「凄く濡れてますよ。下着がグチョグチョになってる。」
そう言いながら少し元気の無くなった楔を撫であげ、再び胸への愛撫を始める。
片方は指で弾くようになぶり、もう片方はチロチロと舐め回す。
舌の表面のザラザラした感触、裏側のヌルヌルとした感触が交互に突起を刺激する。
「ふっ… ぅん。」
握られた楔が器量を増し始めた。
カリッと突起を甘噛みされた。
「ん!!!」
下着の中で蠢いていたキョーコの手が、的確に蓮の弱い箇所を攻め立てていたのもあるが
あっさりと二度目の性を放ってしまった。
「私のこと敏感だって言うけど、敦賀さんの方がよっぽど敏感なんじゃないですか?」
ズルズルと濡れて張り付いた衣服を脱がし、股間に顔を埋めようとする。
「もっいい、もう充分してもらったから、紐をほどいてくれないかな?」
「駄目です。敦賀さんだって私がヤメテって言っても、止めてくれた事無いくせに。
それにココはまだ物足りないみたいですよ。」
二度も達したにも関わらず、さらに大きく膨らんで腹に着きそうな程だった。
「まっ待て、待ってっテ。」
制止も虚しく、キョーコはじゅるりと音を立て、蓮の猛りきったモノにむしゃぶりついた。
「んはっ、キョーコ、キョーコ!」
レロレロ、チュパチュパ激しく音をさせ、蓮を再び高みへと導いていく。
だが不意に楔からキョーコの唇が離れた。
次の瞬間、蓮の人生初の体験が訪れた。
大きく反った楔の下にある柔らかな二つのまろみ、
その一つをキョーコが口に含んで舌で転がしたのだ。
「あっあぁ!!んはっぁ、キョッコ!イクッ」
もう声など抑えようという気は吹っ飛んだ。
キョーコは二つのまろみを交互に含み、手は激しく楔を扱きあげた。
内腿が震えだし頂点に登りつめそうになったとたん、ギュウっと根元を掴まれ開放を塞き止められた。
「このままイクのと、私の中でイクのと、どっちがいいですか?」
根元は掴んだまま、先端にチュッチュッと口づけながら聞いてくる。
「はっ早く、んっキョーコの中に入り、た…い。」
にっこり笑ってキョーコは立ち上がり、スリップの裾を持ち上げて蓮を跨ぐ。
「ねぇ、ほどいて?」
そう言って顔の近くへショーツのリボンを寄せた。
リボンの端を口で掴み首を振ってほどく。
ありがとうと言って、はち切れんばかりの楔に手を沿えゆっくりと腰を落としていく。
「あん、おっき?スゴ…く、はっああん。」
「キョーコ手をほどいて、抱き締めたい。」
「りゃめ、あんっまだ、りゃめ。」
-クソッじれったい。-
スプリングを利用して一気にキョーコを貫いた。
「きゃう、んんぁっ だっダメです。敦賀さんは動いちゃらメなの。」
構わず出来る限り腰を弾ませ押し付け、キョーコの中をかき回す。
「んぁ、ひゃっ くぁ ああん。」
揺さぶられたキョーコの肩からスリップの紐がずり落ち、形のよい乳房が表れた。
ぐっと顔を押し付け突起を含み、吸い付き舐めまわした。
キョーコの中は何の愛撫をせずとも濡れそぼっていたが、いつもより窮屈だった。
それが更に奥の方から締め上げてくる。
「くっ、キツっ」
「あっ あっ もっもうダメぇ、イクっイッちゃうよ。」
キョーコ自身も激しく腰を振り、グチュグチュと蜜の絡み合う音を立て二人同時に果てた。
互いの肩に頭を預け息を整える。
「キョーコ、流石にもう手が痛いよ。」
「ごっごめんなさい。」
繋がったまま蓮の後ろへ手を回し、紐を解いた途端勢いよく押し倒された。
「きゃっ。んんっあぁ!」
繋がったままだった為、激しく中をえぐられた。
「随分悪いコになったね、いつ覚えたんだい?」
-全く、おっ俺の方が哭かされてどうするんだ-
「良く無かったですか?」
「えっ?良かったよ。」
-良すぎ。あんなに早くイクなんて、ガキか俺は。
でも、手は自由になったしこれからだよキョーコ。-
「敦賀さん、今夜は私の言う事きいてくれるって約束覚えてすか?」
「えっ?ああ。」
-まさかこれで終りにして、寝ようとか言う気か!?-
そう思った瞬間、キョーコは蓮の首に腕を回し耳元で囁いた。
「朝までイジメて、私がしたよりずっと悪いことして?」
囁いた後そっと耳を噛んだ。
顔を見合わせると、今まで見たことの無い極上の悪い『女』がいた。
-失敗したな、本当にこんな予定じゃなかったんだ。
溺れて、虜になって、離れられなくなるのは、君のはずだったんだ…-
も う キョ ー コ 無 し で は 生 き て 行 け な い。