高級レストランに蓮に連れてこられたキョーコ。
服も蓮に用意された黒い細身のワンピース。
入り口で上着を預けてきたので胸元が開いて落ち着かない。
しかし初めて口にするような美味しい、しかも見た目に綺麗な料理が運ばれてきて、キョーコはひとつひとつに歓声を上げて喜ぶ。
上機嫌でコロコロ笑いながら話もするようになり、蓮は微笑ましく幸せな気分で見つめていた。
「敦賀さん、食べないんですか?」
「え?ああ、忘れてたよ、あんまりキョーコが可愛いから」
「もう、なに言ってるんですかぁ」
普段なら頬を膨らませて拗ねるところだが、今日のキョーコはいつも以上に楽しいのかまたくすくすと笑う。
それが一層可愛らしく、蓮は少年のように胸を弾ませていた。
と、そこに一人の男が話しかけてきた。
「京子ちゃん?!――それに…敦賀くん…?」
「古賀さん!」
思わず立ち上がるキョーコ。
「えっと…これは一体どういう組み合わせ?まさか…ふたりは付き合ってるとか?」
「あ、あの…」
頬を染めてうつむくキョーコをちらりと見て、代わりに蓮がにっこり笑って答える。
「ええ、そうですよ。デート中です」
「え!!…京子ちゃん、本当?」
「はい…」
なんでいちいちキョーコに確認するんだ?
「…そっか…そっかぁ…」
なんでそんな残念な顔…そうか、この男キョーコのことを――。
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食事中もチラチラキョーコを見る古賀が気に入らない蓮。
ブラック蓮が目を覚まし始め、テーブルの下で、足を伸ばしてつま先でキョーコのスカートの中を苛め始める。
「ちょっと敦賀さんっ…だ、だめっ…」
キュラキュラスマイルで無視する蓮。
顔を火照らせ瞳を潤ませるキョーコ。
そんなキョーコから古賀はますます目を離せなくなる。
あの子、敦賀さん相手だとあんな艶っぽい顔するのか…ゴクリと唾を飲む古賀。